このページは不妊治療の勉強部屋です。

銀座と恵比寿で不妊専門治療院として日々の治療にあたる中で、多くいただく疑問にお答えするページとして皆様の参考になればと思い、作成しました。
できるだけ中立の立場で書いているつもりですが、多少の偏りがあるかもしれません。
その際はご容赦ください。
お伝えしたい情報が多いため、まだまだ追記していきます。
現在は病院での不妊治療に関わる内容となっていますが、今後東洋医学や食事、サプリの詳細についてもご紹介していきます。
治療の理解と体質改善にもお役立てください。
また、私自身も不妊治療経験者です。
その際、夫婦で実際に取り組んだ内容、経験したことなども盛り込んでおります。
ちなみに夫婦とも43歳で第1子目を授かっており、45歳で第2子目を妊娠中、ぎりぎり45歳で出産。
ご参考にしてください。

銀のすずのホームページにも新しい情報を掲載しておりますのでご覧ください。

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微量元素 セレン 〜卵子と精子の老化〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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微量元素 ヨウ素 〜甲状腺ホルモンの原料〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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歴史を遡る人類が食べるべき食事〜妊活の食事〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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インスリン抵抗性〜やはり糖は怖い〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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糖質は控えめに〜妊娠から遠ざかる〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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タンパク質補給にプロテイン〜成分を確認すれば合理的なタンパク質補給〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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亜鉛について〜精子の質を変える〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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マグネシウムについて〜アンチエイジングミネラル〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
キーワード:マグネシウム、アンチエイジング、カルシウム、補酵素、ビタミンD、心筋を含む筋肉の働きを正常に保つ、血圧を適正に維持、血統の調節、カリウム・ナトリウムバランスの維持、ホルモン産生に関与、精神を安定に保つ、骨の構成成分、遺伝子の発現に関与、能動輸送、子癇前症、早産、胎児の成長遅延、疲労感、吐き気、不整脈、動悸、偏頭痛、筋緊張低下、筋痙攣、ADHD、パニック障害、喘息、血栓、動脈硬化、腸疾患、膀胱炎、うつ、糖尿病、心臓病、高血圧、低血糖、不眠症、腎臓病、肝臓病、神経疾患、PMS、不妊、子癇前症、骨粗しょう症、虫歯、インスリン抵抗性
ビタミンB12〜抗貧血ビタミン〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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CD138検査〜子宮内膜炎〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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凝固異常では妊娠の継続は難しい〜血栓ができちゃ栄養は流れない!!!〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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タウリンは疲労を回復させる!!〜つまりは精子の運動率だって変わるんだ〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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Th1とTh2のバランスは不育・着床障害と関係あり!!!〜アレルギーや自己免疫性疾患〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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ベンフォチアミン知ってるかい!!!〜糖質過剰摂取の人たち〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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コエンザイムQ10は妊活の最高なパートナー!!!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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イノシトールは卵子と精子に効果的!!!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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ビタミンDは妊活に大切です!!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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体質改善と不妊治療|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
キーワード:体質改善、染色体、遺伝子、DNA、日常生活、先天的、後天的、運動、卵巣機能、精巣機能、食生活
精子について|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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ビタミンCは生命活動のカギ|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
キーワード:壊血病、アスコルビン酸、コラーゲン、抗酸化作用、貧血予防、美肌、美白、ヘモグロビン、タンパク質、酸化、活性酸素、白血球、風邪予防、抗生物質、発がん性物質、喫煙、出血傾向、血栓
奇跡のDHEA〜妊活での役割〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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ナイアシンは着床率を上げる|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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ビタミンEは妊娠への必ビタ!!!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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妊活中の大豆はやめておけ!!!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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クリニックの採精室|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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精索静脈瘤について|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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トラウマと不妊治療 −心への影響−|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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成功率が低すぎる!日本の不妊治療の残念な実態|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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不妊とは|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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健康なカップルが妊娠する確率は決して高くない!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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不妊と年齢の切っても切れない関係!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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妊娠するにはセックスをしよう!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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太り過ぎはホルモンバランスを悪化させ妊娠しにくくなる!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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痩せ過ぎもホルモンバランスを悪化させ妊娠しにくくなる!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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喫煙は妊娠しにくくし、流産率を高める!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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アルコールはダメなわけじゃない!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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カフェインだってダメなわけじゃない!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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牛乳について|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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ピックアップ障害|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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サプリは飲む?飲まない?|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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女性生殖器の構造と機能を知ろう!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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男性生殖器の構造と機能を知ろう!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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妊娠に関わるホルモンについて知ろう!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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不妊の原因について!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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不妊の検査について!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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不妊治療の流れについて!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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一般不妊治療(タイミング、人工授精)について|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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高度不妊治療(体外受精・顕微授精)について|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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ふりかけ法と顕微授精の違い|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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月経周期について|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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ストレスと不妊|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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生命力と生殖能力|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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怖いエストロゲンについて!|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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活性酸素の恐怖|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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不妊治療の病院選び|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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ERA検査とはなんだろう?|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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排卵誘発剤の種類と副作用|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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睡眠と妊娠に関わる成長ホルモンとメラトニンの関係|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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血行促進が妊娠の秘訣|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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妊活と葉酸について|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|
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セレン微量元素 〜卵子と精子の老化〜

皆さんセレンという物質はご存知ですか…?

セレンは元素のひとつで、原子番号34、元素記号Se、別名セレニウムと呼ばれる金属です。
赤色セレン、灰色セレンなどいくつか同素体がありますが、灰色の金属セレンが最も常温で安定した構造を持ちます。
※同素体…同一の元素からなる単体で性質の異なる物質のこと

人間に必要不可欠な必須微量ミネラルの一つであり、体内で合成することができないため食事やサプリからの摂取が必要な栄養素です。

セレンは1817年に発見され、毒性の強い元素といわれていましたが、1957年に人間の身体に必要な微量ミネラルであることが判明しました。
セレンの代表的な働きはビタミンEの60倍もの抗酸化作用です。
これはかなり重要な成分であることがわかりますね。
ただし、もともと微量元素であるため、過剰摂取は注意が必要です。
1日の必要量、中毒量などについては後述します。

セレンの名称は、元素の周期表に基づいています。
テルルという金属の一種と性質がよく似ていたため、周期表上でテルルのすぐ上に位置づけられました。
※周期表…理科で勉強しましたね。「スイヘーリーベーボクノフネ・・・」です。

テルルはラテン語で地球を意味し、地球の上にはすぐ月があることやセレンが燃える際に月のような光を出すことから、ギリシャ神話の月の女神である"セレネ"を由来とし、名づけられました。

セレンは自然界に広く存在しており、土壌、水、特定の食品などに含まれています。
自然の中では、地殻や海水、土壌などに多く含まれており、水銀などの毒性を軽減する作用があることが分かっています。

誰も知っている水銀汚染による水俣病があります。
水俣病…熊本県水俣市でおこった公害
化学工場から海や川に排出された"メチル水銀化合物"が原因物質。
この物質を魚、エビ、カニ、貝などの魚介類がエラや消化管から吸収し、体内にメチル水銀化合物を高濃度に蓄積した。
これらの魚介類を日常的に多く食べてしまった人々に発症したのが水俣病で中毒性中枢神経疾患である。
症状は、四肢末端の感覚障害(手足の末端に近づくほど触覚、痛覚が鈍くなる)、小脳性運動失調(不安定、動揺性の歩行でふらふら歩く)、中枢性眼球運動障害(視野が狭くなる)、中枢性聴力障害、中枢性平衡機能障害など。
(母親が妊娠中にメチル水銀の曝露を受けたことにより、脳性小児マヒに似た症状を持ち出生する胎児性水俣病もある)

セレンを日常多く摂取している人は、症状か軽かったのではないかといわれています。

セレンは人間の身体では肝臓や腎臓に多く含まれ、成人では体内にセレンが10〜15rほど存在しています。
この栄養素って本当に摂取が必要なの!?というくらい微量にしか存在しません。
しかし、体内でこれほど少量しか存在しないセレンでも私たちの身体にとって欠かせない働きを担っているのです。

ではセレンの働きを詳しく見ていきましょう。

セレンは、体内で抗酸化反応をつかさどる酵素やタンパク質の一部を構成する重要な役割を担っています。
抗酸化反応を持つ酵素とは、身体の活性酸素が増えすぎないように戦っている物質です。

そもそも活性酸素は100%悪い物質ではありません。
身体の中に侵入した細菌やウイルスをやっつけてくれる働きを持つため、ある程度は必要です。

しかし、活性酸素は非常に強烈な酸化力を持っています。
活性酵素が増加しすぎると、細菌やウイルスなどの悪い細胞だけでなく、身体に必要で無害な良い細胞まで攻撃してしまい、ありとあらゆる細胞たちを傷つけてしまうのです。

結果、私たちの体内のさまざまな臓器がボロボロになり、生活習慣病や老化の原因に繋がります。
ここで話す老化というのは、外見のことだけではありませんよ。
細胞すべてが老化するのですから、卵子の質や卵巣、子宮の働き、精子の質にも悪影響を及ぼします。
妊活中に最も避けたいところですよね・・・。

さて、活性酸素はどのように増えていくのでしょうか?

実は、ただ呼吸をしているだけで増加します。
みなさん、毎日生きるために呼吸をしていますよね?
私たちは酸素を吸気し、二酸化炭素を呼気することで、生命活動を維持しています。
一日に吸っている酸素の量は700〜3000L(大人で)にも及びます。
この酸素の2〜3%ほどが活性酸素となります。
毎日14〜21L(700Lとして)も作られる計算です。

呼吸のみではなく、ストレスや紫外線、喫煙なども増加の原因の一つといわれています。
身体によさそうな運動でも、激しすぎる運動は通常よりも多くの酸素を吸気するため、その分活性酸素になる量が増加することになります。
また、ミトコンドリアでエネルギーを産生する際にも活性酸素が発生することが分かっています。
生きているだけで勝手に活性酸素は増加していくのです。

喫煙や激しい運動などの要因はある程度排除できても、生きていくためには酸素が必要なため、活性酸素の増加は止められるものではないのです。

では、減らすことはできないのでしょうか…??
活性酸素の増加をコントロールしてくれるのが、先ほど上述した抗酸化作用を持った酵素たちなのです。

残念なことに、抗酸化酵素の量や作用する力は、年齢で変化します。

例えば、中高生が部活で激しい運動をするとしましょう。
激しい運動を重ねれば、活性酸素は増え細胞を破壊し老化を進行させるというのに肌がぴちぴちで若々しいですよね。
実は、体内に含まれる抗酸化酵素の量は、若ければ若いほど多く、作用も強力なのです。

しかし、年齢を重ねると抗酸化酵素の量は減少、作用も弱くなります。
活性酸素をコントロールするためには、加齢とともに、抗酸化物質や合成に必要な栄養素を体外から摂取する必要があるわけです。

今回のテーマである"セレン"は抗酸化酵素の合成に必要不可欠な栄養素なのです。

では、体内でどのように存在し、吸収されていくのでしょうか…?

まず、セレンはセレノシステインとしてタンパク質に組み込まれます。
タンパク質に結合して存在しています。
※セレノシステイン…アミノ酸の一種で、酸化・還元に関わる酵素に存在している

そして、主にセレノプロテイン(タンパク質の一種)として働きます。
消化管(ほとんどが小腸)で吸収され、摂取した内のセレンの吸収率は50%以上です。
この吸収経路はタンパク質とほとんど一緒で同時に行われていると考えられています。
※セレノプロテイン…セレノシステインを1つ含むタンパク質のことで、酸化還元酵素となる(グルタチオンペルオキシダーゼ、テトラヨードチロニン-5'-脱ヨウ素化酵素、チオレドキシン還元酵素、ギ酸デヒドロゲナーゼ、グリシン還元酵素など)

セレンの重要さが分かるセレノプロテインの酵素をいくつか紹介しておきます。

※セレノプロテインP…セレノシステインを10つ含むタンパク質のこと
血漿中で最も一般的にみられるセレノプロテイン
ほとんどが肝臓で合成され、セレンを末梢臓器へ輸送、または貯蔵に関与すると考えられる
セレンが運ばれる末梢臓器は、主に脳や精巣である。
不足すると精子形成不全がみられるため、男性にとっては特に重要である(セレンをはじめ、亜鉛や銅などの微量元素たちは、精巣の発育、精子の形成や運動率といった男性の生殖器に深くかかわる)。
セレノプロテインPには、活性酸素の消去をする役割があると考えられる

※グルタチオンペルオキシダーゼ…酸化的損傷を防ぐ多方面に必要な抗酸化酵素である
中でも、過酸化脂質の生成を抑制するがん予防になると考えられている


私たちの身体を構成する約60兆もの細胞たちには、それぞれ脂質による細胞膜が存在します。
この細胞膜には不飽和脂肪酸が含まれており、とても酸化しやすいという欠点を持っています。
脂質が酸化を起こすということは、すべての細胞膜を老化させる可能性があり、動脈硬化などをも引き起こします。

過酸化脂質の蓄積により、AP-1の活性化が促進されます。
AP-1の過活性による変異により、VEGF(血管内皮増殖因子)やIL-8(インターロイキン)が増加します。
これにより肝臓がんが発生すると考えられています。
過酸化脂質の増加を防ぐ酵素として、グルタチオンペルオキシダーゼが重要なのです。

※AP-1…常にDNAに結合している転写因子
AP-1の変異は、がんにおける最も多い原因と考えられている。

*VEGF(血管内皮増殖因子)…血管新生やリンパ管新生の際に必要な因子
悪性腫瘍、糖尿病網膜症、動脈硬化症などの疾患の際に、血管新生やリンパ管新生を促進して、病態を悪化させる。

※IL-8(インターロイキン)…MDSC(骨髄由来抑制細胞)を腫瘍微小環境へ運ぶ
血管新生を促進し、VEGF同様に病態の悪化を招く。

※MDSC(骨髄由来抑制細胞)…骨髄系列の細胞に由来し、T細胞の免疫反応を抑制する

※ヨードサイロニン脱ヨード酵素…ヨードチロニンは、T4(甲状腺ホルモン:サイロキシン)の別称の一つ
甲状腺ホルモンの代謝を調節する。
この酵素は大きく3種類存在し、それぞれ分布域や特性が異なる。

甲状腺ホルモンについて少し説明します。
甲状腺ホルモン(TH)は、私たちの身体の正常な発達と代謝に必要不可欠です。
甲状腺ホルモンであるトリヨードサイロニン(T3)とサイロキシン(T4)を生成する際に、ヨウ素が必須成分となります。
T4は、ヨウ素を4つ必要とし、甲状腺でのみ生成されます。
T3は、ヨウ素を3つ必要とし、約20%は甲状腺から分泌されます。
残りの約80%は、T4が肝臓や腎臓などの標的臓器の中で、脱ヨード酵素によりヨウ素を一つ代謝することでT3に変換します。
そして、やっと甲状腺ホルモンとしての働きを発揮します。
というのも、この2種類の甲状腺ホルモンはそれぞれ役割が異なります。
ざっくりいうと、T4は貯蔵、調節型のホルモン、T3は活動型のホルモンです。
甲状腺ホルモンは、目的臓器内の細胞核にある受容体と結合することで働きを発揮します。
この受容体との結合力は、活動型であるT3の方がT4の約10倍も強力で、甲状腺ホルモンの働きを見せやすい特徴があります。
強力な働きを見せる反面、血液中から代謝されるのが速いのもT3です。
T3はT4に比べると、強力ですが、仕事をしている時間は短いのです。
血液中の甲状腺ホルモンは、ほとんどT4を中心に分泌されており、T3が占める割合は2%ほどです。
T4からヨウ素を一つ切り離すとT3となるため、T4はT3の前段階のホルモンとなります。
少量のT3を安定的に供給するために、T4は貯蔵され、必要に応じて血液中に放出するなど調節役として存在しているのです。
甲状腺ホルモンの合成に欠かせないヨウ素ももちろん重要ですが、T4をT3に変換する際に脱ヨード酵素が必要になります。


セレンを源に合成される酵素の活躍は幅広いことは、お分かりいただけたでしょうか?
抗酸化物質になるだけでなく、精子形成や甲状腺ホルモンの生成など、様々な臓器で深く関わってくるのです。
妊娠の成立、妊娠維持には、精子の状態や甲状腺ホルモンの正常な働きが密に関わっています。
なんだかセレンがとても重要な栄養素である気がしてきませんか?

私たちの体内では、1sあたり250μgのセレンが存在しています。
60sの体重の場合、15r(15000μg)存在することになります。

では、1日にどのくらいの量のセレンを摂取するべきなのでしょうか?
1日のセレンの推奨摂取量は、成人男性が30μg、成人女性が25μgとされています。
セレン、セレニウム、抗酸化物質

何をどのくらい食べればいいのか把握するために、どのような食品にセレンが多く含まれているかみていきましょう。
食材100gあたりのセレン含有量
抗酸化物質、アンチエイジング

このように、セレンは魚介類、肉類、卵などのタンパク質に多く含まれる傾向があります。
同じ食品でも、育つ産地の土壌や飼育肥料によってセレンの含有量は異なります。
日本の土壌はセレンが豊富に含まれているため、他国よりも無理なく摂取できる栄養素です。
日本食には海産物も多く含まれているため、不足する心配はほとんどないのです。

ちなみに、日本人は毎日の食事から100?のセレンを摂取しているといわれており、セレンの吸収率が50%だとしても不足していることは考えにくいです。
とはいっても、人間の身体にとって重要な栄養素ですので意識は必要です。
先程述べたように、セレンの摂取不足は身体中で様々な症状を引き起こす恐れがあります。
セレンを多く含む食品を把握し、毎日どの程度摂取しているのかは考えておきましょう。

セレン欠乏症による代表的な疾患について少しお話しておきます。

克山病(こくさんびょう)…心筋症の一種で、うっ血性心不全、心臓突然死、不整脈などの症状がみられる
中国の風土病の1つで、1935年に中国の克山地域(北東部、黒滝江症)で発見されたため、克山病と名付けられた。
山岳部、農村で発生し、小児や妊産婦で多く罹患した。
セレンのサプリの摂取で発生率も死亡率も激減させることができる。

カシン・ベック病…低セレン地域である中国北部やシベリアの一部で子供に多く発症する
症状は、X脚やO脚、自然骨折など骨や関節が変形する。
寒さや過可動で疼痛が増強する。
小児では四肢の発育障害、成人では骨粗鬆症、変形性関節症がみられる。
原因として考えられるのは、セレンなどのミネラル不足だけでなく、キノコやカビなどの菌類の摂取とされている

その他、セレン欠乏によって起こる症状一覧
フケの増加、抜毛、白内障、シミの増加、大気汚染に弱くなる、筋力低下、心機能の低下(心筋症・不整脈・動脈硬化などの発症)、発癌リスクが高まる、老化が早まる、男性では精子減少、女性では更年期障害の悪化など

生体内で重要な働きを持つセレンは、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質と摂取すると、相乗効果を見せ抗酸化力がアップします。
私は、ビタミンC3000r、ビタミンE268r、セレン200?gを毎日飲んでおります。
老化によって見た目もそうですが、関節なども壊れてくるので予防を兼ねて。
皆さんもさまざまな抗酸化物質を上手に摂り、良質な卵子や精子を作り上げようではありませんか。

年齢とともに老化が進むのは仕方ないことです。
しかし、妊娠を考えている場合、いかに老化を食い止めるか、いかにカラダに必要な栄養素を摂るか、そしてその栄養を目的地まで運び届けるかの3点がカギを握ります。

もう一度、書きます。
・老化を止める
・必要な栄養摂取
・しっかり届ける

この3点が成し得たとき、きっと卵子や精子は元気に育ってくれるでしょう。

簡単に書きましたが、内臓系、自律神経系、免疫系などすべてを駆使して行われています。
つまり原則、元気で健康である必要があります。
さらに、栄養も考えて摂らねば、毒になるものも日常には多く存在します。

まずはご自身の生活を見直すことから始めましょう!!!
何かございましたらご質問ください。
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微量元素 ヨウ素 〜甲状腺ホルモンの原料〜

私たちの身体は、いくつもの細胞によって構成されており、その数は60兆を超えるといわれています。
これらの細胞たちは神経やホルモンから指令を受けることで、日々スムーズに活動をしています。
よって、神経やホルモンがとても重要であることはおそらく皆さんご存じなはずです。

今回は、普段生活する上ではあまり話題に上がらないホルモンなのに、妊活中や妊娠中ではかなり重要な"甲状腺ホルモン"の原材料になるヨウ素という栄養素についてお話していこうと思います。


まずは、甲状腺ホルモンの役割をざっくりお話しておきます。
甲状腺ホルモン、排卵障害、不妊

甲状腺ホルモンは、主に身体の新陳代謝の調節を行うホルモンです。

脈拍数や体温、自律神経の働きを調節し、エネルギーの消費を一定に保つ重要な役割があります。
新陳代謝が盛んな子どもの成長や発育、大人では特に脳の働きを維持するために、欠かせないホルモンなのです。

甲状腺ホルモンを合成する甲状腺は、首の真ん中、のど仏のすぐ下に気管に張り付くように位置しています。
重さは約15〜20gで、大きさは4〜5pほどの小さな臓器です。
外から見るとほとんど分かりませんが、女性の甲状腺は男性より少し高い位置にあります。

甲状腺ホルモンは、脳にある下垂体という臓器から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)により調節されています。
甲状腺ホルモンの分泌量が少なくなれば、TSHの分泌量が増え甲状腺を刺激します。
逆に、甲状腺ホルモンの分泌量が多くなると、TSHの分泌量が抑制されていきます。
脳の下垂体と甲状腺の間で上手にバランスをとっているのです。
ヨード、鶏卵、流産

何らかの原因で甲状腺ホルモンの分泌が過剰、または低下すると、身体のさまざまな部分で異常をきたします。
甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症では、不妊症や流産率との関係が深くあるといわれるため、妊娠希望の女性は甲状腺機能を正常に調節しておくことが重要になってきます。

ここからが本題です。
妊娠に重要な甲状腺ホルモンの原材料であるヨウ素についてお話していきます。
最初にお話したエストロゲン同様、甲状腺ホルモンを作る為には原材料であるヨウ素が必要不可欠です
。 単純な話ですが、ヨウ素の摂取が足りなければ甲状腺ホルモンが作れないですし、摂取過剰になれば甲状腺ホルモンがあり余ってしまう可能性もある訳です。

ヨウ素とは、私たちの体内では甲状腺ホルモンを合成する際の主原料とることから、人間の身体に欠かせない必須ミネラルの一つです。
必須ミネラルとは、人間の身体に必要なミネラル16種類のことで、ヨウ素以外には、鉄や亜鉛、カルシウムやマグネシウムなどなど…よく耳にする栄養素たちが含まれています。
それぞれ身体に必要なミネラルの量はかなり少なめですが、体内で作り出せる栄養素ではないので、食事からの摂取が必要不可欠です。

ヨウ素は、主に昆布やワカメ、海苔の食物中に天然に含まれています。
ヨウ素入りの食品は身体に良い食品とされており、健康食品などに大量に含まれていることがあります。
確かに、必須ミネラルで身体にも良い栄養素なのですが…
実は摂取すべき必要量は、かなり微量であることが分かっています。
その量は、およそ1日0.095〜0.13rといわれています。

我が国では、ヨウ素を多く摂取する食習慣があります。
ヨウ素を多く含む食品である昆布は出汁として使用されていたり、ワカメや海苔はみそ汁やふりかけなどでよく登場していますよね。
また、食品だけでなく、うがい薬やのどの炎症、歯の治療に使われるルゴールの主要分であり、レントゲン検査の造影剤にも多量に含まれています。
その為、ヨウ素の摂取が不足していることはほとんど考えられません。
ちなみに、食事からの摂取量が少ない他国では、食塩や水にヨウ素を含め十分に摂取できるように工夫されているんだとか…

必要量以上のヨウ素の摂取は、甲状腺ホルモンの分泌に異常をきたします。
"過剰摂取=ヨウ素過剰症"と、こんなに単純な話ではないため、ヨウ素を過剰に摂取していてもバグを起こして、逆に甲状腺ホルモンを作らなくなり、低下症になるなんてこともあります。
もちろん、摂取が少なすぎれば甲状腺ホルモンの材料不足になるので、ある程度の摂取は必要です。
ヨウ素の摂取不足、過剰摂取では、甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症などの甲状腺疾患の発症リスクがあるので、いい塩梅の摂取が重要になるのです。

ヨウ素の代謝について理解しておきましょう。
甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、早産

ヨウ素の1日の最低必要量は100〜150μgで、その中で120μgが甲状腺に取り込まれ、80μgがT、Tの形で甲状腺より分泌され、40μgがI-の形で細胞外液に放出されます。
分泌されたT、Tは肝臓などの組織で代謝され、1日あたり60μgのI-を細胞外液に放出します。
細胞外液に放出されたI-の一部は胆汁中にも排泄され、一部は回収され(腸肝循環)ますが、少量が糞便中に、大部分が尿中に排泄されます。

このヨウ素の代謝に関わる微量元素であるセレンも理解しておく必要があります。
人はセレノタンパク質とも呼ばれる多数のセレン依存性酵素の機能のためにセレンを必要とします。
セレンはグルタチオンの酸化と自身の還元と連動して、過酸化水素や脂質過酸化物のような活性酸素種(ROS)を分解し、水やアルコールに無害化し減少させる能力がある抗酸化酵素です。
よって老化をストップさせる物質というわけです。
男性にセレンをおすすめすることがありますが、その大きな理由として、酸化的損傷から発育精子を保護し、後に成熟精子に必要な構造タンパク質を形成するためです。
話が脱線しましたが、甲状腺は人体で最もセレン含有量が多い臓器です。
ヨウ素と関係する「セレン依存性のヨードチロニン脱ヨウ素酵素」が重要です。
甲状腺ホルモンを活性型にしたり、不活性型にすることができます。
したがって、セレンは甲状腺ホルモン制御の役割があるため、正常な発生、発育及び代謝に必須の元素となります。
セレンをサプリで摂るのも良いですが、含有量の多い食品は
・ブラジルナッツ
・キハダマグロ
・調理したオヒョウ(大きいカレイ)
・グラスフェッドビーフ
皆様、積極的に食事からも摂ってみましょう。

では、どんな食品に含まれていて、1日どのくらいの摂取が望ましいのでしょうか…?
先ほどお伝えしたように、ヨウ素の1日の摂取目安量は0.095〜0.13rです。
多く含まれる食品を見ていきましょう。
流産、バセドウ病、橋本病


主に昆布や海藻類、魚介類に多く含まれていることが分かります。
全て調理前の含有量なので、出汁として茹でたり、焼いたりすれば、ヨウ素が溶出され含有量は少なくなります。
例えば、ひじきの場合、1食約7gの乾燥ひじきを戻しますが、調理過程で70〜90%ほどのヨウ素が溶出されていきます。
1食分である乾燥ひじき7gに含まれるヨウ素は約2.66rで、調理後のひじき1食のヨウ素含有量は0.266〜0.798rになります。
ヨウ素の1日の摂取目安量は0.095〜0.13rなので、ひじきを毎日食べるのはヨウ素過剰摂取の恐れがあり、あまりおすすめができないです・・・
ところてんの場合、1食150gで売られているものが多いため、かなりの要素を摂取することになります。

ヨウ素は過剰摂取に気を付けるべき栄養素ではありますが、摂取不足は甲状腺ホルモンの材料不足になるので、不足にも注意が必要です。
魚介類に関してはヨウ素の含有量が多めの食品とはいえ、1食で100g摂取していても1日のヨウ素摂取量には及びません。
調理すると100gあたりのヨウ素含有量も減少するので、過剰摂取になるからと魚介類を避けるのは大きな間違いということです。

ちなみに、ヨウ素を摂りすぎないようにと卵を避けていませんか?
卵は大体1個当たりが50g前後です。
となると、生卵1個当たりに含まれるヨウ素は0.008rほどになります。
この数字を見れば一目瞭然で、卵は避ける必要がないことが分かりますよね・・・?
むしろ、卵には良質なたんぱく質やコレステロールが豊富に含まれていて、身体作りに持ってこいの食材です。
毎日5個の卵を食べていても、ヨウ素摂取量はおよそ0.04rで問題ないですし、タンパク質も約35g摂取することができます。

ヨウ素は必要!
だけど、摂取基準量は難しい・・・
おそらく昆布やひじき、ワカメなどの海藻類を少量摂取して調整するのは難しいでしょう。
なので、卵での摂取をおすすめしておきます。
日本は割とヨウ素過剰摂取国だといわれていますが、不足してしまっている人も中にはいます。
自身の摂取量が過剰でないか?不足していないか?
上記の含有量を見て、上手に摂取してみてくださいね。

ここでいくつか注意点をお話しします。
ゴイトロゲン食品の摂取は気を付けましょう。
ゴイトロゲンとは甲状腺腫誘発物質といい、甲状腺ペルオキシダーゼを阻害する物質です。
結果、ヨウ素の吸収を阻害してしまいます。
ゴイトロゲン食品とは、アブラナ科の生野菜、ブロッコリー、キャベツ、ケールなどです。
ブロッコリーを生で食べることはないかと思いますが、もしアブラナ科を食べるときは30分以上蒸らしてから食べましょう。
その他、
・水道水中のフッ素がヨウ素の吸収阻害をする
・グルテン、乳製品、砂糖、精製などもホルモンなどのバランスを崩す
以上、注意して行きましょう。

さて、甲状腺に異常をきたすことで甲状腺疾患の恐れがありますが、それぞれどんな症状があるのでしょうか・・・?
甲状腺の病気で代表的なものは以下があげられます。

・甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、代謝亢進、自律神経刺激などにより種々の臓器に影響が出る。
甲状腺機能亢進症の代表的な疾患がバセドウ病(別名:グレーブス病)で、80%以上はバセドウ病が原因で甲状腺機能亢進症をきたす。
バセドウ病は1000人中1〜6人の割合で、男性より女性の患者が5倍多い。
甲状腺ホルモン(TSH)受容体に対する抗体(抗TSH受容体抗体)により甲状腺過剰刺激が原因と考えられる自己免疫疾患の一つ。

症状:脈拍が速い、動悸、手足の震え、多汗、暑がり、倦怠感、体重減少、情緒不安定、落ち着きがない、イライラ、不眠、口渇、抜け毛、息切れ、かゆみ、筋力低下、むくみなど

バセドウ病では、眼球突出(3割でみられる、喫煙者に多い)、甲状腺腫脹(甲状腺のある首部分は毎日鏡で見る部分なため、自身で気づきにくい。
60歳以上の高齢者の甲状腺は腫れにくいので病気を見逃すことがある。)

診断
・甲状腺機能亢進症でみられる症状が目立つ
・バセドウ病では甲状腺ホルモン検査で、T4、T3の高値、TSHの低値がみられる
・エコー、シンチグラム検査で甲状腺腫を検出する
*シンチグラム検査…甲状腺に集まる薬剤を注射し撮影する検査で甲状腺の形や大きさが分かる
薬剤がどのくらい集まったか計測することで、甲状腺機能を知ることができる
・バセドウ病では抗ミクロソーム抗体、抗サイログロブリン抗体、抗TSH受容体抗体が高確率で陽性(99%)になる
・アルカリフォスターゼの上昇、総コレステロールの低値がみられる

治療
・抗甲状腺薬の服用(甲状腺ホルモンの合成機能を抑制する薬)
⇒チアマゾール(メルカゾール)、プロピルチオウラシル(チウラジール、プロパジール)
・ヨウ素誘発性機能亢進症の場合、ヨウ素の摂取を控える
⇒ヨウ素を多く含む海藻類(昆布やワカメなど)
・アイソトープ(放射性ヨウ素内容療法、放射性ヨード療法)
⇒放射性のヨウ素を体内に取り込む
食事中に含まれるヨウ素同様で甲状腺に集まる
癌細胞を放射線で破壊する容量で作用するため、甲状腺腫の縮小がみられる
・外科的手術(基本は甲状腺全摘術)
⇒甲状腺を切除し甲状腺ホルモンの過剰分泌を治療する
手術後は甲状腺ホルモンの内服が必要

・甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌低下や甲状腺ホルモンに対する感受性の低下により、甲状腺ホルモン不足で末梢組織に種々の症状をきたす。
甲状腺機能低下症には、甲状腺自体に異常のある原発性、甲状腺を刺激する脳下垂体や視床下部に異常のある中枢性、末梢組織での甲状腺ホルモンの受容体の異常によるホルモン不応性の3種類に分けられる。
甲状腺機能低下症の代表的な疾患が慢性甲状腺炎(別名:橋本病)で、甲状腺に対する自己免疫が原因となり甲状腺組織を破壊してしまう。
橋本病は女性の10人に1人と高い頻度で、男女比は1対20〜30人、30〜50代の女性で多くみられる。
橋本病の約10%で甲状腺機能低下症の明らかな症状、約20%で軽度の症状がみられ、約70%では甲状腺機能は正常である。
甲状腺ホルモンは全身の組織に関与する重要な役割を持つため、甲状腺機能低下症の症状は多彩で、例えば活動力の低下からうつ病や認知症(痴呆)、と間違えられることがある。

症状:寒がり、発汗減少、嗄声、倦怠感、易疲労感、体重増加、低体温、月経異常、食欲減少、便秘、脈拍が遅い、息切れ、硬いむくみ(粘液水腫:目、顔、全身)、皮膚の乾燥、頭髪の脱毛、眉毛の外1/3の脱毛、こむら返り、アキレス腱反射の弛緩相遅延、活動の低下、記憶力の低下、言語緩慢など・・・

※嗄声…かれた声、しゃがれた声
※粘液水腫
甲状腺機能低下症により代謝がスムーズにおこなえなくなり全身がむくむ。
このむくみが重症化したものを"粘液水腫"という。
声帯や咽頭の粘膜がむくむと嗄声、舌がむくむと呂律が回らず言語緩慢、食べていないのに水分が代謝できずむくむので太るなど・・・
粘液水腫顔貌では、顔面のむくみ、瞼・唇の腫れ、頬の下垂、髪の毛や眉毛の脱毛、無気力な表情と独特な顔つきになる。
さらに重症化で、粘液水腫性昏睡がおこる。
治療を放置・中断することで、寒さなどの身体的ストレス・感染症をきっかけに、低体温により脳代謝が低下し呼吸困難を起こし死亡する可能性がある。
非常にまれだが、命に関わるので治療を行うことは重要である。

診断
・活動性の低下により全身で様々な症状がみられる
・橋本病ではホルモン検査で、T4、T3の低値、TSHの高値がみられる
・橋本病では深部エコーの低下を伴うびまん性甲状腺腫がみられる
※びまん性甲状腺腫…甲状腺全体がそのままの形で大きくなったもの
・橋本病では抗サイログロブリン抗体、抗甲状腺ペルオキシターゼ抗体が高確率で陽性になる
・総コレステロール、トリグリセリド、AST、CK、LDの高値がみられる
※トリグリセリド…中性脂肪のこと、肉・魚・食用油の脂質や体脂肪の大部分を占める物質
※AST…心臓や肝臓に多く含まれる酵素のこと、これらの臓器に異常があると高値になる
※CK…骨格筋に多く含まれる酵素のこと、筋肉の細胞が破壊されると高値になる
※LD…体内でエネルギーを合成する際に働く酵素のこと、肝臓、心臓、血液、骨格筋に多く含まれ、これらの臓器で異常をきたすと高値になる
・貧血がみられる

治療:甲状腺ホルモン薬の服用
⇒チラージン、チロナミン

勘違いされやすい甲状腺疾患
・様々な全身症状 ⇒ 自律神経失調症、更年期障害
・だるさ、無気力 ⇒ うつ病
・動悸、息切れ ⇒ 心臓病
・体重減少 ⇒ 癌
・むくみ ⇒ 腎臓病
・肝障害 ⇒ 肝臓病
・かゆみ ⇒ 蕁麻疹
・高血糖や尿糖 ⇒ 糖尿病
・血圧上昇 ⇒ 高血圧
・物忘れ、ぼーっとする ⇒ 認知症

これらの甲状腺疾患は、妊娠を希望する場合には治療が欠かせません。
明らかな不妊の原因ではありませんが、甲状腺異常のある方では流産、早産がわずかに多い割合でみられることが分かっているからです。
妊娠前は問題がなかったはずの甲状腺機能も、妊娠中は機能低下しやすいため注意が必要です。

妊娠初期の胎児は、自力で甲状腺ホルモンを合成することができません。
甲状腺ホルモンは身体の新陳代謝を調節するので、新陳代謝が盛んな胎児には欠かせません。
そのため、母体から甲状腺ホルモンを受け取っているのです。
妊婦の甲状腺ホルモンの必要量は、妊娠前よりも30%増加するといわれているのは、胎児にお裾分けしているからということです。
これだけ重要な甲状腺ホルモンを分泌する甲状腺機能に異常がある場合、胎児の発育が満足にいかず発達遅延を起こす可能性があるとされています。

ほとんどの甲状腺ホルモンの分泌過剰や分泌不足の場合、妊活中では薬の処方という手段が多いはずです。
抑制する、補充するのに手っ取り早いからです。
しかし、お薬は肝臓に負担をかけるもの・・・
こういったホルモンバランスに関しては出来る限り普段の生活で整えていきたいところですよね!
甲状腺ホルモンの原料になる"ヨウ素"の摂取が足りているのか、摂取しすぎていないか・・・?
普段の食生活を振り返ってみてください。

ついこの前、患者様に聞いたお話
半年前に甲状腺の数値を指摘されたが、タイミング指導を受けていた婦人科ではお薬の処方がなかった。
(ちなみに血液検査の結果を拝見したが、甲状腺ホルモンの分泌量が少ないことは一目瞭然だった。普通チラージン処方するのでは!?レベル…)

これまで卵は高コレステロール食品だから控えていたが、食べるようにアドバイスを受けたので1日3個は食べるようにしていた。
(食生活お伺いしたところ甲状腺ホルモンの原料になるヨウ素が足りてなさそう…毎日1個以上食べても大丈夫!むしろコレステロール必要だから食べましょう!とお伝えしました。)

なかなかタイミングでは妊娠に至らず、高度生殖医療を行うクリニックへ転院したところで、初期の採血検査を!
こんなにか…という量の血液を採取されて、検査項目には甲状腺ホルモンの項目が・・・!??

で、なんと・・・採血結果拝見すると・・・規定内の数値まで下がってました・・・(゜o゜)
これには驚きました。
その患者さんは鍼灸のおかげってお話してくれたのですが、いや、おそらく卵避けずに食べるようになったからなのでは…?と思いました。
もちろん、食べたものも自律神経が乱れていては、上手に消化吸収できませんから、鍼灸マッサージで自律神経を整えることも重要だったとは思いますが・・・

食事で身体はできている!を目の当たりにした瞬間でした。
皆さんも、ヨウ素の摂りすぎ、摂らなさすぎ、意識してみてください!


何かございましたらご質問ください。
銀のすず
不妊鍼灸、マタニティ、整体 不妊治療、逆子、骨盤矯正



歴史を遡る人類が食べるべき食事〜妊活の食事〜

・世界人口の推移 8000万年前 5,000,000人 西暦1年30,000,000人 1650年50,000,000人 1900年165,000,000人 1980年4,500,000,000人 2000年6,100,000,000人 2025年8,000,000,000人 2050年9,500,000,000人 10000年前 農業開始(農業革命) 紀元前3000年前 都市国家誕生、文明誕生 紀元前2000年前 美食、帝国、軍隊、文字、税金、貨幣誕生 1500年ごろ大航海時代 1837年から産業革命 1940年から緑の革命

インスリン抵抗性と不妊〜やはり糖は怖い〜

今回は難しいお話になりそうです・・・。

"インスリン抵抗性"という言葉を聞いたことはありますか?
インスリン抵抗性というのは、インスリンと呼ばれるホルモンが分泌されているにも関わらず、十分に作用しない状態を指します。
簡単に言えば、インスリンの効き具合が悪いということです。
インスリン抵抗性である場合、血糖値が上昇したままになり正常値に保つことができないため、糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病のリスクを高めると考えられています。

ここ最近では、インスリン抵抗性が不妊症の原因に繋がると考えられるようになってきました。
今回はインスリン抵抗性についてお伝えして、さらに不妊に関わるといわれている要因を紐解いていこうと思います。

では、順に説明していきましょう。

まずは、インスリンを含むあらゆるホルモンについて簡単にお話しします。
ホルモンとは、体内のさまざまな内分泌器官で合成される化学物質を指します。 必要になると血中に分泌され、血液を介して体内を循環し、標的の細胞や器官に情報を伝えて正常に作用させる役割を持ちます。
代謝や神経伝達、細胞の分化など様々な働きを正常に行うために必要な情報で、生きていくためになくてはならない物質です。

ではインスリンはどこで合成、分泌をされ、どのような役割を持って作用しているのでしょうか・・・?

インスリンの合成や分泌は膵臓に位置するランゲルハンス島(膵島)のβ細胞で行われます。
インスリン、血糖値、不妊

膵臓は胃の裏側に位置する長さ15〜20pほどの消化器官で、主な役割は外分泌線と内分泌腺の2つです。

外分泌腺は、膵臓の体積の90%以上を占めており、膵液と呼ばれるアルカリ性の強力な消化液を十二指腸内に分泌しています。
三大栄養素である糖質、タンパク質、脂質の全てを消化することが可能なため、食後に多く分泌されます。

内分泌腺は、いくつかのホルモンを分泌しており、分泌部分をランゲルハンス島と呼びます。
"ランゲルハンス島"は、ドイツの病理学者のパウル・ランゲルハンスによって発見され、海に浮いた島のような形状で散在していることからその名が付けられたといわれています。
ランゲルハンス島は、魚類を除いた多くの脊椎動物では膵臓内に、魚類では肝臓付近に散在しています。
ヒトの膵臓内では、1rに対し10〜20個のランゲルハンス島が含まれており、膵臓全体では100万個以上存在しているといわれています。

このランゲルハンス島には、α細胞、β細胞、δ細胞、e細胞、PP細胞の5つの細胞が存在しており、α細胞ではグルカゴン、β細胞ではインスリン、δ細胞ではソマトスタチン、e細胞ではグレリン、PP細胞では膵ポリペプチドというホルモンをそれぞれ分泌しています。
インスリン、血糖値、不妊

インスリンの合成や分泌はβ細胞で行われるのですが、ランゲルハンス島の50〜70%を占めており、私たちの身体の中でインスリンの合成と分泌を行う唯一の細胞です。

インスリンを含むすべてのホルモンは化学構造の違いから、ペプチドホルモン、ステロイドホルモン、アミン型ホルモンなどに分けられ、構成の仕方や受容体の位置、ホルモンの伝達の速さや持続性などそれぞれ大きく異なります。
インスリン、血糖値、不妊


インスリンは、ペプチドホルモンの一種に属します。
※ペプチドホルモン…バゾプレシン、オキシトシン、成長ホルモン、グルカゴン、ガストリン、セクレチンなども属す

ペプチドホルモンは、3〜200以上のアミノ酸で結合され、それぞれ大小さまざまな形をしています。
インスリンは、21アミノ酸残基のA鎖と30アミノ酸残基のB鎖の2つの鎖がジスルフィド結合し、51アミノ酸より構成されています。

インスリンができるまでにはいくつもの工程を挟みます。
まず前駆物質であるプレプロインスリンを粗面小胞体にて生成します。
粗面小胞体とはタンパク質の合成や輸送をする上でとても重要な働きを担う細胞小器官のことです。
小胞体の膜にリボソームと呼ばれる粒子状の構造体を持っており、このリボソームで遺伝情報の読み取りやアミノ酸の結合を行っています。

粗面小胞体にて生成されたプレプロインスリンは、プレ部分がシグナルペプチドとして小胞体の膜を通過するために先導的な役割を持つと考えられています。
そして、小胞体を通過する際にタンパク質分解酵素によってプレ部分が切断され、プロインスリンに変換されます。

こうして変換されたプロインスリンは、ゴルジ体(ゴルジ装置)へと運ばれていきます。
ゴルジ体は、細胞の中からタンパク質を加工して必要な場所に送る役割があります。
分かりやすく例えるなら、加工工場や配送センターのような場所でしょうか。
様々な物質がゴルジ体で適切な形に修飾、切断され細胞外へと分泌されていきます。
細胞内の特定のタンパク質分解酵素(エンドペプチターゼ)がプロインスリンを分割することで、成熟したインスリンは血液に分泌されていくのです。

この長い過程を経て、ようやくインスリンが完成しました…
作られたインスリンは細胞で作用するまでにも、さまざまな工程を挟んでいきます。
インスリン、血糖値、不妊

インスリンが属しているペプチドホルモンは親水性(水溶性)のホルモンなので、私たちの身体の細胞すべてに存在する脂質二重層を自由に通して拡散し作用することはできません。
つまり、インスリンは細胞内に簡単に入ることはできないということです。
そのためホルモンからの情報を受けとる際に受容体(レセプター)が細胞表面の膜に存在します。
インスリンの受容体はチロシンキナーゼ受容体の一種で、ホルモンや細胞などの成長や分裂を促す成長因子に対する細胞表面受容体です。

ちなみにアミン型ホルモンも同様に細胞表面の細胞膜に受容体を持っています。
※アミン型ホルモン…セロトニン、ドパミン、アドレナリン、メラトニンなどのホルモンが属す

インスリンがきちんと受容体と結合し作用することによって、細胞内へのグルコースの取り込みグリコーゲン合成酵素の活性化糖質代謝やタンパク質、脂質の合成や分解に作用するなどさまざまな働きが開始していきます。
インスリンの合成や分泌不足だけでなく、インスリン受容体と結合しなければ、正常に作用することができず、インスリンの持つ作用に支障をきたすのです。

ここまでインスリンの合成から作用の仕方までお伝えしてきました。
次は、インスリンの働きを細かく見ていきましょう。

インスリンはさまざまな働きをしていますが、どれもとても大切です。
特に重要といえるのは、骨格筋、肝臓、脂肪細胞などに対し作用し、グルコース吸収を促し、上昇した血糖値を低下させ一定に保つ働きです。
亜鉛、牡蠣、テストステロン

血糖値とは血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度のことで、正常な人では空腹時の血糖値は約60〜110mg/dl程度といわれています。
健康な人間の場合では、糖質1gでおよそ1mg/dlの血糖値が上昇し、食後では約100〜140r/dlとなります。
ご飯を食べ血糖値が正常値を上回るとインスリンが分泌され、血液中からグルコースを取り込み、血糖値を低下させていきます。
食後約2時間以内に正常値まで低下させるという重要な役割です。
ちなみに角砂糖1個4g、4r血糖値を上げることになります。 ご飯1膳66gの糖質、8枚切りの食パン1枚20gの糖質、パスタ1人前70gの糖質があります。 つまりご飯1膳66r、食パン1枚20r、パスタ1人前70rの血糖値をあげるということです。 確実に血糖値を上げ、インスリンの分泌が行われます。
下記に食品の糖質量をご紹介します。
亜鉛、牡蠣、テストステロン


筋肉では、グルコースを取り込むことによって、血糖コントロールやグリコーゲンとして貯蔵を行っています。
筋肉を使用した分、グルコースをエネルギーとして使用し代謝しているのです。
加齢や運動不足によって筋肉量が減少すると、筋肉ではグルコースを取り込む量が減少し、インスリン抵抗性を引き起こす原因になります。
失ってしまった筋肉を元に戻すためには約3倍以上の時間がかかるといわれています。
適度な運動は常に心掛けておきましょう。

肝臓では、グルコースの取り込み、糖新生が行われます。
糖新生というのは、絶食時に乳酸やアミノ酸などからグルコースを産生する働きです。
亜鉛、牡蠣、テストステロン

糖新生の働きによって1日に最大で150gの糖を作ることができるといわれています。
私たちの身体は毎日約130〜150gの糖を必要としているといわれているので、アスリート選手のように過度に筋肉を使用するような運動をしない場合、糖質をわざわざ摂取しなくても糖新生による糖で1日のエネルギーを賄えてしまうのです。
インスリンの分泌により糖新生は抑制されるため、インスリンの分泌量が増加する摂食時には糖新生は行われません。
その代わりにインスリンの作用によって、グルコースを取り込み、グリコーゲンを合成し、貯蔵するまでを行っています。
例えば、アルコールの多飲や薬の服用などで肝機能が低下すると、インスリンからの作用に反応できず、グルコースの取り込みやグリコーゲンの合成ができなくなります。
日常的にアルコールや薬、過剰な糖質摂取や脂肪食には気をつけましょう。

なぜ血糖値を低下させなければいけないのか、ある生活習慣病と一緒にご説明していきます。

血糖値を低下することのできない病気として有名なのが糖尿病です。
インスリンの合成、分泌不足やインスリンの感受性低下で発病します。
糖尿病の名称は、高血糖によって血液中から溢れ出たグルコースが尿中に漏れ出ることに由来しています。
インスリンの合成、分泌や作用に異常が出ることで、血液中から細胞内にグルコースを取り込む事が出来なくなり、高血糖状態が持続するのです。

糖尿病は1型糖尿病と2型糖尿病の二種類があります。
1型糖尿病では、何らかの原因によって自身の体内のリンパ球がランゲルハンス島のβ細胞を破壊してしまいます。
β細胞が破壊されると、インスリンの生成を行えなくなってしまい、血液中のグルコースを体内に取り込むことが不可能になります。
多くは10代で発病し一般的な糖尿病の症状だけでなく、重篤な糖尿病性ケトアシドーシスを起こす危険性がある為、毎日数回のインスリン注射を続けるか、膵臓(膵島)移植を受ける以外に治療法がありません。
※糖尿病性ケトアシドーシス…意識障害、急性腹痛、褐色尿、嘔吐、クスマウル呼吸(深大で規則正しい呼吸)、脱水、電解質異常症etc

一方で2型糖尿病は糖尿病の中で約90%を占めており、遺伝的に糖尿病になりやすい体質であること(遺伝因子)のほかに、糖尿病を発症しやすい生活習慣を送っていること(環境因子)で発病します。
インスリンの合成、分泌不足や感受性の低下(つまりインスリン抵抗性の高い状態)が原因になるのですが、1型糖尿病と違い、生活習慣や食生活を改善するだけで、2型糖尿病の発病は遅れさせることが可能といわれています。
生活習慣病というだけあって、自分自身の私生活次第で予防できる病気ということです。
発病した際の2型糖尿病の治療方法は、まずは食事、運動療法を行い、必要であれば内服薬やインスリン注射が使用されます。

あるデータでは、糖尿病患者と健常な人では、男性で約10年、女性で約15年の余命の短縮がみられました。
寿命が短縮する要因としては、高血糖によりヒトの構成成分の約20%を占めるタンパク質が糖化反応を引き起こし、老化現象が進行することが原因ではないかと考えられています。

糖尿病患者では、特有の合併症があります。
どれも高血糖状態が続くことにより、細い血管や神経に影響を及ぼす病気です。
糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害の3つで3大合併症と呼ばれています。

糖尿病網膜症は最悪失明をする可能性のある病気です。
網膜は細かい血管が張り巡らされており、映像を映すスクリーンの役割を担っています。
高血糖によりこれらの血管が障害されることで糖尿病性網膜症が引き起こされます。
糖尿病による失明は珍しいものではなく、成人以降での失明の原因1位とされており、年間3000人もの方たちが防げたはずの失明をしています。

糖尿病腎症は、腎臓の働きが低下し血液中の老廃物が排出できなくなる病気です。
私たちの体内では、腎臓が血液中の余分な水分や老廃物を濾過して尿中に排出することで、血液をきれいな状態に保てています。
この働きは、細い血管の集合体である糸球体と呼ばれる部分で行われ、高血糖状態により糸球体内の細い血管が障害されることで糖尿病腎症を引き起こします。
血液をきれいな状態に保てなくなると、血液に不要な水分や老廃物が蓄積してしまい、放置すれば死に至ります。
そのため、透析療法という本来行われている腎臓の働きを人工的に行う治療法が必要になります。
透析療法を受けている患者は日本で約33万人と言われ、毎年約5千人ずつ増加し、それぞれ約4割を糖尿病腎症の方が占めています。

糖尿病神経障害は、全身に張り巡らされた神経に影響が出ることで、全身のあらゆる細胞でしびれや痛みなどの様々な症状が出る病気です。
手足のしびれや痛みは特に出やすい症状ですが、神経麻痺によって熱さや痛みに鈍感になることや胃腸の機能の低下、排尿コントロールの異常など、神経に関係した多くの症状が出ます。
神経も血管での障害が長く続いた場合に、手足が壊疽(細胞、組織が腐った状態)してしまい、切断をしなければならないことも少なくありません。

その他にも糖尿病に関係なく高血糖による合併症はとても多く、身体にもたらす影響力は計り知れません。
高血糖状態が持続していると、以下の疾患などに罹患しやすくなります。

・動脈硬化性の心筋梗塞や狭心症などの心疾患…血管の老化による
・脳梗塞や脳出血などの脳卒中…血管の老化による
・歩行困難や壊疽…下肢の動脈硬化による感覚麻痺
・高血圧…血液の粘度の上昇と血管の老化による、高インスリン血症による
※高インスリン血症…血糖値を低下させようと大量のインスリンが分泌され血液中のインスリン濃度が高まることによる交感神経を刺激するため、血管が収縮し高血圧を引き起こす

・脂質異常症…脂質代謝の異常による
※脂質異常症…LDL(悪玉)コレステロールの高値、中性脂肪の高値、HDL(善玉)コレステロールの低値の3タイプ
初期には血液検査などの数値でしか異常が出ないため、無症状のうちに全身の動脈を虫食み動脈硬化を進行させる疾患

・全身の血液循環が悪くなる…動脈硬化や高血圧、糖代謝異常による血液の粘度上昇

・骨粗鬆症…AGEsによる骨の老朽化
※インスリンは骨芽細胞に作用し骨の形成にも関与している
ほとんどインスリンの分泌されない1型糖尿病では、糖尿病でない人の6〜7倍、2型糖尿病では1.5〜2倍の骨折リスクが高い

・歯周病…感染症にかかりやすくなることによる
※歯周病…歯周病細菌(グラム陰性菌)の感染による
この細菌群は強力な内毒素を発生し、歯の周りに炎症を起こす疾患

・風邪やインフルエンザ、肺炎、結核、水虫etc…白血球や免疫に関わる細胞機能の低下で感染症にかかりやすくなることによる
※コロナウィルス…2020年に世界中で流行しパンデミックを引き起こしたコロナウィルスは、糖尿病患者の感染率は健常な人と変わらないとされている
しかし、糖尿病患者の方が重症化するリスクは高いことが報告されている

これらの高血糖による合併症は、血糖値をコントロールすることで予防、治療することができます。
血糖コントロールの仕方は高血糖状態によって出ている症状や重症度によってそれぞれです。
まずは食事、運動療法となります。
健康な人でも、糖尿病や高血糖になるリスクはあります。
予防をするためにも、取り返しがつかなくならないためにも、血糖コントロールは行いましょう。

血糖値を上昇させるホルモンは、グルカゴン、糖質コルチコイド、成長ホルモン、カテコールアミンと複数存在するのに対して、血糖値を低下させるホルモンは、インスリンのみです。
私たち人間を含む多くの動物で、血糖値上昇への反対作用が十分に備わっていないので、血糖値を急上昇させる糖度の高い糖質中心の食事は控えましょう。

ここまでは、インスリンが深く関わる糖尿病と一緒に高血糖のリスクをお伝えしてきました。
大切なことなので、細かくお伝えしておきたい物質があります。
高血糖によって生成される悪影響をもたらすAGEs(終末糖化物質)という物質で、体内を老化させてしまう原因になります。
実は、血管を老化させ動脈硬化や高血圧のリスクを高めているのもこの物質です。
今回のテーマでもある不妊症に一番関わる部分かもしれません

体内のグルコースは私たちのエネルギー源にもなるため重要なのですが、高濃度のグルコースはタンパク質と糖化反応を引き起こします。
糖化反応した物質は、終末糖化産物とよばれるAGEsとなります。
高血糖だけが原因ではなく、加齢でもAGEsは生成されやすくなり、分解されにくい上に、体内のコラーゲンを多く含む皮膚や骨、関節や血管で蓄積しやすいことが分かっている厄介者です。
AGEsは身体にとって老化物質なので、それぞれ蓄積すると、肌の黄ばみやシワ、骨や関節可動域の低下、もろくなる…などの症状を引き起こします。

さて、このAGEsは身体中の細胞を老化させる原因ナンバーワンの物質といわれています。
女性は得に老化したくないものですよね…。
男女問わず、美容や健康の大敵であることはもちろん、妊活中、妊娠中に細胞の老化は大きく影響します。
卵子や精子も細胞で作られているからです。
実際に、体内のAGEsの蓄積量が多いほど、体外受精時の採卵数や受精卵数が低下するデータが存在し、妊娠する人に比べると着床しない人や妊娠継続できない人の方が、AGEsは多く蓄積しているといわれています。

多嚢胞性卵胞症候群(PCOS)と呼ばれる疾患では、インスリン抵抗性の合併率が高いといわれています。
PCOSは不妊症で悩む多くの方に見られ、女性約20〜30人に1人の割合の疾患です。
通常は、約2〜3cm(親指第一関節分ほど)のサイズとされている卵巣で、毎周期1〜2個の卵胞が20oを超え排卵します。
PCOSの場合、複数の卵胞が満員電車のように卵巣で渋滞してしまい、卵胞の発育が十分に行えず、自然に排卵することが難しいといわれています。

実際にPCOSで悩む多くの女性を見てきましたが、排卵誘発剤を服用してもなかなか育たない方もいらっしゃいます。
刺激量の強い注射を数週間にわたって打ち続け一気に10数個育ってしまい、20代にも関わらずタイミングをとることができずに、急遽体外受精にステップアップされる方もいらっしゃいました。
採卵が出来ても卵巣がパンパンに腫れてしまい、卵巣過剰刺激症候群になる方も少なくありません。
PCOSは卵胞の発育だけでなく妊娠中にも影響を与え、妊娠糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクが高まることも分かっています。

その他にある記事で、培養した人の絨毛細胞にグルコース由来のAGEsを添加すると絨毛細胞が害を受けたと、というものがありました。
絨毛細胞というのは、その名の通り毛のように細い血管細胞で、妊娠中に形成される栄養膜細胞(別名:トロホブラスト)のことを指します。
妊娠16週までに母体と胎児の間には胎盤が形成されていきますが、絨毛細胞は母体と胎児を繋ぐ連絡路の役割を担います。
ガス交換や栄養供給を行う血液を運ぶ通り道となるため、とても重要なポジションです。

AGEsは血管を老化させ動脈硬化の原因となる恐れがある物質です。
通常の動脈よりも細い毛細血管で構成された絨毛細胞は、その他の血管以上に害を受けます。
つまり、AGEsによって絨毛細胞のような細い血管は害されやすく、血流が遮断されて酸素や栄養がうまく運べなくなる危険性があるのです。

妊娠中に流産するケースは約15%といわれ、妊娠を経験した女性の50%以上が経験したことがあるといわれています。
妊娠初期の胎児の心拍確認前が流産のうちの約70〜80%以上を占め、妊娠期間中で最も流産する確率が高い時期です。
ほとんどが染色体異常による流産といわれていますが、その他感染症など原因は多岐にわたります。
この原因の一つに子宮内の血流が関係すると考えられています。
胎盤を形成する妊娠16週までは、特に絨毛細胞が新しく形成される時期なので、AGEsによって害されると着床や胎児の成長に関わります。

また、最近不妊治療を専門とするクリニックで不育症検査をするところが増えてきました。
中には不育症のみを専門的に調べるクリニックもあります。
不育症とは、妊娠をしても流産や死産を繰り返してしまい、出産まで至らない病状のことです。
この不育症の原因の中に血液凝固異常があげられています。

私たちの身体は、大量の出血をすると生きていけないため、緊急事態に備えて血液を固める働きを持つ物質が存在します。
これが血液凝固因子です。
出産の際には約500mlの出血を伴うため、妊娠すると非妊娠時より約6倍も血液が固まりやすくなります。 この凝固因子たちの過剰な働きは、子宮内の血流を悪くする可能性があるので、着床や妊娠継続を妨げる可能性があるとして考えられているのです。 場合によっては、血液をサラサラにする薬が処方されることもあります。

少し話が逸れてしまいました…。
何が言いたいかというと、血液をサラサラな状態に維持するために薬を服薬する人もいるのです。
妊活中に卵巣や子宮へホルモンや栄養を送るのは血液、妊娠中に母体と胎児の間でガス交換や栄養供給を行うのも血液です。
脳から卵巣や子宮などへホルモンの命令や栄養がうまく届かなければ、卵胞や子宮内膜の発育に支障が出ます。
妊娠中であれば、胎児の発育や妊娠維持能力にも関わります。
妊娠には血液の粘度を上げすぎないことは必須なのです。

AGEsは血管を老化させてしまうだけでなく、血液の粘度を上げてしまう物質でもあります。
血液が運ばれないとなると、さまざまな細胞で正常な働きを行うことが難しくなるので、卵胞の発育、受精、着床、受精卵の成長、胎盤の形成、妊娠率など…生殖機能において悪影響を及ぼす可能性が高いということです。

さて、この危険なAGEsを体内から減少させるには、まずAGEsの原因となるグルコースを血中から取り込むことが欠かせません。
グルコースの取り込みを行い血糖値の低下をさせる働きがあるホルモンは、インスリン一択です。
AGEsを体内に溜めずに代謝するには、インスリンの正常な働きが必要不可欠となるのです。

インスリン抵抗性を引き起こさない環境づくりはとても大切です。
インスリン抵抗性の原因として考えられることをいくつかあげてみます。

・糖質の摂取
・過食
・高脂肪食
・肥満(特に内臓肥満)
・高血圧
・脂質異常症
・運動不足による筋緊張
・デスクワークなどによる血流循環の悪化
・アルコールなどによる肝臓、膵臓の機能低下
・ストレス
・加齢

高度生殖医療は年々進歩し、不妊治療によって生まれる子供も増加しています。
今から約40年前、1978年にイギリスで初めて体外受精児が生まれ、5年ほど遅れて1983年に日本でも初めての体外受精児が生まれました。
また、1983年には凍結胚移植による妊娠、出産、1988年には顕微授精による妊娠、出産が成功し、不妊治療で新しい方法が確立されました。
高度生殖医療によって今日までの約40年以上の間に、900万人以上もの赤ちゃんが誕生しています。

約40年間で高度生殖医療が進歩しているのにもかかわらず、不妊症で悩む夫婦は増加しています。
約40年前の不妊症の原因とは違い、女性の社会進出化などによって妊娠を望む年齢が高齢化していることが関係すると考えられています。
しかし、年齢だけが原因ではありません。
便利になりすぎた現代では、食事ではインスタント、冷凍食品、コンビニ、出前配達と栄養が偏ったり、仕事では長時間のデスクワーク、スマホの見すぎによる睡眠不足など…現代特有の不健康な生活習慣も関与するといわれています。

インスリン抵抗性を引き起こす原因としてあげたものはどれも、糖質の過剰摂取やデスクワークによる血流の悪循環、運動不足など…不健康な生活習慣というのが関与しているように感じます。
こうして、インスリン抵抗性を引き起こした場合、結果的に糖代謝などが行えず細胞が糖化するため、老化が進行し不妊症の原因になります。

妊活をする上で、老化は大敵。
妊活を始める年齢が高齢化している今、細胞をこれ以上老化させないためにもインスリンの働きが十分に行われることはとても重要なのです。

インスリン抵抗性を改善する方法として、アクトスやメトホルミンという薬があります。
ただ、糖尿病患者などで服用される場合がほとんどで健常者では使用できません。
ご自身でできる血糖コントロールが重要になってくるのではないでしょうか。
積極的に糖質制限や適度な運動を心がけていけるといいですね。

まとめ〜妊活に必要なこと〜
・インスリン抵抗性にならないように生活習慣に注意すること
・糖化が起こらないように、糖の摂取を控えること
・血液粘度を上昇させないように、糖の摂取を控え、水分をしっかり飲むこと
・血行不良にならないように針やマッサージをする



※後述
・アクトス…2型糖尿病患者で服用される
インスリン抵抗性が推定される場合のみ
インスリン抵抗性の目安は、BMI 24以上もしくは、空腹時の血中インスリン値5μU/mL以上とする
胚、胎児の死亡率が高くなるため、妊娠中、妊娠可能性のある場合、服用しないこと
乳汁への移行がみられるため、授乳中は服用しないこと

・メトホルミン…2型糖尿病患者で服用される
筋肉での糖利用促進、肝臓での糖新生抑制を行う
催奇形の可能性があるため、妊娠中、妊娠可能性のある場合、服用しないこと
乳汁への移行がみられるため、授乳中は服用しないこと

何かございましたらご質問ください。
銀のすず
不妊鍼灸、マタニティ、整体 不妊治療、逆子、骨盤矯正



糖質は控えめに〜妊娠から遠ざかる〜

私たちが食事をする目的はなんでしょうか?
・おいしいものを食べる幸福感
・楽しい時間を過ごす
・コミュニケーションの場
・栄養補給
・体調を整える薬理効果

どれもそれなりに意味がありますが最大の目的は栄養補給と体調管理にあります。
かの有名なソクラテスはこう言っています。
「生きるために食べよ、食べるために生きるな」
マハト・ガンジーも言っています。
「人は生きるために食べるもので、味覚を楽しむために食べてはいけない」
まさに食は命、命を継続するための行為が食事なのです。

さて、食事について私はよく書きますがその理由を先にお話ししなくてはなりません。

原則、私たちは健康でなくてはなりません。
健康でなくては妊娠も困難となります。
世界保健機構(WHO)では健康についてこう解釈しています。
「身体的、精神的、社会的に完全に良好であり、単に疾病や虚弱さがないというだけではない」と言っています。
つまり、すべての環境で元気でなくてはならないということです。
亜鉛、牡蠣、テストステロン

皆さんは「健康寿命」という言葉をご存知ですか?
寿命の考え方には2つあります。
「平均寿命」、「健康寿命」の2つです。
平均寿命とは、0歳児が平均してあと何年生きられるかという数字です。
5年に一度、発表されますが、下表には平成25年の平均寿命が書かれています。

健康寿命とは「心身ともに自立し、健康的に生活できる期間」を指し、介助や介護などを必要とせず、家事や買物をしたり、趣味を楽しんだりできる期間を指します。
男性の平均寿命は80歳、健康寿命は71歳、女性の平均寿命は86歳、女性は74歳となっています。
男性は9歳の差、女性は12歳の差となっています。
不健康で、自分で生きていけない年数が9年、12年。
さらに平均寿命は私たちの時代には100歳ともいわれているので、この差が広がらないか心配です。
亜鉛、牡蠣、テストステロン

健康は年齢とともに崩れていくことはある程度仕方がないことです。
そして日々の積み重ねが将来の健康寿命にも影響を与えることも言うまでもありません。
ここで紹介した健康寿命や平均寿命はあくまで統計であり、個々を表したものではありません。
私たちは個人差が大きく、一概には言い切れません。
人によっては80歳でも健康かもしれませんし、50歳なのに病気がちかもしれません。
妊活も同様で、40歳で妊娠する人もいれば、20歳でも妊娠できない人がいます。
これは個人差としか言えません。
しかし、どちらにせよ生活習慣が体質を作るため、健康的に生活することは目の前の目的達成と将来への投資になるのです。

では健康を支えるうえで重要な、食事を含む生活習慣について知っておきましょう。
生活習慣とは、毎日行う決まったことをいい、食事や睡眠、お風呂などを指し、毎日じゃなくても習慣的に行う運動や遊び、趣味などを含みます。
この生活習慣は国柄や家庭環境なども影響するので、これが生活習慣とは言いにくいこともあるでしょう。
当たり前にやっていることが、健康にとって良いことだったり、悪いことだったりするかもしれません。
亜鉛、牡蠣、テストステロン

中でも生活習慣の根底にあるのが食事です。
体は食事によって作られるというのはご存知だと思います。
食の知識を身に付けることが大切です。

具体的に見ていきましょう。
食事材になるものには、さまざまな栄養素が含まれています。
その栄養素は大きく分けて5つに分類(5代栄養素)されます。
・糖質
・タンパク質
・脂質
・ビタミン
・ミネラル
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タンパク質は脳、髪の毛、筋肉、内臓、骨などの身体の根本を作っています。
赤血球などの細胞はもちろん、DNAなどの遺伝子、免疫物質の免疫グロブリンもタンパク質からできています。
タンパク質は肉や魚、卵、大豆などにたくさん入っていて、胃腸で消化され、アミノ酸となり、吸収され、肝臓で蓄えられます。
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タンパク質の詳細はこちらを参考に

続いて脂肪についてです。
脂質は悪者のイメージがありますが、動くためのエネルギーになる物質です。
さらに、細胞膜や脳神経、ホルモンの材料となり、脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがあります。
脂質は肉や魚、卵、バター、ゴマなどに含まれ、胃腸で乳化、分解、吸収され、肝臓に蓄えられます。
炭水化物、タンパク質よりも、脂質は倍以上の高エネルギー物質です。
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脂質についてまとめを今度書きますので少々お待ちください。

次は無機質(ミネラル)です。
無機質は体内の働きを調整する働きがあり水分調整、歯や骨の材料、筋肉や神経の働きを助け、免疫力を高めます。
種類としては16種類あり野菜、果物、海藻、レバー、小魚、チーズ、貝類などに含まれ、すべて食事から摂らなければなりません。
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亜鉛についてはこちらを参考に
マグネシウムについてはこちらを参考に
鉄についてはこちらを参考に

次はビタミンについてです。
ビタミンとは、主に糖質、脂質、タンパク質がスムーズに働くサポートをします。
脂溶性と水溶性のものがありそれぞれの種類によって働きが異なります。
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ビタミンB12についてはこちらを参考に
ビタミンDについてはこちらを参考に
ビタミンCについてはこちらを参考に
ナイアシンについてはこちらを参考に
ビタミンEについてはこちらを参考に
葉酸についてはこちらを参考に


糖質以外をざっくり説明しました。
ここから今回のテーマ、糖質についてのお話です。
いわゆる糖は3つに分かれます。
炭水化物、糖質、糖類です。
では3つは何が違うのでしょうか。
炭水化物は、食物繊維、糖質、糖類を合わせたものを指します。
糖質は、炭水化物から食物繊維を除いたものを指します。
糖類は、砂糖や乳糖、果糖を指します。
米や玄米、小麦などは炭水化物、便秘の改善に使われるオリゴ糖や合成甘味料は糖質に含まれます。
結局糖類を食べれば糖質、炭水化物になり、炭水化物を食べれば糖質、糖類を食べることになります。
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糖の性質を知りましょう。
1.糖質は甘いものだけではありません。
甘くないにもかかわらず糖質を多く含むため、摂りすぎは肥満の原因となります。

2.糖質にはさまざまな種類があります。
糖質は、いくつかの種類に分類されます。
一番小さな状態である単糖から、単糖が複数結合した二糖、オリゴ糖、多糖などがあります。

3.糖質は摂取しすぎると中性脂肪になります。
糖質は体の機能維持においてとても重要です。
しかし、体内で正常に蓄え切れない糖質はインスリンによって中性脂肪へと変わります。

4.糖質は素早く血液中に取り込まれ、血液が甘くなる。
砂糖水が手につくとベタベタしますね。
血液もベタベタし、血液の粘度は増し、流れが悪くなります。

5.糖質による糖化。
糖はベタベタした性質から細胞をコーティングしてしまいます。
これを糖化といい、結果、細胞は死にます。
血管内で起これば動脈硬化の原因です。

6.糖の持つアルデヒド基は毒ではないか?
グルコースは「アルデヒド基」を「官能基」に持つ極めて毒性が高いものであるという説!
グルコースの「官能基」は、「アルデヒド基」です。
「アルデヒド基」を「官能基」に持つものは、他には、
・ホルムアルデヒド
通常ホルマリンとして知られている。
生体のタンパク質と化合しそのタンパク質を固定化し、生体の長期保存等に使われます。
強い毒性あり、発がん性あります。
・グルタルアルデヒド
機器類の殺菌剤などとして使用されています。
毒性が強いため人体には使用できません。
・アセトアルデヒド
アルコールを摂取した時に代謝の過程で産生される毒物で、発がん性があり、二日酔いの原因物質です。
同じアルデヒド基を持つ猛毒物質ですが、グルコースは、これらの猛毒物質と官能基(アルデヒド基)を同じにします。
よって毒性があるのではないかと考えるわけです。

糖の性質を見ただけでも体に悪いんじゃないかと思いませんか?

続いて、糖の代謝について説明します。
糖の代謝には「解糖系」と「糖新生系」があります。

まずは解糖系について。
解糖系とは、グルコースをピルビン酸または乳酸に代謝される経路のことをいいます。
解糖系の目的はグルコースからATP(アデノシン三リン酸)、つまりエネルギーの生成を行うことです。
※ATP=アデノシンにリン酸基が三つ結合している高エネルギーリン酸化合物

10〜11段階の反応からなり、すべて細胞質中で行われます。
ほとんどの生物が生命を維持するためにATPのエネルギーを利用しています。
解糖系は、嫌気的な条件下(酸素を必要としない)でも代謝することができ、嫌気的な条件化では1分子のグルコースから2分子のATPを生成することができます。
ちなみに好気的条件下では、シャトル経由及びクエン酸回路経由で、電子伝達系が働き、酸化的リン酸化によりATPが生成されます。
ちなみに36分子のATPが生成されます。
無酸素状態では2つのATP、有酸素状態では36ATPが作られ、有酸素状態のほうが効率よくATPが作られます。
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続いて、糖新生系について。
糖新生という言葉は、糖質制限をやってる方ならどなたもご存知だと思います。
人類700万年の歴史の中、人類は狩猟採集で生きながらえ進化してきました。
狩猟採集で人類の食を支えてきたのは、まぎれもなく肉食です。
ある時は哺乳類、ある時は魚介類、ある時は鳥類や卵だったり、そうやって人類は生きながらえ進化してきました。
まさしく糖質ゼロで生きながらえ進化してきました。
つい最近まで伝統的な食を維持してきた北米のイヌイットなども、そのような食生活をしてきました。
アフリカの野生のライオンも、そのような形で現在に至っています。
牛やシマウマ等の野生の草食動物は直接摂取するのは草ですが、体内の微生物に草を与えて、その微生物そのものだったり、微生物が産生するタンパク質や脂質を摂取して生きながらえています。
そういう意味で、草食動物も広い意味では肉食動物のようなものとも言えます。
こういった動物達も、まぎれもなく糖質ゼロで生きながらえてきたのです。
要するに、『 必要な糖は食物で摂取してきたのではなく、体内で糖新生により合成された糖で生きながらえてきたのです 』
赤血球は我々の体内細胞で唯一、糖のみをエネルギー源にしている細胞です。
さらに生命維持に必要な糖は真っ先に血中に取り込まれます。
極端に言ったら血中の0.1%の濃度の血糖を確保できれば、人類は当座はしのげるのです。
結論から言えば、この程度の量は体外から食物で摂取して供給したり確保するものではなく、我々の体内で合成して確保すべきものなのです。

糖は糖として体内で貯蔵可能な量が1%であり、それ以上は糖として貯蔵できないので、苦肉の策で中性脂肪になり替わり貯蔵されます。
私達の身体の組成の94%は、水、タンパク質、脂質でできています。
糖質はサブの中のサブです。
ではなぜ赤血球以外の細胞でも糖が必要なのかを説明します。
赤血球も赤血球内の細胞質で解糖系がエネルギー産生を行うので、糖を必要としていましたが、体内の細胞も必要に応じて(とはいってもその機会は非常に少ない)、解糖系が糖を代謝してエネルギーを産むのです。
分かりやすい例で言えば、私達が息を止めて重い物を持ち上げるようなとき、踏ん張るようなときに、筋肉内の細胞の解糖系が活躍しパワーを発揮します。
そのときに解糖系が糖を代謝して乳酸を産出します(嫌気性解糖作用)。
赤血球や体内の細胞で解糖系の代謝に必要な糖の量(500g)程度は、そもそも人類の歴史上、食物で摂取していたものではなく、他の哺乳類同様、体内で糖新生により補い貯蔵してきたものです。
糖は摂取するものではなく、糖新生にて補うものなのです。
人類700万年の狩猟採集時代は、糖新生で人間本来の心と身体の健康を維持できた時代でした。
しかし穀物ビッグバン以降の解糖系優位、解糖系亢進の時代は糖新生は用いず、過剰なる糖質を摂取する食生活への移行しました。
糖質を糖新生を用いず食物から摂取することで、人間本来の健康が糖の摂取により著しく失われました。
ガンをはじめとした、解糖系亢進の病の発生、糖尿病、感染症の蔓延、脳卒中、血管障害、奇形出産、様々な精神疾患、その他の様々な疾患の発生が、現在に至るまで続いています。
今こそ糖質を食物から摂取するのではなく、解糖系を用いず、解糖系を亢進させず、本来の人間のあるべき姿(糖新生)に戻るべきではないでしょうか。
糖質は食物等で体外から摂取するものではありません。
必要とされる糖は体内合成(糖新生)で補給し維持されるものです。
解糖系の代謝は休眠させ糖新生を活用すべきなのです。
亜鉛、牡蠣、テストステロン

私たちが食事をする理由は、ATPを作るという目的があります。
そこで、エネルギー効率について考えます。
私たちの身体は、水分、タンパク質、脂質が94%を占めています。
体重50sの人では、水分63%で31.5s、タンパク質16%で8s、脂質15%で7.5s、無機質4.7%で2.35g、糖質1%で0.5s、核酸0.3%で0.15sです。
糖質はグリコーゲン(貯蔵型の糖)として体内、肝臓と筋肉に500g蓄えます。
私たちは食事から糖質、脂質、タンパク質を摂ります。
酸素の力を借りて燃焼し、エネルギーを作り出します。
運動エネルギーであるATP、体温を維持する熱エネルギー、そして脂肪として貯蔵エネルギーとして利用します。
1つのブドウ糖は2ATP(無酸素状態)を作り出し、脂肪は130ATPを生成します。
明らかに脂質が糖より効率よくエネルギーを作りまします。

糖類は性質的にも、エネルギー的にも他の栄養素と比較しても劣ります。
よって極力、食べないことが理想となります。
では私たちは何を食べればよいのでしょうか?
そこで指標となるGI値とGL値についてみていきましょう。

糖質や血糖に関係する指標の1つに「グリセミックインデックス(GI値)」があります。
GI値は、食後血糖値の上昇度をあらわす指標で、インスリン分泌にも比例してきます。
GI値が高いものを食べれば、血糖値が急激に上がり、インスリンが大量に分泌、脂肪が作られ、脂肪分解を抑制し、太ります。
ただし、短所として同じ量の食品を比較しているわけではないため、食品に含まれる炭水化物の量を同じにしているので、血糖への影響を正確に表しているかは疑問もあります。

そこで、今主流になっているのが「グリセミック負荷(GL値)」です。
GI値研究者の間では、糖尿病のような疾患に対して、GI値の利用だけでは血糖コントロールに役に立たないと言われています。
低GI食品であっても、食べ過ぎてしまえばインスリンの分泌量が増えていきます。
これが続くとインスリンの効きが悪くなっていき高血糖になってしまいます。
食品の糖質の総量規制が必要になってくるのです。

そこでハーバード大学公衆衛生大学院などで応用された、料理に使用する各食品の糖質量にGIを掛け算した数値をグリセミックロード(GL値:血糖負荷)とする方法が考えられました。
これによって、精白穀物の真っ白いパンなどを好んで食べることがGL値を高めて肥満や2型糖尿病のリスクを高くすることが証明されました。
一般に、10以下なら安心、11〜19は要注意、20以上は厳重注意とされています。

高いGI、GL食品を食べると、血糖値が急上昇します。
血糖値を下げようと膵臓からインスリンが分泌され、血糖値が下がります。
インスリンは脂肪を作り、脂肪の分解を抑制し、太ります。
さらに高くなった血糖値はAGEs(終末糖化産物)が増加し、細胞や組織が攻撃されます。
そして糖は活性酸素を作り出し、インスリンを出す膵臓を攻撃し、糖尿病になりやすくなり、血糖をコントロールできなくなり、AGEsが増加しやすくなり、細胞や組織が攻撃されるという悪循環がおこります。
食事の時、GI値、GL値を意識していきたいですね。
代表的な食品を表にまとめました。
亜鉛、牡蠣、テストステロン

食品の一覧をご紹介します。
亜鉛、牡蠣、テストステロン

糖について書いてきましたが、まとめます。
・糖質の悪いところ
2014年3月、世界保健機関(WHO)は糖類摂取量を総エネルギー量の5%以下にすることを目標にすべきだと発表されました。
肥満や糖尿病やがんや虫歯など様々な疾患が近年増えているのは、糖類摂取量の増加が原因であることが多くの疫学研究で明らかになったからです。
総エネルギー量の5%以下=成人男性で一日25g以下
私は子供なので、もっと少ない量にする必要があるということですね。
ごはん一膳で55.2gって・・・。

● 砂糖は免疫機能を下げてしまう(白血球が病原菌と戦うためにビタミンCを取り込むのを阻害するから)
● 砂糖は体のミネラルバランスを崩す
● 砂糖は体のPhを酸性に傾ける
● 砂糖は多動性、不安、鬱、集中力の低下、子供の不機嫌を助長する
● 砂糖はトリグリセリド(中性脂肪)を大幅に上昇させる
● 砂糖は眠気、子供の活動の低下を引き起こす
● 砂糖は良いコレストロール(HDL)を減らす
● 砂糖は悪いコレストロール(LDL)の上昇を助長する
● 砂糖は低血糖を引き起こす
● 砂糖は腎臓にダメージを与える
● 砂糖は冠動脈性心疾患のリスクを高める
● 砂糖はクロム欠乏症へとつなげる。
● 砂糖はカルシウムとマグネシウムの吸収を阻害する
● 砂糖は空腹時の血糖値レベルを上げてしまう
● 砂糖は歯を虫歯にする
● 砂糖は胃を胃酸過多にする(胃酸の分泌を過剰に促進する胸やけ)
● 砂糖は小児のアドレナリンレベルを上げる(=キレやすい子供を作る)
● 砂糖は歯周病につなげる
● 砂糖は老化を早め、皺や白髪を増やす
● 砂糖はコレストロールの総量を増やす
● 砂糖は体重増加と肥満につなげる
● 砂糖の大量摂取は、クローン病や潰瘍性大腸炎のリスクを高める
● 砂糖は糖尿病にならせる
● 砂糖は骨粗鬆症にならせる
● 砂糖はインスリン耐性を作る
● 砂糖はグルコース耐性を鈍らせる
● 砂糖は心臓血管疾患を引き起こす
● 砂糖は最大血圧を引き上げる
● 砂糖は食品アレルギーを引き起こす
● 砂糖は血流中にフリーラジカルを形成する
● 砂糖は妊娠中毒症を引き起こす
● 砂糖は小児のアトピー性皮膚炎を促進する
● 砂糖は膵臓を過度に働かせ、損傷する
● 砂糖はアテローム性動脈硬化症を引き起こす
● 砂糖は毛細血管を切れやすくする(チョコを食べすぎると鼻血が出るのはそのせい)
● 砂糖は肝臓の細胞を分割し、肝臓を肥大させる
● 砂糖は肝臓の脂肪量を増やす
● 砂糖は腎臓を肥大させ、それに病理学的変化をもたらす
● 砂糖は鬱を引き起こす
● 砂糖は体液の貯留を増やす(むくみを起こす)
● 砂糖はホルモンバランスを崩す
● 砂糖は高血圧を引き起こす
● 砂糖は偏頭痛などの頭痛を引き起こす
● 砂糖は脳波にデルタ波、アルファ波、シータ波を増やし、それが物事をはっきりと考えることを出来なくさせる(=brain fog)
● 砂糖は血小板の接着性を増し、それが血栓や梗塞のリスクを高める 
● 砂糖は大腸に悪玉菌を増やす(大腸ガンにつながる)
● 砂糖はガンの好物である(=「砂糖はガンにエサをやる」)

昨今の不妊の原因は、老化が問題視されています。
老化の原因として糖の存在はとても大きいですね。
不妊のことだけ考えて問題点を挙げておきます。

〇卵子や精子の老化
〇血行不良
〇ホルモンバランスの悪化
〇卵子の成長に影響
〇悪玉菌の増加で子宮内フローラに影響
やはり避けるべきです。
女性の好きな食べ物はほとんど糖まみれですので、大変かもしれませんが短期勝負!!!
頑張っていきましょう!


おまけの話。
果実の甘さは・・・〜果糖について。
果糖は清涼飲料水、菓子、果物に多く含まれます。
砂糖は腸などの消化器官で、ブドウ糖と果糖に分解され、違うルートを辿り、ブドウ糖は全身を巡り体内で代謝されますが、果糖は肝臓でダイレクトに代謝される為、余った糖が脂肪肝などの原因になります。
果糖(フルクトース)は血糖上昇(インスリン分泌)こそ引き起こしませんが、インスリンの効きを悪くさせ、糖尿病へ導きます。
表を見たら一目瞭然ですが、果糖(フルクトース)はある意味ブドウ糖(グルコース)よりも危険な存在であることが、ご理解いただけると思います。
人類の歴史の中で、果物もどんどん品種改良され、口当たりはよく美味しいかもしれませんが糖度も増し、身体へ危険を及ぼすものになり、本来の果物でなくなっていること、ブドウ糖の10倍の糖化力のある果糖の恐ろしさを、私達は頭の隅に置いておく必要があります。

皆様、糖を可能な限り控えることが、健康への第一歩、妊活への近道であることをしっかり理解しましょう。

何かございましたらご質問ください。
銀のすず
不妊鍼灸、マタニティ、整体 不妊治療、逆子、骨盤矯正



タンパク質補給にプロテイン〜成分を確認すれば合理的なタンパク質補給〜

タンパク質は、ギリシャ語でProteusが語源となっています。
1838年にオランダの化学者ヨハンネス・ムルデルが卵白や牛乳などを調べているうちによく似ている化学組成の物資が共通していることに気が付き、命名しようとした。
そこでギリシャ神話のプロテウスにあやかって「Proteus」はどうだろうか?
この栄養素は動物界では、基本的であり、貴重な物質だからふさわしいと思うということになりました。
その後、医学や生物学の発展が目覚ましかったドイツ、イギリスへと伝わり、現在の「proteine(英語)」になります。
その頃から、タンパク質は重要とされていました。

さて人体の60%は水分で、20%はタンパク質、15%は脂質、その他の細かい成分は5%からできています。
細胞の乾燥重量の2/3はタンパク質からできているので、「人間のからだはタンパク質で作られている」と言われます。
タンパク質は、20種類のアミノ酸かペプチド結合で50個以上も結合した高分子化合物です。
人体には、きわめて多くの種類のタンパク質が存在しています。
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細胞の中には生命現象そのものを担っている多くの酵素が含まれ、そのすべてがタンパク質です。
候そのほかにもタンパク質性ホルモンや外敵から生体を守るための免疫作用を持つ抗体などが生命活動の中で中心的な役割をしています。

すべてのタンパク質は20種類のアミノ酸から構成されています。
タンパク質の代謝の流れを見ておきましょう。
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吸収されたアミノ酸は門脈をとおり肝臓に入り、血清などの合成に使われ、その他はアミノ酸プールに入ります。
※アミノ酸プールとは:体内には約25gの遊離アミノ酸(他の物質と結合していないアミノ酸)があり、血液中と筋肉中に存在し、これを「アミノ酸プール」といい、ようするに溶けて遊離した状態で存在

一定量を超えるとグリコゲン、脂肪に変換され、その結果、過剰となります。
アミノ酸の窒素成分は尿素として排泄されます。

続いて、アミノ酸の基本構造を見ていきましょう。
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アミノ酸は、同一分子中に塩基性のアミノ基(NH2)と酸性のカルボキシル基(COOH)を持っていて、中性域では両性イオン、アルカリ性域では陰イオン、酸性域では陽イオンとして存在します。
このような性質をもつものを両性電解質と言います。
グリシン以外のアミノ酸では、分子中に不斉炭素を持つのでL型、D型の種類の立体異性体が存在します。
しかし、天然のアミノ酸は基本的にL型のみで構成されています。

タンパク質の材料となっている20種類の基本アミノ酸は、その側鎖の性質から、疎水性アミノ酸と親水性アミノ酸に大別されます。
また、構造から脂肪族、芳香族、アルコール、塩基性、酸性およびアミド側鎖アミノ酸の6種類に分類されます。
亜鉛、牡蠣、テストステロン

さらに体内で合成できる非必須アミノ酸、体内で合成できない必須アミノ酸に分類できます。
また20種類のアミノ酸が、どのような物質に変化しエネルギー源として利用されるかで糖原性アミノ酸やケト原性アミノ酸として分類されます。
亜鉛、牡蠣、テストステロン

基本アミノ酸の中にはタンパク質の材料ばかりでなく、ホルモンや神経伝達物質などの生理活性物質の前駆体となっているものがあります。

チロシン誘導体:ドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、チロキシン
グルタミン酸誘導体:γ−アミノ酪酸
ヒスチジン誘導体:ヒスタミン
トリプトファン誘導体:セロトニン、ニコチン酸(NAD)

いろいろなものの原料になるタンパク質の重要性がお判りいただけたでしょうか?
細胞、ホルモン、酵素などの原料になるのです。
もちろん、卵子や精子、卵巣や子宮、女性ホルモン、男性ホルモンなどもタンパク質からできています。
積極的にタンパク質を摂取することが、健康への第一歩です。

実際、どの食品を、どの程度摂取すればよいのでしょうか?
体内のタンパク質は、毎日少しずつ入れ替わり、だいたい30日で全身の半分が新しくなるとされます。
また、タンパク質は体内貯蓄されないので、その日消費された量はその日のうちに補給することが必要で、体重の1/1000、体重50sだと50gのタンパク質が必要とされています。
そこで何をどのくらい食べれば必要量が得られるのかを考えるとき、プロテインスコア、アミノ酸スコアという方法があります。

アミノ酸スコアとは、タンパク質に含まれる9種類の必須アミノ酸のバランスを数値化したものをいいます。
人間のからだにとって理想とされる必須アミノ酸の量に対して、その食品に含まれている必須アミノ酸の割合を算出します。
すべての必須アミノ酸が必要とされる量を満たしている場合に、アミノ酸スコアは100になります。
つまり、アミノ酸スコアが100に近いほど、良質のたんぱく質であり、言うまでもなくたまごはアミノ酸スコアが100です。
ちなみに白米65、大豆86です。
牛肉、豚肉、鶏肉など肉類はすべて100となっています。
大豆のアミノ酸スコアが100となっているために、大豆など植物性タンパク質食品を売るための陰謀だという意見もあるようです。

信頼性を考えるとプロテインスコアが良いとされています。
プロテインスコアは特定の食品に含まれる必須アミノ酸が、人体が求める必須アミノ酸の比率と比較してどの程度含まれているかを評価したものです。
簡単に言うと、人の体内で作ることのできない8種類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいるかどうかです。
プロテインスコアが100点なのは卵で、牛肉(80)や豚肉(90)、鶏肉(87)、さんま(96)が上位にいて、大豆(56)が低いことがわかります。
亜鉛、牡蠣、テストステロン

やはり私たちが口にする食べ物は、動物性食品が最高だということになりました。
なかでもアミノ酸スコア、プロテインスコアの最上級にあるのは「卵」です。

人として、妊活として、卵をしっかり食べましょう!!!

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亜鉛〜精子の質を変える〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|

さあ、妊活をしよう!!
いざ妊活を始めるとなった時、あなたならまず何を始めますか??
女性の皆さんは、まず基礎体温を測り、生理周期を把握し、排卵日を予測するのではないでしょうか。
さらに、健康を意識してバランスの良い食事を心がけたり、アルコールの摂取を控えたり、葉酸のサプリを飲み始める方も多いかと思います。

では、男性の皆さんはいかがでしょう…?
精力のつく食べ物を食べるとか、滋養強壮ドリンクを飲むなど…。
勝負の日に気合いを入れるために摂取することは多いのではないでしょうか。
直前に体力や精力を万全にしよう!という意識はとても素晴らしいと思います。
でも精子はただ走れればいいわけではありません。
中身、いわゆる精子の質も大事になってくるのです。
では、精子の質ってどうやって上げるの…?
もちろんたくさんの方法があります。
今回はその中でも精子に必要な栄養素の摂取についてお伝えしていきます。

まず話が逸れてしまいますが、妊娠において男性の力がどれだけ重要か知っておきましょう。

自然妊娠の場合、精子は射精したのち、酸性である膣の中をアルカリ性の精液をまとい進んでいきます。
精子は酸性に弱いため、約99%の精子はこの段階で死滅してしまいます。
なので、一度の射精に含まれる精子の量は数億匹に対し、最終的に到達できるのは数十〜数百匹のみです。

次いで、子宮頚部、体部、底部を通過し、卵管の膨大部まで達し、卵子の殻(透明帯)を破り、受精となります。
子宮の長さは約7p、受精を待つ卵子が待機する卵管膨大部は約10pなので、最低でも17pほど走らなければなりません。
人間で換算すると約6qほどでしょうか…?
速さは、射精から卵管までがおよそ15分卵管膨大部に達するまでは、およそ1時間かかるといわれています。
疲労がたまっているだとか、風邪をひいているだとかしたら走れなさそうな距離ですよね…

さらに受精するにはタイムリミットがあります。
排卵した卵子の寿命は24時間といわれており、排卵後6〜8時間で受精可能な状態になります。
約16時間以内に精子と出会い受精しなければ、卵子は死んでしまうのです。
射精後の精子の寿命は平均的には2〜3日(約72時間)で、強力な精子だと1週間生きることもあるんだとか…
卵子に比べて精子は数倍長生きすることが出来るのです。
ちなみに精子も受精可能運動ができるまでに約5〜6時間かかります。

精子が形成されなければ射精しても種なしで無意味ですし、精液が少なければ膣を通過する時点で全滅ということです。

そして、男性の精力や性欲にはテストステロンといわれる男性ホルモンの分泌が欠かせません。
男性の性欲は20代がピークという話は有名ですが、それはテストステロンの血中濃度が最も高くなっている時期と比例します。
テストステロンの分泌量は20代以降、年齢が上がるにつれて減少していくのです。

今回はそんな男性の男性ホルモンや精子、精液の生成に関わる栄養素についてお伝えしようと思います。
聞いたことのある方も多いかと思いますが、今回お伝えするのは亜鉛です。
亜鉛、牡蠣、テストステロン

結果からお伝えすると、亜鉛の摂取によってテストステロンの分泌や精子の形成が促進されるので、結果的に精力や性欲が増進されると考えられているのです。
逆に不足すれば、テストステロンの分泌減少による精子や精液、性欲減退の減少、前立腺肥大や勃起不全などのトラブルが起こる確率は高まるのです。
男性が不妊の原因になることは大いにあり得ます。
不妊の原因を男女で数字に表すと男性は48%(男性のみ24%、男女24%)を占めています。
男性も積極的に必要な栄養素を摂取しなくてはならないのですね。

細かく亜鉛についてお話します。

亜鉛は、私たちが生きていくために欠かせない必要不可欠なミネラルです。
"亜鉛"は英語で"Zinc"(元素記号は"Zn")といいます。
"Zinc"とは、溶鉱炉(かまどのようなもの)の中に亜鉛が沈殿する際にフォークの形に似ていたことから、ドイツ語でフォークの先という意味の"zinken"が由来になった説や、ペルシャ語で石という意味の"tinc"が由来になった説など、色々な説があります。
日本語で亜鉛といわれるようになったのは、亜鉛と鉛が似たような銀白色をした見た目であったからだそうです。

原子番号30の金属元素で必須ミネラルの一つです。
ミネラルは五大栄養素の一つとして知られていますが、亜鉛は中でも必要な16種類の必須ミネラルに含まれています。
私たちの身体を構成する約60種類の元素は、その内の約96%を酸素、炭素、水素、窒素の4種類で占めており、残りの4%にカルシウムやマグネシウム、鉄や亜鉛などの必須ミネラルが含まれます。
ちなみに代表的な必須ミネラルの体内での含有量は、カルシウムが約1s、カリウムが約200g、ナトリウムが約100g、マグネシウムが約25g、鉄が約3g、亜鉛は約2gです。
あんなに摂取しろ!と言われていた亜鉛は、まさかの約2g…驚くほど少ないのですが、体内で合成することができないため、生きる上で必ず摂取しなくてはならない栄養素なのです。

亜鉛の構造は、六方最密充填構造という結晶構造です。
結晶内ですべり面の数が限られていて、硬度が高く、脆性も高く、常温では塑性変形しにくい特徴をもちます。
塑性変形というのは、一定量の力を受けて変形した時に力を除いても形が元に戻らないもののことです。
これは粘土で例えると分かりやすいのですが、力を加えると形が変わり、手を放しても保たれるのと似た作用です。
この結晶構造は金属に多くみられます。
ちなみに必須ミネラルの中では、マグネシウムやコバルトも同じ構造です。
※コバルト…ビタミンB12の構成成分
参照

私たちは紀元前から、亜鉛を様々な形に加工することで利用してきました。
現代では、銅と合金している真鍮として5円玉や金物に…
鉄に亜鉛をメッキしたトタンとしてサビ防止で建物の雨に当たる部分に…
電気を通しやすい物質であることから電池などに使われています。
収斂作用を持つ亜鉛の酸化物には止血、鎮痛、殺菌、防腐などの効果もあり、医薬品や化粧品、日焼け止めにも使用されています。
収斂作用とはタンパク質変性させて組織や血管を収縮させる作用です。
亜鉛が栄養素として注目されるようになったのは、20世紀中頃を過ぎてからの話です。

大切なのはここから…
亜鉛は、栄養素としてどのような働きを持つのでしょうか。

亜鉛は私たちの身体ではタンパク質と結合した状態で働きます。
約300種類以上もの酵素の構成成分となり、働きはさまざまで、人間が毎日活動するために必要な過程で利用されていきます。
具体的には、成長維持、中枢神経系、味覚、皮膚や骨の機能維持、代謝、タンパク質の合成、免疫の強化、ホルモンの分泌、DNAやRNAの合成など…
幅広く必要とされる何種類もの酵素たちのもとになっているのです。

私たち体内の亜鉛の含有量は全身で約2g、筋肉や骨に多く分布しています。
体内の約60%の亜鉛が筋肉中、約25%が骨に含まれます。
その他にも、血液、腎臓、肝臓、脳、毛髪などの新陳代謝が盛んな細胞に多く存在しているのですが、男性では精巣、前立腺にも含まれ、特に前立腺の亜鉛濃度は最も高いといわれています。
多く含まれているということは簡単にいってしまえば、その細胞や臓器にとってなくてはならない栄養素であり、不足していると充分にその細胞での働きが発揮できないということになります。

主に精巣ではテストステロン (男性ホルモン)を分泌し精子の形成が促進され、前立腺では精液の分泌を促進します。
もちろん亜鉛は脳にも多く含まれているので、脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンの分泌にも関与しています。
性腺刺激ホルモンは精巣や前立腺に刺激を与え、機能維持をしています。
脳、精巣や前立腺での亜鉛が不足すれば、テストステロンの分泌や精子、精液の減少、前立腺肥大や勃起不全など生殖機能のトラブルが発生するのです。

ちなみに、性腺刺激ホルモンは女性の体内では卵巣に刺激を与え、女性ホルモンの分泌の調整に関与しています。
女性でも亜鉛の不足によって、排卵異常などの生理不順の原因にもなるのです。
妊活中に亜鉛を積極的に摂取するべきだといわれるのは、生殖機能を維持する作用があるからでしょう。

他の働きも見ていきましょう。
亜鉛は全身のあらゆる細胞に関与しています。
働きと共にそれぞれ亜鉛が不足するとどうなるのでしょう。

◎細胞分裂を活発にする
…細胞分裂は胎児〜成長期は盛んに行われるので、母親のお腹の中〜産後では、子供が大きくなるまで特に重要である
不足=妊婦では、胎児、乳児の発育遅延、低身長や低体重などのリスクが高まる
後述するタンパク質の合成やDNA、RNAの合成により細胞分裂が正常、活発に行われている

◎タンパク質の構造を維持する
…亜鉛には4つの結合手があり、タンパク質やRNAを結び付け立体構造(ジンクフィンガーといわれる)を維持する
不足=タンパク質が分解されやすくなる

◎遺伝情報の転写の調節をする
…遺伝子の約8%が調節される転写因子(ステロイドホルモンやビタミンD受容体、ビタミンA)の中にジンクフィンガーが存在する
体内で細胞分裂が活発な部分に多く存在する
不足=細胞分裂に異常が生じる

◎核酸の合成に関与する
…DNA、RNAを活性化させる酵素(DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ)の構成成分になる

◎味覚機能を維持する
…味覚は舌の粘膜に存在する約3000〜10000個の味蕾細胞の中にある味細胞が味を受容し、その刺激を味覚神経へと伝達することで感じ取る
味細胞の新陳代謝は活発で約30日で常に新しい細胞へと生まれ替わる
味細胞の生まれ変わりには亜鉛が必要である
不足=味覚障害を引き起こす
大人になると味蕾が減って味覚が低下するから子供の時に苦手だったものが食べれるようになる、というのは必ずしもそうではない
生まれ変わる際に味細胞に多く含まれる亜鉛が不足してしまうことで感覚が減退する

◎抗酸化作用を持つ
…活性酸素(普段はウィルスや細菌を攻撃している)が増加しすぎないように、除去する役割を持つSOD(活性酸素除去酵素)の構成成分である
不足=SODが不足すると活性酸素の増加によって正常な細胞まで傷つけてしまう

◎生殖機能の維持する
…亜鉛は前立腺、精巣に多く含まれていて、精液や精子、男性ホルモンの生成に関与する
脳から精巣、卵巣へ分泌される性腺刺激ホルモンにも関与する
不足=性腺刺激ホルモン、男性ホルモンの分泌がうまくいかず、精液や精子の量が減少する。女性では生理不順の原因になる

◎アルコール代謝を助ける
…アルコールを分解する際に必要なアルコール脱水素酵素(アルコールデヒドロゲナーゼ)の構成成分である
不足=アルコールの分解が行えなくなり、代謝に影響が出る

◎免疫細胞を活性化させる
…主に外敵が侵入してきた時に活躍するT細胞などを活性させる
粘膜保護の役割を持つビタミンAを体内にとどめる働きも持つため、のど、鼻水、鼻づまりなどの症状を緩和させる
不足
風邪や感染症、自己免疫疾患などのリスクが高くなる
傷や病気の回復に時間がかかる
胃腸の免疫機能も低下し下痢が見られることもある

◎血糖値、コレステロール値を維持する
…亜鉛はインスリンを構成する際に必要な栄要素で、血糖値の維持に関与する
血糖値を上げるホルモン(グルカゴン、コルチゾール、成長ホルモン、カテコールアミン)が複数あるのに対し、血糖値を下げるホルモンはインスリンのみである
総コレステロールやLDLコレステロールの上昇抑制をするので血圧降下作用を持つ
不足=インスリンが不足し血糖値の維持が難しくなる
糖尿病や高血圧症などの生活習慣病のリスクが高まる
(糖尿病患者は健常者に比べ亜鉛は低値である)

◎髪の毛、肌の健康を維持する
…代謝を助ける酵素となる為、頭皮や毛髪、肌のターンオーバーをサポートする
抜け毛や肌荒れを予防する
不足…抜け毛や白髪、シミの増加、毛髪細胞や肌細胞が衰退する

◎精神安定、うつ状態を緩和する
…亜鉛は神経伝達物質の生成に必要
神経伝達物質が正常に作られ働くことで感情のコントロール、脳の機能を高まることで記憶力を維持する

このように亜鉛はたくさんの細胞や器官で活躍する栄養素なのです。
亜鉛が身体にどれだけ必要な栄養素かはお分かりいただけたでしょう。

次に、亜鉛はどのように身体に吸収されていくのでしょうか。
食べ物に含まれる亜鉛は、アミノ酸、リン酸、有機酸などと結合して、小腸(十二指腸、空腸)で吸収されます。
小腸の腸管での吸収経路は2つあります。

1つ目は受動拡散といわれるものです。
拡散は濃度の高い方から低い方へ輸送されていくもので、エネルギーは使用しません。
2つ目は運搬体による能動輸送です。
大半の亜鉛の吸収経路は運搬体を利用したもので、腸管内の亜鉛濃度が低い場合でエネルギーを使用して吸収します。

小腸へ吸収された亜鉛は粘膜で腸タンパクと結合し血液中へ送られていき、血液内では3分の1がアルブミンと弱く結合、3分の1がグロブリンと強く結合して、肝臓を始め様々な組織に送られます。
吸収率は約20〜70%でとても幅広く、摂取量を増やせば吸収率は減少し、摂取量を減らせば吸収率は上昇します。

腸管で吸収されなかった残りの亜鉛は、亜鉛を含んでいる腸管粘液の脱落、膵臓から腸管への膵液の分泌で糞便中へ移行され排泄します。
亜鉛は尿中には摂取量の増減に関わらずほぼ一定量が排泄され、糞便中と比べると約10分の1以下です。
これ以外にも皮膚や毛髪、汗や血液、精液を通しても排泄されていきます。

亜鉛不足で起こる症状は先ほどたくさん上げられましたが、過剰症は存在するのでしょうか?
亜鉛は水溶性の物質(過剰に摂取しても尿として排泄されやすい)ですが、ビタミンCなどの水溶性ビタミンに比べれば吸収率はいい方です。
しかし、過剰症は一般的な食事のみではあまり考えられません。
亜鉛だけを考えて摂取するなら可能かもしれませんが、他に含まれている栄養素のバランスも食事には大事ですからね。

亜鉛の過剰症をあげてみましょう。
〇急性亜鉛中毒
…胃の不快感、吐き気、嘔吐、めまいなど…
1日150r以上の亜鉛摂取で吐き気を起こす可能性がある

〇慢性亜鉛中毒
…胃の不快感、吐き気、嘔吐、免疫力の低下など…
1日100r以上の亜鉛摂取で免疫力低下を起こす可能性がある

〇鉄欠乏症(亜鉛の過剰摂取による鉄吸収の阻害)
…めまい、息切れ、疲労感、脱毛、筋力低下、集中力低下、神経症状など…

〇銅欠乏症(亜鉛の過剰摂取による銅吸収の阻害)
…貧血、髪の毛や肌の脱色、骨の劣化、免疫力低下、皮下出血、疲労感、血管損傷など…

不足するのと同じくらいたくさんの細胞で影響が出ます。
体内での亜鉛が不足にも過剰にもならないためには、どのくらいの量を摂取するのが理想なのでしょうか…?

亜鉛は男性も女性も年齢を重ねるとともに摂取推奨量が増加します。
胎児〜生後6か月:1日2r
6〜7歳:1日5r
成人男子:1日10r (15〜17歳でピークに到達)
成人女子:1日8r (12〜14歳でピークに到達)
70歳以上:男性は1日9r、女性は1日7r

亜鉛は胎児が成長する際の細胞分裂や産後の成長にも必要な栄養素なので、妊婦さんや授乳中の方の摂取推奨量はプラス2〜3r程になります。
日本では亜鉛摂取の1日の上限量は男性で40〜45r、女性では35rとされています。

かの有名なAV男優のしみけんさんは毎日70〜90rの亜鉛を摂取しているんだとか…ちなみに2020年で41歳の現役です。
ここまで摂取して過剰症などの影響が出ないのか??
これは、排泄される亜鉛の量が違うので大丈夫といったところでしょうか。
しみけんさんは、毎日2回必ず射精をしているそう。
もちろんお仕事があればさらに増えるのでしょう…
調べていると1日で4現場あるなんて記事も読みました。驚愕…

亜鉛の吸収率は摂取量で変化するのですが、平均では約30%なので、単純計算すると90rの亜鉛を摂取しても、吸収できる量が27rということになります。
1回の射精で失われる亜鉛は約7rといわれているので、3回射精すればマイナス21rで、排出された後では6rが体内に残ります。
残された亜鉛は、様々な細胞で働かなくてはなりません。
身体に必要な分を吸収するためには、排出後まで考えて摂取しなければならないのです。

では、具体的にどのくらい摂取すればよいのか?
食事だけで摂取しきるのはなかなか厳しいので、やはりサプリメントが効率良いでしょう。
おすすめなのは、亜鉛が50r程度含まれているものです。
私は女性ですが、亜鉛が50r含まれたサプリを毎日飲んでいます。
同時に亜鉛が多く含まれる肉や魚などのタンパク質もたくさん食べています。
私はデスクワークというよりは立ち仕事で身体を動かし汗をかきます。
汗にも亜鉛は多く含まれるので、亜鉛の摂取は毎日欠かせないのです。

男性は特にですが、女性でも亜鉛の摂取量が足りていないことは多くあります。
さらに妊娠中や授乳中の女性は、赤ちゃんに亜鉛の栄養素が必要なこともあって不足しがちです。
母親からの栄養は赤ちゃんに優先されるので、抜け毛、肌荒れなど感じたことがあれば亜鉛不足も原因の一つでしょう。

ちなみに影響が出るのは母親だけではありません。
母親の亜鉛が不足し始めると赤ちゃんの成長障害や免疫力低下、胃腸機能障害などの症状を引き起こしかねません。
大人だけでなく出生直後から成長期の子どもにも欠かせないのです。
日本では珍しいですが、海外では亜鉛不足による低身長、低体重である子供も多くいます。

亜鉛は微量ミネラル(鉄、銅、クロム、セレンなど…)の中で最も不足しやすい栄養素です。
そんなに簡単には過剰症にはなりえないですし、不足すれば一大事です。
皆さん、積極的に摂取しましょう。

では、亜鉛が多く含まれる食材をご紹介します!
亜鉛、牡蠣、テストステロン

ご覧の通り、亜鉛は魚介類や肉類など動物性のたんぱく質に多く含まれています。
牡蠣をはじめとしたタニシなどの貝類は金属を溜め込む性質があるため、亜鉛や鉄、マグネシウムなどさまざまなミネラルを多く含んでいます。
また同じ食材でも調理方法によっては亜鉛の含有量に差が出ます。
例えば牡蠣や豚レバーなどを燻製すれば、栄養素を凝縮してくれるため、亜鉛の濃度は濃くなります。
ぜひ、調理する際は工夫してみてください。
亜鉛、牡蠣、テストステロン

ここで注意点が二つ…。
一つ目の注意点は、塩分!!
亜鉛、牡蠣、テストステロン
日本人は、外国に比べるとただでさえ塩分過多だといわれています。
塩分の過剰摂取は、高血圧症や心臓病、脳卒中の原因になることが分かっており、アメリカでは心血管疾患を予防する際の塩分推奨量は1日3.8g〜6.0gとなっています。
日本人の塩分摂取量は平均で1日当たり、男性で約11.1g、女性で約9.4gといわれており、これは世界的に見て非常に多い数字です。
最近では、日本でも様々な機関によって塩分摂取量の目標値が掲げられています。

・厚生労働省の1日あたりの塩分摂取量の目標値 男性…8g、女性…7g
・高血圧学会の1日あたりの塩分摂取量の推奨値 6g未満
・腎臓病患者の塩分摂取量の目安値 3gから6gほど
・人工透析患者の塩分摂取量の目安値 6g
・WHO世界保健機関の1日あたりの塩分摂取量の目標値 5g未満
WHOの基準値は日本の平均摂取量の半分以下と日本人にとってはとても厳しい数字です。
しかしそれくらい塩分を控えないということですね…。

話が少し逸れてしまいましたが、亜鉛を多く含む魚介類、肉類の中には、100g当たりの塩分の含有量が多いものもあるので気をつけましょう。
<100gあたりの塩分の含有量>
・ビーフジャーキー 4.8g
・たらこ 4.6g
・煮干し 4.3g
・くさや 4.1g
・干しエビ 3.8g
・からすみ 3.6g
・するめ 2.3g
ビーフジャーキーもたらこも、だれでも美味しく手を伸ばしやすい食材ですよね。
せっかく亜鉛の摂取量を満たしていても、塩分過多で病気になっては元も子もありません。
食べすぎには注意をしましょうと言いたいところですが、塩分の種類に注意しましょう。
天然の海塩、岩塩、魚介類などにもともと含まれる塩分に関しては害は全くありません。
上記に書いた食材は保存食ですので、保存の効く塩で防腐しています。
この塩が精製塩だと身体に悪く、天然塩なら身体に良いのです。
よって牡蠣などを食べる際には、調理に天然塩を使えば、塩分過多は存在せず、むしろ私たちに必要な食材になるのです。
天然塩にはたくさんのミネラルが含まれますよ。
亜鉛、牡蠣、テストステロン
一概に、塩分を敵視しないようにしましょう。

二つ目は穀類や大豆製品を含む豆類!
亜鉛は小麦胚芽やパン酵母に多く含まれていますが、小麦製品は要注意!!!
これに関しては毎度のことになってしまいますが、皆さんの耳にタコができるほど伝えたいお話…
まず、小麦を摂取することでのメリットはありません。
全くないと言ったらそれは嘘になるのですが、少なくともメリットがデメリットを上回ることはありません。
小麦はスーパー糖質といわれ砂糖よりも糖度が高く、身体の糖化の原因物質として文句なしの食材です。
ちなみに糖質摂取による糖化とは、細胞の老化に直結するもので、肌で言うならシミやシワのごわつき、血液ならドロドロで血管を流れづらい状態、骨なら黄ばみ…など考えれば考えるほど恐ろしい状態です。
もちろん糖質が卵子に与える悪影響も少なくありません。

また、小麦などの穀類同様に豆類も植物性のタンパク質です。
タンパク質といわれると積極的に摂取したほうがよさそうですが、動物性のタンパク質と違い、植物性にはフィチン酸という物質が含まれています。
フィチン酸は、亜鉛やその他のミネラルの吸収率を下げてしまう働きがあるので、亜鉛の効果を十分に発揮させるために摂取は避けたいのです。

さらに、小麦製品と同じで何度もお伝えしてきましたが、大豆製品は妊活中とても相性が悪い食材です。
大豆製品に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに類似しているため、摂取すると私たちの脳を撹乱させます。
いわゆる"内分泌かく乱物質"のことです。
女性ホルモンのバランスを乱す結果に繋がるので、イソフラボンの積極的な摂取は確実に避けましょう。
おいしい小麦製品や大豆製品はたくさんですが、デメリットを思い浮かべて、グッとこらえることをおすすめします…。

亜鉛の吸収を妨げる物質は他にも存在します。
・フィチン酸
…ナッツや豆腐などの豆類、大豆製品、小麦などの穀類に含まれる
フィチン酸が亜鉛と結合して吸収を阻害する
ベジタリアンやビーガンはフィチン酸の摂取が過剰である

・ポリリン酸
…インスタント、ファストフード、スナック菓子などに含まれる食品添加物
ポリリン酸が亜鉛と結合して吸収を阻害する

・アルコール
…アルコールを分解する際に亜鉛が消費されるので摂取すればするほど消費される

・食物繊維
…わかめや海藻類などに含まれる
食物繊維はミネラル(亜鉛、鉄、銅など)を吸着し吸収せずに体外へ排出される

・タンニン
…コーヒーや紅茶、抹茶などに含まれる
タンニンが亜鉛や鉄分と結びやすく吸着し吸収せずに体外へ排出される

・シュウ酸
…ほうれん草やたけのこ、チョコレートやココアなどに含まれる
シュウ酸が亜鉛と結合し吸収を阻害する
(シュウ酸の摂取過剰は尿管結石の原因にもなる)

・カルシウム
過剰摂取で亜鉛と結合し吸収を阻害する

吸収を阻害する物質もあれば、吸収効率を上げる物質もあります。
それは動物性のタンパク質やビタミンC、ビタミンAです。
これらの栄養素は亜鉛の効果を発揮しやすくする組み合わせなので、一緒に摂取することをおすすめします。

ちなみに、タンパク質、ビタミンCの摂取は、筋トレをして筋肉を効率よく増やしたい時や回復を早めることにも適しています。
ビタミンCは、骨や靭帯、腱を構成するコラーゲンの生成を助けるので、妊活中に限らず身体を鍛えたい人はぜひこの組み合わせで摂取していただきたいものです。

そして、ビタミンAは亜鉛の吸収率を高め、亜鉛はビタミンAの働きを助けることから相乗効果が望めます。
抗酸化作用をスムーズに働くようにもするので、筋組織の修復に持って来いです。
摂取する際は意識してみてください。

今回お伝えしたのは、亜鉛の栄養素がどれだけ身体に必要なのか…
特に男性にとっての亜鉛がどれだけ大切か!!です。
妊活を始める方は是非積極的に摂取していきましょう。

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マグネシウム〜アンチエイジングミネラル〜|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|

みなさん、マグネシウムという名前は聞いたことありますよね!
でも、どんな働きをしているのかはあまり知られていません。
私たちが日々生きていくために実はとっても重要な存在なんです。
今回はそんな "縁の下の力持ち" マグネシウムについてお伝えします。

マグネシウムは、人体の機能が正常に働くために必要なミネラル(無機質)のひとつです。
体内に含まれるミネラルには、必要量が微量のミクロミネラルと、1日に100mg以上必要なマクロミネラルの2つがあり、マグネシウムはマクロミネラルに分類されます。
マクロミネラルには他に、ナトリウム・カリウム・塩素・カルシウム・リンがあります。

マグネシウムは多くの食物の中に自然に存在する他、胃酸の分泌を抑える制酸剤や便秘薬などにも含まれます。
食品として摂取したマグネシウムの吸収は主に小腸で行われ腎臓で排泄されます。
腸管での吸収はビタミンDによって促進され、カルシウムやリンによって抑制されます。

マグネシウムは細胞内に多く含まれ、非常にたくさんの体の仕組みを影からサポートしています。
その体の仕組みというのはずばり、エネルギー産生やタンパク質合成、筋肉の収縮弛緩や神経の興奮抑制、ホルモン分泌、血糖や血圧の調整など、人が生きる上で不可欠の体内における様々な生化学反応のことですが、マグネシウムはこうした生化学反応をコントロールする300種類以上の酵素の補因子として働きます。

酵素と言うと唾液に含まれるアミラーゼや膵臓で作られるリパーゼなどの消化酵素が有名ですね。
他にも酸化酵素、エネルギー代謝酵素など非常に多くの種類がありますが、酵素補因子とはこうした酵素を活性化させ機能を果たすよう指示する物質です。
酵素は体の働きをサポートするもの。
その酵素をさらにサポートするのが酵素補因子です。
このように非常にたくさんの仕組みをサポートするマグネシウムですが、中でもエネルギー代謝に大きく関わります。
ブドウ糖をエネルギーに変化させる過程で重要な役割を持つ酵素をいくつも活性化させ、これによりヒトはエネルギーを生み出すことができるのです。
また遺伝情報の発現にも関与する他、血小板の凝集を抑え、血栓を作りにくくする作用もあります。
マグネシウムは、皮膚のバリア機能を司るセラミド合成に重要であるということや抗動脈硬化作用があるということから『アンチエイジングミネラル』とも呼ばれています。
アンチエイジングは妊活する上でも重要なテーマですね。

ここで、マグネシウムの働きをまとめてみましょう。
●働き
心筋を含む筋肉の働きを正常に保つ
→カルシウムの働きで収縮した筋肉を弛緩させる、不足すると筋肉の痙攣を引き起こす
マグネシウム、カルシウム、筋肉に弛緩

血圧を適正に維持する
→血管の弛緩により血圧低下に働く
マグネシウム、血圧、妊活

血糖の調節
→膵臓β細胞からのインスリン分泌に必要不可欠、骨格筋表面のインスリン受容体にインスリンが結合しやすくなるよう働き、糖分を筋肉に取り込み効率良くエネルギー源として使えるようにする、
マグネシウムが不足するとインスリン抵抗性が引き起こされ、結果として腎尿細管での再吸収が阻害されさらにマグネシウム不足が進む悪循環となる
マグネシウム、血圧、妊活

カリウム・ナトリウムバランスの維持
→この2つのバランスが心臓や消化機能、生殖機能、発育に重要であり、カリウム・ナトリウム量の調節に働く酵素にはマグネシウムが不可欠
マグネシウム、不妊、針灸、銀座

ホルモン産生に関与
→様々なホルモン分泌に酵素浦因子として関わる
、副腎の活性化を抑制し、コルチゾルやアドレナリンなどのストレスホルモン分泌を抑えるなど

タンパク質・炭水化物・脂質の消化を助ける
→糖質や脂質の代謝を促進する働きをサポート
消化吸収、マグネシウム、銀座、東京

精神を安定に保つ
→セロトニンなどの神経伝達物質の前駆体として働く
セロトニン分泌の低下はうつ症状にも大きく関わる

骨の構成成分となる
→骨格系の発達を助ける
骨形成、骨細胞、銀座

エネルギー産生
→糖と脂肪を燃やしてエネルギーに変える(ATPを活性化)
不妊はりきゅう、銀座、東京、銀のすず

遺伝子の発現に関与
→遺伝情報の設計図であるDNAやRNAの合成に必要
※DNAポリメラーゼやRNAポリメラーゼの活動にはマグネシウムが必須なため受精卵などの染色体にも欠かせない

カルシウムやカリウムの細胞膜通過時に能動輸送を担う
→神経伝導や筋収縮、正常な心調律に重要

抗酸化作用
→抗酸化物質グルタチオンの合成に必要
などなどなど。。。


これらはほんの一例で、まだまだたくさんのことをサポートしています。
みなさん、お気づきでしょうか。マグネシウムの働きはほとんどが脇役!!
これこそが"縁の下の力持ち"とご紹介したわけです。
さらに、こうした働きは主にカルシウムと拮抗して行われます。
例えば、カルシウムの働きで収縮した筋肉をマグネシウムの働きで緩めたり、
カルシウムの働きで固まった血液をマグネシウムの働きで溶かしたりといった具合に、両者は相反する働きを司っているのです。
どちらかだけではいけません。

●人体構成
成人では体内に約25gのマグネシウムが含まれ、マクロミネラルとしてはカルシウム、カリウム、ナトリウムに次いで4番目に豊富です。
細胞内ではカリウムに次に豊富。
体重1kgあたりおよそ0.5g含まれます。
普段は主に骨の表面近くにマグネシウムイオンとして保存されていますが、不足するとカルシウムイオンと置き換わり、マグネシウムが体内に補充され、代謝のサポートにまわります。
体内では主にマグネシウムイオンもしくは化合物として存在し、以下のように分布しています。

50から60%:骨(リン酸マグネシウムや炭酸マグネシウムとして封入)
40%   :筋肉や脳、神経
1%未満 :細胞外液(血清+間質液)

このように、体内にあるマグネシウムのほとんどが骨や筋肉、神経に存在するため、検査によるマグネシウム量の評価は困難です。
血液検査で分かるのはほんの1%に過ぎません。
※血清マグネシウム濃度:0.75から1.07mmol/L
マグネシウム濃度は主に腎臓でコントロールされ、通常1日に約120mg尿中に排泄されます。
経口摂取の場合、過剰量については腸管からの吸収が抑制されて速やかに尿から排泄されるため過剰症が起きることはまれです。
過剰症の代表は下痢です。

血漿中マグネシウムの65%はフリーのマグネシウムイオン(Mg2+)として、
約15%は炭酸、リン酸、クエン酸、シュウ酸と結合した状態、約20%はタンパク質と結合した状態で存在する。

●成人の1日あたりの推奨栄養所要量
一般的には以下の1日所要量が挙げられます。
男性 400から420mg
女性 310から360mg(妊娠中は+40から50mg)
体重に基づくべきという専門家も多く、体重1kgあたり6mgを目安として摂取するべきとも言われています(小児の場合は5mg/1kg)。
また、その働きの多岐にわたることなどから1日600から900mg摂るのが理想だとも言われています。
過去の食事調査によると、日本人成人のマグネシウム摂取量は150から300mgという結果となっており、大半において慢性的な不足が考えられます。
健康な人のマグネシウム吸収率は約30から40%とされているので、サプリメントなどでは表記の含有量と照らし合わせて摂ると良いでしょう。
腎機能が健康であれば、マグネシウムの摂取量を少しずつ増やしてみて下痢が起こるところを適正量とする考え方もあります。
投薬を受けている場合には医師に確認しましょう。
妊娠中は非妊娠時に比べマグネシウムの必要量も増え、妊娠中のマグネシウム欠乏は子癇前症、早産、胎児の成長遅延と関連すると言われています。
ぜひ妊娠前から摂りたいところですね!

●欠乏症
マグネシウムが足りなくなると、以下のような症状が引き起こされます。

疲労感・吐き気・不整脈・動悸・偏頭痛・筋緊張低下・筋痙攣・ADHD・パニック障害・喘息・血栓・動脈硬化・腸疾患・膀胱炎・うつ・糖尿病・心臓病・高血圧・低血糖・不眠症・腎臓病・肝臓病・神経疾患・PMS・不妊・子癇前症・骨粗しょう症・虫歯など。。

たくさんの働きをサポートしているだけあって、何から何まで不調になっちゃうんですね。
また、マグネシウム不足が進行することで人格変化が起こる恐れもあります。人が変わってしまうとは!マグネシウム侮るなかれです。

●過剰症
下痢、吐き気、嘔吐、低血圧
通常の食事では過剰分は尿中に排泄されるため起こりませんが、腎臓病がある場合やマグネシウム注射を用いた場合などでは高マグネシウム血症となります。

●おすすめ
高血圧・心疾患・糖尿病・骨粗鬆症・腎結石予防などとして勧められます。
マグネシウム濃度低下の原因となる次のような方は積極的に摂りましょう。
・アルコール、カフェイン、ジュースの摂取が多い
・老化(高年齢化による吸収率減少や、吸収を妨げうる薬の服用が増えるため)
・利尿剤、抗生物質、副腎皮質ホルモン剤、制酸剤、インスリンなどの服用
・消化器系の不調がある

●多く含む食品
海藻類・緑葉野菜・魚介類・種実・穀物に多く含まれています。
海の中には塩化マグネシウムがあり、そこで生きる海藻にたくさん含まれます。
緑色の葉っぱに含まれるクロロフィルという色素は光合成に重要な物質ですが、
その構造の中心にマグネシウムがあるため、必然的にマグネシウム含有量が多くなっています。葉っぱではありませんがアボカドもおすすめです(1つに約58g)。
お茶やコーヒーの葉や豆にはマグネシウムが多く含まれますが、浸出液(飲み物の状態)には少なくなってしまいます。
無糖のココアパウダーには豊富に含まれるので飲み物で摂りたい場合はココアですね。
最近話題のカカオニブにも豊富です。
大量に食べないといけませんが。。。
マグネシウムは土壌から吸収され野菜に含まれますが、現代の野菜だけでは不十分と言われています。
土壌の栄養が昔よりも少なくなっている他、除草剤によるキレート作用により人体内への吸収が阻害され昔の野菜に比べて半分以下の摂取量しか期待できないそうです。
やはり、現代では食べ物だけで全ての栄養を賄うのは難しいのですね。
こうなったら文明の利器、サプリメントの出番です。

●サプリメント
ここまででもマグネシウムがどれだけ多くの働きを担っていて、いかに大切かということがお分かりいただけたかと思います。
しかし、現代人はマグネシウム不足であることがほとんどであり、研究者たちは無症状の欠乏状態に警鐘を鳴らしています。
それもそのはず。みなさんにも見ていただいた通り、あんなにたくさんの働きをしているのだから、足りないなんて良くないですよね。補いましょう。

マグネシウムは単体では存在することができないため、別の物質と結合してマグネシウム化合物という形でサプリメントになっています。
酸化マグネシウムは便秘に対する処方薬として有名ですね。
しかし、マグネシウムの摂取を目的とするなら不適当です。
酸化マグネシウムとして摂取したマグネシウムの吸収率はわずか4%と低く、大半が小腸を通過して排泄されてしまいます。
このことが便通の改善に役立つ理由なのですが、マグネシウムを吸収したいとなると別のものが良さそうですね。
グリシン酸マグネシウムやアスパラギン酸マグネシウム、タウリン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウムやリンゴ酸マグネシウムなどは経口摂取での吸収率が比較的高いと言われています。
新しい型のトレオン酸マグネシウムは、ミトコンドリアを含む細胞膜や血液脳関門への透過性が高く、吸収率が最も高いと考えられ、注目されています。
注意したいものとしては、ステアリン酸マグネシウムを含む商品です。これは危険性の高い添加物として知られています。

マグネシウムを摂取するにあたり、重要なのはカルシウムとの比率が1:1になるようにすることです。
お伝えしたようにこの二つは拮抗する働きがあり、どちらかが多くてもいけません。
よくあるのが、カルシウムは摂っているけどマグネシウムは摂っていないという例です。
カルシウムの働きばかり強めてしまうと、筋肉が収縮したは良いもののマグネシウム不足のためにうまく弛緩できなくなってしまいます。
脚がつる原因にもなります。
また、カルシウムやマグネシウムの吸収に関わるビタミンDやビタミンKについても同様に考えなくてはいけません。
人間の体は複雑で、全てが関わり合っているので一つだけ摂ればOKというものがないんです。すごいことですよね。

●妊活・妊娠との関係
マグネシウムは人体のあらゆる機能をサポートする役割として必要不可欠、ということはもうお分かりいただけましたね。
こうなると、これまた複雑な仕組みで成立する妊娠についても多大な影響を与えていることが予想できますよね。
妊娠にはホルモンの分泌が密接に関わっていることはみなさんご存知の通りです。
そのとても重要なホルモン分泌にもマグネシウムが関与しています。
不妊治療ではホルモン剤を多く用いますが、これらの影響によりマグネシウム欠乏が引き起こされることがあります。
特にプレドニンなどの副腎皮質ホルモンは使用頻度も高いため、服用している場合はマグネシウムを摂るよう心がけましょう。
また、妊活の敵:ストレスに対抗するホルモン分泌にも関わっています。
ストレスが強いと、副腎から女性ホルモンを出すべきところを抗ストレスホルモンが分泌されてしまいますが、マグネシウムは副腎の働きを抑制してくれます。
まぁ落ち着け副腎さん、という感じに。

妊娠初期、女性の体には胎児を育てるためのダイナミックな変化が起こります。
この時にもマグネシウムは大切です。
もちろん、カルシウムとともに胎児の骨や歯の形成に必要不可欠ということは言うまでもありません。
母体に起こる変化の多くは胎盤から分泌されるホルモンの働きによって引き起こされます。
細胞内マグネシウム量の増加もその一つです。
この結果、高カルシウム血症となってつわりの原因となるという説もありますが、今は置いておきます。

マグネシウムが細胞内に大量に取り込まれることで血液中のマグネシウム濃度は低下します。
これによりインスリン感受性が増し、食後の血糖値が上がりやすくなります。
これはお腹の中の赤ちゃんに栄養をスムーズに届けるためのシステムなのですが、そうは言っても高すぎると困るのが血糖値です。
だいたい妊娠20週前後の妊婦検診で糖負荷試験を行い、基準を超えると妊娠糖尿病と診断されます。
妊娠中に使われる薬の中にもマグネシウムが含まれるものがあります。
有名なものは酸化マグネシウムです。
妊娠中はホルモンの影響などで便秘になることが多く、妊娠中でも服用可能な便秘薬として用いられます。
また、硫酸マグネシウムは子宮収縮抑制作用があるため切迫早産の治療薬として用いられます。


マグネシウムはとにかくたくさんの体の仕組みをサポートしている名脇役だということがお分かりいただけましたでしょうか。
妊活にももちろん重要です。
最後にもう一度、栄養素は1つだけを摂るのではなく、必要な量とバランスが大切。
意識して摂ってみましょう。

何かございましたらご質問ください。
銀のすず
不妊鍼灸、マタニティ、整体 不妊治療、逆子、骨盤矯正



ビタミンB12〜抗貧血ビタミン〜

皆さんは、ビタミンB群に属している栄養素、いくつあげられますか??
以前にお伝えした栄養素もあるかと思いますが、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン(ビタミンB3)、ビタミンB6、葉酸(ビタミンB9)、ビタミンB12、パントテン酸、ビオチンなど…
コバラミン、コバルト、抗貧血ビタミン、核酸合成

これらの8つは代表的なビタミンB群の仲間といわれています。
ビタミンB群は、主に摂取した栄養を代謝・分解したり、エネルギーに変換したり、私たちが生きていくために欠かせない働きをしている栄養素です。
今回はこの中で最も、妊活中に多くの方が摂取している葉酸!!ではなく…
葉酸とよく似た働きをしていることで知られている、"ビタミンB12"にスポットを当てていこうと思います。

ビタミンB12はビタミンB群の仲間の水溶性物質で、葉酸とともに神経細胞内の核酸やタンパク質の合成を促す働きや赤血球の合成を助ける働きを持ちます。
化学構造の中心に、ミネラルの一種であるコバルトを含んだ化合物です。
ビタミンB12は、コバルトが構成成分ということから"コバラミン"、そのコバルトが暗赤色をしていることから"赤いビタミン"、赤血球の合成を助けることから"造血ビタミン"などとさまざまな別名で呼ぶことがあります。

コバルトはビタミンB12の構成成分として存在しており、体内で合成することができないため、食事から補う必要がある必須ミネラルです。
食事で摂取したコバルトは、腸内細菌によってビタミンB12に合成されていきます。
ヒト体内では、約1.5r〜2r程のコバルトが存在していて、このうちおよそ15%程度のコバルトがビタミンB12の構成成分になります。
残り85%のコバルトは、はっきりと解明されてはいませんが、何らかの酵素を構成していると考えられています。

コバラミン、コバルト、抗貧血ビタミン、核酸合成

ビタミンB12に含まれるコバルトは、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、アデノシルコバラミン、メチルコバラミン、スルフィトコバラミで、ビタミンB12としての生理活性を持つ成分です。
5つの中でも最も効率良く利用されるのがシアノコバラミンなので、ビタミンB12の狭義ではシアノコバラミンを指すことがあります。
5つのコバルトは、それぞれの役割などがありますが、主にビタミンB12を助ける作用が強いため、働きとしてはほとんどビタミンB12と同じです。
この5つのコバルトに関しては、備考として後述しておきます。

コバラミン、コバルト、抗貧血ビタミン、核酸合成

では、ビタミンB12の話に戻りましょう。
妊活中や妊娠中の方がビタミンB12について特に気になるのは、"葉酸"と似た働きを持つということではないでしょうか。
ビタミンB12は、葉酸とともに赤血球や核酸の合成に関わっています。
実は、葉酸がきちんと作用を発揮するためにはビタミンB12の存在が不可欠なので、葉酸が多く含まれる食べ物や健康食品である葉酸のサプリメントでは、基本的にビタミンB12が一緒に含まれています。

ビタミンB12や葉酸が合成している赤血球や核酸は、私たちが生きていくために欠かせない栄養素です。
ご存知の方も多いですが、赤血球は血液の約40〜50%の量を占めています。
血液のおよそ半分を占めているということは、赤血球の合成が行われないといわゆる"貧血"を引き起こします。
そして核酸は、私たちを構成している約60兆個もの細胞全てに存在します。
子孫へつなぐ遺伝情報を含み、細胞が正常であるためには必要不可欠です。
全ての栄養や酸素を運ぶ血液も正常な細胞たちも、妊活、妊娠中には十二分であってほしい栄養素なのです。

まずビタミンB12が合成している赤血球についてよく知る必要があります。
赤血球は、直径7〜8μm、厚さ2μmほどで円盤状の両面中央がへこんだ形をしています。
血液の1μLあたりで男性は約400〜600万個、女性は約350〜500万個ほど存在し、血液の約40〜50%を占めます。
成人の全身での血液はおよそ3.5〜5.0Lで、体内の赤血球総数は約20兆個であるとされています。
私たちは約60兆個の細胞で身体が構成されるといわれているので、赤血球は全身の細胞の3分の1も占めているのことになります。
驚きですよね…

骨髄で毎日約2000億個の赤血球が作られていき、その間に20〜30万回にわたり全身を循環して酸素の供給と二酸化炭素の排出を行っていきます。
赤血球の約9割は鉄を含んだヘモグロビンでできているのですが、このヘモグロビンに酸素を取り込んで、身体中のあらゆる細胞に運んでいき、同様に二酸化炭素の排出をしていきます。
成人の赤血球に含まれるヘモグロビンの総量は約750gで、1gのヘモグロビンはおよそ1.39mLの酸素と結合することから、赤血球の持つヘモグロビン約750gでは約1Lの酸素を運ぶことが出来ます。
そして、約120日で寿命を迎える赤血球は、脾臓や肝臓などのマクロファージに捕食され分解されます。

赤血球は骨髄の造血幹細胞から作られ、マクロファージを中心に赤芽球が取り囲むように数個〜数十個が集団で集まっています。
赤芽球とは造血幹細胞から赤血球への成長途中の細胞のことで、豊富なミトコンドリアやリボソームが存在するため、ヘモグロビンの合成を盛んに行っています。
赤芽球は成熟過程で脱核し、ミトコンドリアやリボソームが抜け落ちるので、成熟し終えた赤血球ではヘモグロビンの合成が行われることはありません。

つまり、ヘモグロビンは赤血球の9割を占めて、酸素や二酸化炭素の運搬、排出をしていて、そのヘモグロビンの合成には赤芽球が正常に働き成熟することが大切なのです。
ビタミンB12は赤血球の合成に働きかけていますが、特に赤芽球の合成に関わっているのです。

では核酸の合成は、どれくらい大事なのでしょうか??
核酸とは遺伝情報の伝達や、タンパク質を合成することに関わる物質ですべての生物が生きるために必要としています。
ちなみに核の中に存在しているので、核を持たない赤血球には不必要に感じますが、赤血球は造血の過程で核を失っているだけで、もともとは核を保有しているので、普通の細胞同様に核酸(DNA、RNA)やタンパク質が必要です。
私たちの身体の細胞全てに核酸が必要だと考えていただければいいと思います。

核酸は、塩基と糖とリン酸が結合したヌクレオチドを構成成分としていますが、核酸の中でも組み合わさる塩基と糖の違いによって、DNAとRNAの2種類に分けられます。
まず1つ目にDNA(デオキシリボ核酸)は、2本のポリヌクレオチド鎖が逆並行に集まることで二重らせん構造を形成していて、2本鎖のため安定した構造になっています。
コバラミン、コバルト、抗貧血ビタミン、核酸合成

塩基はアデニン、グアニン、チミン、シトシンの4種類で糖はデオキシリボースです。
らせんの内側で4種類の塩基がそれぞれアデニンとチミン・グアニンとシトシンで対になり水素結合をすることで2本のポリヌクレオチド鎖を繋いでいます。
それぞれの塩基対は疎水相互作用を働かせDNAを安定させているのです。

DNAは、細胞の核内に遺伝情報を持ちます。
遺伝情報は細胞が正常に活動するために必要なタンパク質を合成する際に欠かせません。
また、DNAに含まれている遺伝情報に基づいて身体中の細胞、器官、臓器が作られていくことから、"身体の設計図"と言われることもあります。もちろん精子や卵子の細胞にも存在していて、受精を経て子孫に細胞の情報が遺伝します。
DNAが持つ遺伝情報次第で髪や目の色の外見的特徴、かかりやすい病気や太りやすい痩せやすいといった体質的特徴が決まるのです。
このように親から子供へと自動的に伝わるものを遺伝形質といい、遺伝形質を決める因子を遺伝子といいます。

余興ですが…DNAといえば、よく刑事ドラマでDNA検査やDNA鑑定など聞いたことがあるかと思います。
これは個人の識別を行う検査で、犯罪捜査や親子鑑定、血縁関係を調べる時に使用されます。
DNA検査はヒトの場合だと主に、約30億個のDNA配列のうちで個人差が見られやすい数百個分の配列を複数分組み合わせて調べます。
国内の犯罪捜査で使われているDNA型判定では、別人で型が一致する確率は最大でも4兆7千億人に1人だとされています。
あくまでこれは警察のデータベースに保存されている約34万人の中での話ですし、考えられる確率の話ですので正確であるとはいえません。
ただ、十人十色という四字熟語もあるように、遺伝情報が含まれているDNAは全く同じであることは限りなくゼロに近いと考えられます。

次にRNA(リボ核酸)は、1本のポリヌクレオチド鎖で形成され、らせん構造やステム構造、ループ構造など1本鎖のためDNAに比べると不安定な構造をしています。
RNAのヌクレオチドは、DNA同様でリボース、リン酸、塩基で構成され、塩基はアデニン、グアニン、ウラシル、シトシンの4種類で糖はリボースです。
DNAとの違いは塩基がチミンではなくウラシルということ、糖がデオキシリボースではなくリボースということです。
DNAを構成していたデオキシリボースの"デオキシ"というのはリボースに対して"酸素原子が一つ少ない"構造であることを示しています。

RNAの働きとしては、遺伝情報のコピーや伝達、アミノ酸の収集、タンパク質合成などがあります。
RNAを大きく分けると、mRNA(メッセンジャーRNA)、tRNA(トランスファーRNA)、rRNA(リボソームRNA)の3種類があります。

mRNAは核内で合成され、DNAの遺伝情報を写しとって細胞質に移動します。
コピーした遺伝情報をタンパク質の合成をする工場といわれるリボソームまで伝達する働きを持ち、伝令RNAとも呼ばれます。

tRNAはDNAを転写することで合成され、rRNAにアミノ酸を運搬します。
tRNAがmRNAの配列に基づいて翻訳し合成した特定のアミノ酸をタンパク質合成時にリボソームへ運びます。
タンパク質の構成成分であるアミノ酸は、tRNAによって決定しているのです。
DNAを転写してアミノ酸を運ぶことから転写RNA、転移RNA、運搬RNAなどとも呼ばれます。

rRNAは生体内のRNAで最も大量に存在していて(RNAのうちの約70%〜80%)、タンパク質を合成する工場といわれる"リボソーム"を構成します。
細胞の核小体で形成され、核の中でrRNAにリボソームタンパク質が付着してリボソームが合成されていきます。
これは途中段階で細胞質に移動して最終成熟し、リボソームが完成します。
タンパク質は私たちの身体の構成成分として約20%を占めています。
rRNAは身体の2割を占めたタンパク質を合成する成分として、生きていくためになくてはならないのです。


ビタミンB12が欠乏すると、骨髄での核酸(DNA、RNA)の合成が乱れ、赤血球を含む私たちの身体すべての細胞で分裂や合成に悪影響を及ぼします。
さらにビタミンB12は葉酸と密接な関係にあって、活性型の葉酸を再生産しているため、ビタミンB12が不足すれば同時に葉酸も不足します。
葉酸もビタミンB12と同じように、赤血球や核酸の合成を行っているので、葉酸の作用をきちんと発揮するためにも、ビタミンB12は外せない栄養素なのです。

では毎日どのくらいのビタミンB12を摂取すればいいのでしょうか?
成人が1日に摂取すべきビタミンB12の推奨量は、男女変わらず2.4μgとされていますが、妊娠中の方は2.8μg、授乳中の方は3.2μgが必要とされています。
妊娠中や授乳中に摂取するべき量が増えているところを見ると、いかに健康な細胞造りに大切なのかが分かりますよね。

では、ビタミンB12を多く含む食品を紹介していきます。
(100g中に含まれるビタミンB12の含有量)
牛レバー 52.8μg
鶏レバー 44.4μg
豚レバー 25.2μg
牛肉(小腸) 20.5μg
牛ハツ 12.1μg
しじみ 62.4μg
あさり 52.4μg
はまぐり 28.4μg
牡蠣 28.1μg
ほたて 11.4μg
すじこ 53.9μg
いくら 47.3μg
たらこ 23.3μg
キャビア 18.7μg
あんこうのきも 39.1μg
いわし丸干し 29.8μg
にしん 17.4μg
さんま 15.4μg
いか 14.0μg
焼き海苔 57.6μg
煮干し 41.3μg
青のり 32.1μg
かつおぶし 14.8μg


ビタミンB12が多く含まれている食品を見ると、肝臓に多く含まれているのが分かるかと思います。
肝臓というと女性にとって欠かせない鉄分も多く含み、ビタミンB12も摂取できるので、一石二鳥な食べ物です。
ビタミンB12は動物の腸内細菌によって生成されるので、基本的には動物性の食品にのみ存在しています。
ビタミンB12は光や空気によって酸化してしまうため、食品に含まれたビタミンB12を保存する際には密閉する必要があります。
水溶性ですが、熱には強い性質を持っているので、調理方法は限定されません。

私たちの身体では数年分のビタミンB12が肝臓で蓄えられているので、不足することはほとんどありませんが、食事の偏りによって極端に不足する人もいます。
例えば、肉や魚を全く食べないベジタリアンや、肉と魚に加えて卵や乳製品、はちみつも全く食べないビーガンは、動物性の食品を極端に摂取していない分、ビタミンB12が不足しやすいのです。
ただビタミンB12は動物体内以外でも、もやし、味噌や納豆、チーズなどの発酵食品に含まれているので、ベジタリアンやビーガンは健康のためにも摂取できる食品で補うことや、健康食品であるサプリメントで補充することが多いようです。

もやしや納豆というのはいわゆる大豆製品ですね…
どちらも植物性のタンパク質に含まれます。
大豆製品に関しては間違った認識を持っている方がまだまだ多いように感じます。
大豆に含まれるイソフラボンは決して女性の身体に良い働きをもたらすものではありません。
むしろ妊活中ならなおさら、イソフラボンの摂取は避けるべきです。
同じビタミンB群であるベンフォチアミンについてお伝えした時にも、イソフラボンがなぜよくないのか簡単に説明しているので是非そちらもチェックしてみてください!
ベンチフォアミンについてはこちら
ここまでビタミンB12については、赤血球と核酸の合成について詳しくお伝えしてきましたが、その他にも様々な働きを持っています。

◎ヘモグロビン、赤芽球、赤血球などの合成、造血作用に関与する
…血液の半分を占めた赤血球の成熟過程に関わる。赤血球はすべての細胞に酸素を運搬しガス交換、栄養供給をする。
◎核酸(DNA、RNA)の合成に関与する
…すべての細胞の分裂、分化、合成に必要な遺伝情報の保持や複写、運搬をする。アミノ酸、タンパク質の合成に必要。
◎脂質の合成、修復、代謝に関与する
…神経の細胞内にある脂質二重層の合成、修復にも必要。
ビタミンB12は水溶性ビタミンですが、脂肪成分となじみやすい構造を持つ。
合成も修復も行うので、異常のある脂質や傷ついた脂質を健康的な細胞に復元させる働きがある。
また、レシチンの代謝にも関与する。
レシチンというのは、肝臓での脂質の代謝、運搬などの働きを持つ物質。
◎脳の発育の補助に関与する
…ビタミンB12はいかなる細胞にも浸透しやすく、脳にも簡単に入り込むことができる。
そのため脂質同様で脳の細胞を正常に合成、修復する働きを持つ。
◎ホモシステイン濃度を下げる
…血中のホモシステイン濃度が高い人は、動脈硬化や心疾患のリスクが高まる。
ホモシステインは、体内で作られるアミノ酸の一つで、必須アミノ酸の一種であるメチオニンの代謝における中間生成物である。
葉酸とビタミンB6も一緒に摂取することで低減効果率が上がる。
ビタミンB12は葉酸の合成補助だけでなく、メチオニンの合成に関与する酵素であるメチオニンシンターゼの働きを助ける補酵素としても働く。
◎エネルギー代謝にも関与する
…エネルギー代謝のクエン酸回路は必須アミノ酸などから形成され、これらの必須アミノ酸の合成に関与する補酵素でもあるため。
ビタミンB12はさまざまな働きを行っているため、欠乏すると幅広い症状が出ます。
◎悪性貧血、その他の貧血を引き起こす
…赤血球の合成にはビタミンB12や葉酸が必要。
赤血球が正常に合成されなければ、貧血症状が起きる。
特にビタミンB12の不足によって、代表的な貧血は悪性貧血。
症状は、舌肥大(ハンター舌炎)、下痢、息切れ、めまい、動悸、だるさ、食欲不振etc
胃粘膜が委縮するとビタミンB12の吸収に必要な内因子は低下し、悪性貧血を引き起こす。
ビタミンB12は内因子と複合体を形成することで吸収されやすくなるため、内因子が低下すると致命的なのである。
胃の全摘出手術後などにも起こるが、正式に悪性貧血であるのは萎縮性胃炎によるもののみである。
他にも、巨赤芽球性貧血や汎血球減少などの貧血症状がみられる。
巨赤芽球貧血は、赤血球が正常に作られずに容積ばかりが大きくなり酸素運搬能力が低下することで起きる貧血のこと。
汎血球減少もほぼ原因は同じで、核酸の合成が正常に行われず、白血球などの細胞にも影響を与え貧血を起こす。
◎神経障害を引き起こす
…症状は、手足のしびれ、手足の痛み、集中力の低下、物忘れetc
ビタミンB12は、神経細胞に存在する脂質二重層を正常に保つ働きがあるので、不足すれば神経障害を引き起こす。
◎動脈硬化、心疾患のリスクが上がる
…ビタミンB12の不足により、ホモシステインの血中濃度が上がり、動脈硬化、心疾患のリスクが高くなる。
◎集中力、記憶力、学習能力の低下
…脳の細胞にも働きかけるので、集中力や記憶力などにも関わる。
認知症、うつ病の疾患を持つ人に使用されることもある。
◎胎児、乳幼児の成長不良
…ビタミンB12が不足すると核酸や赤血球の合成に異常が現れるので、もちろん卵子や精子の細胞にも影響し、妊活中や妊娠中、授乳中の場合に、子孫に影響が出ることがある。

ちなみにビタミンB12は水溶性物質なので、過剰に摂取しすぎても尿に排泄されていく為、過剰症の心配はありません。
妊活中から、妊娠中、授乳中の方は、身体の健康のためだけではなく、繋いでいく子孫のためにも葉酸とともに不足せずに摂取しておきたい栄養素ですね。
お肉や魚など動物性の食事を摂取するだけでも、ビタミンB12は十分に摂取が出来ます。
さらに吸収率、浸透率も水溶性物質の中では良い方なので、少し意識を変えるだけでも身体への栄養は変わると考えられます。
ただ、胃の切除を行っている場合はビタミンB12を吸収する際に必要な内因子が低下しており、食品からビタミンB12の摂取を行うのは難しいので、サプリメントで摂取することをおすすめします。

質の高い卵子や精子を、元気な赤ちゃんを望むならなくては栄養素です。
しっかり栄養を取り、妊活に臨みたいですね。

【後述】
シアノコバラミン
…ビタミンB12の狭義ではシアノコバラミンをさす。
水溶性のビタミンに分類され、コバラミンの中でも代表的である。

メチルコバラミン(メコバラミン)
…末梢神経障害、糖尿病性神経障害、悪性貧血の治療、筋萎縮性側索硬化症の初期治療に用いられる。

アデノシルコバラミン(コバマミド、ジベンコザイド)
…メチルコバラミンとともに活性型のビタミンB12の一つである。
メチルマロニルCoAムターゼの補因子として利用されている。
エネルギーの代謝に関わる。

ヒドロキソコバラミン
…人体では見つかっていないが、人体に取り込むと有用な働きをするビタミンB12の補酵素に変換される。
ビタミンB欠乏症、シアン中毒の治療に使用される。
副作用として、腎障害を引き起こすことがある。

何かございましたらご質問ください。
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不妊鍼灸、マタニティ、整体 不妊治療、逆子、骨盤矯正



CD138検査〜慢性子宮内膜炎〜

慢性子宮内膜炎という病名は妊活中の方であればご存知でしょう。
簡単に言えば、長時間、子宮内膜が細菌感染にあっているということです。
どんな細菌が感染しているのでしょうか?
場所が生殖器ということで、泌尿器系もしくは腸内の常在菌であると考えられます。
腸球菌、大腸菌、連鎖球菌、マイコプラズマ、ウレアプラズマあたりが考えられています。

子宮の手前に位置する膣にはラクトバチルス属、主にデーデルライン桿菌が存在し、代謝産物の乳酸によって膣を酸性(PH5)に保ち、感染予防をしています。
そこから先の子宮には細菌が入ることはないと考えられていました。
私が昔学んだ時、『子宮内膜は無菌だ』と力強く語っていた先生がいました!

正常な子宮内膜には、膣と同様にラクトバチルス属が常在菌として存在していることがわかりました。
その存在が明らかになったのはつい最近の2015年。
米国ラトガース大学の研究者らは、子宮内に善玉菌が存在することを発見し、善玉菌が着床時の免疫に影響を与える可能性を指摘しました。
2016年、米国スタンフォード大学の研究者らが、体外受精での妊娠成功群と妊娠不成功群で善玉菌の量を調べたところ、妊娠不成功群では善玉菌が少ない傾向にあることを見つけました。
子宮内膜における常在菌の種類と割合から、ラクトバチルス属の菌の割合が90%以上を占める人と、90%に満たない人とで、体外受精の結果を調査しました。
ラクトバチルス、デーデルライン桿菌、着床率、妊娠率

この結果を見てみるとラクトバチルス属が90%以下、つまり雑菌が多く繁殖して、子宮内膜に炎症を起こすと慢性子宮内膜炎になり、反復着床不全と呼ばれるようになります。
原因不明の不妊症の3割以上に見られるといわれています。
これを調べる検査をEMMA検査(子宮内膜マイクロバイオーム検査)といいます。
そもそもなぜ子宮内膜に炎症があると妊娠できないのでしょうか?
可能性として考えられるのは、感染状態が続くと、その細菌を排除しようと免疫力が活発になります。
一見良さそうな感じですが、受精卵には夫の遺伝子も半分含まれており、母体からは異物として攻撃してしまう恐れがあります。
通常、着床から妊娠初期はは母体側が免疫を抑え、受精卵を受け入れる反応を示すといわれていますが、そもそも感染症が子宮内膜で起きていればどういうことになっているか想像がつきます。

きっと白血球たちは活発になり、殺気立っているでしょうね・・・。
侵入してきた精子や受精卵を攻撃してしまうでしょう。
すると着床しない、着床したけど流産したという結果になるのかもしれません。

さて話をもう少し掘り下げます。
通常、私たちが感染症になった場合、自覚症状や血液検査に反応があります。
炎症の五大徴候といい、発赤、腫脹、熱感、疼痛、機能障害があるはずです。
食中毒などになれば、嘔吐や下痢、発熱、食欲不振などの自覚症状に、血液検査では白血球数、CRPなどが高値になります。
しかし、慢性子宮内膜炎ではそこまで炎症反応は強くありません。
きっと慢性子宮内膜炎を起こす細菌たちは泌尿器系、腸内の常在菌で、場所も近いし、通常の生活をするうえでは支障がないレベルなのかもしれません。

いつ感染したのかもわからないレベルなので、妊娠しない、流産が頻発しているということで検査をするのだと思います。
どこでどうやって感染したのでしょうか?
理由は実にシンプル!!!
・デーデルライン桿菌が弱い
・デーデルライン桿菌を洗い流してしまってしまう
・生理用品の長時間の使用
・抗生物質の高頻度の使用
・清潔ではないものを挿入
・トイレできれいに拭き取らない
・長時間の座った姿勢で繁殖
・性行為中の感染
・出産


こんな日常生活が理由で感染する可能性があるのです。
ということは、誰にでもそのリスクはあるのです。
よく聞く話では、『第1子目は普通に出産したのに、第2子目ができないから検査したら慢性子宮内膜炎だった』と。
日常生活でも感染リスクがあるのですから、出産は感染リスクになるでしょう。

いつなったかも定かでない、場合によっては長期間に渡り感染していたとすると体内の白血球は少しだけ増殖して、リンパ球は慢性子宮内膜炎の原因菌の抗体を作っていても不思議ではありません。
以前ご紹介したTh1/Th2のところで免疫の基本をご紹介しました。
こちらをどうぞ

もう一度おさらいしておきましょう。
免疫、抗体産生、B細胞、形質細胞

このように病原菌が侵入することで、白血球が排除、抗原提示、そして抗体産生、免疫記憶をして再度侵入してくる病原菌に対応します。
この過程で、慢性子宮内膜炎を引き起こしている細菌の抗体を作るリンパ球はBリンパ球で、活性化して形質細胞となります。
この形質細胞の表面抗原を調べてみるとCD138を持っていることが分かったのです。
※CD分類:ヒト白血球を主としたさまざまな細胞表面に存在する分子(表面抗原)に結合するモノクローナル抗体の国際分類
※モノクロナール抗体:単一の抗体産生細胞に由来するクローンから得られた抗体を指す
※ポリクローナル抗体:動物に抗原を投与して得られる抗体分子の総称

本来、細菌を調べる場合、同定という過程を取りますが、命に影響があるわけでもない細菌たちなので、除菌するだけでよいのです。
そこでCD138陽性細胞を探す検査があり、免疫組織染色法という方法です。
形質細胞にあるCD138抗原に蛍光色素を付けた抗体が結合すれば顕微鏡で染まって見えるのです。
採取した組織を染め、顕微鏡で見て、色がついていればCD138陽性、つまり慢性子宮内膜炎と診断されます。
細かい話は省きますが、直接法、関節法、増感法があります。

もっと正確に細菌名を同定したいというのであれば、ALICE検査をします。
不育症・着床障害の専門医の中には、このALICE検査よりCD138の検査の重要性を謳っている人もいます。

ちなみに、細菌を退治するので抗生物質を飲みます。
ビブラマイシン、フラジールで退治します。
ビブラマイシンはテトラサイクリン系の抗生物質で、グラム陽性菌、グラム陰性菌、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジアにも強い抗菌力を持ちます。
タンパク質合成阻害で静菌、殺菌作用を示します。
耐性菌が少ないのもよく使われる理由なのでしょう。
カルシウム剤や鉄剤、胃腸薬(アルミニウム、マグネシウム分を含む制酸剤)などと同時に飲むと、この薬の効き目が落ちるようです。
腸肝循環をするため長く血中濃度が保たれます。
フラジールは抗トリコモナス薬です。
トリコモナス原虫以外にも嫌気性菌などによる細菌性の腟症にも有効とされ、ビブラマイシンで除菌できない時に使うようです。

ただですね。
抗生物質で除菌するのは良いのですが、子宮ピンポイントの除菌ではないんです。
当たり前ですが、飲むわけですので、腸内細菌たちも除菌される可能性があるのです。
腸内にはレンガ1個分の細菌がいるといわれていますが全滅しているかもしれません。
ましてや膣や子宮、腸内にラクトバチルス属もいますが除菌されてしまっているでしょう。
さらにラクトバチルス属は嫌気性菌ですから、フラジールでイチコロですね。
とあるクリニックでは除菌後、乳酸菌の膣剤を処方するところもあります。
海外のサプリでは乳酸菌の膣剤も存在します。
除菌された無防備すぎる子宮環境、腸内環境でよいのか疑問が残ります。
やはり除菌後は除菌されてしまった優秀な菌類の復活をしたのち移植に進むほうが良いと思いませんか?

何にせよ、子宮内にしろ、腸内にしろより良い環境が健康の大前提です。
私たち生物は微生物と共生していますので、上手に付き合っていく必要があります。
プロバイオティクスの概念も知っておきましょう。
プロバイオティクスとは、適切な腸内環境を促進し、胃腸管および全身性免疫を刺激します。
消化器系のこの重要な部位を強化することで、プロバイオティクスは以下の症状改善に役立つことが示されています。
・抗生物質起因性の下痢
・尿路感染症
・膣内イースト菌感染症および細菌性腟症
・湿疹
・食物アレルギー
・ガン
・過敏性腸症候群
・炎症性腸疾患
・潰瘍性大腸炎
・クローン病
・旅行者の下痢
・乳糖不耐症


似たような言葉でアンチバイオティクスという言葉があり、これは抗生物質を指す言葉です。
よって抗生物質で除菌することをアンチバイオティクスと言います。
抗生物質のない時代、多くの方は感染症で亡くなってましたが、抗生物質の発見で多くの命が救われました。
その後、抗生物質の過度な使用により耐性菌の問題が出てきました。
本来の形を目指すのであれば、腸内、子宮内、膣内に常在菌が存在する状態を作り上げることが大切です。
サプリでの摂取も可能ですのでご参考にしてください。

日頃からのケアが重要であることには間違いありません。
発酵食品、水溶性食物繊維などの摂取が大切です。
また腸の動きも大切になります。
腸は自律神経によってコントロールされています。
自律神経を整えるためにも、節度を持った生活習慣を送りましょう!!!

鍼灸マッサージは自律神経を整える働きがありますので積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか?


銀のすずでは少しでもご不安を解消できるようカウンセリングもしっかりと行っております。

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凝固異常では妊娠の継続は難しい〜血栓ができちゃ栄養は流れない!!!〜

妊活に限らず、生きていると『血行を良くしてね』という言葉をよく聞きませんか?
実はとても重要な話なのです。
私たち、針灸マッサージも血行を良くすることに命を懸けているといっても過言ではありません。
なぜなら血行にはアミノ酸や酸素などの栄養素や二酸化炭素、アンモニアなどの老廃物が流れています。
薬を飲んでいる場合は、血液を介して流れる薬もたくさんあります。
卵胞刺激ホルモンやエストロゲンなどのホルモンもまた、血液を介して目的地へと流れていきます。
東洋医学では、エネルギーである気を全身に運搬するために、脈があり、経絡があり、血があり、水があります。
流れが滞ることで病になると考えるため、針灸マッサージでは滞りを解消していきます。
どちらの医学であろうと、血行が生命活動を営む上では欠かせないことであることは間違いはないかと思います。
妊活において、卵子や精子の発育や着床時、妊娠維持など常に血液がしっかり流れていることが重要です。
もし流れていないとなると、育つものも育ちません。
せっかく良好な受精卵なのに・・・、妊娠したのに・・・流産してしまったではとても残念で仕方ありません。

そこで血行と深い関りのある血液凝固系と線溶系について学びましょう!!!

出血は血液が血管外に流出する現象をいいます。
通常では、血液は血管外でのみ凝固します。

血管内皮細胞(血管の内側)は強い抗凝固性を持ち、また強力な陰性荷電を帯びています。
凝固異常、血栓、血行不良、着床障害、不育症

血管内皮細胞と血小板、血小板と血小板同士が反発するので、血小板凝集することがありません。
また、血管内皮細胞からプロスタサイクリン(PGI2)が作られ、血小板のトロンボキサンA2(TXA2)との拮抗作用によって血小板凝集を阻止しています。
このようにして正常であれば血管内で血小板が止血に働くことがないことがわかります。

血管が傷ついて出血した場合、生命にかかわる危険な状態になります。
そこで、血液の流出を防ぐ仕組みが働きます。
これが「止血」です。

止血には二つの段階があって、まず一次止血と呼ばれる仕組みが働きます。
この際、血液中の「血小板」が重要な働きをします。
血小板が血管の傷ついた部分にくっつき、止血が始まります。
さらに血小板同士が集まって塊を作り、損傷部をふさぎます。
これが一次止血です。

次に、この塊をより強固なものにするため、血液中のもう一つ重要な因子である「凝固因子」が働きます。
凝固因子は数多くあって、複雑にお互いに反応、制御しあって最終的に「フィブリン」という糊(のり)のようなものをつくります。

この凝固因子の反応は、血小板膜の表面や血小板がちぎれてできた断片の表面で加速され、血の塊を強固にし、出血を止めます。
この血の塊が「血栓」なのです。
ですから、血栓が完成するには血小板と凝固因子が欠かせません。
血栓、凝固因子、血小板、血行不良

止血が完了し、使い終わった血栓をそのまま残しておくことはできず、『線溶系』を使って細かく分解します。
血栓をフィブリンといい、プラスミンを使って分解していきます。
分解されたものをFDP(FgDPも含む)というフィブリン分解産物といい、その中にDダイマーが存在しています。
これで傷を負った血管は修復され、止血がコンプリートされました。
血栓と言うと悪いイメージがあるかもしれませんが、出血を止めるには必要な過程ですし、その後の処理も私たちの身体は線溶系で行ってくれます。
人体はよくできていますね!!!

血栓、凝固因子、血小板、血行不良

ただし、血栓を作る過程にトラブルがあった場合、出血が止まらない、出血もないのに血栓ができるというトラブルが発生します。

出血が止まらないケースは、生まれつきの病気である血小板無力症や血友病が有名です。
出血もないのに血栓ができる病気は血栓症といい、妊活において多々問題となります。

では妊活に影響のある血栓症についてみていきましょう。

いまだ血栓症を発症していないけど、何らかの誘因により血栓症を起こしやすくなっている状態を『血栓傾向』もしくは『血栓準備状態』と呼びます。
このような状況になるのは2つ。

・止血を促進する血小板や血液凝固因子の作用亢進
・血小板凝集抑制物質、血液凝固抑制因子、線溶物質など血栓抑制因子の低下

さらに血栓傾向は先天性と後天性に分かれます。
先天性血栓傾向は、生理的抗凝固因子であるプロテインC、プロテインS、アンチトロンビンVの欠乏、線溶異常であるプラスミノゲン異常症や異常フィブリノゲン血症があります。
後天的血栓傾向は、抗リン脂質抗体症候群などの自己免疫性疾患や血液疾患、悪性腫瘍に合併した場合に起こります。
これらの疾患は血液検査によって見つけ出すことが可能です。
プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、トロンビン時間(TT)、フィブリノゲン量、トロンボテスト、ヘパプラスチンテスト、凝固因子活性定量(U、X、Z、]、]U、]T、\、プレカリクレイン、高分子キニノゲン)、フォンヴィレブランド因子測定、プラスミノゲン測定、FDP測定、Dダイマー測定、アンチトロンビン、プロテインC測定、プロテインS測定、抗[因子抗体、ループスアンチコアグラント、β2-GPI抗体、トロンボモジュリン、プラスミンインヒビター、プラスミノゲンアクチベータインヒビター、可溶性フィブリンモノマー複合体、トロンビンアンチトロンビン複合体、プラスミン-プラスミノゲンインヒビター複合体などの検査を実施します。
ただし、検査の結果が100%を表しているわけではありませんし、妊娠をしたい人と健康な人の基準が違います。
よって血液が固まりやすい傾向にあるのか、そうでもないのかの判断が重要です。
血液凝固傾向の場合、アスピリン(バファリン)、ヘパリンなどが使用されます。
比較的不妊の原因になりやすいものは『抗リン脂質抗体症候群』でしょう。
カルジオリピン、ホスファチジルセリンなどの陰性荷電を有するリン脂質に対する抗体です。
その抗体は抗カルジオリピン抗体(aCL)とループスアンチコアグラント(LA)が有名です。
抗リン脂質抗体によって血管内皮細胞障害、血小板活性化、凝固因子産生増加、線溶因子抑制が考えられています。
確かにこれでは血液が凝固しやすいですね。
以前より、SLE(全身性エリテマトーデス)の患者様は流産が高頻度であることがわかっていました。
自分を攻撃してしまう自己抗体があると発症しやすいのでしょう。
多くの場合はアスピリンとヘパリンでコントロールしていきます。
血液検査でできる凝固検査、線溶検査、免疫の検査を一覧にします。
赤文字で示したものは不妊関連です。
凝固機能検査、線溶機能検査、自己抗体、抗リン脂質抗体症候群

正常では、血管内を流れている血液が固まらないのは、外因系の組織因子が血液と触れることがなく、健全な血管内皮では接触反応が起こらないからです。
血栓、凝固因子、血小板、血行不良

さらに血液中や血管内皮細胞上にある凝固制御機構も血液が固まらないようにしています。
中でも『アンチトロンビン』と『プロテインC』による抗凝固機構が重要です。
アンチトロンビンは主に肝臓で作られる糖タンパク質で、1分子のアンチトロンビンが1分子のトロンビン(U)と]aに不可逆的に結合して凝固を阻止します。
血栓、凝固因子、血小板、血行不良

プロテインCはビタミンk依存性の糖タンパク質で、肝臓で作られます。
トロンビン‐トロンボモジュリン複合体により活性化プロテインC(APC)となり、リン脂質とCa2+のある細胞膜表面で、プロテインSを補助因子としてXaや[aを失活させます。
血栓、凝固因子、血小板、血行不良

妊娠をするとプロテインCと第12因子は増加しますが、プロテインSは減少します。
また日本人はプロテインS欠乏症が多いといわれています。

人体はとても精密に作られていることがわかります。
ざっくりと血液が固まらないようにするメカニズムは理解できました。
ようは血液の流れが悪くなり、その場であったり、その先に栄養が送れず、栄養失調となってしまうことで、生命として正しい活動ができない状況になります。

妊活の場合、『不育症、着床障害』が問題となり、また良好な卵子や精子に育ってほしいと願うのであれば卵巣や子宮に栄養である血液が流れていかなくてはなりません。
私は常に提唱していますが、血液には栄養物、老廃物、薬物、ホルモン、酸素と二酸化炭素などが流れます。
よって最高の血液が、しっかりと流れていることが生き物が生きていくには最重要であるということです。
その血流が血行不良により流れなくなるのでは困ったものです。
その血流を悪くさせる凝固反応の過剰であったり、線溶反応の脆弱性であることはまさに致命的です。

まとめとして、血流を考えるにあたり重要な点を上げます。
1.血液の質
2.血管の状態
3.心臓の働き
4.腎臓の働き
5.肝臓の働き
常に考えながら生活することが大切になります。

1.血液の質は溶けている物質の量と水分の比率、溶けている物質の質が大切です。
比率でいえば血液の水分量は約60%ですので、日々の生活で水分がしっかり補給できているかどうか。
前にも書きましたが、2.5リットルの水分は欲しいものです。
妊活と水について
また、糖質や脂質の過剰な状態は血液をドロドロさせてしまいますので注意が必要です。
塩分は喉が渇きますので、結果水分を多く摂ることになるので血液がドロドロになることはありません。

2.血管の状態は、動脈硬化はご高齢で発症するとお考えでしょうが、20代、30代、40代では肌の細胞と同じで老朽化していることは否めません。
特に小さく、細い血管は少しの老朽化でも影響は強くでると考えるのは当たり前です。
老朽化、老化を防ぐには『抗酸化作用』を高める必要があり、同時に『酸化』を進行させないことが大切です。
活性酸素の恐怖
ストレスと不妊
妊活と運動について

抗酸化物質であるポリフェノールビタミンCなどの摂取は当然として、過剰な酸素摂取、過剰なストレス、糖類による糖化、喫煙などは控えなくてはなりません。
さらに血管は自律神経によってコントロールされているので、自律神経の不調では正常な動きができないでしょう。

3.心臓の働きはポンプとして基本ですので、心臓機能が悪ければ全身に血液を送ることはできません。
心臓は血液を送ることも重要ですが、受け入れる場所でもあります。
静脈で帰ってくる血液が心臓に戻り、肺を巡らせ、二酸化炭素を酸素に交換し、全身に巡らせます。
静脈血には各臓器を巡り、各臓器で作られた物質(栄養物と老廃物)が溶け込んでいます。
この静脈血に酸素が加わり、動脈血となり、栄養物と老廃物、酸素が溶け込み、全身に流れていきます。
よって動脈だけが流れれば良いのではなく、静脈の流れもとても重要というわけです。
むくみがひどい場合は、静脈だけでなく、動脈の血流不全になりますので、直ちに解消したい問題です。
心臓が疲れることは妊活年齢にはあまり考えられませんが、それでも仕事量を増やすことは控えたほうが良いでしょう。
血液がドロドロしているより、サラサラしているほうが心臓への負担は軽減されることでしょう。
心臓もまた自律神経によってコントロールされているので、自律神経の不調では正常な動きができないでしょう。

4.腎臓は老廃物を捨てるフィルターのような働きです。
老廃物を捨てられないことで、各種内臓への負担が増えるのは当然です。
腎臓は心臓から送られた血液の25%が流れ込みます。
この25%をろ過して、老廃物を捨てます。
計算はちょっと違いますが、4回心臓が血液を送れば100%の血液をろ過することできます。
腎臓には尿細管という細い管を通してろ過するので、大きな物質は流れません。
例えば通常、赤血球は尿中には見られません。
しかし、細かい物でも大量にあった場合は目詰まりすることもあるでしょう。
尿の約98%が水で、タンパク質の代謝で生じた尿素を約2%含みます。
その他、微量の塩素、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リン酸などのイオン、クレアチニン、尿酸、アンモニア、ホルモン、糖質を含みます。
血液の質が腎臓の機能に影響があるため、注意したいところです。
腎臓も自律神経でコントロールされています。

5.肝臓は物質の分解や合成をするいわば工場のような場所です。
食事からの栄養素も腸から肝臓に入り、糖質、脂質、タンパク質は作られます。
今回のテーマである凝固因子や線溶因子も大部分は肝臓で作られます。
余分な栄養素の貯蔵もします。
またアンモニア、アルコール、ニコチン、薬物などの分解や毒素の解毒作用、さらに胆汁の生産、赤血球の分解など多くの機能があります。
とにかく肝臓の仕事量は半端ないのです。
もしかするとこれだけの仕事をするから、すぐに悲鳴をあげられては困るから『沈黙の臓器』なんて言われているのかもしれません。
不妊治療ではどうしても多くの薬剤を使うことになるでしょう。
飲んでいない人に比べれば明らかに肝臓には負担となります。
疲労した肝臓は、分解力も合成力も落ちてしまうことが考えれます。
結果、必要な物質を作り出すことができず、しかも体に負担になるものが捨てられないでは困ってしまいます。
私たち個人が注意することは、肝臓が分解しなくてはならないものを取り込まないこと、そして作らなくてはならない栄養素を摂ることでしょう。
アルコールやニコチン、余分な糖類などの摂取に注意したいところです。
また良質な脂質やタンパク質の摂取も忘れてはなりません。
この後にご紹介する『タウリン』は肝臓を助けてくれます。
肝臓も自律神経でコントロールされています。

ざーっと書きましたが、日頃の生活を見直すだけで全身に与える影響が軽減することがわかります。
『血が固まりやすい』という現象がいかに恐ろしいことか・・・。
ただ血が固まるということは悪いことではなく、人間が本来持っているメカニズムで、そのメカニズムが誤作動してしまっているのです。
そのメカニズムを調整しているのは自律神経であり、自律神経を整えることはとても大切です。
今一度、生活スタイルに目を向けてみてはいかがでしょうか?

私たち針灸も自律神経を整えるお手伝いができますので、やるかやらないかは大きな違いです。
私が言うのもなんですが、積極的に取り入れたいところです。

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タウリンは疲労を回復させる!!〜つまりは精子の運動率だって変わるんだ〜

さて今回のテーマは、リポビタンDなどの栄養ドリンクに含まれている栄養素についてです。
CMでもお馴染み、『疲れたら栄養ドリンク』ということで普段から口にする方は多いかと思います。
なぜ栄養ドリンクには、疲労回復効果が期待できるのでしょうか?
その代表的な成分である『タウリン』についてご紹介します。

実はこのタウリン、妊活中に効果的な栄養素であることをご存知ですか??
タウリンの様々な効果と妊活に対してはどのような効果をもたらすのか、詳しくお伝えしていきます。

タウリンは別名
アミノエチルスルホン酸という水溶性の物質で、通常は遊離状態で存在し動植物の組織中に見出されます。
1827年に牛の胆汁から発見されたことから、ラテン語で雄牛を意味するタウラスに由来しているそうで…。
タウリン、疲労回復、精子の運動率

食事摂取と体内合成されていて、ヒトでは体重の約0.1%の量(単純計算では体重が50sの場合、50g)のタウリンが存在しているという事が分かっています。 基本的にあらゆる臓器に存在しますが、特に脳、心臓、肝臓、筋肉、網膜に多く、さらに卵巣や精子にも含まれています。

間違った認識ですが、タウリンはアミノ酸の一種に分類されがちです。
そもそもアミノ酸とは広義では、アミノ基とカルボキシル基の両方の官能基を持つ有機化合物の総称のことを指します。
官能基というのは、有機化合物の特徴を分けるもので、同じ官能基を持つ物質には似たような性質や反応が見られます。
加えて狭義では、タンパク質の構成要素であることを指します。
アミノ酸は数百種類存在しているといわれていますが、そのうち22種類がタンパク質の構成要素であり、真核生物の場合21種類から、ヒトでは20種類から構成されています。 動物が体内で合成できないアミノ酸は、必須アミノ酸といわれています。
これらのアミノ酸は食事から摂取する事が必要であり、動物によっても異なりますがヒトでは9種類存在します。
狭義では、数百種類のうちヒト体内でタンパク質を構成する20種類だけがアミノ酸という事になります。
タウリンには、カルボキシル基が含まれていないし、タンパク質も構成しないため、広義にも狭義にもアミノ酸の一種ではないということなのです。

では、タウリンの持つ効果とは何でしょうか。
特徴の一つとして、ホメオスタシスという作用を持っていることがわかっています。
ホメオスタシスとは、周囲の環境や温度が変化しても、体の状態を一定に維持しようとする働きのことで生命維持には欠かせない作用です。
イメージしづらいのでホメオスタシスの分かりやすい例えをいくつかあげてみます。

体温を例に上げてみましょう。
体温調節、高温期、低温期、排卵期

日本の気温は一年を通して寒暖差が激しく、夏は40度近く、冬は氷点下まで下がります。
しかし、私たちは常に生命を維持するのにベストな37度前後の体温をキープしています。
動物や植物を構成しているいくつもの細胞たちは、37度前後であると活発に活動しやすいのです。
大幅な温度変化にはとても弱く、温度が高すぎても低すぎても、活動を停止してしまうのです。
ヒトは約35〜60兆の細胞たちによって構成されていますから、細胞が活動を停止してしまうともちろん生きていけません。
そのため、暑い夏は、汗をたくさんかくことで熱を逃がして体温の上昇を防ぎ、寒い冬は、身体を動かし震わすことで熱を産生して体温の下降を防いでいるのです。

では次に、身体の栄養物質だとどうでしょう。
私たちは、食べ物や水分などを外部から取り込み、分解したのち必要な形にして体内に吸収していきます。
そして、必要の無くなった栄養素はまた分解して体外に代謝されていきます。
身体の細胞たちが活動するにはこれらの栄養素は必須です。
ダイエットでファスティングをすると、体重は順調に減っても必ず停滞期が来ますよね。
細胞たちが活動するための栄養素が不足するため、危険を感じて体重の減少にストップをかけているからなのです。
他にも、皆さんはアルコールを多飲して翌日顔がむくんだことはありませんか??
アルコールが脱水を引き起こすことは、よく知られていますね。
ヒトの60%は水分でできていますが、たった2%脱水するだけで貧血や易疲労などの症状が出るともいわれています。
脱水を起こすと身体に水分を溜め込もうと過剰に働くので、結果的にむくんでしまうのです。
私たちの身体は無意識に、空腹を感じるホルモンを出したり、口渇を感じさせたり、水分を身体に溜めこんだり、栄養を補給しようと反応するのです。

分かりやすいホメオスタシスの例としてはこのあたりでしょうか。
ちなみに、睡眠や免疫機能なども生きるためのホメオスタシス維持に繋がっています。

ホメオスタシスとは身体の状態を正常状態に保つシステムで、生きるためには必要不可欠な働きなのです。
ホメオスタシス、恒常性、自律神経、ホルモン、免疫
タウリンにはこの作用が含まれているのですが、特に大事なのが肝臓に対して強く働きかける作用を持っていることです。
具体的には、胆汁酸の分泌を促し肝臓の働きを助けることや肝細胞の再生を促すこと、さらに細胞膜の安定化を促しています。
肝臓が持つ役割を考えると働きを助けてくれるタウリンは、妊活に対しても効果的であることがよく分かります。
ではその肝臓の働きとはなんでしょうか。

実は、肝臓はものすごい働きものです。
しかも、24時間フルで活動しています。
とても大きい臓器で体重の約1/50に相当するといわれていて、臓器の中で唯一再生可能な臓器なのです。
肝機能が正常な場合は75%程度の切除なら、自らで修復することが可能で半年ほど経つと元の大きさまで回復できるといわれています。

また肝臓の中には、肝細胞が3000億個以上存在しています。 酸素供給のための肝動脈と栄養素を運ぶための門脈へ、1分間に約1.5Lの血液が流れ込んでいき、3000億個の肝細胞ひとつひとつに毛細血管を介して酸素や栄養素が 運ばれていきます。
これらの栄養素を代謝したり、分解したりと肝臓は500以上の仕事をしています。
肝臓の仕事を大きくわけると以下のようになります。

◎ 代謝…摂取した栄養素を体内で利用するために適した形に作り変え供給する
◎ 解毒…アルコール、薬、食品添加物などの身体に有害な物質を分解する
◎ 胆汁の生成…胆汁は肝臓で濾過された老廃物を促し、脂肪の消化吸収を助ける
◎ 貯蔵…エネルギーであるブドウ糖をグルコースという形で貯蔵する

主な働きとしては、この4つです。

肝臓のホメオスタシスが乱れるとどうなるのか。
○栄養素を変換できなくなれば、いくら良質な食事を心がけても体内で利用はできません
○不妊治療では排卵誘発剤やホルモン補充などをする方は多くいらっしゃいますが、分解や解毒が出来なければ薬としての作用は発揮できません
○胆汁が生成できなければ、不必要になった老廃物が排出できません
○私たちは活動時に限らず睡眠時にもエネルギーを必要としていて、特に脳の主なエネルギー源がブドウ糖なので肝臓に支障が出れば脳もうまく機能しません

良い栄養素の吸収も解毒作用も老廃物の除去も私たちの身体を統合している脳の働きは重要です。

肝臓は多くの重要な仕事を絶えずこなしているので、正常な状態に維持しなければならないということが分かったかと思います。
タウリンの持つホメオスタシスの作用は、特に肝臓の働きを助けるからこそ妊活中の方にはぜひ摂取してほしい栄養素なのです。

さらに注目すべきは、ミトコンドリアを増やす働きがあるというのです。 ミトコンドリアといえば、以前にも書いていますが卵子の状態を左右するほど重要な細胞小器官です。 もちろん卵子だけではなく、生命活動として重要なのがミトコンドリアでした。 年齢とともに減ってくる、活動しなくなるミトコンドリアを増やすことはとても大切なことです。 どうやったらミトコンドリアを元気に、そして増やすことができるか? ミトコンドリアのサプリじゃ元気にならないし、増やすこともできません。 ではどうする? 一つの可能性としてタウリンがあるわけです。 タウリンの可能性はとても大きいですね。 基本的に摂取するべきタウリンの量は一日に約500rといわれていますが、タウリンの効果を十二分に発揮させるためには、3000r〜6000rは摂取すべきだといわれています。
あまりにも摂取量が上回っているので過剰症にならないか気になりますよね。
あくまでタウリンは水溶性の物質なので過剰に摂取していしまった分は、自然と尿中に排泄されます。
過剰症になる事はほとんどあり得ませんが、稀に吐き気・下痢・便秘・胃の不快感などの症状が出る人もいるそうです。
結局、何事もほどよくが1番大事ですね。

タウリンがどんな食べ物に多く含まれているのかいくつかあげていきます。
<100g中の含有量>
〇サザエ…1500r
〇牡蠣…1130r
〇はまぐり…1080r
〇タコ…830r
〇いか…770r
〇ホタテ…670r
〇あさり…380r
〇かつお…210r
〇クルマエビ…200r
〇しじみ…110r


他にも、ずわいがにや鯛、マグロやサバにも含まれています。
見ての通り、タウリンは特に貝類や魚介類に多く含まれていますが、牛や豚、鳥などの肉類にはほとんど存在しないのです。
動物性のタンパク質である肉・魚・卵はヒトの構成成分としてとても大事ですから、タウリンも一緒に摂取できる魚類は体調が乱れているときには、もってこいなのです。
タウリンは熱や調理によって性質は左右されませんが、焼くと3割、煮ると5割ものタウリンが減るといわれています。
タウリンは水溶性物質で水に溶けやすいので、タウリンを含む貝類・魚介類の食材を煮た場合は、煮汁やだしごと摂取する必要があります。

いかがでしょうか。
食事だけでタウリンを3000〜6000r摂取できそうですか??
ちなみに、牡蠣は100gで約1000rのタウリンが含まれているので、牡蠣を300g摂取すれば3000rを超えます。
牡蠣は大体15g〜20g程度なので、300gの牡蠣を摂取するためには、約20個の牡蠣を毎日食べなければなりません。
私たちが毎日50〜300rほどしか摂取できてないといわれている理由がよく分かります。
十分な量のタウリンを摂取するためには、食事のみではなかなか難しいのです。

ここで登場するのがサプリメントです。
と言いたいところですが、日本でタウリンの合成品は医薬品扱いされているため、健康食品であるサプリメントは販売されていません。
さらによく聞くモンスターエナジーやレッドブルは、海外ではタウリンが含まれて販売していますが、日本ではタウリンの代わりにアルギニンなどで代用されています。
もちろんアルギニンには、タウリンのような作用はありません

しかし日本では、栄養ドリンクにはタウリンが含まれています。
だいたい1000mgほどで、多いものだと3000r含まれているものもあります。
よく聞くリポビタンDは1000r含まれていますし、タウリンの作用を発揮させるために3本飲めば十分という計算です。
しかし、カフェインが1本当たり50r含まれていて糖度も高いため飲みすぎはよくありません。

カフェインの過剰摂取は血管の収縮を促すことや活動時に優位である交感神経を刺激するので、落ち着きがなくなったり、胃腸の機能の低下を起こしたりします。
糖分の過剰摂取は身体のあちこちの細胞を糖化させ、肌ならしわ・ごわつき、体内では骨の黄ばみなどの症状を引き起こします。
また、糖化というのは老化の一番の原因にもなりうるので、糖分には取りすぎて得られるメリットはほとんどありません。

ここで落とし穴なのですが、過剰な糖分は不必要ですが、適度な糖分は必要です。
その理由の一つは、脳が効率よく働くために欠かすことができない物質だからです。
脳は寝てても覚めても常に働いています。
その必要量は人の身体が消費するエネルギーの約25%にものぼります。 さらに、脳に使用されている糖分は脳自体のエネルギー源だけでなく、神経伝達物質合成に必要な基本物質を提供しています。
身体を動かすために神経伝達を行っている私たちには欠かせない栄養素です。

そのため私たちは自ら糖を作り出すシステム、糖新生系があります。
血糖値が下がることによって、発動し、グリコゲン、脂質、タンパク質などを分解してブドウ糖を生成します。
このメカニズムで常に血糖値100r/dl前後を維持しています。
いつも糖の話になってしまいますが、食事から糖分を摂ることによって血糖値は100r/dlを超え、超えた分はインスリンによって下げられます。
私たちにとってベストな血糖値は100r/dlだとすれば、摂る必要がないことがわかります。

また糖分は、摂取してすぐにエネルギーに変わる事が出来ますが、消耗するのも早いことから低エネルギーといわれています。
この低エネルギーは、瞬発的にエネルギーになり使用できるので、勉強ですぐに集中したい時や短距離走などの運動にはもってこいです。
ただしエネルギーとしての持続力が短いため、糖分は連続的に摂取し続けないと、脳も身体も簡単にバッテリー切れが起こります。
しかもブドウ糖としては保存ができないので摂り続けなくてはなりません。
継続的に糖分を摂取できなくなった時、集中が続かない、疲れやすいなどの症状が出ることがあります。

栄養ドリンクにはタウリンという肝機能改善などにより疲労回復能力があるのですが、はっきり言ってブドウ糖は邪魔です。
しかし、日本ではサプリとして存在しないので栄養ドリンク、食事から摂取せざるを得ません。
その他の栄養素も入っているので差し引けば、栄養ドリンクを飲まないのではなく、飲まなくてはならないと思います。

これまでのタウリンや糖分の働きを考えると両方を含んでいる栄養ドリンクは、妊活中であることに役立つことがわかってきました。
それは『精子の運動率』です。
精子、運動率、奇形率、不妊

精子にはおたまじゃくしの様に頭部と尾部が存在します。
頭部にはDNAが詰まっていて、尾部は精子の運動に関わる部分です。
精子の運動率は、持ち主の疲労やストレス、蓄えているいるエネルギーの残量によって日々状態が良くも悪くも変わります。
一度の射精で100メートル走を全速力で走るくらいの体力が消耗されますから、タウリンの持っている正常に維持する働きや疲労を回復する働きは、精子が元気に運動するためには必須な栄養素なのです。
私たちは風邪を引いて弱っている時や、疲労が溜まっている時は、早く走れないし体力もありませんから、精子も同じことなのです。

加えて、精子が運動する際にはある程度のエネルギーが必要です。
もちろん糖分の過剰摂取は先ほどお伝えしたようにデメリットが多いです。
タウリンのサプリを海外で手に入るのであれば毎日摂取しても構いません。 栄養ドリンクでタウリンを摂取するのであれば、タイミングや採精日の4日ほど前から毎晩1本飲むことをおすすめします。
飲めば飲むほどタウリンが摂取できていいのでは!?とたまに訪ねられますが、1日に2本以上飲む、毎日飲むと糖分の過剰摂取になるのでやめましょう。

妊娠するためには、まず卵子と精子が出会わなければなりません。
近年まで、不妊の原因は卵子の老化だといわれてきましたが、最近では女性のみの原因が40%、男性のみの原因が24%、男女ともの原因が24%で、男性の不妊の原因はトータルで48%とおよそ半数に達するほどです。
受精するには、卵子が精子を掴みに行くわけではないので精子がどのくらい動けるのか、走れるのかはとても大事になってきます。

現在の生殖医療では運動率の数値が低くても顕微授精といって、採精した約1〜4億個の中から見た目良し、動き良しの精子を1匹だけ選んで直接卵子に注入する方法があります。
採れた精子の全てが元気だったり、すべて正常という事はほぼ100%ありえませんし、選んだ精子が必ずしもベストなものかといわれると、分母が大きすぎて何とも言えません。
現に顕微授精は通常体外受精より受精率は高いですが、着床率は低くなることが分かっています。
卵子との相性が合わなかったのか、精子を注入する際に卵子を傷つけてしまったのか、精子に見えない異常があったのか…
ヒトで例えたら、イケメンで運動神経抜群!!このヒトにしよう!!って思ってたのに、性格がすごい悪くて相性が合わなかった…みたいな感じです。
タイミング法や人工授精、通常体外受精は、精子が自力で卵子まで到達することで受精するので、受精率は低くなりますが着床率は高くなります。
もちろん卵子や精子が良質であれば顕微授精の受精卵でも妊娠はします。
ですが、確率だけで見たときに精子の運動率次第で妊娠率を上下することが分かります。
ここに関してはできるだけ、男性にも頑張っていただきたいですね!!

ここまでタウリンについてお伝えしてきましたが、身体の様々で作用することが分かっています。
私たちが身体の調子を整える上で、必要不可欠な栄養素なのですね。

ここでタウリンの色々な働きをここまでにあげていたもの含めまとめてみました。
〇ホメオスタシス
 …身体のあらゆる細胞に作用して、正常に維持をする。
〇肝臓の機能を助ける
 …代謝・解毒・胆汁生成・エネルギー源の貯蔵etc
〇疲労回復
 …肝機能の低下・損傷は疲労に繋がる。妊活中は特に薬をたくさん服用する女性や男性の運動率を上げるために必要!!!
〇記憶力up・アルツハイマーの予防
 …脳の疲労、認知機能の回復。アルコール・麻酔・抗生物質などが原因の健忘は肝機能の向上により緩和・予防・改善につながる。
〇コレステロールの値を下げる
 …胆汁を生成する時に主要成分の胆汁酸が必要で、胆汁酸を生成する時にコレステロールが必要。タウリンは胆汁酸と結合する性質があるので、胆汁酸の必要量が増加するとともに、コレステロールの値が下がる。
〇動脈硬化を予防する効(抗酸化作用)果
 …動脈硬化の主な原因は、血中のコレステロール・中性脂肪などが血管壁に詰まること。コレステロールの上昇が抑制されると、動脈硬化の予防になる。
〇高血圧を予防する
 …高血圧の主な原因は、交感神経が刺激を受け心拍数を速くすることや、腎臓の働きを抑制すること。タウリンは、塩分の摂取過剰による高血圧に効果的。塩分過剰の高血圧は腎臓が塩分と水分を取り除き、血液量を減らすことで緩和する。タウリンは抑制性神経伝達物質ともいわれているので、交感神経を抑制して腎臓の働きを正常に戻してくれる。
〇睡眠の質を向上させる
 …タウリンは抑制性神経伝達物質であるため、交感神経を抑制して、リラックスする時に優位になる副交感神経が働き、脳を休める。
〇視覚機能の改善をする
 …タウリンが目の網膜に存在している。目の新陳代謝の促進、角膜の修復を助ける。
〇むくみを予防・改善する
 …下半身のむくみの原因の一つとして、筋肉の収縮が弱く送り返しができないことがある。タウリンの50〜80%は筋肉に含まれている説もあり、不足すると筋収縮力が衰える。タウリンの摂取は筋収縮を高めるので、むくみに効果的。
〇便秘を改善する
 …内臓にも筋肉があり、蠕動をして消化をしている為、筋収縮力が衰えると便秘になりやすい。むくみ同様、タウリンの摂取は筋収縮を高めるので、便秘に効果的。
〇胎児、赤ちゃんの脳の発達に影響
 …妊娠中のお母さんの羊水、母乳の中には大量のタウリンがあり、胎児、赤ちゃんの脳の発達に栄養を及ぼす。
 
タウリンは、私たちの健康のために摂取しておきたい栄養素だという事はお分かりいただけましたでしょうか?
今回は妊活中の方に特に必要な理由をお伝えしてきました。
今まで多く摂取できていたという方はもちろん継続していただいて、不足していた方は普段の食事から少し貝類や魚介類の料理も食べていけるとベストですね!!
またサプリがない場合は、タイミングや採精前にはぜひ男性は栄養ドリンクを飲むようにしましょう。

銀のすずでは少しでもご不安を解消できるようカウンセリングもしっかりと行っております。

何かございましたらご質問ください。
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Th1とTh2のバランスは不育・着床障害と関係あり!!!〜アレルギーや自己免疫性疾患〜

Th1やTh2という何やら難しい単語が出てきました。
この言葉は免疫学で使用します。
『免疫学とは、外的や内的の異物を非自己とみなして、生物が生命を維持するために必要な、基本的な生体防御機構を研究する学問』を指します。
簡単に言うと『自分以外のものを敵として退治する仕組み』です。
不妊、抗精子抗体、免疫異常

こうした免疫機構が私たちの身体を守る仕組みの一つです。
この仕組みの不都合によって不育・着床障害の原因になるというのです。
どうしてそうなったのか、回避することができないのか、考えていきたいと思います。
着床障害、不育症、抗リン脂質抗体

免疫の仕組みは、日常生活でも大いに役立つところですので、知っていて損はありません。
免疫学は専門用語がたくさん出てきますのでご紹介しながら説明します。

免疫機構を大きく分けると、自然免疫機構と獲得免疫機構に分類されます。
このメカニズムが基本となります。
不育症、体外受精、ヘルパーT細胞

まずは免疫に関係する細胞たちをご紹介します。
・樹状細胞
・顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)
・リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)
・マクロファージ(単球)
もっと詳細に分類することができますが、ざっくりとこのぐらいの種類になります。
この免疫を担当する細胞の細胞膜表面には多種多様な機能性タンパク質、糖タンパクが存在しています。
この表面にある物質は抗原であり、たくさんあり過ぎるのでそれぞれに名前を付け、CD(cluster of differentiation)抗原と呼び、分類してあります。

代表的なCD抗原を上げておきます。
・CD2:T細胞、NK細胞
・CD4:ヘルパーT細胞、単球、MHCクラスUレセプター、HIVレセプター
・CD8:サプレッサーT細胞、MHCクラスTレセプター
・CD19:B細胞
・CD21:成熟B細胞、C3dレセプター、EBVレセプター
どんどん難しくなりますね。
※T細胞には種類がたくさんあって、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、キラーT細胞、αβT細胞、γδT細胞、ナチュラルキラーT細胞に分類できます。
※MHCとは、正式名称は主要組織適合遺伝子複合体と呼ばれ、移植するとき生着や拒絶に関係する抗原が細胞表面にあり、これを組織適合性抗原といい、このほかに補体、免疫応答など生体防御や恒常性維持に関連した遺伝子群が第6染色体短腕上の限局した一部に集中していることがわかり、この遺伝子群をMHCと呼びます。
※HIVレセプターとはエイズウイルスが着くところ
※C3dレセプターとは補体であるC3dは着くところ
※EBVレセプターとはエプスタインバーウイルス(EBウイルス)が着くところ

たった一つの細胞にたくさんの抗原があることがわかります。

これは自分たちの細胞だけなく、その他の動植物にもたくさんの抗原があります。
例えば花粉も抗原になるので、花粉症が存在するのです。

続いて、抗原について。
抗原の定義は、この2つ。
・動物に抗体と感作リンパ球を作るきっかけを与える(免疫応答惹起)
・作られた抗体や感作リンパ球と特異的に反応する
※感作リンパ球:抗原に対する記憶を保持しているリンパ球
例えば花粉症の体内には花粉を覚えているリンパ球があり、また来年花粉が入ってきたら昨年と同じく花粉症が起こってしまう。
抗原の特徴は『特異性がある』ことです。
抗原Xが体内に入ってきて、抗原Xに対して作られた抗体や感作リンパ球以外とは反応しません。
もう少し具体的にいうと、スギ花粉(抗原)が入ってきても、スギ花粉抗体がなければ反応しないということです。
アレルギー疾患用に抗原はアレルゲンという名称があります。
さらに抗原には強さがあります。
蛋白質>多糖類>脂質の順で反応が強くなります。
たとえば鶏卵のタンパク質はアレルギーが強く起こります。
タンパク質や分子量の大きい多糖類は完全抗原といい、たくさんの抗原決定基を持ち、抗体産生するためにT細胞の関与を必要とする胸腺依存性抗原とT細胞を関与することなく、B細胞の抗体産生を誘導できる胸腺非依存性抗原があります。
また抗原としての働きのうち、抗体と結合することはできるが抗原性のある分子と結合させないと抗体産生できない不完全抗体(ハプテン)があります。
集約するとタンパク質や大きいものは抗原性が強く、体内に入ると抗体を作りやすいということです。
子供の離乳食でも気を付けなくてはならないことですね。

続いて、抗体について。
抗体の定義は『産生を促した抗原と特異的に結合する蛋白質』といいます。
この抗体によって私の身体は守られています。
抗体は一つの抗原に、1つの抗体が存在します。
例えば赤血球。
人体の細胞数が60兆個といわれていますが、その1/3が赤血球です。
酸素と二酸化炭素を運搬するにはこれだけの数が必要なのです。
この赤血球の表面には250種類の抗原があります。
その代表的なのがABO式血液型です。
血液型A型にはA抗原があり、B型にはB抗原があり、AB型にはA抗原、B抗原があり、O型にはA抗原もB抗原もありません。
このような抗原が赤血球一つをとってもあるのです。
赤血球は体内にあるのものですが、体外からも多くの抗原が入ってきます。
例えば花粉なども抗原です。
このように抗原になるものが私たちの身の回りにはたくさんあります。
そして私たちの身体は、10,000,000から1,000,000,000個種類の抗原特異性の抗体を作り出すことができます。
すごい仕組みだと思いませんか?
ちなみに、抗体はB細胞が作り出しますが、1個のB細胞から1種類の抗体を作り出すことができます。
B細胞の種類も抗原や抗体に比例するわけです。
抗体の特徴は、抗原特異性があることと、37℃付近で強く反応する温式抗体、0から3℃の低温で反応する冷式抗体、両方で反応する二相性抗体があります。
ほとんどの物が温式抗体ですので、37度付近が最も威力が強いわけです。
さて抗体は、免疫グロブリンとも言い換えられます。
とても複雑な構造をしていて、抗原を認識することができます。
抗原抗体反応、卵子抗体、Th1/Th2

免疫グロブリンは5種類あり、それぞれ特徴があります。
最も多く存在するのは『IgG』です。
以下、IgA、IgM、IgD、IgEの順です。
最も大きいのは『IgM』です。
抗精子抗体、抗卵子抗体、着床障害

以下、IgA、それ以外は同等です。
胎盤を通過するのは『IgG』のみ。
補体と結合できるのは『IgG、IgM』のみ。
IgAは唾液や咽など粘膜に多く存在し、免疫を担っています。
IgEはアレルギーを引き起こす免疫グロブリンです。

抗原と抗体の基本はなんとなくお分かりいただけたでしょうか?
その他、抗体を補助するということから『補体』というタンパク質もあります。
簡単に触れておきます。
主な仕事は3つ。
・赤血球を溶血させ、細菌や細胞を溶解する
・食細胞などによる免疫複合体や細菌などの貪食を促進させる
・炎症細胞やリンパ球の活性化を制御し、免疫応答を調節する
補体単体、抗体と結合して機能を発揮します。
また補体は肝臓にて合成されています。

抗原、抗体、補体の関係は想像できたでしょうか?
目に見えない大きさのとても小さな物質が私たちの免疫力を担っていますね。

あと免疫を語るうえで、T細胞とB細胞について説明しなくてはなりません。
両方ともリンパ球ですが、構造や機能が異なります。
結果的には私たちの免疫を支える根っこのような存在です。

まずはB細胞から。
B細胞は骨髄に存在して、抗体を産生する免疫細胞です。 血液の元となる細胞(造血幹細胞)から作られ、樹状細胞の指令を受けると、外敵や異物を攻撃する「抗体」を作り、異物の排除を手助けします。 また、B細胞は、細胞ごとに作る抗体の種類が決まっています。 あるB細胞が作り出す抗体に適合した外敵が出現した場合にのみ、そのB細胞は活性化して、形質細胞となり、抗体を産生します。 一部のものは抗原を記憶し、免疫記憶細胞となります。 形質細胞、抗体、IgG、不妊
続いてT細胞。
T細胞のTはThymus、胸腺の名前から来ています。
胸腺?
胸腺は胸骨の裏にあって、思春期に最大となり、それ以降退縮し、脂肪組織になっていきます。
そもそもリンパ球は骨髄内で作られ、未熟なT細胞は胸腺へやってきます。
そして自分のMHCと適度な親和性のあるT細胞を選択し(正の選択)、自己抗原に反応するT細胞を消去し(負の選択)、体に有益なT細胞のみが末梢血液中に放出されます。
血液中に流れているリンパ球の70%はT細胞です。
※MHCとは、正式名称は主要組織適合遺伝子複合体と呼ばれ、移植するとき生着や拒絶に関係する抗原が細胞表面にあり、これを組織適合性抗原といい、このほかに補体、免疫応答など生体防御や恒常性維持に関連した遺伝子群が第6染色体短腕上の限局した一部に集中していることがわかり、この遺伝子群をMHCと呼びます。
胸腺は老化が一番早い臓器といわれ、70歳には完全に脂肪になります。
結果T細胞を作り出せるのもの思春期が最大であるということです。
健常な場合、若いうちにたくさんT細胞をストックし、一生困らないようになっています。
ちなみに、胸腺という組織は思春期が最高に大きく、その後委縮してしまいますが、放射能や副腎皮質ステロイドで委縮してしまうことがわかっています。
つまり、小さいころに放射能や副腎皮質ステロイドを多量に使うと胸腺由来の細胞は作られない可能性がありますので無駄使いは避けたいですね。

T細胞にはたくさんの種類があってそれぞれ仕事が異なります。
・ヘルパーT細胞
・キラーT細胞
・ナチュラルキラーT細胞
・制御性T細胞
・γδT細胞
特に重要なのはヘルパーT細胞とキラーT細胞です。
CD抗原分類でCD4抗原陽性のヘルパーT細胞、CD8抗原陽性のキラーT細胞に分類されます。
さらにCD4陽性T細胞(ヘルパーT細胞)をサイトカイン別で分類すると今回の本題であるTh1、Th2になります。

ここでまた新しい言葉が出てきました。
サイトカインとは、細胞から分泌される低分子のタンパク質で生理活性物質の総称です。
多くの種類があり、特に免疫・炎症反応等の生体防御に関連したものが多くみられるが、細胞増殖や分化、細胞死や治癒等に関連するものもあります。
主なものに下記のものがあります。
・インターフェロン(IFN):ウイルスや腫瘍細胞などの異物の侵入に反応して細胞が分泌するタンパク質
・インターロイキン(IL):ヘルパーT細胞によって分泌され、細胞間コミュニケーションの機能を果たすタンパク質
・ケモカイン(CCLなど):Gタンパク質共役受容体を介してその作用を発現する塩基性のタンパク質
・コロニー刺激因子(顆粒球コロニー刺激因子:G-CSF、エリスロポエチンなど):リンパ球以外の白血球系幹細胞を刺激して成長を促進させる作用をもつタンパク質
・腫瘍壊死因子(TNF):固形がんを壊死に導いたり、アポトーシスに導く活性を有するタンパク質
・増殖因子(EGF、FGF、TGF-βなど):特定の細胞に対して増殖を促進するタンパク質

【Th1細胞】:IL-2とIFN-γ、TNF-βを産生する
【Th2細胞】:IL-4とIL-5、IL-6、IL-10、IL-13を産生する

Th1細胞は、T細胞の活性化や細胞障害活性の増強を介して細胞性免疫を担い、Th2細胞はB細胞の活性化に関わり液性免疫に関与することが知られています。
通常、体内ではこれらTh1細胞、Th2細胞のバランスにより、免疫機能が調節されていると言われています。
このバランスが崩れると抗腫瘍作用低下による癌の発生や、IgE抗体の産生過多によるアレルギ-の発症等、種々の疾患をもたらす可能性があるといわれています。
したがって、それらの疾患においてTh1、Th2を測定することにより、生体の免疫応答の良否を推定することができるというわけです。

Th1とTh2のバランスをTH1/Th2という比率で表します。

Th1優位:自己免疫疾患
Th2優位:アレルギー性疾患

不育症、卵子の質、転院

妊活においてTh1/Th2の比率を見ると自己免疫性疾患でもアレルギー性疾患でも問題はありそうです。

自己免疫性疾患とは、異物を認識し排除するための役割を持つ免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうことで症状を起こす病気です。
全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、重症筋無力症などの膠原病が有名ですね。
これらの病気には、自己抗体があり、この自己抗体が私たち自身の細胞を攻撃してしまうのです。
いくつか代表的な自己免疫性疾患を上げておきます。
精子の質、卵子の質、習慣性流産

もう少し具体的にTh1陽性細胞とTh2陽性細胞のメカニズムを見ていきます。
病原菌が入り、反応を起こすのは3つの細胞、樹状細胞、ナチュラルキラーT細胞、肥満細胞です。
免疫力、体質改善、不妊

体内でとても複雑に動いている免疫システムです。

このシステムが何らかの原因で変調を来すと免疫が異常となります。

精子に対する抗体が女性の体内にあれば、タイミングや人工授精は成功しないでしょう。
受精卵や子宮に対する抗体があれば、タイミング、人工授精、体外受精は成功しないでしょう。

では、この場合どういった治療をすれば、この免疫異常はクリアされるのでしょうか?
一般的には自己免疫性疾患であれば免疫抑制剤を使用し、アレルギー疾患であれば抗ヒスタミン薬などを使用します。

不妊治療ではすでに多くの薬を使っているので、薬の使用に戸惑いもそこまでなく、これらの薬で解決できるのであれば・・・と考えますね!
実際は免疫抑制剤のタクロリムス(プログラフ)を使用しています。
タクロリムスはTh1細胞を優位に低下させTh1/Th2バランスを制御し受精卵に対する拒絶反応を避けることで、着床に至ると予想されます。

また、女性は男性より免疫が強いといわれています。
その理由は子供を育てるからとか・・・。
良い方向で免疫が強いのは良いのですが、悪い方向へ作用することもあります。
実際、膠原病などの疾患は圧倒的に女性に多くみられます。

それでは自力で何とかする方法はないのでしょうか?
できることとすれば、『免疫力を無駄に上げない』ことでしょう。

先ほども書きましたが、抗原が入ってくると、樹状細胞やマクロファージ、Tリンパ球が反応し、抗体を作ります。
初めての抗原でなければすでに作成済みの抗体と抗原が反応します。

この現象を起こさせないようにすれば多少免疫反応を抑制することができるのではないでしょうか?

具体的に言うと、インフルエンザに感染すると自身の免疫を持ってインフルエンザウイルスを攻撃します。
インフルエンザウイルスは呼吸器感染なので、咽や気道で免疫担当細胞が奮起し、退治します。
その時の免疫力は最高潮に達しているでしょう。
体はとても敏感で、他に異物が入ってこないようにセンサーが過剰に働いていると考えられます。
その時、精子や受精卵が入ってきたらどうするでしょうか?
精子や受精卵は男性の遺伝子を持っている以上、異物であり、ある意味、敵になりうる物質です。
きっと私が免疫なら攻撃してしまうかもしれません。

よって抗原性の高い物を避ける必要があります。
風邪をひかない、不潔なところに行かない、食べ物に注意するなど日頃の気を付けなくてはなりません。
人込みはマスクを着用し、手洗い、うがいなどを心がけることも重要というわけです。

皆様の妊活がスムーズに行われることをお祈りしております。
何か質問がございましたらお問い合わせください。

銀のすず
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ベンフォチアミンを知っているかい!!!〜糖質過剰摂取の人たち〜

皆さん、"ベンフォチアミン"という栄養素をご存知ですか?
聞いたことない!という方も多いかと思います。
この栄養素は私たちの身体にとても重要であり、重要な役割を持っています。
ちなみに、ベンフォチアミンの"チアミン"というのは、ビタミンB1の別名のことです。
ビタミンB1は聞き覚えのある栄養素ですよね。
このビタミンB1の誘導体の一つにベンフォチアミンが含まれるのです。

主な基本作用としては、グルコースの代謝を活性化していることです。
また、ビタミンB1の働きを助けることから、集中力や記憶力など脳の機能を向上させること、神経細胞の修復や保護をして神経伝達の機能を向上させることなどがあります。
脳や神経の機能を改善・向上させてくれるので、やる気が出て前向きになったり、さらにアルツハイマー病や認知症の緩和として使用されたりもします。

今回はこのベンフォチアミン(ビタミンB1誘導体)について、詳しくお伝えしていきます。
不妊、老化、糖代謝、卵子

水溶性ビタミンに分類されるチアミン(ビタミンB1)を助ける働きを持っています。
ビタミンB1は水溶生の物質で、水に溶けやすい性質を持ち、保存できる含有量を超えると尿中に排泄されてしまいます。
大量摂取しても過剰症の恐れがないこの仕組みは、水溶性物質のすべてに共通する特徴です。
一方でベンフォチアミンはビタミンB1を水溶性物質から脂溶性物質に変換して、体内に蓄積しやすい形状にしているので効果が格段に持続すると考えられています。
チアミン、糖代謝、アンチエイジング、老化

体内に蓄積しやすい性質を持つことから、脂溶性物質の間違った過剰摂取は、身体に悪影響を及ぼす可能性もあるので注意が必要です。
ただし、ベンフォチアミンは体内で過剰になった場合、ビタミンB1へと代謝されるため、尿に溶けて排泄されていきます。
そのため、過剰摂取や蓄積による副作用などの心配はないに等しいのです。
ビタミンB1は過剰症になることはありませんが、不足すると、脚気やウェルニッケ脳症などの欠乏症になる可能性があります。
ビタミンB1が不足すると、主に脳機能や神経機能に症状がみられるのです。

◎ 脚気 … ドラマ、漫画『JIN‐仁‐』では白米ばかり食べていた人々に発症し、玄米ドーナッツで治すシーンがありました。
白米などには炭水化物、糖類が大部分でビタミンが少なく、ご飯やパン・麺類などの炭水化物をたくさん食べていても、体内でエネルギーに変換することができず、健康を維持できなくなります。
症状としては、疲労感・息切れ・動悸・むくみ・食欲不振・手足のしびれなどがあります。
重症になると、心臓が肥大して心不全を起こすこともあります。

◎ウェルニッケ脳症 … アルコールを多飲する人がかかりやすいといわれています。
症状としては、歩行障害・眼球の運動麻痺・意識障害・痙攣などがあります。
中枢神経を中心に症状がでるので、重症になると昏睡状態になることもあり命に関わります。
さらに、アルコール依存症とウェルニッケ脳症を併発すると、激しい物忘れや架空の作り話、状況や場所・日付などが分からなくなる見当識障害などの症状を呈するコルサコフ病という病気になる可能性もあるといわれています。
これらの治療法として禁酒・ビタミンB1補充がありますが、多少改善するものの完治しないと考えられています。

なぜビタミンB1が足りないと脳機能や神経機能に関わる症状が出るでしょうか。
摂取された炭水化物などの糖質はビタミンB1によって代謝され、その約20%が脳に使用されます。
脳は体重の約2%程度ですが、割合で考えると相当重要であることが分かります。
さらに、脳に使用されている糖質は脳自体のエネルギー源だけでなく、神経伝達物質合成に必要な基本物質を提供しているため、神経伝達を行う私たち動物には必要不可欠なのです。
神経伝達によって全身臓器が働くことから、ビタミンB1が不足した場合には神経伝達物質がうまく合成できず、各種臓器や脳の機能の低下がみられるということなんですね。
勉強などで頭を使う時や激しいスポーツなど身体を動かすときに、糖分を取るといいといわれているのは、脳や神経の機能をフル回転で使用するからということなのでしょう。

糖類は必要ないという人もいますが、その理由は体内でブドウ糖は作ることができるからです。
作り出すシステムを『糖新生系』と言います。
筋肉(300g)肝臓(100g)に保存されている貯蔵糖であるグリコーゲンを毎時8g〜10gのブドウ糖に新たに合成しています。
1日当たり240gのブドウ糖を作っている計算になります。
240gとはどのくらいの量でしょうか?
150g(茶碗小1杯)当たり、ブドウ糖は55.2gなので、約4倍、お茶碗小4杯分を体内で作っている計算です。
ジャガイモだと小さめを15個に相当する量です。
バナナだと11本、ソフトクリーム12個、カステラ7.6切れ、シュークリーム16個、ショートケーキ5.6個、プリン16個に相当します。
かなりの量を体内で作っているのです。
もう少し、リアルに考えていきます。
50キロの体重の人で血液は約4リットルです。
血糖値を100 mg/dlとしたら、0.1%の濃度ですから、4gのブドウ糖を指します。
この血糖値100 mg/dlを維持(ホメオスタシス)するために、肝臓100g、筋肉300gのストックと+毎時10gの糖新生があります
人間に身体は自律神経によって一定に血糖値を保とうとします。
その調整をしているのが自律神経やホルモンたちです。
糖新生の命令を出す代表的なホルモンは『グルカゴン』です。
血糖値が約65から70mg/dlに低下すると、血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンが大量に放出され始めます。

おまけ
・血糖値が約80 mg/dLを下回ると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が極端に低下する
・約60-65 mg/dLに低下すると、3番目の血糖値を上げるホルモン、成長ホルモンが放出される
・60 mg/dL以下になると、最後の血糖値を上げるホルモン、コルチゾールの分泌が亢進する


そもそもホメオスタシスで血糖値を100 mg/dl前後に維持できない時点で体に何らかの問題が生じています。
・そもそも糖尿病
・血糖値を上げるグルカゴン(膵臓)、アドレナリン(副腎)、コルチゾール(副腎)、成長ホルモン(下垂体)が上手に分泌していない、もしくは作用していない
・絶食など栄養補給を絶ち、過剰な運動を行い、消耗を促す
・糖尿病の薬を飲み過ぎる
・肝臓がん、すい臓がんなどを罹患している
なぜ人は体内で毎日240gものブドウ糖を作るのか?
それは脳の活動にどうしても必要だから、脳が安定的に活動できるためにその仕組みは作られました。
よって脳への補給はホメオスタシスによって保たれており、食事から大量の糖類を摂るのは如何なものかといわれています。
結局、食事によって摂られた糖類はインスリンによって脂肪に変換され、貯蓄されるのです。

さて話を戻して、近年ビタミンB1は日本食で不足しやすい栄養素であるといわれています。
なぜなら、昔に比べて食はかなり豊かになってきていますが、その反面で冷凍食品やインスタント食品が増え、身体に必要な栄養素が満足に摂取できていないように感じます。
そうなるとサプリで摂取することになるのですが、できるだけビタミンB1の効果をより発揮しやすく、持続させたい!!と思いますね。
ここで、水溶性物質から脂溶性物質に改良されたベンフォチアミンが私たちに必要不可欠な栄養素ということに繋がるのです。

卵子の老化、精子の老化、アンチエイジング
さらに、ベンフォチアミンはビタミンB1の補助だけでなく他にもたくさんの作用を持った栄養素です。
中でも抗酸化物質として強い作用も持つことが分かっています。
この作用は、私たちの身体のあらゆる細胞で老化の防止に繋がります。
最も老化に繋がるといわれている糖化と酸化にはそれぞれ原因物質がいくつもありますが、中でも糖化の原因物質であるAGEs(終末糖化産物)と、酸化の原因物質であるALEs(終末脂質酸化産物)は特に問題視されている物質です。
ベンフォチアミンの抗酸化作用には、AGEsとALEsという物質の活動を低下させる働きがあるということが分かっています。

AGEsとALEsはどちらもタンパク質を変性させて発生する物質で、AGEsは余分な糖がタンパク質と結びつくとによって糖化を引き起こすことにより発生し、ALEsは酸化した脂質の分解物がタンパク質と結びつくことによってカルボニル化を引き起こし発生するといわれています。

まず、最も老化現象の原因に繋がっていると考えられているAGEsについて詳しくお伝えしていきます。
AGEsが発生する際のタンパク質の糖化反応をメイラード反応と言います。
さらに、還元糖とアミノ化物質(アミノ酸・ペプチド・タンパク質)を加熱した時に褐色物質を生み出すことから、褐変反応とも呼ばれています。
このメイラード反応によって発生するAGEsが、私たちの身体の様々な細胞で老化を進行させる原因となるのです。
もちろん、子宮・卵巣や精巣などの内臓器官や、卵子細胞や精子細胞の老化にもつながるということです。

なによりもAGEsは体内で分解されにくく蓄積しやすい物質です。
体内で蓄積しやすい部分は、特にコラーゲンの多い皮膚や骨、関節、血管といわれています。
皮膚に蓄積すれば、肌の黄ばみやしわ・たるみの原因、骨や関節に蓄積すれば、動きが悪くなるだけでなく、もろく、黄ばみ、焦げた状態になってしまいます。
血管に蓄積すれば、動脈硬化の原因にもなりかねません。
さらに女性疾患においては、卵巣機能障害の原因としても考えられています。
今までの指標とは違い、治療可能な早期診断に役立つといわれています。
他にも、糖尿病・動脈硬化症・慢性腎不全・アルツハイマーなどの変性疾患を悪化させると考えられており、さらには、老化の原因である活性酸素による細胞障害を促進するので、身体の機能に大きな変化を生じさせてしまうといわれているのです。

次に、ALEsについてです。
脂溶性物質は、身体に蓄積されやすい性質があるとお伝えしましたが、もちろん脂質もその仲間に含まれます。
ALEsもAGEsと同じく、分解されづらく蓄積しやすい物質なのです。
ALEsは、コレステロールや中性脂肪などのいわゆる脂質が活性酸素によって酸化反応を起こし、これがタンパク質と結合することにより発生します。
酸化反応は、私たちの身近で最も頻繁に起きている反応です。
例えると脂質の酸化というのは、身体のサビのようなものですね。
雨に濡れると鉄がサビるように、私たちは活性酸素によって身体がサビつくように老化するのです。

もちろん、私たちが毎日呼吸をしながら吸っている酸素でも、少しずつ活性酸素は増加していきます。
例えば、歩く・水泳などの有酸素運動は身体に良いとされていますが、酸素を吸っているので活性酸素は少なくとも増加します。
ともなると、ハードなランニングやなどの自分自身を追い込んだきつい運動では、活性酸素の急激な増加を引き起こしているのです。
また、ダイエットのためにと無理な食事制限をしながらの運動は逆効果で、身体の活性酸素を増やす原因に繋がります。

ALEsは、DNAを損傷することが分かっていて、有癌物質であるとされています。
それだけでなく、身体のあちこちに悪い影響を及ぼします。
なので、私たちの身体には、活性酸素の激しい増加を避けるために、抗酸化作用という酸化を抑制する補酵素が存在しているのです。
しかし、加齢とともに抗酸化作用を持つ補酵素は減少してしまう為、食事やサプリなど外から栄養素として補わなくてはならないのです。

ここで、AGEsとALEsの活動を抑制して補酵素として働いてくれる栄養素こそが、ベンフォチアミンです。
具体的にどう活動抑制をするかというと、少し難しい話になるのですが…
ベンフォチアミンが体内に入ると、トランスケトラーゼの補酵素であるチアミンピロリン酸(活性したチアミン)の濃度が上昇します。
トランスケトラーゼとは、すべての生物に存在していて主に糖の代謝に関わる重要な酵素です。
AGEsやALEsの元になる物質を代謝により軽減させているのです。
つまり、脂肪酸やステロイドを合成している肝臓・乳腺・副腎などに必要不可欠な物質ということです。
このトランスケトラーゼの活性には、補欠の役割をしているチアミンと、カルシウムが必須になってきます。 ベンフォチアミンは、チアミンの濃度を上げてくれるので、結果的にAGEsやALEsの活動を抑制してくれるのです。
ちなみに、チアミンで活性するトランスケトラーゼは20%に対し、ベンフォチアミンは300%まで増加させることが分かっています。
これは驚異的な数字ですよね。

そして、AGEsやALEsの活動を抑制することで、生活習慣病の一つである糖尿病の合併症状の改善につながるといわれています。
ベンフォチアミンは特に糖の代謝に関係していて、血糖値を正常化してくれるので、糖尿病で関係性の深い、末梢神経障害、線維筋痛症、坐骨神経痛、筋筋膜性疼痛症候群などの神経障害に有効な成果を上げているのです。

AGEsやALEsは、普段の私生活や食生活の過ごし方で増えることも減ることもあります。
低カロリーダイエットをすると短期的に数値が減少することが分かっていますし、喫煙者では非喫煙者よりも血中や皮膚での濃度が増加することが分かっています。
食品では、肉やバター・一部の野菜などにAGEsが含まれています。
これらの食品の調理において、揚げる・焼くなど、水を使わない調理の場合では、大幅に増加することが分かっていて、茹でる・煮る・蒸す・電子レンジ加熱などの水を使った調理の場合では比較的に増加しないことが分かっているので、意識してみるのもいいかと思います。

さてベンフォチアミンの必要性についてお話しましたが、体内においてビタミンB1として効果を発揮する栄養素だということは、ご理解いただけたかと思います。
ただベンフォチアミンはビタミンB1を吸収しやすくするために、人工的に脂溶性に合成されたビタミンB1誘導体なので、食品から摂取することは難しいのです。
ビタミンB1を多く含む食品やベンフォチアミンのサプリで一緒に摂取することで、より効果を発揮しやすくなります。

一日に必要なビタミンB1の摂取量はどれくらいなのでしょうか。
成人男性:1.2r〜1.4r
成人女性:0.9r〜1.1r
妊娠中や授乳中の方では、0.2r多く摂取すべきだといわれています。
妊活中の方にも、妊娠に向けて体質改善をしているため、十二分に必要だと考えられます。

ここで、ビタミンB1を多く含む食品をいくつかあげていきます。

≪100gあたりのビタミンB1の含有量≫
・ぶた肉(ヒレ・赤身・焼き)2.09r
・ごま           1.25r
・まいたけ         1.24r
・ぶた肉(ヒレ・赤身・かつ)1.09r
・ぶた肉 (ひき肉)     0.94r
・ぶた肉 (生ハム)     0.92r
・パセリ          0.89r
・落花生          0.85r
・うなぎ          0.75r
・えんどう         0.72r
・焼きのり         0.69r
・わかめ          0.62r
・かつお          0.55r

その他 … 小麦、米、にんにく、大豆、卵など

ぶた肉食品に含まれるビタミンB1の多さが圧倒的!!!
ぶた肉は、豊富な動物性のタンパク質も含むので是非毎日の食事にプラスしていくべきではないでしょうか。

ちなみに、ぶた肉よりもビタミンB1を多く含む食品では、パンのもとになる酵母パンや小麦、お米などの炭水化物が中心でした。
上に表記しなかったのは、炭水化物は摂取してほしい栄養素ではないからです。
中でも、パンや麺類などの小麦食品は、砂糖よりも糖質を多く含むスーパー糖質食品といわれています。
いくらビタミンB1を多く含むからとはいえ、糖質をたくさん摂取してしまっては身体の糖化に繋がり、元も子もありませんよね。

また、植物性のタンパク質である大豆にも多く含まれています。
一見女性の身体に良さそうですが、大豆に含まれるイソフラボンは女性のホルモンバランスを乱す原因になりかねません。
というのは、イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンに似た化学構造をしています。
エストロゲンは、女性の妊娠や出産に欠かせないホルモンです。
子宮内膜の肥厚や、精子が子宮の中に入りやすいように頸管粘液の分泌を促進したり、女性らしい身体を作ることに作用してくれます。
閉経や年齢とともに減っていくホルモンで、更年期障害の原因だと疑われています。
イソフラボンは、近年植物性エストロゲンなどといわれ女性は特に多く摂取するべきだといわれてきました。
しかし、私たちの脳は単純なのでイソフラボンを摂取すると、"エストロゲンに似たホルモンが身体に入ってきたから、自身のホルモンは出さなくてもいいや!"と脳が勘違いしてしまうのです。
そうすると、脳は子宮や卵巣に"ホルモンを作れ!"と指示をしなくなってしまいます。
イソフラボンはあくまで植物性で、自身で作る天然なホルモンではないため、女性ホルモンのバランスを崩す大きな原因になるのです。

ここまで色々お伝えしてきましたが、ベンフォチアミンが持つ作用を簡単にまとめるとこうです。
◎ビタミンB1の機能補助
◎糖代謝に関わる酵素の活性化
◎脳機能の向上(記憶力や集中力)
◎ストレスの耐久力
◎神経細胞機能の向上・修復
◎糖化や酸化の防止・改善
◎癌細胞に関わるDNAの損傷予防・増殖抑制
◎血液の癌ともいわれる白血病や悪性リンパ腫の予防

そして、ベンフォチアミンは別の栄養素と一緒に摂取することで、それぞれの作用に相乗効果を見せることがあるのです。
ビタミンCやビタミンEと一緒に摂取すると、抗酸化作用によりALEsを低下させ、DNAの損傷を防いでくれるので、癌細胞の増殖を抑制する作用が強くなるといわれています。
さらに、妊活中に必ず耳にする葉酸(ビタミンB12)を一緒に摂取することで、脳機能の向上がみられやすいといわれています。
これは、葉酸が脳細胞の優れた修復作用を持つためだと考えらます。
妊活中は、ビタミンCやビタミンE、葉酸などの栄養素をサプリで飲んでいる方は多いかと思います。
ぜひ、これらの栄養素にプラスしてベンフォチアミンも一緒に摂取してみてください!

銀のすず
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コエンザイムQ10は妊活の最高なパートナー!!!

皆さんは、"CoQ10(コエンザイムQ10)"という名前を聞いたことがありますか?
妊活中の方にどんなサプリを飲んでいるか聞くと、葉酸とCoQ10を一緒に摂取している方が多いように感じます。
「妊活中に良いって聞いて飲んでます!」と、詳しくは分からないけど、何か効果があるのだろうと飲んでいる方がほとんどだと思います。
結果からお伝えして、妊活に有力な効果がある事は間違いありません!!!
なぜでしょうか…?
詳しくお伝えしていこうと思います。

まず、CoQ10の名前の意味や性質について簡単にお話します。
CoQ10の"コエンザイム"は日本語で"補酵素"のことで、"10"はコエンザイムQの構造であるイソプレノイド鎖が10回繰り返されることから、"CoQ10"という名前がついています。
CoQ10は、脂溶性のビタミン様物質です。
脂溶性物質は水に溶けにくい性質を持つため、吸収率があまりよくないと言われています。
ビタミン様物質とは、体内においてビタミンに似た作用をもたらすもので、CoQ10は"ビタミンQ"などとも呼ばれていましたが、正確には動物体内で合成する事が出来る物質のため、ビタミンではありません。
ユビキノン、ATP、ミトコンドリア

CoQ10には、別名が多く"ユビキノン"と言われることもあります。
ちなみにユビキノンとは、ヒトの全身のあらゆる細胞膜、そしてミトコンドリア内に豊富に存在していることから、"あらゆる所に存在する"という意味であるラテン語の"ユビキタス"という言葉に由来しています。

名前や性質からわかるのは、ヒトの身体に吸収されにくい脂溶性物質であること、ビタミンのような働きをすること、体内で構成できる補酵素であること、体内のあらゆるところに存在していることなどです。

私たちの身体は、体内の臓器も身体を動かす骨格筋も全てエネルギーを原料に動いています。
CoQ10は特に、たくさんのエネルギーを必要とする心臓の筋肉や、骨格筋、肝臓、腎臓などに多く存在しているといわれています。
主な働きとしては、ミトコンドリア内で生命活動に必要なエネルギーの原料の力を活性化することです。
CoQ10は食事と同じでヒトの身体の栄養素となる燃料のようなものなのです!!
十分にCoQ10の摂取ができていると、ATPの力を活性してくれるため、体内で効率よくエネルギーが作られ、疲れにくい健康な体を維持することができると考えられています。

エネルギーの原料となる物質はATP(アデノシン三リン酸)といわれるものです。
ATPは細胞内に存在し、活動時に利用されるエネルギーを貯蔵できるので必要不可欠です。
普段から食事で摂取している糖質、脂質、タンパク質などの栄養素が材料となり作られています。
私たちはATPを作るために、食事をしているといっても過言ではありません。

糖質が最も早くエネルギーを作る燃料とされ、脂質は最も効率の良い燃料にはなります。
タンパク質はヒトの身体の主成分ですが、燃料としての働きはあまり優秀とはいえません。
ATPの源となりやすい「糖質」と「脂質」では、ATP生成の速さでは脂質が劣ります。
ただ、エネルギーとしては糖質が"低エネルギー"に、脂質が"高エネルギー"になります。
甘いものを食べるとすぐに吸収され、血液中に入り込み、高血糖を作り出し、あっという間に燃焼されてしまいます。
持続的なエネルギーではないので、『その場しのぎのエネルギー』です。
脂質はすぐに血液中に吸収されず、形と時間をかけながら血液中に入り込み、肝臓に入り、再合成され、全身に分布します。
即効性はないエネルギーですが、ATPを作り出す能力は糖質よりはるかに優れています。
ちなみに、糖質から作られるATPは2つ(無酸素状態)、脂質からは130となります。
食事がATPを作るという目的であれば明らかに脂質の摂取が重要だということです。
こちらも参考に

そして、糖質が変換される"低エネルギー"は乳酸を発生させます。
乳酸はpH5の酸性で蓄積すると疲れやすくなったり、身体に悪影響を及ぼし、健康状態に関わります。
糖質の摂取は、乳酸の蓄積にも繋がりますし、身体の構成成分としては、後回しにしても良い栄養素ですので、過剰は禁物です。

とはいえ、たくさんの臓器がエネルギーを必要としているため、ATPもたくさん必要です。
そこでCoQ10はATPを作るうえで重要な役割を果たします。
CoQ10はミトコンドリアで行われる電子伝達系と酸化的リン酸で使用されます。
まずは図を見てください。
コエンザイムQ10、CoQ10、卵子の質、転院

糖質、脂質からTCAサイクル、CoQ10、シトクロムCを介して、ATPを作り出します。
ATPを作るために必要不可欠なのがわかります。

また、CoQ10には、強い抗酸化作用も含まれています。
増えすぎた活性酵素による身体の酸化を防ぐことで、老化予防になるといわれています。
しかし活性酵素というものは、100%悪い物質ではなく、普段は体の中に侵入した細菌やウイルスをやっつけてくれる働きを持っています。
必要な物質ではありますが、増えすぎてしまうと傷つけなくてもよい細胞まで攻撃してしまうため、生活習慣病や老化の原因になるのです。
もちろんここで話している老化というのは、外見のことだけでなく、卵子の質、卵巣や子宮の働きにも同じことが言えます。
この活性酵素はどのように増えるかというと、過剰な運動やストレス、紫外線、喫煙などが原因だといわれています。
さらに、ミトコンドリアでエネルギーが作られる際にも活性酵素は発生します。
活性酸素の恐怖
ストレスと不妊
私たちの身体では、活性酵素からのダメージを防ぐために、SOD酵素という抗酸化作用を持つ酵素が体内で作られます。
SOD酵素は、活性酵素の量が増えすぎないように、活性酵素を除去してくれる酵素です。
活性酵素はSOD酵素によってバランスが取れてるという訳ですね。
ただし年齢を重ねるとともに、SOD酵素の量も力も低下していくため、体外から別の抗酸化物質を摂取しなくてはならないという訳です。

体外から摂取するとなると、食事やサプリが考えられます。
抗酸化作用を持つビタミンや物質は様々で、ビタミンA・C・Eや、ポリフェノール、カロテノイドなどが存在します。
もちろんCoQ10もです。
CoQ10は、自身の作用のみならず、ビタミンEの働きを助ける作用があるため、一石二鳥な仕事をしている栄養素です。
さらに、ビタミンEはビタミンCの吸収をしやすくします。
抗酸化作用を持つ栄養素たちが、お互いの働きや吸収を促進してくれることは、私たちにとってメリットでしかないのです。

ここまでCoQ10はエネルギーを作る重要な成分であると、お伝えしてきましたが、年齢や食事、様々な病気などにより、体内のCoQ10含有量は減少していきます。
含有量は20代前後でピークを迎え、40代を過ぎると心臓・腎臓を中心に身体中のいたるところで急激に減少していくのです。
CoQ10が欠乏することで、エネルギーの生産力が低下し、疲れやすい、肌の老化現象、免疫低下、肩こり、物忘れなど様々な症状が起こりやすくなります。

欠乏させないためには、基本的に毎日どのくらいのCoQ10を摂取すればいいのか??
CoQ10の摂取推奨量  60〜100mg/1日

それぞれの食材に含まれる量や一日に必要な分の食材を並べてみようと思います。
CoQ10は主に、魚類、肉類、大豆などのたんぱく質に多く含まれています。

100gあたりの含有量
イワシ6.4r
豚肉3.8r
ごま3.2r
ピーナッツ2.6r
大豆1.9r
ほうれん草1r
ブロッコリ0.8r
この他にもサケ、うなぎ、鶏肉、卵、などの動物性の食品やジャガイモ、キャベツなどの植物性の食品にも多く含まれています。

これらの食材で、100mg摂取するのに必要な量がこちらです。
・いわし 15匹
・にしん 40匹
・さば  23匹
・いか  4s
・牛肉  3s
・豚肉  4s
・大豆  5s
・ほうれん草 10s
・ピーナッツ 4s
・えんどう豆 30s

CoQ10を多く含む食材とはいえ、この量を毎日食べるとなると、かなり大量な量を食べなければなりません。
十分なCoQ10を摂取する前に、肥満になってしまいます・・・。
というか物理的に胃のキャパを超しますよね…?
CoQ10はいろいろな形で摂取できるとお伝えしてきましたが、食事だけで十分に摂取するのはとても難しいです。

そこでおすすめするのが、サプリです。
もともとCoQ10は、脂溶性物質で吸収しづらい栄養素です。
そのため、食事から摂取してもCoQ10の10%程度しか吸収されていないと考えられています。
吸収されづらい上に、摂取すべき量が毎日食べるのにはきつすぎる…
出来るだけヒトの身体で吸収しやすいサプリ、一粒のCoQ10の含有量の多いサプリを選んでいきましょう!

どんなサプリが吸収されやすいのでしょうか…?
CoQ10は体内に取り込まれると酸化型から還元型へと変化されます。
この時に、抗酸化作用を発揮しています。
つまり還元型CoQ10として吸収されて、抗酸化作用を強く発揮させるということです。
還元型CoQ10のサプリは、コストパフォーマンスはあまりよくありませんが、体内で吸収されるCoQ10と同じ構造をしているため、変換の手間がなく吸収する事が容易に出来るのです。

そして、一般的にユビキノンと呼ばれるのが"酸化型CoQ10"です。
酸化型CoQ10は、コストパフォーマンスがよく、比較的にどこでも売られているため、簡単に入手する事が出来ます。
しかし、体内に存在しているCoQ10は酸化型CoQ10とは構造が違うため、吸収するには体内で還元型CoQ10に変換しなければなりません。
変換という手間がかかってしまうし、エネルギーも使います。
その分の吸収効率は落ちていまいます。

ただ、酸化型CoQ10も全く吸収されないわけではないので、効果は得られます。
コストを考えるのなら、酸化型CoQ10でも良いかと思いますが、吸収率を考えるのなら、還元型CoQ10を選ぶべきでしょう。
もし、酸化型CoQ10を摂取する際には、中でも吸収されやすい包接体のサプリを選びましょう。

包接体というのは、オリゴ糖の一種であるシクロデキストリンという物質で包まれているものです。
蓋と底のない筒状の構造で、外側は親水性で水に溶けやすく、内側は親油性で脂に溶けやすい性質を持っています。
シクロデキストリンは、CoQ10のように水の溶けにくい脂溶性物質を親油性の内側に包むと、均一に水中に拡散して溶かしてくる作用があるので、もってこいなのです。
普通は、この外側と内側の真逆の性質によって、酸化型CoQ10の吸収率を上げてくれるのです。

ここでCoQ10の働きをまとめてみました!!

【エネルギー生成で、細胞・筋肉・臓器の活性化と抗酸化作用!!】

CoQ10は体内でエネルギーとなる物質なので、身体中の細胞・臓器・筋肉など体中の様々な機能・働きが良くなります。
細胞や臓器、筋肉の働きを助けると多くのメリットがあります。
ちなみに、エネルギーをたくさん消費して体力が必要なスポーツ選手にも良いとされています。
◎ 疲労回復
体中の機能が上がるので、疲れにくくなる。

◎ 心臓病予防
心臓にはたくさんのエネルギーが必要。

◎ 脳の働きの活性
脳細胞が活性することで記憶力が上がる。

◎ ダイエット
筋肉・体力upで脂肪を燃やしやすくする。

◎ いびき
筋肉upで働き改善。

◎ 精液量を増やす
精巣の働きが活性化。

◎ 卵子、精子の質をよくする
卵巣、精巣の細胞の活性化、抗酸化作用による細胞の劣化を防ぐ。

◎ 美肌、アンチエイジング
抗酸化作用による老化防止。
肌のターンオーバーとは、皮膚の古い細胞が剥がれていき、新しい細胞とチェンジすることで、いわゆる新陳代謝のこと。
健康な皮膚だと28日周期で、このサイクルは、食生活や間違ったお手入れ、加齢の影響で乱れがちになる。
40歳になると40日周期にまで乱れてしまうと考えられる。
皮膚細胞を活性化させ、肌のターンオーバーを正常化する。
※女性ではターンオーバーと生理周期(ホルモンバランス)は深く関わるともいわれるので、乱れることにより生殖器にも影響が出る。

◎ 関節痛の改善
関節はクッションのような働きをしていて、加齢や肥満で軟骨がすり減る。
クッションが固くなり関節を挟む骨がこすれてしまうので痛みが発生する。
軟骨細胞の活性化で、関節痛の改善。

◎生活習慣病予防
活性酵素はコレステロールを活性し増加させるので、抗酸化作用により悪玉LDLの酸化抑制、過酸化脂質抑制をする。
抗酸化作用は、動脈硬化や糖尿病のリスクを下げる
※高血圧症の方は、通常推奨量60〜100r/1日に比べ、1日100〜120r摂取するとよいとされている。


などなど…。
まだまだ私たちの身体にメリットは多くあります。
過剰症の症例も今までほとんど見られていないので、摂取して余計という事はまずなさそうです。
積極的に摂取するのがベストですね!!

自身で何が足りない栄養素なのか、分からない方も多いと思います。
ネットで調べるといろいろな情報が飛び交っているので、混乱したり間違ったことを継続していたり…。
当院では、何が良くて、何が悪いのか、きちんとアドバイスさせていただければと思います!
分からないことや不安なことなど、お気軽にご相談くださいませ。

銀のすず
不妊鍼灸、マタニティ、整体 不妊治療、逆子、骨盤矯正



イノシトールは卵子と精子に効果的!!!

皆さんは、イノシトールをご存知ですか?
イノシトールとは、水溶性ビタミンに似た作用を持つ、ビタミン様物質です。

ビタミン様物質は、体内においてビタミンに似た作用をもたらすものです。ビタミンと違い体内で合成することができるという点が特徴です。
厳密にいうとビタミンの定義と当てはまらないので、区別するためにビタミン様物質と呼ばれています。

ビタミンB群の仲間ですが、ヒトの身体に取り入れる栄養素として必ずしも必要ではない物質といわれてきました。
しかし、イノシトールの働きは妊活中や妊婦の方、また生活習慣病やうつ病などの精神疾患の方には欠かせない栄養素なのです。
それではイノシトールにはどのような働きがあるのかみていきましょう。

まずイノシトールには、9種類の異性体があります。
異性体というのは、同じ分子でできているのに、物理的・科学的には異なる化合物のことです。
(cis-, epi-, allo-, myo-, muco-, neo-, D-chiro-,L-chiro-, scyllo-)
一般的にイノシトールというと、9つの中の1つである『ミオイノシトール』のことを指します。
その理由は唯一、ミオイノシトールに、人の身体に作用する生物活性物質というものが存在しているからです。

ミオイノシトールは、ほとんどの細胞の中に存在していて、ヒトでは細胞内情報伝達においてセカンドメッセンジャーとして重要であり、細胞の機能と深く関与していることが分かっています。
ちなみに『ミオ』とは筋肉のことで、筋肉中に多く含まれていることから由来しています。
イノシトールは、植物中ではイノシトールまたはフィチン酸(イノシトール-6-リン酸)の形態で存在し、動物体内ではイノシトールまたはイノシトールリン酸の形態で存在しています。
※イノシトール-6-リン酸とは、イノシトールの6個のヒドロキシ基(アルコールや糖などのOH基のこと)が全てリン酸化されたもので、フィチン酸とも呼ばれています。穀物の糠や種子など多くの植物組織に存在する、主要なリンの貯蔵形態です。

発見当初はマウスやラットによる実験をもとに、1940年代に成育や毛髪を正常に保つと発表され、その後、「脂肪肝によい」「動脈硬化によい」「脳によい」「糖尿病によい」などと言われていましたが、ヒトでの有効性については、多嚢胞性卵巣症候群、強迫性障害、パニック症候群に対し有効性が示唆されているものの、うつ病、統合失調症、アルツハイマー、自閉症には効果がないことが示唆されており、糖尿病性神経症に対してはおそらく効果がないとされています。

また妊活中の女性には、インスリン抵抗性を改善する作用を持つため、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や未熟卵が取れやすい人たちに効果があるといわれています。

さらに最近では、それだけではなくFSH(卵胞刺激ホルモン)のシグナル伝達を調節して排卵をコントロールしていると言われていたり、卵母細胞の質が良い女性の血液には、イノシトールが多く含まれていることが分かっていて、卵子の質を改善することや、胚の質改善をしている事が考えられます。
その他にも、プロゲステロンというホルモンの分泌を促してくれる事が分かっています。
このホルモンは、子宮内膜の肥厚や乳腺の発育、血管を拡張して血流を確保しているなど、妊娠の維持に関わりとても重要です。

ある論文では、ミオイノシトールを無排卵や排卵不順の人が飲み始めたら、50〜70%の人が順調に排卵できるよう改善し、40%の人が半年以内に妊娠したと報告されています。

また、神経管欠損症の予防にも効果があるとされ、葉酸と一緒に摂取することが推奨されています。
ある論文では、葉酸のみ摂取していた人と、葉酸だけでなくミオイノシトールも摂取していた人で成熟卵率を比較しました。
この結果、成熟卵率が、葉酸のみの摂取で66.6%、葉酸とミオイノシトールの摂取で80.5%だったと報告されています。
さらに、初乳という産後すぐから10日までの間に出る栄養がたくさん含まれた極上の母乳に含まれる成分であることがわかっています。

女性のみに限らず男性では、イノシトールがミトコンドリアに作用して、ミトコンドリアの働きであるATPの産生やエネルギーの変換の改善をすることから、OAT症候群の改善に効果があると考えられています。
※OAT症候群とは、精液所見で精子の状態があまりよくないことで、乏精子症(精子の数が少ない)・精子無力症(精子の動きが悪い)・奇形精子症(精子の正常率が低い)の三つの症状の総称のことです。

これほどの作用があると、妊活中や妊娠初期の方は、特に不足しないように摂取したい栄養素であることが分かりますね。

イノシトールと卵子、多嚢胞性卵巣症候群

また、上の図のように、ミオイノシトールとブドウ糖はとても似ています。
分子式も同じ、C6126です。
ブドウ糖から作られるので納得ですね。
ちなみに、ガラクトース、キシロースなど他の糖類からも作られます。
代謝経路も同じで腸管内での大部分が吸収され、さらに腎臓の糸球体で濾過した後、尿細管で再吸収されていきます。
ただし、尿細管での再吸収時にブドウ糖の吸収が優先されてしまい、ミオイノシトールは体外へと排泄されていきます。
これを利用したのが『糖尿病の診断』です。
通常の糖負荷試験では、甘い甘いサイダーを飲み、直後、30分、60分、120分と血液中の血糖値を測定しますが、血液検査の代わりに、尿検査で直後と120分でミオイノシトールを測定し、ミオイノシトールが尿中に多ければ耐糖能を検出できるのです。
コレのメリットは隠れ糖尿病の発見ができるということです。

話を戻して、どんなに過剰に摂取しても尿中に排泄されるので、動物体内では、一般的に過剰症になるリスクはないと考えられます。

私たちがイノシトールを吸収できる経路は、体内合成食事由来の二つに大きく分けられています。

体内合成の場合、体内で糖(主にブドウ糖)を原料として合成されます。

もともと体内合成できるイノシトールの量には限度があり、年を重ねると共に、どんなに健康な人でも、体内合成できるイノシトールの量が減っていきます。
さらに、カフェイン、アルコール、脂肪、コレステロールを多く含む食品、運動を全くしない…などの影響でも、どんどん減っていくといわれています。
そこで私たちは、動物や植物に含まれているイノシトールを、食事から摂取して補っています。

イノシトールは、植物内と動物内で違った形に変換されます。
まず植物内では遊離型イノシトール又はイノシトール-6-リン酸(フィチン酸)として存在し、穀物や豆類に多く分布しています。
フィチン酸は鉄・亜鉛・カルシウム・マグネシウムなど、ミネラルの吸収を阻害してしまう可能性があるといわれてきましたが、最近では十分な栄養摂取ができている場合、特に問題ないとも考えられています。
※十分な栄養摂取とは、大量のミネラルがある場合のことで、少量のミネラルではフィチン酸によって阻害されます。いったいどのくらいの大量であるかは各成分によって異なります。
そもそも、ヒトが食べ物を体内に吸収するためには、その食べ物が水に溶けやすい状態になる必要があります。 一般にフィチン酸は、体内環境(アルカリ性下)では、鉄や亜鉛と強く結合してしまい、水に溶けにくい物質(フィチン酸塩)になると考えられています。 つまり、そのまま体内に吸収される事無くフィチン酸が鉄、亜鉛などを捕まえたまま、体外へと排出される事になります。
よって食品メーカーや研究者は食物に含まれるフィチン酸を減らす努力をしています。
ただし、ミネラル吸収阻害に要するフィチン酸摂取量は、これまでの研究から推定すると、少なくとも現実レベル(0.035%)の10倍以上を要することが推定されます。


フィチン酸は、細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用があるといわれ、防腐剤として食材に入っていたりします。
さらに、細胞分裂を抑制する効果もあり、異常な細胞分裂が起こらないようにコントロールをしています。
細胞の酸化や異常分裂を防止することは、生物の成長や子孫への遺伝情報の伝達にかかわると考えられ、さらに癌細胞などの発生や増殖を止めるなど、癌の予防物質にもなりますが、吸収しにくいフィチン酸を含む食事を摂っても体内での利用ができるかどうかは考えものです(実験では結果がでるとは思います)。
そして、フィチン酸はリンという栄養素の源となります。
リンとは、あらゆる生物にとって欠かせない必須栄養素であり、細胞のエネルギー源となるATPの構成成分で、重要な役割を持っています。
重要な働きはあるものの、吸収率の悪いフィチン酸なので、今ではサプリも存在します。
結果的に個人的には、穀物や豆類は栄養素として食べても食べなくても良いという結論になってしまいます。

次に動物内では遊離型イノシトール又はホスファチジルイノシトールとして存在し、肝臓や筋肉、細胞膜に多く分布しています。
ホスファチジルイノシトールは、コリンと結合してリン脂質を作ります。
まず、リン脂質とはあらゆる細胞の細胞膜を構成していて、神経細胞にも多く含まれ神経活性には欠かせない物質です。
リン脂質の構成にかかわるホスファチジルイノシトールは、脳や神経組織の細胞膜のリン脂質の約2割を構成しています。

次に、リン脂質で構成される細胞膜は、細胞内と細胞外を区切り、細胞内を一定に保つために必要なものを吸収したり、必要ないものを排出したり、情報伝達としても働きます。
細胞膜がきちんと作られていないと栄養素を吸収することも、老廃物を排出することも難しくなっていくので、必然的に、細胞膜を構成するリン脂質の源としてホスファチジルイノシトールは欠かせないことが分かります。
やはり動物性食品は食べないといけませんね!!!

では毎日どれくらいの量を摂取するべきでしょうか?
1日に摂取するべき量は、基準がなくおよそ500rから2000rが一般的だといわれています。
それ以外、疾病の改善などには以下の目標量が提示されています。
肝機能障害、糖尿病性神経障害、抜け毛予防 etc・・・ 500〜2000mg
うつ病、パニック障害 etc ・・・12000mg
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) ・・・ 2000〜4000mg
ちなみに私が飲んでいるのはこれでした。
500rを毎日6錠で3000rを夫婦で摂取していました。

iHerb、イノシトール、卵子の質、妊活


※体外受精で、小卵胞の数が減っている場合、採卵の約3か月前から飲むとよいとされています。なぜかというと、卵子は6か月前から育ち始めるといわれていますが、外からの影響を受けるのは後半の3か月といわれているからです。
さらに、採卵の2週間前(生理頃)から卵子はグーーンッ!と大きく育っていくので、欠かさずに飲むべきでしょう。

では次に、植物性と動物性の食材で、どのくらいイノシトールが含まれているのかざっくりまとめてみます。

☆イノシトールを多く含む食材☆ 
100gあたりのおおよその数字です。
イノシトール、精子、卵子

繰り返しになりますが、イノシトールを多く含む果物類や小麦や豆類などは、植物性なので、ほとんどのイノシトールがフィチン酸として存在しています。
私たちヒトは動物なので、植物性のイノシトールは吸収しづらく、動物性のイノシトールの方が吸収しやすいということや、栄養摂取がきちんとできていない場合に、フィチン酸が増えすぎると鉄や亜鉛などのミネラルの吸収を阻害してしまう可能性があることなどが分かっています。

さらに、植物性のイノシトールを多く含んだ小麦は、スーパー糖質といわれ身体の糖化を進行させます。
糖化すると、皮膚にシワやシミ、たるみができたり、性機能障害や抜け毛、糖尿病などの様々な機関に影響を与えます。
いわゆる老化と密接な関係にあるといえますね。
ヒトの身体(特に女性)を栄養する成分に、糖質はほとんど必要ありません。
男性にとっては精子の原動力にはなりますが、女性には老化を進行させる悪者になるのです。
かといって男性も糖質の取りすぎは、結果的に糖化をまねくので危険です。
身体に必要だからといって、小麦を食べるとイノシトールは摂取できても、糖化・老化を結果的に進行させてしまうのです。
ただ、動物性や小麦以外の植物性のイノシトールを1日の通常目安量摂取しようとすると、莫大な量の肉や魚、果物を食べなければなりません。

例えば、オレンジでは125g食べると、250mgのイノシトールを含むので、1日の目安量の最低量は摂取することができます。
大体普通サイズのオレンジは、約250gの重さですが、普段食べている実の部分は約150gほどなので、一つ食べると300mgのイノシトールは摂取可能になります。
ただ、糖尿病などの生活習慣病やPCOSでは、1日の目安量は2g(2000mg)なので、普通サイズのオレンジを6個半食べなければなりません。
オレンジには、ビタミンC、葉酸などが多く含まれますが、さすがに毎日6個半のオレンジを食べるのはしんどいですよね。
植物性の中で最も含有量の多いオレンジと比べ、動物性でイノシトール250r摂取しようとなると400gの牛レバーが必要で、2g(2000r)摂取しようとなると3000g(3kg)の牛レバーを毎日食べなければなりません。
そんな大量の果物やお肉を毎日こんなに食べるなんて、はっきり言って無謀です。

必要な分だけ、きちんと摂取するにはどうしたらよいでしょう?
やはり効率よく吸収しやすい動物性のイノシトール(ホスファチジルイノシトール)をサプリで摂取することです。
サプリなら、コストも一番かからずに、最も吸収しやすい形で、簡易的に摂取できると考えられます。

ここで今まで話してきたイノシトールの作用をまとめてみます!
今回は妊活中や妊娠中の方に視野を置いて伝えてきましたが、イノシトールは幅広い作用を持っていて、様々な効果があります。

◎卵子の質を向上させる
→排卵のコントロールに関わる
→卵母細胞の質を上げる
→胚の質を上げる
◎インスリン抵抗性を改善する
→多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を予防、改善する
→糖尿病を予防、改善する
◎母乳に含まれる
☆産後0日目:10日目までの栄養たっぷりの貴重な初乳に含まれる!!
◎体内での脂肪蓄積を予防する
→脂肪肝を予防する
→LDLコレステロールを低下させる
→動脈硬化を予防する
☆特に脂っこい食事の多い方は注意!!
◎肝機能の働きを助ける
☆アルコール摂取の多い方は注意!!
◎神経細胞の働きを助ける
→抜け毛を予防する
→うつ病、パニック障害などの精神疾患を予防する

妊娠中の糖尿病は、妊娠高血圧症候群の可能性を高め、胎児の流産や奇形、巨大児出産の原因にもなりかねません。
妊娠すると血糖値が上がりやすくなるので、妊娠前から糖尿病にかかっていると、出産のリスクが高くなります。

動脈硬化がある場合も血の流れが悪くなりやすく、子宮や卵巣に血液がうまく送れなくなり、栄養が運べなくなったりします。
こちらも、妊娠高血圧症候群の原因にもなりかねません。
もちろんPCOSや初乳などは、直接的に妊活や妊娠に関わってきます。

妊娠も出産も奇跡のような出来事です。
100%といえる妊娠率や出産率は有り得ないからこそ、1%でも可能性を上げるために、イノシトールは積極的に取り入れていくべきではないでしょうか?

皆さまの普段の食事や生活で、どんな栄養素が摂取不足で摂取不要なのか、カウンセリングや治療を通してアドバイスさせていただければと思います。

ただ、皆さんが自身に必要な食事を食べたり、サプリや薬を飲んでも、身体に吸収されなければ意味がありません
摂取した栄養はすべて血液に乗って運ばれ、それぞれ必要な場所で吸収されます。
目的地までの血の通り道をきちんと確保することが重要になってきます。

鍼灸マッサージは、筋肉にアプローチすることで筋緊張による血管の圧迫を防いだり、自律神経にアプローチすることで血管の拡張・収縮や胃腸器官・生殖器などの内臓機能の働きを助けてくれます。

私たちの持っている知識をお伝えして+1%、鍼灸マッサージ治療を受けて+1%、と少しづつ皆さんの可能性を上げるお手伝いをさせていただければと思います。


銀のすずでは少しでもご不安を解消できるようカウンセリングもしっかりと行っております。

何かございましたらご質問ください。
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ビタミンDは妊活に大切です。

最近、不妊治療のクリニックで葉酸だけでなく、ビタミンDの話を聞く機会も増えてきましたね。
みなさんはビタミンDに対してどういったイメージをお持ちでしょうか?
実は現代人に最も欠乏している栄養素の一つにビタミンDが上がっています。
昔、化学か何かで学んだことがあるかもしれませんが、脂溶性のビタミンに分類されます。
今回は、ビタミンDと妊娠をテーマに考えていきます。

ビタミンDには、キノコ類(植物性)に多く含まれるD2と動物性食品と皮膚にあるD3があります。
D2もD3もあまり作用に大差がないため、総称してビタミンDと呼ばれます。
※ここでは大差がないといいましたが、論文によってD3のほうが強い作用を持つという発表もあり、海外ではD2、D3のサプリが販売されている。

まずビタミンDが欠乏するとどんなことが起こるのでしょうか?
・免疫力の低下
・悪玉菌(カンジダ)の増殖
・躁鬱
・ホルモンのアンバランス
・筋肉がつかない
・体重が落ちない
・弱い骨と歯
それ以外にも、糖尿病、がん、そして妊娠に関わると考えられています。
やはり全身に多くの影響を与えそうなビタミンDを無視し続けるわけにはいきません。

ではまずは、ビタミンDが発見された歴史からです。
1922年、E.V.McCollumnにより、タラ肝油の中にクル病治癒因子の栄養因子として存在することが明らかになりました。 発見の順番に従いビタミンD(化合物名:カルシフェロール)と命名され、その後、日光中の紫外線により食品中や動物体内にクル病予防因子が存在することがわかり、これがプロビタミンD(ビタミンDの前駆体)の光照射反応によって生成する物質であることが明らかとなりました。
肝臓、腎臓で連続的に代謝され、活性型ビタミンDとなったあと、標的細胞に運ばれ生理作用を発揮することが明らかになり、現在では副甲状腺ホルモンやカルシトニンなどと同様にカルシウム代謝調節ホルモンの一つとして捉えられています。
そして、1932年にビタミンDの化学構造が解明されました。
天然に存在するビタミンDには、中心骨格となる5,7ージエンステロール(コレステロール骨格のB環部分が開裂した構造に相当する)のD環に結合した側鎖部分の構造のみが異なるビタミンD2(エルゴカルシフェロール)とビタミンD3(コレカルシフェロール)があります。
紫外線の照射によって、植物や酵母に存在するプロビタミンD2(エルゴステロール)から生成と、動物の皮膚に存在するプロビタミンD3(7ーデヒドロコレステロール)から生成します。
くる病治癒活性に関して、ビタミンD2とビタミンD3はほ乳類においてはほぼ同等であり、通常両者を総称してビタミンDと呼びます。

ビタミンDと妊娠

さて難しい話はこのあたりにして、何をどのくらい食べたら良いか見ていきます。
ビタミンDは脂溶性だから体外に排泄されずに蓄積するといわれますが、何を調べても過剰摂取については書かれていません
また、摂取上限もすぐに変更されるのであまり根拠もありません。
2015年には4000IUになりました(以前は2000IU、アメリカでは2010年に4000IU)。

おそらくまた上方修正すると考えられています。
その理由は、感染症、免疫疾患、鬱などに対して、ビタミンD投与による効果が続々と発表されているからです。
やはり重要な成分なのですね。

では、ビタミンDの推奨量は国際単位(IU)とマイクログラム(μg)で併記されています。
40IUの生物活性は、1μgに相当する計算です。
4000IUは100μgになります。

食事摂取基準2015年版によると推奨量〜上限は18〜49歳の男性・女性ともに5.5〜100μg/日でした。

ビタミンD、コレステロール

よく目にする、良く食べる食品のビタミンD量を一覧にしてご紹介します。
不妊、ビタミンD、葉酸、妊活
最も多く含まれているのは『あらげきくらげ』ですが、100g中に128.5μg含まれていますので、100μg摂取しようとすると77.8gのあらげきくらげが必要です。大きめ1個のサイズ(乾燥)が0.5gなので、77.8g食べようと思うと156個も食べなくてはいけないので現実的ではないです。
カツオの塩辛は100g中に120μg含まれていますので、100μg摂取しようとすると83.3gの塩辛が必要です。ティースプーン1杯で17gとして、83.3gを食べようと思うとティースプーン5杯です。とてもしょっぱいので食べるのは大変です。
あん肝は100g中に110μg含まれていますので、100μg摂取しようとすると91gのあん肝が必要です。ティースプーン1杯で11g、91gを食べようと思うとティースプーン8.3杯です。まあ食べられないことはないですね。
しらす干し100g中61μg含まれているので、100μg摂取しようとする164gのしらすが必要です。100gのしらすは大人の両手のひらいっぱいに乗せた量ですので、さすがにこれも難しいです。

このように、ビタミンDを食品中から摂取しようとするととても大変です。
しかも毎日のことですので、過剰摂取をすることが到底難しいということはお分かりいただけるかと思います。
しかも食品から摂取したからと言って100%吸収されることはありません。
せっかく摂取したビタミンDの吸収率を上げるには、油と一緒に食べることです。

さらに食事からではない吸収ルート、日光浴をご紹介します。
実は、人にとってビタミンDのいちばん大きな供給源は、皮膚にある7-デヒドロコレステロール(プロビタミンD3)です。日光に当たることによって、いちばんの働き者「活性型ビタミンD3」に変わることのできるビタミンD3に変わっていきます。

1.皮膚に紫外線(UV-B)が当たってプレビタミンD3に変換
2.体温によってビタミンD3に変換
3.できたビタミンD3は、タンパク質(ビタミンD結合タンパク質)によって肝臓に運ばれる
こんな感じです。

ここで重要なのは紫外線の存在です。
紫外線には、UV-A、UV-B、UV-Cの3種類があります。

UV-Aは、太陽から届く紫外線の約9割を占め、肌に蓄積的なダメージを与えます。
肌の真皮にまで侵入し、肌のハリや弾力を失わせて光老化を引き起こし、さらにすでにできているメラニン色素を酸化させ、肌を黒くさせる作用もあります。
UV-Bは、太陽から届く紫外線の約1割と少量ですが、肌への作用が強いため、短時間でも肌が赤くなるサンバーン(日やけによる炎症反応)や、数日後に肌が黒くなるサンタン(色素沈着反応)を引き起こす作用があります。
波長が短いUV-Bは、炎症やしみの原因となるだけでなく、肌表面の表皮細胞やDNAを傷つけるなど、生体への影響が強いのです。
UV-Cはオゾン層で吸収されるため地上へは影響はありません。

と、美容的側面の説明はこうなります。
しかし、ビタミンD的側面からすると説明は一変します。

ビタミンD3をたくさん作る紫外線はUV−Bです。
UV-Bは服やガラスを通過できませんので、インドアな生活が多い人、外出時に日焼け止めを塗る人は万年、ビタミンD不足になっているかもしれません。
特に妊活をしている人、成長期のお子様、ご老人などビタミンDが必要な人は、注意が必要です。
我が家では、妻は自分にも子供にも日焼け止めをすぐに塗ろうとします。
それがたとえ通勤時間や保育園の送り迎え程度の時間だとしても・・・。
海水浴など長時間であれば防御する必要もあるかと思いますが、過剰な反応です。
近年、日焼けを嫌い、日焼け止めを頻繁に使うことで、子供のクル病が増えているといわれています。
昔はみんな、真っ黒だったのに・・・。

ではどの程度、太陽光を浴びればよいでしょうか?
一概にどの程度の時間を浴びればよいかは言えず、季節、場所、天候、日内で異なってきます。
まずは冬至や夏至で紫外線の入り方が異なります。
大気層が短いので夏至の頃は紫外線の影響を受けやすく、冬至の頃は紫外線の影響を受けにくくなります。

季節と紫外線

場所は、赤道に近いほど、高地になるほど強くなります。
また新雪では80%、砂浜では25%反射します。
日陰は日向の50%、屋内は屋外の10%以下です。
雲は80%透過し、水は95%透過し、水深50pで40%が到達します。
月によっても紫外線量はずいぶんと変わります。
やはり夏の季節はとても多いですね。

紫外線の違い、ビタミンD

季節だけでなく、環境の変化に応じて、紫外線の量は変わります。
紫外線には紫外線の役割がありますので上手に付き合っていく必要があります。

ちなみに肌の露出度10%、東京で夏に直射日光を30分浴びると、700〜800IU(17.5〜20μg)のビタミンDが作られるといわれています。
日焼け止めを塗らずに浴びましょう

100μg(4000IU)を目指すには、魚やキノコを食べつつ、太陽光を毎日浴びることで、目標を達成できそうですね。

ここでまた脱線しますが、ネパールでは生まれた赤ちゃんに菜種油を塗り、太陽のもとマッサージをする習慣があるようです。日本の発想とは違い、太陽光から避けるのではなく、太陽とともに生きることを選択したのだと思います。
しかも、ビタミンDは骨や免疫と深い関係があることから健康で丈夫な体つくりをするための行為なのかもしれません。
先日、『ラジエーションハウス』というドラマでも、子供の日焼けを避けることばかり考えている母親の子供が『クル病』であったという話がありました。
皆様、日焼け止めも良いですがいったい何のための太陽で、何のための日焼けなのかしっかり理解しましょう。

では、今度は生化学と生理作用です。

簡単に説明すると、体内にあるアセチルCoA(解糖系やβ酸化より)が代謝され、皮膚にプロビタミンD3(7-デヒドロコレステロール)に紫外線が当たり、プレビタミンD3((6Z)-タカルシオール)となり、体温によってビタミンD3(コレカルシフェロール)となり、肝臓、腎臓で変換され、活性化ビタミンD3(カルシトリオール)になり、血液中に入り、トランスカルシフェリン(ビタミンD結合タンパク)と結合し、全身に運ばれます。
食事やサプリで入ってくるのは、ビタミンD3からです。

サンシャインビタミン、紫外線の違い、ビタミンD


活性化ビタミンD(カルシトリオール)は、血管に入り、全身を巡ることになります。
リンパ液中の輸送物質であるビタミンD結合タンパク質と結びつき、血液を介して、活性化ビタミンDはさまざまな対象臓器に運ばれます。
活性化ビタミンDは、対象細胞の細胞質受容体にあるビタミンD受容体と結びついてその生体効果を発現します。

サンシャインビタミン、紫外線の違い、ビタミンD


活性化ビタミンDは、細胞外から細胞膜を通り、細胞質内に入り、細胞質内にある活性化ビタミンD受容体と結合し、複合体を作り、核内に入り、DNAと結合して転写調節因子として働きます。
このビタミンD受容体は脳、心臓、皮膚、生殖腺、前立腺及び乳房を含むほとんどの臓器の細胞にあります。

生殖腺に受容体を持つということは、その組織にビタミンDが必要であるという証拠ではないでしょうか?
ちなみに下記でも説明しますが、多くの性ホルモンが細胞内受容体を介し、核内に入り、DNAの転写調整因子として働きます。
ビタミンDも性ホルモンも、原料はコレステロールです。
遺伝情報において、ビタミンDや性ホルモン、そしてコレステロールの重要性が理解できます。


ここで受容体のお話をしておきます。
受容体(Receptor)とは、細胞膜表面、細胞質、または核内に存在し、特定の物質(リガンド)と結合することで細胞にシグナルを伝え、応答を起こすタンパク質です。
受容体(Receptor)というように、受容体はリガンド(情報伝達物質)を受け取る(receive:受容する)タンパク質で、レセプター、リセプターとも呼ばれます。
受容体は、細胞外のシグナルを細胞内に伝える仲介役ともいえます。
ちなみに、外界や体内から刺激を受け取る器官(目など)・細胞(においを受け取る嗅細胞など)も受容体と呼ばれる。
種類はたくさんありますが、場所によって分類します。
@細胞膜受容体
A細胞内受容体
細胞膜受容体には、Gタンパク質共有型受容体、イオンチャンネル内蔵型受容体、1回膜貫通型受容体の3つがあります。
細胞内受容体には、細胞質受容体、核受容体の2つがあります。
ビタミンDやステロイドホルモンなど脂質由来の物は細胞膜を通過するため直接、細胞内受容体を使います。
それ以外のものは細胞膜を通過できないので、細胞膜受容体を使い、内部に情報を伝えます。
ちなみに活性化ビタミンD受容体と同じ細胞質受容体を持つのはコルチゾール、アルドステロン、プロゲステロンのステロイドホルモンたちです。
細胞質受容体のもう一つの核受容体、つまり核内に受容体を持つのは、テストステロン、エストラジオールの性ホルモン、甲状腺ホルモン、レチノイン酸(ビタミンA)の誘導体です。

脱線しました。

次に、欠乏症と過剰症です。
近年日本で欠乏症が増加しています。
背景として紫外線による皮膚がん発症のリスク低減や美容を目的として、過度に紫外線を避ける生活習慣が広まった事が原因ではないかといわれています。
実は、妊婦がビタミンD欠乏症であると、胎児にも欠乏症が起きると言われています。

主な欠乏症には、乳幼児・小児期の催奇性・歯牙形成に影響・肋骨や下肢骨の変形を特徴とするクル病があります。
成人では骨の石灰化障害を特徴とする骨軟化症、妊婦の極端なビタミンD欠乏は、高血圧・子癇前症・妊娠性糖尿病、早産のリスクが高まるほか、喘息リスク増加との関連があるといわれています。
また、クイーンズランド大学で行われた調査によると、妊娠中のビタミンDの欠乏が自閉症の発症に大きなリスク要因となり、妊娠第20週までにビタミンDが不足すると胎児が自閉症発症になるリスクを増やすことが明らかとなりました。(Vinkhuyzen et al., 2016)
この研究では、妊娠中の母親とその子供が対象で4229人が試験されました。
6歳以下の子供の社会的反応度スケール(SRS)が測定され、母体中期妊娠血清と新生児血清(臍帯血)から25-ヒドロキシビタミンD(25OHD)が評価されました。25nmol -1未満の25OHD濃度をビタミンD不足群としました。
25OHDが十分である群(25OHD> 50nmol l-1)と比較して、25OHDが不足していた群では、子供のSRSスコアが低い結果でした(妊娠中期n = 2866、β= 0.06、P <0.001; 1712、β= 0.03、P = 0.01)。
この結果から妊娠中のビタミンD不足は、自閉症リスク高めることがわかりました。
これは自閉症を発生させる関連物質の形成プロセスにビタミンDが関与しているからだと推察されています。
今回の結果から妊娠中のビタミンD不足は、自閉症発症リスクが高めるので妊娠中にはビタミンDの摂取が大切だと言えます。

戸外で適度に日照を受けることのできる生活をしている人では、通常食事からのビタミンD摂取が不足してもビタミンD欠乏症はほとんど起こりません。
しかし、日照時間の短い地方に住んでいる人などはビタミンDの摂取不足により欠乏症が起こることがあります。

次に、過剰症です。
ビタミンDの摂取によって過剰症が起こることは稀ですが、その1000倍の生物効力を有する活性型ビタミンDあるいはそのプロドラッグである1α-ヒドロキシビタミンDなどの医薬品の使用については十分な注意が必要です。
ビタミンDを過剰に摂取すると様々な副作用が現われてきます。
主な過剰症としては、高カルシウム血症・軟組織の石灰化・腎障害などがあります。
上記でわかるように、過剰症にくらべて、欠乏症の方が弊害が多いのです。


長々と説明してしまいましたが・・・・
最後に、ビタミンDと妊活の関係性のお話です。
順天堂大学の研究チームが行った報告では、生殖可能年齢の女性においては、血中のビタミンD濃度とAMHの値に相関関係があるという発表をしています。(ここでいう血中ビタミンD濃度は、血中25ビタミンD)
20歳から39歳の女性を対象に調べ、AMHが低い女性≒ビタミンD不足、という結果が得られています。
こうした研究は海外でも多くされています。
閉経前の女性388名を対象に行ったM. Iraniらの研究(Fertil Steril)やその他、Dennis NA、et al.J Clin Endocrinol Metab.2012 での発表においても、同様の見解が出されています。
"女性の季節変動は25(OH)DおよびAMHレベルの両方であり、夏期と比較して冬のAMHレベルは18%低下した。AMHレベルの変化は、最初のAMHレベルおよびビタミンDレベルの変化の大きさと相関した。コレカルシフェロール(ビタミンD3)補充は、季節的なAMH変化を防止した。"

この季節変動がAMHにもあり、これは日照時間に関係があるということです。
例えば、日本の夏場は日が長いですが、冬になると短くなります。
そこで季節によって変動するビタミンDを日照時間の短い冬場に補充したことでAMHの低下を免れたということです。
このように卵巣予備能とAMHには相関関係があることが徐々にわかっており、ビタミンDを摂取することで妊娠に向けてプラスに働くことが大いに期待されます。

他にも妊活でプラスになることがあります。
・卵子の成熟や着床に役立つ
卵子が育たなかったり着床に障害がある場合、ビタミンDを摂取することで妊娠につながるケースがあります。ビタミンDは女性の体内において卵子の成熟や着床を助ける働きをすると言われてるからです。実際に、不妊治療の一環としてビタミンDが処方されることもあるようです。
ビタミンDは卵子の質を保つために重要だというお話をしましたが、精子を元気にするためにも役立ってくれると言われています。

ビタミンD受容体が生殖器を含めた全身の細胞にあることを踏まえれば必要か不必要かは悩む必要もないかと思います。特にDNAの転写に関わるわけですので、染色体異常とも切り離して考えることはできません。

・体外受精の成功率が高まる
実は体外受精が成功するかどうかという時にも、ビタミンDが密接に関わっていると言われています。
体外受精の成功率を見ると、ビタミンDの濃度が上がるにつれて受精率も上がることがわかっています。

男性の精子は卵子と違って毎日新しく作られているので、ビタミンDを摂取るとその分効果も出やすいというわけです。
妊活を始める時にはご夫婦でビタミンDの摂取に取り組むと良いかもしれません。

他にも妊娠中にビタミンDが大切だとわかる研究結果があります。

2014年、イギリスで妊婦さんが妊娠中にビタミンDを高用量に摂取すると、産まれる子の筋肉が強くなる傾向があるということがわかりました。
700人程の調査で、母親が十分にビタミンDを摂取した子とそうでない子の発育を長期にわたり調査し比較したところ、4歳時点の握力や筋肉量の数値に差が出ました。
ビタミンDが子宮内における胎児の筋繊維の発達に関与していると考えられています。

このように、ビタミンDは妊活中、妊娠中や産後の子どもに大切だということがわかります。
ビタミンDは日光に当たることが一番簡単です。
しかし、日焼けなどがどうしても気になるのでしたらサプリメントをおすすめします。

銀のすずでは少しでもご不安を解消できるようカウンセリングもしっかりと行っております。

何かございましたらご質問ください。
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精子について

妊活において精子に重要な役割があることは周知のことでしょう。
不妊の原因としても半分は男性に問題がありますので、女性も男性もお互いに協力し合って乗り切ってほしいと思います。

私も経験がありますが、食事や運動、サプリ、針灸などを組み合わせ、採精当日にクオリティの高い精子を目指しました。
結果、可能な限りレベルアップすることができました。
是非、多くの方が今一度精子を理解してほしいと思います。
まずは基礎からしっかり勉強していきましょう。

<精液の組成>
『男性の精巣、その他の副性器由来の分泌液』と教科書には書かれています。
難しいですね。
簡単にいうと精子(細胞成分)と精漿(液体成分)からなります。
精液の5%が精子で、95%は精漿です。
精子の組成


精巣で形成された精子が、精巣上体、精管を成熟しつつ輸送され、精巣膨大部に貯蔵されます。そして精嚢、前立腺、尿道からの分泌液が加わって精液となります。
精子の流れ


<精子について>
精子は精巣内の精細管で作られます。
精祖細胞(精原細胞)の一部は有糸分裂を繰り返し、一次精母細胞となり、1回目の減数分裂により二次精母細胞(精娘細胞)となり、2回目の減数分裂により精子細胞を生み出し、精子細胞に鞭毛が生え、精子が完成します。
1個の精祖細胞から4つの精子が作られ、作られた精子は精巣上体で10億ほど溜め込むことが可能です。
精祖細胞から精子になりまで、セルトリ細胞から栄養を受けて成熟分化します。
このセルトリ細胞は脳下垂体からの卵胞刺激ホルモン(FSH)の支配を受け、活動します。
健常成人男性では1日で約2億個の精子を作りますが、年齢とともに低下し、50歳以降では半分に減少します。
精巣で70日かけて、精子の元となる精原細胞から精子になるのです。
2ヶ月以上もかけて精子が出来上がるわけです。
精子、不妊、男子不妊、運動率


<精子の寿命>
射精された精子の平均寿命は2日〜3日、長くて1週間とされています。
卵子は12〜36時間の寿命なので、それに比べると精子は長生き。
精子の受精可能な時間は36時間ほどですが、射精直後の精子は受精能力がなく、5〜6時間後からとなっています。
卵管まで到達すると、そこに滞在し卵子を待つわけなのですが、排卵日当日にタイミングをとるよりも、排卵日2日前のほうが良いのはこのためです。
もちろん個体差はあるので、早く死んでしまう精子もいれば、長生きの精子もいます。
精子が完成するまで2ヶ月以上前からの体調や食事などの影響を受けます。
精子数については年齢、体調などによって変化します。
もちろん精子の質にも影響します。
正常な精子の量は、1ccの精液に6000万〜8000万匹以上の数がいると正常値とされています。
一回の射精で約2cc〜5ccの精液が出ると言われているので
通常、一回の射精で一日に作られる精子の数、もしくはそれ以上の数が出ていってしまうのです。
短期間に何回も射精すると精子の生産が間に合わず、精液に含まれる精子の数も自然と減っていきます。
精巣に精子が充満するまでに2日〜3日かかると言われているのです。
射精後は、きちんと栄養をとり、睡眠を十分に取ることが大事です。

続いて、精子の構造も知っておきましょう。
精子とミトコンドリア

なぜなら精子が何からでき、どういう動きをするのかを理解しないと、完全な形の精子を作れず、完全な動きを手にできません。
精子の頭の部分は遺伝子であるDNAを持ち、その下にはミトコンドリアを有します。
DNAは言うまでもなく、アデニン、グアニン、シトシン、チミンの塩基の集まりです。
遺伝子は設計図ですので、設計ミスがあると正しく成長することはできません。
ミトコンドリアは、エネルギーを作り出す工場です。
TCAサイクル、電子伝達系、β酸化などでエネルギーを作り出さなくてはならない、つまり走ることが前提であるということです。
染色体異常、男性不妊、精子数、運動率


精子の構造を知れば、精子の活動も知ることができますね。

ちなみに精子の頭にある核には遺伝情報があり、子供へと引き継がれていきますが、実はミトコンドリアにもDNAが含まれています。
しかし、父親のミトコンドリアDNAは子供に引き継がれず、母親のミトコンドリアDNAのみ引き継がれます。
なぜだ?
しかも他の動物でも同じように、父親のミトコンドリアDNAは排除されるシステムがあるようです。
進化の過程で父親のミトコンドリアDNAが不都合であるということなのでしょう。
ミトコンドリアDNAはミトコンドリアの設計図なので、エネルギー生成工場の設計図とも言えます。
つまり、太りやすい、痩せやすい、燃費が良い、燃費が悪いなどの生活習慣を遺伝するとも考えられます。
しかし、核のDNAは父親からしっかり引き継いでいるのでご安心を。

さて、本題に戻ります。

精子数を増やすにはどうしたら良いでしょうか?
・脳下垂体からのFSH分泌を促進すること
・セルトリ細胞が元気いっぱいであること

これらを実践するには『血行』が重要なカギを握ります。 FSHにしろ、栄養にしろ血液を使いますので、血行を良くすることが大切です。
また、10億も溜め込むことができる精子ですから、順次古い物から出していくことも大切です。
常に出しては作るを繰り返すことも精子数を増やすうえでは重要です。

<<精子数を上げるまとめ>>
・射精と生成を高頻度にすること
・血行促進して栄養を送ること

続いて活動に関してです。
精子と卵子の決定的な違いは、動けるかどうか。
精子には鞭毛と呼ばれる尻尾があります。
その尻尾がしっかりと動くかどうかがカギになります。
動くために、ミトコンドリアがあり、精液内に果糖があります。
では最初にすべきことは、ミトコンドリアを活性化することが大事です。
ミトコンドリアを活性化するには、いくつかのポイントがあります。
1.空腹により活性化する
2.寒さで活性化する
3.骨盤内の細胞レベルを上げる
4.中心部の筋トレ&柔軟

ミトコンドリアはエネルギーを作る場所ですので、使っていない人、不要な栄養ばかりを食べている人の場合、活動が低くなります。
たとえば、太っている男性は、ミトコンドリアの活性が低いことは容易に想定できます。
食事制限によってミトコンドリアを活性化することが大切だということです。
太り気味の方にはダイエットが必要なのは言うまでもありません。

精子が熱に弱いということは皆さんご存知かと思います。
最近は冷える男子も増えているようで、なんとも嘆かわしい現実があります。
そもそも男性は筋肉が多く、活動量も多いので、体温が高い。
よって体温を下げるべく、汗を多くかく、そして水分を多くとるのです。
冷えやすい男性は、筋肉量が少なく、活動量も少なく、体温も上げられない。
ミトコンドリアは工場ですので、ミトコンドリアが活性すれば体温を上げられるはずです。
冷えがあるから、代謝を上げたいからといって、温める行為はミトコンドリアの活性化から遠のき、さらに精子の劣化を招く最悪のケースに至ることを知らなくてはなりません。

精子は疲労の影響を受けてしまうのも特徴かもしれません。
精子はその人を表しているとうか、まさに鏡のような存在です。
元気があれば精子の活動が盛んで、疲れていれば精子もまた疲れているのです。
そこで疲労回復を図る必要があります。
疲労回復の基本は睡眠と食事であることはいうまでもありません。
精子に良い物をしっかり食べましょう。
成分でいえば亜鉛とタウリンはしっかりと。

さらに、やはり熱の影響は捨てきれません。
精子の適正温度は32℃から35℃といわれていますが、とにかく体温では暑すぎるということです。
できる限り精巣内の体温は下げたいですね。
長時間座りっぱなしだと、座面と太ももに挟まれて蒸し風呂になっている状態です。
お腹が出ている人の場合、さらに上から蓋をすることになるので完全なサウナ状態です。
精子の劣化は免れません。
男性はサウナや入浴も気を付けたほうが良いでしょう。
カイロをあてる、腹巻をする、ブリーフ・ボクサーパンツをはくなどの温める行為は避けましょう。
たまに行く温泉宿であればあまり気にしなくても大丈夫です。
あくまで日常的に行われることが問題です。
精子は熱に弱い、アイシング、運動率


<<精子の活動量を上げるまとめ>>
・ミトコンドリアの活性化
・疲労回復と睡眠の充実
・クールダウン

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ビタミンCは生命活動のカギ

ビタミンCは酸っぱいとか、果物によく入っているイメージでしょうか?
ビタミンCはとにかく守備範囲が広いビタミンです。
効果効能は後でお話をしますが、妊活にも欠かせません。
そのためにはまずは基礎を知っておきましょう。

まずビタミンCが発見された歴史からです。
「ビタミンC」として発見されたのは意外と最近のことです。
歴史はヨーロッパの中世にさかのぼります。
16世紀から18世紀は大航海時代、乗組員は「壊血病」という病におびえていました。
当時は長い期間に渡って航海が続き、多くの船員たちもこの病気によって命を落としました。
壊血病は、体重が減少し、脱力感や貧血、バイキンへの抵抗力もだんだん落ちていく病気です。
有名なヴァスコ・ダ・ガマのインド航路を発見した際は、180人の船員のうち、100人もの方たちが壊血病で亡くなったことが記録されています。
この壊血病の治療に貢献したのが、イギリスの海軍医ジェームズ・リンドです。
壊血病患者に毎日オレンジ2個とレモン1個を食べさせたところ船員が回復したのです。
その成果を受けて、キャプテン・クックの南太平洋探検の第一回航海で、ザワークラウトや果物の摂取に努めたことにより、史上初めて壊血病による死者を出さずに世界周航が成し遂げられたのです。
その後、レモンなどの柑橘類が壊血病に有効だということがわかったのですが、それがビタミンC効果だということが証明されたのは20世紀に入ってからです。

1919年、イギリスのドラモン氏が、オレンジの果汁から発見した壊血病予防因子を水溶性C因子と命名しました。
これが後にビタミンCと呼ばれることになります。

その後、多くの研究者によって研究が進んでいきました。
1927年にはセント・ジェルジがウシの副腎から強い還元力のある物質を単離し「ヘキスロ酸」として発表して、1932年にこれがビタミンCであることが判明しました。
ウォルター・ハースによってビタミンCの構造式が決定されてアスコルビン酸と命名され、ライヒシュタインが有機合成によるビタミンCの合成に成功しました。
その後、レモン果汁からビタミンCの結晶を分離することに成功、化学構造なども明らかになっていき、多くの薬理効果が発表されました。

人類を悩ませてきたビタミンC不足は、他の動物にはあまり影響を与えません。
その理由は、人類はブドウ糖をビタミンCに変換する酵素を持ってないために、ビタミンCを体内で合成できません。


大半のサルを含めて、ほとんどの動物がビタミンCを体内で合成することができるのです。

人類がビタミンCを合成できないにも関わらず、継続的に生存しえた最大の理由は、人類が果物や野菜などのビタミンCを豊富に含む食餌を、日常的に得られる環境にあったためです。
自然に感謝しないといけませんね。
ビタミンC欠乏が壊血病を起こすことはわかりました。

ビタミンCはその他にも多くの仕事をしているのでご紹介します。

ビタミンCの効果
・コラーゲンの生成
・活性酸素の働きを抑える抗酸化作用
・免疫力を高め、病原菌に対する抵抗力を向上 
・鉄の吸収を助け、貧血を予防
・抗ストレス作用のある副腎皮質ホルモンの合成
・血圧やコレステロールを正常にする
・美白効果、美肌効果
・メラニンの生成を抑え、皮膚の色素沈着を防止

具体的に見ていきましょう。

ビタミンCによるコラーゲンの生成(生体内の総たんぱく質の3割を占める。皮膚にハリをもたせ、血管の壁を丈夫にする。)
ビタミンCは、体を構成するたんぱく質の30%を占めるコラーゲンの生成に関わります。
コラーゲンの構成物質、アミノ酸ヒドロキシリジンとヒドロキシプロリンは、リジンとプロリンが酵素反応により水溶化されることで作られます。
ビタミンCはこの酵素の補酵素として重要な役割を担います。
コラーゲンには細胞と細胞をつなぐ接着剤の働きや、骨を丈夫にする働きがあります。
血管や筋肉を丈夫に保つとともに、皮膚、骨、粘膜の形成を担います。

ビタミンCと活性酸素
以前もお話した通り活性酸素は身体によくありません。
こちらをどうそ『活性酸素の恐怖』
生体は常に酸化されており、生体は酸化によってダメージを受けます。
私たちは体内で酸素を利用しようとすると、どうしても活性酸素(フリーラジカル)が生じてしまいます。
活性酸素は物質を酸化させる力がとても強いです。
活性酸素は体内の酵素によって速やかに分解されますが、活性酸素の生成量が多ければ無毒化が間に合わずに体にダメージを与え、老化や生活習慣病にも関わってくると言われています。
もちろん卵子や精子の老化もそうです。
活性酸素は細胞を傷つけてしまうので、シミやシワ、がん、動脈硬化の原因となります。
活性酸素を多く生み出してしまう要因としては加齢、喫煙、お酒、紫外線を浴びる、過度な運動、ストレスなどが挙げられます。
その活性酸素に対抗するのがビタミンCのもつ抗酸化作用です。
活性酸素の働きを抑制するのは酵素だけでなく、抗酸化物質も活性酸素から体を守ってくれます。
抗酸化物質とは酸化されやすい物質のことです。
酸化されやすいので、活性酸素などによって生体が酸化されるよりも優先的に抗酸化物質が酸化されます。
つまり、抗酸化物質自身が酸化されることで、生体を酸化から防御してくれるのです。
言い換えると身代わりということですね!
ビタミンCは、自らが酸化されることで、活性酸素が細胞膜を酸化させて細胞をキズつけるのを防ぐ抗酸化作用があります。
活性酸素は細胞内や核酸、血管内など体の様々な部位に悪影響を与えてしまうので、活性酸素の反応を抑える抗酸化物質が必要になります。
酸化作用の悪影響には抗酸化ビタミンの摂取により症状への予防にも効果的です。
最初に酸化と還元をまとめます。
酸素 水素 電子
酸化 酸素を与える 水素を奪う 奪う
還元 酸素を奪う 水素を与える 与える

ビタミンCの化学名はL-アスコルビン酸です。
強い還元性(抗酸化性)を有していて、その還元性はエンジオール基という部分が担っています。
ビタミンCの酸化と還元

酸化と還元は同時に起こるもので(酸化還元反応)、体内でビタミンCは対象物質を還元する一方でビタミンC自体は酸化させられます。
そのためビタミンCは体内では還元剤として働きます。
血管中では還元型のアスコルビン酸として存在し、対象の物質を還元して自身はデヒドロアスコルビン酸(酸化型)になります。
酸化、還元、アンチエイジング、卵子の老化

ちなみにデヒドロアスコルビン酸は同じく抗酸化物質であるたんぱく質のグルタチオンによって還元されアスコルビン酸に戻ります。
デヒドロアスコルビン酸は容易に加水分解されビタミンC活性のない2,3-ジケトグロン酸に変化します。

ビタミンで抗酸化物質として有名なのがビタミンC、ビタミンE、β-カロテンです。
ビタミンEは脂溶性なので、細胞膜内ではたらき、不飽和脂肪酸という細胞を包む油性の膜が、活性酸素と結びついて有害な過酸化脂質となるのを防ぎます。
ビタミンEがいち早く活性酸素と結びつくことで防ぐわけですが、こうなるとビタミンE活性は失われます。
ビタミンCは細胞外で働き、ビタミンEを再び活性化させ抗酸化作用を戻す働きがあります。
食品にビタミンCが入っていることがありますが、これはビタミンCが酸化防止剤として入っています。
食品が酸化されるよりも優先的にビタミンCが酸化されることによって、食品の酸化を防いでくれるからです。

ビタミンCと白血球
白血球はご存知、ばい菌と戦う戦士です。
白血球は血漿と比べると50倍ものビタミンCを必要とします。
なぜここまで必要かというと、ばい菌と戦うときに自ら活性酸素、過酸化水素、次亜塩素酸を発生させ、殺菌をします。
この時、ばい菌は死滅するかもしれないが、自分自身も活性酸素の酸化ストレスを受けてしまいます。
その対処のために大量のビタミンCを持っているのです。

ビタミンCと風邪の予防
これも大切ですね!
風邪を引くことで熱は上がりますし、異物を排除しようと免疫が働きます。
受精卵も敵だと見なし、攻撃して排除してしまう可能性があります。

ここで、大量のビタミンCを飲めば風邪が予防できるという説についてです。
I・M・ベアド博士の研究では風邪の症状を軽減するには統計的に有効であったと発表しています。
研究は、17〜25歳の健康な被験者362人を対象に、ビタミンC80mgが入ったオレンジジュースを毎日飲用させた群と、ビタミンCを含まない飲料の対照群で72日間調べた結果です。
厚生省の定める現在のビタミンCの成人の所要量は1日50mgで、これはビタミンCの欠乏による壊血病はこの量で十分防ぐことが出来るという数値です。
平成9年度の国民栄養調査によると、日本人は平均1日135mgのビタミンCを摂取しています。
しかし、たとえ壊血病を予防できる量でも、風邪や公害物質や活性酸素の害を防ぐのに十分でない可能性があるということが問題です。

ビタミンCを体内で合成できるラットなどの動物に様々な公害物質、例えばPCBを与えるとビタミンCを正常時の40倍も大量に合成して対抗します。
そこで、今後の栄養所要量は長期に渡って生活習慣病や様々な害に対抗できる十分な量にすべきだという考えが生まれます。

米国の栄養所要量を決めている国立公衆衛生研究所のM・レビン博士は最近、ビタミンCの所要量は1日200mgにすべきだとする論文を発表しました。
これは7人の被験者を4〜6ヶ月隔離して、1日30mg 〜2000mgのビタミンCを投与した試験の結果です。
ただし、摂取量を400mg以上に増やしても過剰分は尿中に排泄されます。
また1000mg以上では腎臓結石の原因となる尿中のシュウ酸が増えるので1000mg以下が安全であるとしています。
ビタミンCの一部は代謝されてシュウ酸になり、尿中に排泄されます。
1960年代に仮説として、腎に排出されたシュウ酸はカルシウムと結合してシュウ酸カルシウム結石、ひいては腎臓結石を発症する可能性があるという論文が出ました。
実際にビタミンCの摂取で尿中のシュウ酸(シュウ酸カルシウムではない)がわずかであるが増加することが明らかになり、仮説「ビタミンCは腎臓結石のリスクを高める」は何の疑問も持たれずに世界中に広がり、それが常識になりました。
ところが、その後に多くの臨床論文で、実際にはビタミンCを摂取しても腎臓結石は増えなかったと発表されたにも関わらず、すでに広まってしまった誤った情報をうち消すことができなかったのです。
これがいまだ「ビタミンCは腎臓結石のリスクを高める」が流布され続けている理由です。

ハーバード大学がビタミンC説を否定しています。
1999年にハーバード大学医学部内科の研究者らは、尿管結石の既往のない8万5557人の女性を14年間観察し、尿管結石の発症とビタミンCを含む栄養素の摂取について検討しています。
その結果、ビタミンCの摂取は尿管結石の発症にまったく関与せず、尿管結石の予防のためにビタミンCを制限する必要がないと結論しています。
ちなみに最近の風邪薬はビタミンCだそうです!
昔は抗生物質や解熱剤などを処方していたそうです。
風邪はほとんどウイルスの仕業です。
ウイルスには抗生物質は効きませんから。
なので風邪をひきやすい人、風邪をひいている人は多くのビタミンCを摂取したいですね。

ビタミンCと遺伝子損傷作用(がん予防)
紫外線には細胞の中のDNAの二重らせんを構造を破壊して障害を与えてしまう働きがあります。
この傷ついたDNAを持つ細胞は時にはがん化したり、突然変異を起こすこともあります。
米ペンシルベニア大学の研究グループは、柑橘類の果物などに含まれているビタミンCが体に悪影響を及ぼす可能性があることを発見しました。
それは、試験管実験で、ビタミンCが脂肪と反応して活性酸素を作りDNA(デオキシリボ核酸)を傷つける作用を持つことが判明したのです。
悪影響とは、過剰摂取により鉄イオンと結合して一過性の虚血状態になり、細胞が壊死してその上活性酸素が増えてしまったのです。
成果は米科学誌サイエンスに発表されました。
しかし、ビタミンCは、本来DNAの損傷を与える活性酸素を無毒化する効果を持つことが分かっており、ビタミンCを多く含む果物や野菜を食べるとガンになる危険性が少なくなることが広く知られていました。
結局、過剰摂取にならなければビタミンCが少なくとも悪い働きをすることはないということです。

ビタミンCによる発がんの予防
胃がんの原因の一つとされるニトロソアミンという物質は、食事による体外からの摂取の他、体内でも合成されます。
胃の酸性条件下でアミノ酸化合物と亜硝酸化合物(肉、野菜、魚などに含まれる)が結合してニトロソアミンが形成されます。
ビタミンCはいち早く亜硝酸化合物と結合して一酸化窒素に変えてしまうことで、ニトロソアミンの合成を防いでくれます。
ビタミンCにはこの他にも抗がん剤にも使用されるインターフェロンの生成を促進する働きもあります。
インターフェロンにより抗ウイルスたんぱく質が生成され、ウイルスの活動を抑制します。
がん細胞にも同じように働きかけ、細胞分裂を抑制してがん細胞の増殖を抑えます。

ビタミンCとストレス
また、ストレスもビタミンCを消費する原因になります。
これも以前に書いてありますのでご参照ください。
ストレスと不妊 その理由は、抗ストレスホルモンの生成にビタミンCが不可欠だからです。
ストレスといっても精神的なストレスだけでなく、激しい運動や強い紫外線・大気汚染・残留農薬といった肉体的ストレスもビタミンCを消費する原因となります。
テロメア(染色体の末端にある染色体を保護する構造物)の短縮化をビタミンCが抑制すると言われています。

妊活中にタバコを吸っている方は多くはないと思いますがタバコによるビタミンCの抗酸化作用が減弱するとも言われています。
厚生省の国民栄養調査によれば、国民1人あたりのビタミンC摂取量は所要量の2.26倍。
数値を見る限り十分足りているように見えますよね。
それでもビタミンCが注目される理由は次の実験で明らになっています。
実験は、体内でビタミンCを合成できるラットを1日2時間、タバコの煙の中に置き、尿に含まれるビタミンCの量を測定したところ、わずか5日後には尿中のビタミンC量は0.21mg/gから0.34mg/gに増加していました。
タバコを吸うと、その害から体を守るために大量のビタミンCを消費したこということです。
喫煙者はもちろん、タバコの煙に晒されるだけでも、ビタミンCはどんどん消費されてしまうのです。
仕事でのお付き合い等で喫煙の方がいたときにはいつもより多くビタミンCを摂取したほうが良いかもしれません。

鉄の吸収に必要なビタミンC
貧血と不妊の関係はあるとかないとか様々な意見があります。
あってもなくてもどうでもいいのですが、あるべき量はなくてはならないということは変わりないです。
鉄の話は長くなるので少し端折りながら説明していきます。

そもそも鉄はなぜ必要なのでしょうか?
体の隅々に酸素を運び、そして二酸化炭素を運びます。
そして筋肉収縮に、様々な代謝に関わります。
そんな大事な鉄にの種類から。
鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があります。
※それ以外にサプリに含まれるキレート鉄があります。
両者、構造が違いますので性質も違います。
表で見ていきましょう。
貧血、不妊、カフェイン、ヘム鉄
吸収率を見ると圧倒的にヘム鉄、動物由来の鉄が私たちは吸収しやすいので、どちらから吸収すべきかは一目瞭然。

さらにヘム鉄の特徴として胃腸にダメージが少なく、タンニンなど鉄の吸収を妨げる物質の影響を受けにくい。
反対に、非ヘム鉄は吐き気など胃腸にダメージがあり、タンニンの影響を受け、吸収するときに腸で2価鉄に変化させる必要があります。
鉄の吸収の図を入れておきます。
不妊、体外受精、ヘム鉄、タンニン


この時点でやはり植物由来の非ヘム鉄ではなく、ヘム鉄を摂ることが効率的であることがわかります。
私たちの体内に流れる”血”は他動物に流れる”血”と同類ですが、植物には”血”はないですから当たり前と言えば当たり前です。

ほうれん草などの植物由来の非ヘム鉄を食べた際は、ビタミンCがないとさらに吸収率が低下するので、食べる価値はないですね。

さて、私たちの身体には3〜4gの鉄があります。
ヘモグロビン2.5g、貯蔵鉄(フェリチンなど)1g、ミオグロビン0.13g、組織鉄0.008g、血清鉄(トランスフェリン)0.003gが内訳です。

鉄は消化管や皮膚の上皮の脱落によって便や汗で毎日1rが失われています。
一方で食事に含まれている10〜20mgの鉄のうち1mgを小腸上部、特に十二指腸粘膜でFe2+の形で毎日吸収しています。
非ヘム鉄のFe3+は胃でFe2+に還元され、吸収されます。
貧血と不妊、フェリチン、血清鉄


寿命を迎えた赤血球は脾臓や肝臓などで壊され、ヘムとグロビンに分かれ、鉄は再吸収され、そして再利用されます。
しかし、女性の場合は体外に排泄してしまうため、鉄自体が減ってしまうのです。
それでは女性は男性よりたくさんの鉄分を食事から摂っているのでしょうか?
私の周りの女性たちは少なくとも、動物性より植物性を摂っているように思えますが・・・。

血液検査では貧血という判断をされていない場合でも油断は禁物です。
なぜなら貧血という判断をされたということは、血清鉄(トランスフェリン)、貯蔵鉄(フェリチン)は少なくなっています。
貧血と鉄の関係性を表にしました。
貧血、不妊、フェリチン、貯蔵鉄

いわゆる『隠れ貧血』は通常の検査では発見できません。
赤血球数、ヘモグロビン量、ヘマトクリット値、MCV、MCH、MCHCなどではわかりません。

なので月経のある女性の場合はよほどでない限り、貧血を持つといわれていますので、鉄はもちろん、ビタミンCもしっかり摂りましょう。
そしてタンパク質をしっかり摂りましょう。

タンニンやフィチン酸の詳しい話もしたいところですが、ここではざっくりと。
タンニンはコーヒーやお茶に、フィチン酸は大豆や玄米などに含まれています。
一緒に食べないようにしましょう!!!

血圧やコレステロールのを正常化する働き
血液中の総コレステロール値が250mg/dl以上の人にビタミンCを長期間摂取してもらい、血液中の悪玉コレステロール値の変動をみた実験があります。
ビタミンC量とは、1日に摂取した量ですが、明らかに摂取量が多いほど悪玉コレステロール値はよく下がります。
ところが悪玉コレステロール値が正常範囲の人は、いくらビタミンCを摂取しても、その値はほとんど変わりません。
つまりビタミンCは、悪玉コレステロールを消滅させるわけではなく、正常範囲に戻す働きがあるのです。
次に、ビタミンCを長期間摂取したら、善玉コレステロールが増加したという実験結果についてです。
なぜこうなるのかということは今のところ不明ですが、明らかに善玉コレステロールはふえています。
ビタミンCを長期間摂取すると、中性脂肪(体内の最もありふれたタイプの脂肪) の値が下がることもわかりました。
悪玉コレステロール値が高い人は、中性脂肪値も高いことが多く、両者は密接な関係があります。
健康診断で、悪玉コレステロールが高く、善玉コレステロールが低い、中性脂肪が高いと診断されたかたは、1日に1〜3gほどのビタミンCの錠剤を飲むことをお勧めします。

ビタミンCの栄養所要量
では、果たしてビタミンCはどのくらい摂ればよいのでしょう?
厚生労働省の見解では、少年から老人まで男女の区別なく1日100mgとっていれば十分に間に合うと言います。
その理由は壊血病の予防の観点から、そして抗酸化作用の観点から算出されたのでしょう。
とはいえビタミンCの仕事量はとても多いので本当にこれだけで良いのかという疑問が残ります。
ビタミンCは、摂取の上限はないとされています。
しかし、最近は一日1000rとった方がよいといわれてますが、ストレスの多い人ほど必要があるといわれていて2000〜3000r摂取をおすすめします。
ここでのストレスとは、寒さ、暑さ、疲労、苦痛、心痛、睡眠不足、働き過ぎなど精神的・物理的ストレスの両方です。
また、たばこを吸う人も、より多くのビタミンCが使われるといわれています。
私は個人的に4000rの摂取を目指しています。

ビタミンCの欠乏症と過剰症
摂取の上限はないとお伝えしまいましたが、ビタミンCは過剰に摂取しても吸収率が低下し、残りは尿から出てしまいます。
なので、一般的には有害な過剰症はないといわれています。
しかし、薬やサプリメントなどで、吐き気、下痢、腹痛といった胃腸への影響が報告されていて、腎機能に問題がある人では腎結石のリスクが高まることから注意が必要です。
安全なものを摂取してください。

欠乏症のおいては、寒さや細菌に対する抵抗力が下がってカゼなどの病気にかかりやすくなったり、骨の発育が不十分になったりします。
ビタミンCの欠乏症で知られる壊血病は、コラーゲンがつくれないために細胞の間の結合がゆるむことでおこります。
血管や関節が弱くなることから、歯ぐきなど体の各所で出血したり、関節が痛んだりする病気です。

ビタミンCが多く含まれている食品
ビタミンCは、野菜や果物に多く含まれていますが、酸化防止剤として、L-アスコルビン酸が添加される事が多く、加工食品にもビタミンCは含まれています。
特に酸化により品質低下をするマヨネーズ、油脂類、ポテトチップスなどの油菓子、醤油などです。
皆さんが知らず知らずに摂取しているんです。

またビタミンCはビタミン類の中で安価なため、健康飲料や清涼飲料にも添加される事が多いです。
皆さんも見たことがあるのではないでしょうか?
「レモン何個分のビタミンC」という表現が用いられていますね。
レモン10個分のビタミンCの飲み物を作るためには、黄色い色を付け、ブドウ糖(もしくは果糖)、アスコルビン酸粉末0.2g、クエン酸、レモン香料、セルロース粉末(濁り)からできています。
果たして身体に良いのかどうか・・・。

柑橘系、ビタミンC、コラーゲン

レモン、ライム、オレンジなどの柑橘類のほか、柿、アセロラ、キウイフルーツ、トマトはビタミンCが豊富に含まれています。
とはいえ、一日の摂取量を考えるとそうでもないことに気が付きます。
一応、一覧を掲載します。
すべて食品100g中のビタミンCの量です。
ビタミンC、抗酸化作用、コラーゲン、卵子の老化


最も多く含まれるアセロラは一粒5〜8gなので1000rのビタミンCの摂取をしようと思うと15個程度食べる必要があります。
ちなみにアセロラのサイズはサクランボぐらいの大きさです。
乾燥パセリ100gというとお茶碗山盛りぐらいの大きさです。
1000rのビタミンCを摂取しようとすると茶碗2杯分必要です。
ピーマンは1個で100gなので、1000rのビタミンCを摂取しようと思うと7個程度のピーマンを食べる必要があります。
ゆずの皮は1個当たり10gあるので、1000rのビタミンCを摂取しようと思うと70個のゆずの皮が必要です。
キウイフルーツ1個当たり100gあるので、6個のキウイフルーツが必要です。
おろしショウガは親指大で15gなので親指24個分のショウガが必要です。
レモン1個は60gなので、1000rのビタミンCを摂取しようと思うと10個のレモンが必要です。

毎日必要なビタミンCですので質と量を考えるとアセロラ、ピーマンぐらいしか思いつきません。

ビタミンCの吸収はブドウ糖によって邪魔をされるという事実
ここで避けては通れないブドウ糖との関係について触れておきます。
ブドウ糖については前にも書いてありますが、化学式はC6126でした。
ビタミンCの化学式はC686です。
H(水素)が4つ少ない、つまり分子量が小さいということです。
還元型ビタミンC、若返り、卵子の活性、精子の質


ブドウ糖とビタミンCの構造はとってもそっくりだとは思いませんか?
血糖値が上がると、ビタミンCと競合し、ビタミンCが細胞内に入るのを阻害します。
結果的に大量のビタミンCを摂ってもブドウ糖と一緒だと吸収されないということです。

その理由は、ビタミンCもブドウ糖も細胞内への取り込みをするにはインスリンとその信号に頼っています。
しかし、ブドウ糖がビタミンCよりもインスリン受容体に対して親和性が高いため、ブドウ糖が優先的に吸収されます。
結果、血糖値が高いということは、ビタミンCは取り込まれないということになりますので、甘い飲み物の中にビタミンCが大量に入っていたとしても吸収はされず、体外に排泄されてしまいます。

なので清涼飲料水のビタミンCは意味がなく、ただの砂糖水を飲んでいるということです。
少しでも身体に良いものを飲みたいという思いは誰にでもあるでしょう。
そこにメーカーは付け入るのですね。
これを飲めば一日のビタミンCを摂れるというイメージ戦略ですね。
みなさん、気を付けましょう。

ビタミンCを含む食品調理・加工をする際の注意点
ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いので、できるだけ新鮮な生で食べるのがよいことになります。
ポイントは、洗いすぎたり、ゆですぎたり、水にさらしすぎたりしないことです。


ビタミンCの栄養と吸収・消化
ビタミンCは、消化管で吸収された後、血中に送られます。
組織や器官へのビタミンCの取り込みは、ナトリウム依存性の能動輸送と濃度勾配による受動輸送によって行われます。
アスコルビン酸が酸化されることでできるデヒドロアスコルビン酸 も還元酵素により生体内ですみやかにアスコルビン酸へ変換されるため、生物学的な効力をもちます 。
血球中の好中球は酸化されたデヒドロアスコルビン酸を細胞内へ積極的に取り込みアスコルビン酸に再還元しています。
体内のビタミンCレベルは、消化管からの吸収率、体内における再利用、腎臓からの未変化体の排泄により調節されています。
ビタミンCの体内での働きは、以下の通りです。
ビタミンCの化学的特性
ビタミンCは、酸味を有する白色の結晶で、水によく溶けますが、エタノールに溶けにくく、ジエチルエーテルにはほとんど溶けません。
結晶状では安定ですが、濃度の薄い溶液中では不安定です。
調理時の洗浄や加熱でビタミンCの効力は失われるため、調理損失の著しいビタミンとして知られています。

ネットには妊活のお薬と併用したらこうなったなど多くの不安要素も記載されています。

確かに出血傾向が強くなったり血栓ができた方もいます。
しかし、それがすべてがビタミンCとお薬のせいかというとそうではありません。
他にも何かの因子があっておきたことですので、それにはならないための対策はもちろん正しい知識が必要です。

銀のすずでは少しでもご不安を解消できるようカウンセリングもしっかりと行っております。

何かございましたらご質問ください。
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奇跡のDHEA〜妊活での役割〜

DHEAのこと皆様ご存知でしょうか?
DHEAとは『デヒドロエピアンドロステロン』の略で、腎臓の上にある副腎で作られるホルモンです。
副腎では約150種類のホルモンが作られていて、しかも一番多く作られるのがDHEAなのです。
夜明け前に大量に生成し、日中には生成量が激減します。
ちなみに副腎では皮質と髄質で作られるホルモンが異なります。
副腎皮質:アルドステロン、コルチゾール、アンドロゲン、DHEAなど
副腎髄質:アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンなど
アドレナリンは聞き覚えのあるホルモンですね。
興奮すると出てくるホルモンです。

そういった重要なホルモンを作る副腎ですが、今回は性ホルモン、DHEAについてのお話です。
このDHEAは依然にも出てきていましたが、性ホルモンととても深い関係があります。

性ホルモンの説明を最初にしなくてはいけませんね。
性ホルモンはコレステロールから作られるホルモンで、総称として『ステロイドホルモン』と呼ばれます。
ステロイドホルモンと聞くと・・・怖い・・・と思う人もいるのではないでしょうか?
薬で存在するステロイドもステロイドホルモンも同じで油系ホルモンです。
私たちの皮膚には皮脂があって、油膜が張っているんです。
だからステロイドを塗ると油と油は親和性があるので吸収されやすいということです。
だから劇的に効くんですね。
※本当はもう少し細かいメカニズムです

さて性ホルモンには男性ホルモンと女性ホルモンがあります。
男性ホルモンはアンドロゲンと呼ばれ、テストステロン、ジヒドロテストステロン(DHT)、デヒドロエピアンドロストロン(DHEA)、アンドロステロン、アンドロステンジオン、エピアンドロステロンなどがあります。
女性ホルモンには卵胞ホルモンと黄体ホルモンに分かれます。
卵胞ホルモンにはエストロン、エストラジオール、エストリオール、黄体ホルモンにはプロゲステロン、17-ヒドロキシプロゲステロン、プロゲスチンがあります。

細かい種類がたくさんありますが、どれもコレステロールから作られることは変わりません。
またコレステロールはアセチルCoAから作られますよ。

さてDHEAに話を戻します。
副腎で作られたDHEAは血液の中に溶け込み、全身の細胞たちへと運ばれます。
そこで男性ホルモンのアンドロゲンに、または女性ホルモンのエストロゲンに変化します。
DHEA、コレステロール、卵子の質、精子の質

DHEAが主に男性ホルモンに変化するか、女性ホルモンに変化するかは、その人の健康状態、年齢、性別に左右され、個々それぞれ違ってくるそうです。

男性は睾丸でもアンドロゲン(大部分がテストステロン)が作られ、女性では卵巣でもエストロゲン(大部分がエストラジオール)が作られます。

どのように性ホルモンが作られるか見ていきましょう。
@アセチルCoAは細胞質基質にある解糖系やクエン酸回路で作られる
A主として肝臓で、小腸、副腎皮質、性腺などでもコレステロールの合成が行わる
B脳からの指令で細胞内のミトコンドリア内でコレステロールを使って、ステロイドホルモンの合成は行われる
ざっくり書くとこんな感じです。

コレステロールは細胞膜を構成する物質として有名ですが、ホルモンの原料になるものは細胞膜ではなく細胞質基質(細胞の内側)に貯蔵されています。
ホルモンを作るかどうかの合図は、脳からの指示で決まります。
視床下部から下垂体を経由して刺激物質が各組織に届くと、各組織の細胞はこれを合図に、細胞質基質に遊離しているコレステロールをミトコンドリアまでに運んで、ホルモンの生合成を開始します。
図にしようと思いましたが思いのほか難しく断念・・・

コレステロールって重要ですね。
ここでこれステロ―ルについても少し触れておきます。

コレステロールは細胞膜の主成分で、全身に分布し、特に脳神経、副腎に多く含まれます。
コレステロールは食事由来と体内合成由来の2つのルートで体内に存在します。
食事で摂取されるコレステロールは全体の20〜30%が吸収されます。
体内合成では全体の70〜80%のコレステロール合成が行われ、肝臓(50%)、小腸(15%)、皮膚(35%)の部位で作り出します。
肝臓では1日約12r〜20r/s(体重50sで600r〜1,000r/日)が作られていることになります。
食事より体内で合成される量が多くなります。
食事で摂り過ぎた時には、合成を抑制する働きもあります。

コレステロール、不妊、卵子の老化、エストロゲン、男性ホルモン
食事由来のコレステロールは胆汁酸などと複合体(ミセル)という集合体になって小腸から吸収されますが、ミセルには決まった大きさがあり、入りきれなかったコレステロールは便に排泄されます。

だから、脂が多い食事を摂っても、過剰に吸収することはないのです。
コレステロール、悪玉、エストロゲン、針灸

ミセルは水溶性で、受動拡散により小腸の吸収細胞内に吸収されます。
小腸吸収細胞内に入ったコレステロールはタンパク質と結合したリポ蛋白、『カイロミクロン』となり、リンパ管に入り、全身に流れていきます。
不妊、卵子の老化、体外受精、針灸


続いて体内ではどうやって作られているのでしょうか?
コレステロール、性ホルモン、卵巣年齢、黄体機能
三大栄養素である糖質、脂質、タンパク質は分解されてアセチルCoAとなり、コレステロールを作ることができるということです。
ここで間違えてほしくないのは、三大栄養素はどれもアセチルCoAを作ることができますが、糖質に関しては嫌気的解糖系、つまり無酸素運動中の糖の分解ではアセチルCoAは作られませんのでコレステロールを作り出すことができません。
こちらは嫌気的解糖系と好気的解糖系をご覧ください。
妊活、糖質制限、卵子の質、ミトコンドリア

体内で作られコレステロールも同様に、タンパク質と結合したカイロミクロン、リポ蛋白として全身を巡ります。

さてここからがコレステロールの善悪の話になってきます。
コレステロールなどの脂肪はミセルとなって小腸内の細胞に入り込み、そこでタンパク質と結合して、リポ蛋白になりました。
このリポ蛋白には種類があって、おそらく皆さんもご存知かと思います。
善玉や悪玉という言葉が登場します。
悪玉コレステロール、エストロゲン、妊活、胎芽授精

カイロミクロンについては先ほども出てきたので割愛します。
ここではLDL、HDLについてご紹介ます。

LDLは低比重リポタンパク質といい、肝臓で生成され、コレステロールを各組織に運ぶ働きがあります。
コレステロールは細胞増殖やホルモン合成などに重要な働きをしているので、LDLは必要です。
ただコレステロールを全身に運ぶため、悪玉などといわれてしまっただけです。

HDLは高比重リポタンパク質といい、主に小腸で作られますが肝臓でも合成されます。
細胞や血管のコレステロールを回収して肝臓に戻す働きがあります。
動脈硬化の原因がコレステロールだとすると、そのコレステロールを回収するので善玉コレステロールと呼ばれます。

ここでは説明不要かと思いましたが、身体に悪い脂はコレステロールでも中性脂肪でもありません。
血液中に含まれている過酸化脂質(コレステロールエステルに含まれる酸化された不飽和脂肪酸)が悪なのです。
不飽和脂肪酸は今までたくさんご紹介しましたが、脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸がありました。
不飽和脂肪酸は液状になっているもので、構造的に不安定で、加熱や酸化を受けやすく性質があります。
古くなった油ってとても嫌な臭いがしますよね。
私たちの使う植物油は不飽和脂肪酸で、加熱、空気に触れることで過酸化脂質となりますのでご注意ください。

話がずいぶんと脱線しましたが、コレステロールを単に悪者ととらえる一方的な解釈は間違いであることをお分かりいただけたでしょうか?
細胞膜だけでなく、ホルモンには欠かせない物質なのです。

もう一度DHEAに戻りましょう。

ホルモンの基本は『フィードバック作用』というシステムがあり、調整されます。
コルチゾール、テストステロン、エストロゲンなどのステロイドホルモンも同様です。
具体例として、コルチゾールはストレス時に出てくるホルモンですが、フィードバック作用によって制御されているので、コルチゾールに相当するプレドニゾロンなどのステロイドホルモンを体外から補充すると、コルチゾールの自然生成は停止してしまいます。
フィードバック、エストロゲン、妊活、精子の質

では、男性ホルモンであるテストステロン、女性ホルモンであるエストロゲンを体外から補充したらどうなるでしょうか?
そうですね、自然生成は停止します。
本来、性ホルモンを増やしたい理由は、精子の数や質、卵子の質、内膜の厚さ、妊娠維持などに影響があるからです。
だからこそ、性ホルモンを増やしたいのに、体外から補充したら、自分のホルモンは出なくなる可能性があります。
ここで間違えてほしくないのは、フィードバック作用というのは、目的とする量になったときに起こります。
ちょっとややこしくなってきましたがこう考えましょう。
脳が上司、卵巣が部下だとします。
上司が指令して仕事を振ると、部下はそれを処理します。
ホルモンを出せと上司が指令し、部下がホルモンを出すという感じです。
上司が指令を出しても、部下が動かない場合、上司はひたすら指令を出すでしょう。
これは卵胞刺激ホルモンとエストロゲンの関係でいうとFSH高値、E2低値の状態です。
いわゆる閉経の合図です。
これでは卵胞や内膜も育ちにくいので、E2を補充する。
するとフィードバック作用で『ホルモン足りてるよ』と脳へと情報がいくのです。

・自分のホルモンが出ていない場合はホルモン補充をしてホルモンバランスを整える。
・自分のホルモンが出ているにも関わらず、ホルモン補充をすると自分のホルモンが出なくなる可能性があるということです。

しかし、DHEAにはこのフィードバック作用がないというのです。
これは体外から補充しても、体内の生成には影響をしないということです。
DHEAは結果的にエストロゲンやテストステロンに変化しますが、体外補充しても自分のホルモン量には変化なしということです。 なので結果的に摂り過ぎは存在しないと考えてよさそうです。
しかし、ステロイドホルモンなので、長年の服用は少し怖く感じますね。

そして副作用はある可能性があります。
・ニキビができやすい
・女性にヒゲが生える
・声が低くなる
・イライラしやすくなる
・興奮したり、不眠になる
・疲労感を感じる
・頭痛がでる
などが報告されているようです。

DHEAはまだ解明されていない部分もありますがここで、どのような働きがあるか見ていきましょう。
・若返り
・性機能改善
・リラックス
・睡眠の質改善
・心疾患率を低くする
・インスリンの機能を向上させる
・DHEAとコレステロールの均衡を保つ
・気分を向上させる
・着床率を上げる

リプロダクション東京のブログでも紹介されています。

DHEAの解明が引き続き必要ですが、可能性を上げるためにはチャレンジする必要がありますね。
妊活では卵子の老化、精子の老化など『エイジング』が問題の一つとされています。
であればアンチエイジングすれば良い。
我が家でもアンチエイジングを最大限に行いました。
DHEAをはじめ、ビタミンC、ビタミンEなどのサプリやショウガなどの食品の摂取、無駄な酸素摂取を控え、体温を上げ過ぎないなどを実践しました。
結果、卵子と精子の質が上がり、結果が出たのかもしれません。

ここにきて残念なお知らせです。
そうやら2019年1月よりDHEAはサプリとして、個人輸入が禁止され、入手できなくなりました。
やはりホルモン系のサプリは日本では敷居が高いです。
不妊クリニックからは購入できますので、そちらからのご購入をお勧めいたします。(値段は高くなるでしょうけど)

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銀のすず
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ナイアシンは着床率を上げる

ナイアシンという名前を聞いたことがあるでしょうか?
数年前、イギリスでナイアシンが妊娠率を上げるという発表がありました。
それではナイアシンをご紹介します。

ナイアシンにはビタミンB3とも呼ばれ、ニコチン酸とニコチンアミド(別名ニコチン酸アミド、ナイアシンアミド)の2つがあります。
ニコチンアミドはNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)あるいはNADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)として、糖代謝や脂質代謝、アミノ酸代謝における多くの酸化還元酵素の補酵素として機能しています。
妊娠率、着床率、アップ、成功率

どうやらナイアシンは体内の代謝に大きく関わっていることが推測できます。

初めに、代謝の重要な役割を担っている酵素と補酵素についても触れておきます。

酵素とは、人体に3000種類以上あるといわれています。
主な性質は
・身体で起こる化学反応に対して触媒として機能する分子
・体内で作り出されるタンパク質をもとに構成
・生物が物質を消化・吸収・分布・代謝・排泄に至るまでのあらゆる過程に関与
です。

私たちが生きるのに欠かせないものだということです。
酵素と言ってもたくさんの種類があり、唾液や胃液にある消化酵素やカタラーゼという活性酸素を分解する酵素、DNAの複製や修復をするDNAポリメラーゼなど多岐に渡ります。
『酵素栄養学』という少し偏った栄養学がありますが、少しここで紹介します。
・一生のうちで作れる酵素の量(潜在酵素)が人によって決まっていて、食べ物に含まれる酵素(食物酵素)を食べて補うと「潜在酵素」の消費量を節約できるので寿命が延びる
・酵素を栄養の一種として考え、酵素が不足することが万病の元になっている
・酵素は加熱すると変性するので加熱した食品よりも非加熱の食品を食べる方が体に良い
・発酵食品には酵素が多く含まれるから食べると体に良い

各細胞は酵素を作る遺伝子を持ち、存在し続ける間は酵素を作り出すことが可能です。
酵素が入っている食べものをとっても、タンパク質である酵素は胃腸で消化され、アミノ酸になり、門脈を通り、肝臓へ運ばれ、保存されます。
つまり食事由来の酵素は、酵素としての役割を果たすことなく、アミノ酸として吸収されます。
そして必要に応じて全身の各細胞へ送られ、酵素が作られます。
なので飲食による酵素はあまり効果は期待できないということです。
発酵食品を食べても酵素を取り込むことはできません。
※発酵食品に含まれる栄養素は酵素だけではないので食べる価値がないわけではありません。

酵素の構造がタンパク質であれば、胃液の酵素(ペプシン)で分解されることは誰もが分かっているはずですね。
皆さん、だまされないようにしましょう。

続いて、補酵素とは、ある種の酵素は酵素タンパク質と結合して、その酵素の作用に不可欠な働きをする低分子の有機化合物を必要とします。
これらを補酵素(コエンザイム)と言います。
良くわかりませんね。
簡単に言うと・・・
酵素の中には単独では働くことができないので、『きっかけ(補酵素)』が必要だということです。

補酵素の多くは”ビタミン”から生体内で作られています。
特にビタミンB群やナイアシンは生体内でさまざまな酵素の活性発現に必要な補酵素として機能します。
ビタミンがなぜ重要なのかお分かりいただけたでしょうか?

さて前置きはここまでにして、話をナイアシンに戻します。
私たちが食べる動物性食品にはニコチンアミドと酸化型NAD(NAD)が含まれ、植物性食品にはニコチン酸とNADが含まれます。
ナイアシン、トリプトファン、メラトニン、セロトニン、妊娠率、着床率

動物性食品に含まれるニコチンアミドは体内のあらゆる組織で、NADに合成されます。
しかし、植物性食品に含まれるニコチン酸からNADを合成できるのは肝臓のみです。
また、食品に含まれるトリプトファンからもNADが作られるが効率性は悪い。
約60rのトリプトファンからナイアシン1rが生成されます。
かなり少ないですね・・・。

ではどの食事にどのくらいナイアシンとして含まれているか、見ていきましょう。
いつものように私の独断と偏見で食材を選んでみました。
着床率、妊娠率、ナイアシン

一番多く含まれるのは、『舞茸』でした。
舞茸は1パック90gで販売しているようで、約60mgのナイアシンを含んでいることになります。
ただし、先ほどもあったように植物系なのでニコチン酸として含まれているので、肝臓で処理してからニコチンアミドとして利用することになります。

二番手は『タラコ』でした。
おにぎり1個のタラコは10g、小さめの1腹は80gなので、40rのナイアシンを含んでいることになります。
こちらは動物性なのでニコチンアミドとして含まれているので、全身どこでも吸収され利用されます。

もう一点、トリプトファン(必須アミノ酸)からNADとなる経路もありました。
ナイアシンも最終的にはNADになるため、こちらも忘れてはいけません。
ただし、トリプトファンからNADになる経路はあまり効率が良くないといわれています。

トリプトファン、ナイアシン、NAD、NADP


植物性より魚類、肉類など動物性に多く含まれていることがわかります。
効率良く摂るにはどれが良いか参考にしてみてください。
またナイアシンの性質として、中性、酸性、アルカリ性、酸素、光、熱に対して安定しています。
そのため、保存や調理によって効力が低下することはほとんどありません。
しかし、ニコチン酸やニコチンアミドは水、特に熱水には極めて溶けやすいため、煮物料理をすると煮汁中に70%も移行します。
肉類をから揚げにすると、20〜40%程度のニコチンアミドが油中に移行します。
このことを踏まえると、ナイアシンは摂りやすい成分であることが伺えます。
煮物や揚げ物は普段から全く食べませんが、油や煮汁に溶け出すということは、どんだけ食べても過剰症は難しそうです。

それでもしっかり考えなくてはならない摂取量。
どのくらいの量を摂ったほうが良いのでしょうか?
今現在、いわれている推奨摂取量は1日当たり15rで、耐容上限量は300rぐらいです。
この数字は一般的な数字ですので、活動量に応じて摂取量は変化させるべきです。
代謝の補酵素として働くなら、代謝量に応じるべきですから。
例えば、運動した、お酒を飲んだ、ストレスを感じた、風邪を引いた、採卵した、移植した・・・
あげればきりがないほど、日々の生活は異なります。
元来は、状態を踏まえていかなくてはいけないと思うんです。
一般的な量についてみていきましょう。

欠乏症は、うつ、幻覚症状、イライラ、不安、精神障害、口内炎、皮膚炎、舌炎、胃腸障害、下痢、ペラグラの症状を起こします。

ペラグラとは、ナイアシン不足に加えて、光刺激で光線過敏症が生じ、顔に左右対称の赤い発疹が出て、、消化管全体が侵されて吐き気、嘔吐、便秘、下痢などの症状が現れ、舌と口に口内炎が生じます。
また、喉や食道にも炎症が起こます。
悪化すると死亡することもあるようです。

ある書物には、狩猟生活から農耕生活によって劇的に増えた病気の一つと書かれています。
やはり人間には動物性食品の摂取が必要不可欠であるということです。
その他の欠乏症はいわゆる「ビタミン不足」でよくある症状です。
微量なビタミンが足りないだけでここまで症状を起こすとは恐るべき能力を持っているということです。
続いては過剰症です。 どちらかというと過剰症というかナイアシンへの反応だと思います。 ニコチン酸の場合かゆみがでること、ニコチンアミドの場合、胃腸障害、肝毒性、胃潰瘍の悪化などが知られています。
私自身、肝機能へ負担があるということからニコチン酸のサプリを500r摂っていましたが、飲みはじめた数日は軽くかゆみがありましたが、もう慣れました。
ある人は、痒みがひどかったという話も聞きました。
個体差があるのだと思います。
不妊治療では多くの薬剤を使用して治療に当たります。
薬剤の多くは肝臓で解毒されますので、肝臓はすでに疲弊している可能性があります。
そこにニコチンアミドがさらに肝臓へ負担をかけることがあった場合は良かれと思ったことが悪影響を及ぼしかねません。
どういう形でナイアシンを摂るか、考えなくてはいけません。

ナイアシンは全身で500種もの酵素の補酵素として働いています。
主な働きは
・エネルギー作り
・脂質や糖質の分解
・皮膚・粘膜の炎症を防ぐ
・神経症状を防ぐ
・血管拡張作用
があります。

妊娠に必要な働きとしては、エネルギー作りと血管拡張作用が特に重要です。

受精卵が着床する際、絨毛ができ、そこから酸素と二酸化炭素のガス交換が行われます。
もし、この絨毛が血行不良になり、受精卵に酸素を供給できなくなった場合、受精卵は生きていくことができません。

不妊治療では血行を良くするためにバイアスピリンやヘパリンを使用することがあります。
それだけ血行促進は重要だということがわかります。
そういった薬ではなく、ナイアシンという栄養素には血管拡張作用、つまりは血行促進作用が期待できるので、妊娠率に影響を与えるのだと思われます。

妊活にはナイアシン、覚えて損はありませんね。

市販されているナイアシンには、ニコチン酸とニコチンアミドの2種類のサプリがあります。
先ほども少し触れましたが、血行を促進作用させる働きがあるため、『ホットフラッシュ』という症状が出ることがあります。

ホットフラッシュとは、一過性で顔面紅潮、上半身のほてり、かゆみ症状を言います。
みんなに出るわけではありませんが、ニコチンアミドのほうが出にくいといわれていますので、気になる方はそちらのサプリをお勧めいたします。
ただし、ニコチンアミドは肝臓へ負担になることがあることもお忘れなく。

不妊治療ははっきりいって正解がありません。
少しでも確率を上げるため、不利益を控え、かつ利益の出ることを実践したいですね。

鍼灸治療も血行促進、自律神経を整え、内臓機能を高め、ホルモンバランスを整えます。

ナイアシンと鍼灸はとても相性の良いものです。

是非お試しあれ!!!
何かございましたらご質問ください。
銀のすず
銀のすず、針灸、不妊



ビタミンEは妊娠への必ビタ!!!


みなさんはビタミンEに対してどんなイメージをおもちでしょうか?

妊活から妊娠中に必要な栄養素として欠かせないのがビタミンEです。
ビタミンEは別名「子宝ビタミン」とも呼ばれていますので何らかの関係があるのでしょうね。

ビタミンEは脂溶性のビタミンに分類され、トコフェロールとトコトリエノールの2種類に大別でき、さらにメチル基(CH3)の結合する位置や数によってα、β、γ、δの4種類の同族体があるので、合計8種類の天然ビタミンEがあります。
ビタミンE、子宮内膜、老化、アンチエイジング

ビタミンEは油性のビタミンですので、空気酸化、熱、光、アルカリにはとても不安定になります。
なので、食事でビタミンEを摂取しようと思うなら、この性質については知っておきたいですね。

話を戻して、なぜ子宝ビタミンといわれるかというと、以前にもお話した活性酸素との関わりが多いようです。
つまりビタミンEには『抗酸化作用』があるのです。
抗酸化作用の強さはα>β>γ>δの順です(化学的には一番強いのはδですが・・・)。
実際は、内膜の活性酸素による血管障害を減少させ、結果、内膜の血流を増加させ、内膜を厚くします。

では、まずはビタミンEが発見された歴史です!
1920年にH.A. Mattillらがラットを脱脂粉乳だけで飼育すると、繁殖できなくなることか発見されました。
そして、ネズミの抗不妊性栄養因子として小麦麦芽から発見されました。

1922年にH.M. EvansとK.S. Bishopが既知のビタミンを含む飼料で飼育すると不妊症になるのに、これにレタスを与えると回復することを見いだし、この未知物質をXと命名しました。
この物質Xが脂溶性の化学物質であったことから、B.Sureによって1924年ビタミンE(tocopherol)と命名されました。
ちなみに、語源はTocos(子供を産む)+pher(力を与える)+ol(水酸基)=Tocopherolであり、H.M.Evansによって命名されました。

実際に細胞内のビタミンEの分布を調べると、細胞膜、ミトコンドリア膜、ミクロソーム膜、核膜など、様々な生体膜中にその大部分が存在しており、このことから、ビタミンEは膜脂質成分の抗酸化に働く物質であると考えられるようになってきました。

また、血清ビタミンE値の低下と、赤血球の過酸化水素溶血反応との間に有意な負の相関関係が認められ、必須脂肪酸の摂取が多くなるにつれ、血清ビタミンEは低下し、赤血球の過酸化水素溶血反応も亢進することが証明されました。

この結果からも、ビタミンEは抗酸化作用をもつことが予想されました。

実際にどのようにして活性酸素ができ、それを食い止めるのか見ていきましょう。

ビタミンE、活性酸素、アンチエイジング、子宮内膜、体質改善、不妊

活性酸素が妊活に影響を及ぼす理由がわかりました。
詳しくは活性酸素の項目を見てください。
こちら
では、抗酸化に良いといわれるビタミンEはどのくらいの量がいいのでしょうか、また多く含まれている食品は何でしょうか?
日本人の食事摂取基準2015年版では、成人においてビタミンEの推奨量〜上限は、成人男性6.5〜900mg/日、女性6.0〜700mg/日と言われています(※個人差があります)。
ちなみにビタミンEは、高齢者でも、加齢に伴いビタミンEの吸収や利用が低下しないといわれています。
小児においては、これまで健康な小児のビタミンEの目安量の推定に関するデータは見いだされていません。

ここで、ビタミンEを多く含む食品としてピックアップしてみました。

日本食品標準成分表2015によると(100g当たり)
妊活、不妊、老化防止、アンチエイジング、卵子

アーモンドは、1粒1gで0.3mgのビタミンEがあり、20粒で約6.0r摂れます!
あん肝は、ティースプーン1杯11gで1.38mgのビタミンEがあり、6杯食べれば8.28mg摂れます!
筋子は、大さじ1杯17gで1.8mgのビタミンEがあり、4杯食べれば7.2mg摂れます!
鶏卵(全卵)は、Mサイズ1個50gで0.9mgのビタミンEがあり、7個食べれば6.3mg摂れます!

毎日の推奨量をクリアするとなると、アーモンドか、筋子がお手軽かもしれませんね。

ビタミンを摂るときに気になるのは過剰です。

過剰となるには一体、何粒アーモンドをとることになるのでしょうか・・・?
100粒で30r、1000粒で300mg・・・摂り過ぎは難しいですね。
その前にお腹が膨れて気持ち悪くなってしまいそうですよね!
筋子やあん肝も鶏卵も食べ過ぎるのは難しそうです。

現在、厚生労働省の定める(日本人の食事摂取基準)において、ビタミンEは過剰症はないといわれています。
一方、過剰症はとくに示されていませんが、ときに下痢や出血傾向の上昇などの症状が出る場合があります。
落花生を食べすぎるとお腹を下したり、鼻血が出るというあれです!
脂溶性ビタミンの場合、過剰症が気になるところですが、ビタミンEについては過剰に摂取しても輸送たんぱく質の働きにより吸収量がコントロールされているため、他の脂溶性ビタミンのように体内に蓄積されていくと言う事はありません。
なによりも、過剰症の報告もありません!

次に、欠乏症はどうでしょうか?
ヒトでは欠乏症はないと長く考えられてきましたが、胆汁うっ滞などによる脂肪吸収障害や、未熟児、遺伝性疾患(家族性ビタミンE単独欠損症)などの特殊な状況では、溶血性貧血や運動失調などの神経症状がみられます。
家族性ビタミンE単独欠損症は肝臓内のビタミンE輸送タンパク質に変異を示す疾患で、ビタミンEを体内に保持できないために血中濃度を正常に維持できず、神経障害(とくに脊髄後索に変性)をきたすものです。
動物におけるビタミン E 欠乏実験では、不妊以外に、脳軟化症、肝臓壊死、腎障害、溶血性貧血、筋ジストロフィーなどの症状を呈しました。
なので、過剰症より欠乏症の方が怖いということになります。

がんばって食事で摂取していこうとすればするほど、植物性より動物性のものが優れていること、なにより筋子が凄い!!!
私は大好きですので、毎日でも食べようかと思います。

最後に少し難しい生化学と生理作用です。
ビタミンEは、生体膜を構成する不飽和脂肪酸あるいは他の成分を『酸化障害』から防御するために、細胞膜のリン脂質二重層内に局在します。
ビタミンEにはα-,Β-, γ-,δ-トコフェロールとα-,Β-, γ-,δ-トコトリエノールの8つの同族体が天然に存在し、そのうち生体内ではα-トコフェロールが最も多く(他の同族体より10倍)存在します。

α-トコフェロールの中でも8つの立体異性体が存在し、RRR-α-トコフェロールが天然型と呼ばれ、最も生物活性が高いとされています。

栄養学的な使い方をする時はビタミンE、化学的な立場からはα-トコフェロールというのが一般的です。

身体の中にある90%がα-トコフェロールなので、ビタミンE=α-トコフェロールと認識していただいても大丈夫です。
摂取されたビタミンE同族体は、胆汁酸などによってミセル化された後、腸管からリンパ管を 経由して吸収されます。
ビタミンEの吸収率は51〜86%と推定されていましたが、21%あるいは29% という報告もあり、現在のところビタミンEの人における正確な吸収率は不明です。
吸収されたビタミンE同族体は、キロミクロンに取り込まれ、リポプロテインリパーゼによりキロミクロンレムナントに変換された後、肝臓に取り込まれます。
また 、東京大学の井上教授らによって発見されたビタミンE輸送たんぱく質はα-tocopherol transfer protein (α−TTP)と名づけられました。

肝臓では、ビタミンE同族体のうちα-トコフェロールが優先的にα-トコフェロール輸送たんぱく質に結合し、他の同族体は肝細胞内で代謝されます。
肝細胞内をα-トコフェロール輸送たんぱく質により輸送されたα-トコフェロ ールは、VLDL(very low density lipoprotein)に取り込まれ、再度、血流中に移行します。
一方γ-トコフェロールは VLDLに取り込まれずにそのまま胆汁中に排出されるので、肝臓には分布されないということになります。
そして、その判断をα-TTPがによって行われていることが明らかになっています。

ビタミンE、不妊、針灸、体外受精

抗不妊作用も抗酸化作用に基づくことが、肝臓内でα-トコフェロールと結合するα-tocopherol transfer protein (α−TTP)の遺伝子をノックアウトしたマウスを用いた実験から確認されました。

生体膜や油脂中に存在する不飽和脂肪酸の過酸化を抑制することが主な作用で、食用油の劣化(酸化)を防ぐために α -トコフェロールが添加されています。
生体内でもフリーラジカルと呼ばれる反応性の高い化学物質によって生体膜やリポタンパク質中の脂質が酸化されるのをα-トコフェロールが防いでいます。
酸化リポタンパク質を貪食したマクロファージが動脈内皮下に沈着することによって粥状動脈硬化症が発症・進展することが知られ、α-トコフェロールはそのリポタンパク質の酸化を抑制して抗動脈硬化作用を示すとされています。
とても堅い話になってしまいましたがいずれにせよビタミンEが単独に細胞調節することが今後、解明されていくのではないでしょうか。

ここでビタミンEを摂取するときのポイントです!
よりビタミンEの吸収を上げるにはビタミンCが欠かせません。

相性のよい栄養素ですので、ビタミンEの効果を最大限に摂り込むために、妊活中はビタミンEとビタミンCは必ずセットで摂ることをおすすめします。
さらにビタミンEとビタミンCは、抗酸化作用をもつ要素なので、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助けます。

脂質ペルオキシラジカルをどのように安全なものに変化させるか下図をご覧ください。

抗酸化、不妊、アンチエイジング

これがビタミンEとビタミンCを同時に摂ったほうが良い理由です。

あまり年齢のことを言いたくはありませんが、昔に比べれば少しだけ高齢になっています。
高齢=酸化と考えるならば、抗酸化物質を摂ることしかありません。
そのためには妊活から妊娠中、質の良い体づくりのためにも、必ず補っておきたい成分です。

毎日の食べ合わせを考えるのも一苦労なので、必要な栄養素だけはサプリメントを活用すると簡易に摂取できます。

私自身、ビタミンEはサプリで摂っています。
抗酸化のために400IUを2粒、ビタミンC2000mgと一緒に摂っています。

IUってなんだろうと思われる方もいらっしゃいますね?
説明を入れておきます。
IUとは、量的尺度ではなく生物学的活性尺度である国際単位のことを言います。

IUからmgへの換算するには、α-トコフェロール1IUは、天然型の0.67mg、合成型の0.45mgに相当します。
私の飲んでいる400IUは天然型ですので、400IU×0.67mg×2粒=536mgということです。

ちなみに、ミリグラム(mg)からIUへの換算するには、α‐トコフェロール1mgは天然型の1.49 IU、合成型の2.22 IUに相当します。
100粒のアーモンドには30mgのα-トコフェロールが含まれるので、30r×1.49IU=44.7IUとなります。

さすがにアーモンドでは高濃度のビタミンEは摂取できないので、サプリにしています。

妊活を実践するうえで抗酸化(アンチエイジング)はしなくてはならないテーマです。
卵子が老化してはいけません。
妊活には若さを取り戻す必要があるのです。

銀のすずではその方に合ったサプリメントをおすすめしています。
いつでもご相談ください。
銀のすず
不妊鍼灸、マタニティ、整体 不妊治療、逆子、骨盤矯正



妊活中の大豆はやめておけ


大豆は私たちの生活になくてはならない食べ物でした。
大豆は紀元前2000年ごろには中国で栽培されていたとか・・・。
その後、奈良時代に日本に仏教とともに入ってきました。
仏教では、肉食が禁止されていたので以前まで食べられていた肉類から大豆に変わることになります。
この時点で、仕方なく肉から大豆に移行してしまったと思ってしまいます。

さてこの大豆ですが、タンパク質、脂質、炭水化物、食物繊維、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ビタミンE、ビタミンB1、葉酸など様々な栄養素が含まれます。 そしてコレステロールがゼロというのも特徴です。
大豆プロテイン、エストロゲン、イソフラボン

さて栄養素が豊富そうですが、どのぐらいの量が入っているのでしょうか?
水分12.4g、タンパク質33.8g、脂質19.7g、炭水化物29.5g、灰分4.7gです(日本食品標準成分表2015年版(七訂)より作成)。
このような配分です。
それぞれを見ていきましょう。

まずはタンパク質から(必須アミノ酸のみ)。
妊活、大豆、タンパク質

数字を見ただけではわからないので比較してみましょう。
卵子の質、大豆、たまご

必須アミノ酸は体内で作り出すことのできない栄養素。
よって食事からのみ取り込むことができる栄養素です。
大豆の必須アミノ酸はスジコや牛肉、鶏卵と比較するとそこまで多くはありません。
よって大豆だけ食べていては人間に必要な必須アミノ酸を効率よく吸収するのが難しいとなります。
では同じ量の卵(卵白)と大豆ではどのくらい吸収率に 違いがあるか見ていきましょう。
エストロゲン、針灸、薬膳、漢方

大豆の吸収率はずいぶんと劣ることがお判りでしょう。
半分までとはいきませんが、グラム数でいうと1.5倍多く摂取しなければならないということです。
タンパク質だけを見ると、無理して大豆から摂る必要はなさそうですね。
卵や肉類のほうが効率的です。

さて脂質を見ていきます(主要な脂肪酸のみ)。
脂質、大豆、イソフラボン、妊活

脂質1g当たりの脂肪酸の総量はあまり変わりませんが、飽和脂肪酸、1価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の分布に違いがみられます。
飽和脂肪酸はさすがに動物性が全体的に多く含まれます。
一価不飽和脂肪酸もまた動物性に多く含まれます。
多価不飽和脂肪酸、いわゆる必須脂肪酸は大豆が圧倒的に多く含まれます。

続いて個々の脂肪酸(抜粋)を見ていきます。
体外受精、人工授精、卵子の質、女性ホルモン

これを見るとオレイン酸、リノール酸、α‐リノレン酸が大豆、サツマイモに多く含まれているのがわかります。
皆さんが気になるオメガ3脂肪酸は、α‐リノレン酸、ヘンイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸を指しますが、オメガ3脂肪酸が一番多いのは・・・
スジコ(筋子)です。
続いて、鮭、ウナギ、大豆です。
ちなみに、オメガ3脂肪酸の働きには・・・
・血圧を下げる
・がん細胞の増殖を抑える
・LDLコレステロールを下げる
・脳神経機能に関わる
・HDLコレステロールを増やす
・中性脂肪を下げる
・動脈硬化を予防する
などの働きがあります。
脂肪酸を上手に摂るにはバランスが大切だといわれています。
飽和脂肪酸3:一価不飽和脂肪酸4:多価不飽和脂肪酸3

これがゴールデンバランスです。
ちなみにこのバランスが良い食材はなんでしょうか?

さて、今までタンパク質と脂肪の話でしたが、この時点でタンパク質と脂肪を合理的に摂ることを考えると何が良いのでしょうか?
タンパク質の量が多く、必須アミノ酸のバランスが良いのは『鮭、スジコ、和牛、卵黄、卵白、豚』でした。
ただし、卵黄と卵白を一緒に摂ることを考えると量とバランスは最高です。

タンパク質と脂肪を一緒に摂るに最適なのは・・・・・・・・・・・
第1位 たまご(全卵)
第2位 スジコ
第3位 鮭
エストロゲン、プロゲステロン、卵巣、卵子

上位は鳥と魚のたまごでした。
残念ながら大豆は、タンパク質の量も吸収率も低く、脂肪酸に至っては多価飽和脂肪酸がそこそこ入っているレベルということになります。

続いて炭水化物です。
炭水化物、水溶性食物繊維、ミトコンドリア

精白米、全粒粉、サツマイモにはでんぷんが大部分を占め、大豆、アーモンドにはショ糖が多く含まれています。
でんぷんはブドウ糖がたくさん集まってできた物質です。
ショ糖はブドウ糖と果糖が結合した物質です。
魚介類、肉類には炭水化物は含まれていません。
鶏卵にはちょっとだけあるのですね。
糖質制限を考えると魚介類、肉類を食べれば血糖値の上昇はないのがわかります。

続いて灰分です。
鉄、マグネシウム、葉酸、妊活

灰分とは、食品成分として含まれる鉱物質を指します。
ミネラルのことですね。
ミネラルの役割は身体の臓器や組織を円滑に働かせるために必要です。
体内では作り出すことができないので食事から摂らなくてはなりません。
過不足すると不調になるため、適量が必要となります。
種類が多く、必要量としてはかなり少量です。
さらにその他の栄養素も同じですが、摂取する人の活動レベルに応じて、必要量も異なります。
ここでは30〜39歳女性に注目していきます。
各種成分、単位にバラツキがあるのと、年齢や体格によっても摂取量が異なるので比較が難しいので、ここでは上位3位にどれだけ入っているかを見ていきます。
第1位は大豆でした。
以下、アーモンド、スジコ(筋子)、ウナギ、鮭、鶏卵(全卵)、サツマイモの順でした。
ここにきて、大豆が上位に入ってきました。
ちなみに妊活で摂取したほうが良い成分の亜鉛は和牛に多く、鉄は大豆が一番多いですが、こちらは非ヘム鉄で、吸収率も悪く、体内でヘム鉄に変換しなくてはならないので、動物性のヘム鉄を含むスジコや和牛、鶏卵が良いですね。

最後にビタミンです。
ビタミンC、ビタミンD、葉酸、ナイアシン

各種ビタミンはエネルギー源や体をつくる成分ではありませんが、人が健全に成長し、健康を維持する働きをしています。
ビタミンもまた体内で作り出すことがほとんどできないので食事から摂らなくてはなりません。
ビタミンも種類が多く、年齢や体格、活動量、目的に応じて必要量が変わるので、各種ビタミンが含まれている上位3位を見ていきましょう。
第1位はスジコ(筋子)です。
続いて、ウナギ、大豆、鮭、鶏卵、和牛、豚肉、アーモンドの順でした。
妊活で必要といわれている葉酸は大豆とスジコに多く含まれ、ビタミンDはスジコと鮭に多く含まれています。
私の近所のスーパーでは鶏卵にビタミンD入り(1.8μgが2.2μg増量)もあります。

大豆の5大栄養素の話を総括するとミネラル、炭水化物、ビタミンでは上位にいますが、タンパク質、脂質に至ってはあまり良い結果とは言えません。
またミネラルにおいても吸収率などを考えると最高ではありません。

ここまで考えてみても大豆を一生懸命食べる必要性をあまり感じませんが、まだ大豆には大きな闇が潜んでいます。
これからご紹介しましょう。

1.遺伝子組み換え作物(GMO)
2.トリプシン抑制物質が含まれている
3.ゴイトロゲン(甲状腺腫誘発物質)が含まれている
4.フィチン酸塩が含まれている
5.植物性のエストロゲンが含まれている


1点目、遺伝子組み換え大豆は1995年にアメリカの企業が作り、2010年には全大豆の93%が遺伝子組み換え大豆となりました。
日本の大豆自給率は7%。
海外からの輸入に頼るしかありません。
アメリカ、ブラジル、カナダ、中国から輸入をしています。
その大豆は安全なのでしょうか?
2010年の時点で93%の遺伝子組み換え大豆が現時点で減ったのかどうかは定かではありませんが、『遺伝子組み換えではありません』と書かれていても疑ってしまいます。
法律上、5%以下の意図しない混入は遺伝子組み換えではないと書いて良いことになっています。

そもそもなぜ遺伝子組み換えが悪いのでしょうか?
野菜など農作物には雑草や害虫問題があります。
日当たりが悪くなる、収穫量が減る、枯れるなどが懸念されることで、雑草を枯らせ、虫が嫌がる薬を作ります。
これが農薬(ラウンドアップ)です。
※雑草用と害虫用があります。
ただあまり強い農薬だと収穫物まで死んでしまうので、農薬に耐性の食物を作り出す。
この時、遺伝子を操作します。
これでたっぷり農薬を使っても、雑草や害虫は死ぬが収穫物は問題がないわけです。
これを遺伝子組み換え食物(GMO)と言います。
実際、農作物にはありえないほどの農薬がかかっています。
遺伝子組換え作物は品種改良とは異なり、複数の異なる生物の遺伝子を人工操作し自然界に存在しなかった作物に作り変えたものです。
その私たちへの健康被害は今だ未知数・・それが現実です。
ちなみにラウンドアップには発がん性が認められる物質であるとWHOは指摘します。
怖いですね。
ヨーロッパでは規制が厳しくGMOは入ってきにくい環境ですが、日本は規制が厳しくありません。
そこで日本にはたくさんのGMOが集まり、皆さんが世界で最も摂取していると言われています。
雑草も虫も殺せる農薬を私たち人間が食べても大丈夫なのかはだれが考えてもわかるはず。

遺伝子組み換えって怖いですね。
大豆以外にも身近なものでたくさんあります。
とうもろこし、ジャガイモ、パパイヤ、テンサイなどです。
これが使われているジュースに入っている異性化糖はGMOが形を変えて口に入ってきています。
法律で、清涼飲料水では一部でGMOの原料使用、表示の義務はありません。

さらに植物だけでなく、動物にも遺伝子組み換えは行われています。
鮭、鶏、牛などにも使用されているようです。
不自然な食べ物は食べたくないですね。

2点目の『トリプシン抑制物を含んでいる』ことです。
トリプシンはタンパク質分解酵素で、膵液に含まれています。
タンパク質を食べて、胃を通り、十二指腸で膵液が出てきて、消化を促進するのですが、大豆にはトリプシンを抑制する働きがあるので消化不良を起こします。
このトリプシン抑制物質はほかの栄養素の消化吸収を妨害することも知られています。
ただし、『浸水、加熱、発酵』によって、トリプシン抑制物は不活化できます。
ただし、GMOの大豆は多少の熱では不活化できないといわれています。
よって発酵させた味噌や醤油、納豆として食べることで避けることができるということです。

3点目、ゴイトロゲン(甲状腺腫誘発物質)とは、甲状腺の機能を低下させる物質です。
ヨードの吸収を妨げる働きがあります。
甲状腺は喉のところにある小さな臓器です。
甲状腺からは甲状腺ホルモンが出ています。
甲状腺ホルモンにはトリヨードサイロニンとサイロキシンの2つのホルモンが分泌されます。
これらのホルモンはヨードを含みます。
ちなみにヨードを多く含食べ物は海藻類です。
さて甲状腺ホルモンは体の発育を促進し、新陳代謝を盛んにする働きがあります。
つまり、活動するために必要なエネルギーを作り、快適な生活を送るためになくてはならないホルモンです。
妊活中の方なら、甲状腺の検査をしているでしょう。
TSH(甲状腺刺激ホルモン)、T3、T4、FT3、FT4などの項目です。
甲状腺の機能が低下すると排卵障害や着床、妊娠維持に影響を与えるとか・・・。
その甲状腺の働きを抑制するゴイトロゲンは怖いですね。
大豆以外にも、ブロッコリー、カリフラワー、小松菜、キャベツ、ケールなどにも含まれています。
予防するには加熱をするといわれていますが、食べ過ぎは良くないようです。
葉酸をたくさん摂ろうとブロッコリー食べている方は注意が必要です。
青汁にはケールが大量に使われているので注意が必要です。

4点目、フィチン酸とは、ミネラルの吸収に障害を与える、繊維性の物質です。
ミネラルは私たちの身体のの臓器や組織を円滑に働かせるために必要です。
このミネラルの吸収を阻害するということは大変なことです。

ほとんどの穀物にフィチンの状態で含まれています。
フィチンとはマグネシウムやカルシウム、カリウム、ナトリウムなどと結合している状態で、胃液で分解され、フィチン酸とミネラルに分解されます。
そしてミネラルは吸収されます。
その後フィチン酸は腸内に進み、アルカリ性下では鉄や亜鉛などと強く結合して水に溶けにくいフィチン酸塩となります。
そのまま、体外に排泄されてしまうので、鉄や亜鉛不足になってしまいます。
妊活で必要な鉄や亜鉛を奪わないでください!!!

5点目、植物性のエストロゲンとはいわゆる『イソフラボン』です。
いまだにイソフラボンが身体に良いと思っている老若男女の皆様、それは大きな間違いです。
これは以前にもエストロゲンドミナントのところで書きました。
本当に恐ろしいことなのです。
そもそも、私たちのホルモンとイソフラボンが同じなはずはありません。
更年期障害の症状緩和といわれていますが、実際には症状を緩和する事はありませんし、自分自身の女性ホルモンに代わってちゃんと働いてくれることはありません。
むしろ、ホルモンバランスを崩すことになるでしょう。
妊活においてホルモンは何よりも大事なものです。

少しイソフラボンについてお話しします。
イソフラボンには2種類あって糖鎖が付いている『グリコシド型』と糖鎖の付いていない『アグリコン型』の2種類があります。
イソフラボン、危険、内分泌かく乱物質、ホルモン異常

糖が付いていると分子量が大きく、吸収しにくくいという性質があります。
唾液や膵液のアミラーゼ、さらには腸内細菌の持つ酵素で糖が外れ、アグリコン型になります。
食品に至っては発酵によって糖鎖が外れ、アグリコン型となります。

厚生労働省の食品安全委員会では1日上限摂取目安量を70から75r、そのほかサプリやトクホなど一時的な上限を一日当たり30rとしました。
厚生労働省食品安全委員会
諸外国でも注意喚起されています。
詳しくは上記リンクを参照してほしいと思いますが、イソフラボンは構造が女性ホルモンのエストロゲンに類似しているので、各種臓器にあるエストロゲンレセプター(ER)に反応します。
ERには2種類あって、ER-αとER-βがあります。
ER-α:子宮、膣、卵巣、乳腺、視床下部、内皮細胞、血管平滑筋
ER-β:前立腺、卵巣、肺、脳、血管、骨
閉経後の更年期障害に効果的という側面と過剰に反応し、害になるという側面が懸念されています。
閉経をしていない女性にとっては月経不順などが懸念され、さらには子宮がんや乳がんなどの婦人科疾患の原因も可能性としては捨てきれません。
大豆は危険、妊活にはイソフラボン、精子の質

日本人の日常摂取量は、16〜22mg/日なので豆腐、豆乳、納豆は過剰摂取になってしまいます。
女性だけの問題ではなく、男性の方も止めたほうが良いですね。
だって男性に女性ホルモンが大量にあったらどうなりますか?
きっと精子の状態に何らかの影響を及ぼすことになるでしょう。

私が読んだある書物だと、しっかり発酵した食品であればイソフラボンの影響は少ないと書かれていた。
豆腐、豆乳は全く発酵していない食品なのでイソフラボンの恐怖はあるにしても、納豆で高いのはちょっと驚いたのを覚えていますが、こういった話もあります。
最近の発酵食品は、『実は発酵していない』というのです。
発酵させるにはある程度の時間を要しますが、早く出荷したいというのが生産者の本心です。
まだ未発酵の状態で出荷される、さらに発泡スチロールのような容器では発酵が進みにくいというのです。
そこで発酵食品を食べる際は、自ら発酵を促進させた上で食べたほうがよさそうです。
発酵食品の保管場所は冷蔵庫ではなく、冷暗所がベスト。
その理由は温度と湿度、そして空気です。
我が家では冷蔵庫から出し、5時間は室温にさらし、食べるようにしています。
※間違っても電子レンジはダメです。
味噌は陶器の容器に移し、日本酒を入れよく混ぜて保存しています。

ずいぶんと脱線を繰り返しましたが、言いたいことは『大豆は決して身体に良くない』ということです。
日本人に馴染みの深い大豆を悪く言いたくありませんが、もう昔の話です。
大豆について調べていると賛否両論言いたい放題です。
であれば、その理由をしっかり調べること、そして納得することが大切です。

私自身は豆腐、豆乳は普段からまったく食べないので興味すらありませんが、大豆発酵食品は好きなので、しっかり発酵したものをチョイスします。
それでも大量には食べないでくださいね。

そしてイソフラボンですが、怖いので取らないのが賢明です。
妊活の方、特にご注意ください。

もう一点!
イソフラボンは大豆だけではないです。
フェンネル、セロリ、パセリ、リンゴ、アルファルファ、ザクロ、高麗人参、当帰などにも含まれています。
こちらもご参考まで上げておきます!!!
何かございましたらご質問ください。
銀のすず
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クリニックの採精室


採精室、精子の質、男性ホルンモン

妊活を始めると女性は基礎体温、排卵チェッカーなどを駆使し、排卵日を推定し、夫婦でタイミングを取ります。
ある程度の期間、タイミングをとっても妊娠に至らない場合、レディースクリニックに通うことになるでしょう。
そこでホルモン検査、卵管造影など一通りの検査をして、またタイミング法を実践します。

この時点では男性が精液検査をしていないことが多いです。
タイミングで妊娠に至ればよいのですが、結果が出なくなると人工受精へとステップアップします。

人工授精の当日、初めての採精が行われますが、自宅で採精する場合と、クリニックの採精室で採精する場合があります。

私はどちらも経験していますので、ここでご紹介したいと思います。

自宅での採精は容器が渡され、そこへ射精します。
コンドームを使用しないなどいくつか禁止事項があります。
自宅の落ち着くところで、〇〇を利用し、射精をするので比較的ストレスなく採精できるといいます。
馴染みのある場所で採精するとは言え、近くに妻がいるとか、トイレで行うとか、本当に落ち着いて採精できるかというとそうでもないと思います。
今ではスマホがあり、動画など持ち運びができるので楽といえば楽ですが、男性の中にはシチュエーションを大切にする方も大勢います。
神経質な生き物、それが男です。
ある方の話では「私(妻)以外の女性で取った精子で子供が欲しいなんてありえない」といわれた方もいるとか・・・。
気持ち的には理解できますが・・・。
その方は、妻の写真を使って射精しろと言われたようです。
いろいろと難しい環境なので、採精するのは大変骨が折れるのです。
そういったことを抜きに、リラックスして採精できるのであれば自宅はありかと思います。

採精室はクリニックによってクオリティが違います。
その違いは、@クリニック内の位置、A広さと備品、Bテレビとソファの位置、CDVDと本のクオリティでしょうか。
@クリニック内の位置とは、クリニックのメインは女性なので、スタッフが大勢いるエリア、遠い場所であったりします。
あるクリニックは看護師や事務の方が大勢いる中を通り、その近くでした。
案内してくれた女性スタッフは、「ここは防音です」と言ってくれます・・・が部屋に入ると外の声が丸聞こえ。
これではさすがに緊張してしまい、出るものも出ません。
採精室に入って30分以上出てこない人もいるようです。

A広さと備品は、1畳(180p×90p)程度から、3畳程度の部屋があるようです。
手洗いができる水道完備、消毒薬などの備品があるかないかにも違いがあるようです。
イスがありますが、採精するときはパンツを下ろしている状況なので、誰が座ったか分からないなど清潔かどうかも気になるところです。

Bテレビとソファの位置ですが、テレビが小さすぎて、ソファとの距離が遠すぎて、まったく見えない・・・。
身を乗り出して見ようとすると姿勢的に採精できない・・・。
防音っと言いながらも、音量を上げることもできず、テレビに近づき、立って採精することになるはめに・・・。
これはまたストレスになるような気がします。

CDVDと本のクオリティでは、本当に誰の趣味で揃えたのかと思うほど偏りを感じます。
学生もの、熟女ものなど多岐に渡りますが、私が行った採精室には昭和時代のものばかりで、ちょっとこれじゃあ・・・。

次回の採精は、さすがに劣悪な環境は良くないということで、朝一、コンビニで本を買い、採精室へと向かいました。
音も出ないし、自分で選んだ本なのでまあ、満足して採精できました。

次々回は、パソコンを持っていくかと思いましたが、もう採精することはありませんでした。
あらかじめダウンロードしていくか、Wifiもってオンラインで見るか。
10年ぐらい前のことなので、今はスマホで十分ですね。
これが一番、安定していますね。

男性にとって採精はとてもシビアなものです。
できる限りストレスなく、採精することはとても重要ですので、できるだけ自分の納得できるような環境作りしてください。
奥様も再生の時まではあまりストレスを与えないようお願いいたします。

銀のすず
不妊鍼灸、マタニティ、整体 不妊治療、逆子、骨盤矯正



精索静脈瘤について

男性不妊でよく耳にする精索静脈瘤。
一般男性の約15%(6人に1人程度)に精索静脈瘤があると言われています。
比較的、男性にとっては多い疾患ですね。
また男性不妊症患者に限ると約40%の方にこの精索静脈瘤が認められたという報告があります。
精索静脈瘤は造精機能障害を引き起こす原因と考えられており、精液検査の結果の悪化を招く恐れがあります。
男性不妊、精子の質、精索静脈瘤

精索静脈瘤ができると血流が低下し、精巣温度の上昇で精巣機能が悪くなります。
また、精索静脈瘤は精巣萎縮や酸化ストレスの上昇の原因にもなり、男性不妊へと連鎖することが多くなります。

酸化ストレスとは活性酸素と抗酸化作用のバランスが崩れる事をいい、酸化ストレスの上昇がミトコンドリアDNAの破壊により精子を形成する働きを邪魔すると言われています。
精子の頭にあるDNAは、一度傷が付くと修復することができません。
よって傷ついたDNAを持つ精子では、受精、着床、妊娠維持・・・など困難になります。

精索静脈瘤の手術をすることによって精子のミトコンドリアDNAの破壊を減らすことが知られています。
実例では5回顕微授精実施するも胚発生不良で一度も妊娠されなかった方のパートナーが精索静脈瘤を低位結紮術で根治され、顕微授精を実施したところ、良好胚盤胞が得られ、術後初回の採卵周期で無事妊娠されたケースもあります。
ちなみに精子のDNA(遺伝情報)は精子の頭部に存在しています。

では、果たしてなぜ精索静脈瘤ができるのか?

精索静脈瘤が造精機能障害を引き起こす原因はいまだ厳密には明らかになっていませんが、静脈の圧迫や血行不良を起こすことで精子の状態が悪化します。

静脈血の逆流・うっ滞によって精巣の温度が上昇することや精巣が低酸素環境になることなどが考えられています。
そして、精索静脈瘤は左側に発症しやいという特徴があります。
その理由を知るためにはまずは血管の走行を知らなくてはいけません。
男性不妊、精子、精索静脈瘤
精索は、静脈だけでなく動脈、リンパ管、精管が一つの束になっています。 精巣を流れる静脈のうち、右側の「右内精索静脈」は、そのまま「下大静脈」に流れこむことで、血液が精巣から心臓に戻ります。
一方、左側にある「左内精索静脈」は、まず「左腎静脈」に直角に流れこんだあとで「下大静脈」と合流します。
左右の精索静脈はそれぞれの流入するポイントまで長い距離を重力に逆らって流れるため、静脈内には逆流を防止するための「弁(べん)」がついています。
左腎静脈は「大動脈」と「上腸間膜動脈」の間を通っており、これら2つの血管に圧迫されると、腎静脈の弁がうまく機能しなくなります。
弁の機能不全が起こると、腎静脈から精巣に向かって血液が逆流し、血液が滞留・逆流することで精巣につながっている血管がふくらんで瘤のようなものができると考えられています。
左側の精索静脈は左腎静脈に流入しますが、流入する角度がほぼ直角で合流することや他の太い血管に挟まれてしまい逆流するということが考えられています。
このため、精索静脈瘤は右側に比べて、圧倒的に左側で発生しやすいという特徴があります。

症状は?

多くの場合、精索静脈瘤があったとしても特に自覚症状がなく、生活に支障が出ないために自分では気づかないことも多くあります。
まれに症状として陰嚢の違和感や鈍痛を自覚することがあります。
また、自覚症状はないものの造精機能障害による精液検査の結果低下や精子の質の低下が起こり、男性不妊の原因の一つとして大きな割合を占めています。

精索静脈瘤の早期発見につなげるためにも、簡単なセルフチェックをしてみましょう。

精巣(睾丸)やそれを包む陰嚢に以下のような状態が見られれば、精索静脈瘤の可能性があるので、一度泌尿器科へ行き検査を受けることをおすすめします。
・ 左右でサイズが異なる
・ 常に垂れ下がっている
・ 表面が凸凹している
・ 立ち上がったときに鈍痛を感じる

不妊検査で精液を調べ、精子の状態があまり良くない場合、泌尿器科で超音波検査などの詳しい検査をすることで精索静脈瘤が見つかることもあります。

精索静脈瘤の状態を放置してしまうと、精子の運動率が下がる、運動のスピードが落ちるなど、精子機能の低下につながる恐れがあります。
精索静脈瘤と診断されたら、早い段階での治療を検討しましょう。

では、治療は?
男性不妊、体質改善、精索静脈瘤

精索静脈瘤は、男性不妊の原因のなかでも外科的に治療できるものとされています。
ただし、手術を行うかどうかは精液所見の状態や夫婦が妊娠を望んでいるかなどにもよります。
一般的には、精索静脈をしばることで精巣周辺の静脈に血液の逆流が起きないようにする結紮(けっさつ)術という手術が行われます。

・精索静脈高位結紮術
下腹部を切開し、静脈をしばる手術で、数日間の入院もしくは日帰り手術で行っている病院もあります。
広く行われてきた方法で、手術としての難易度は低く短い手術時間で済む一方、精巣水瘤などの合併症リスクがやや高いとされます。
精索静脈高位結紮術は保険が適用され、手術費用は5〜15万円程度です。
・顕微鏡下低位結紮術
鼠径部(太もものつけ根)を切開し、顕微鏡で観察しながら静脈を精巣の近くでしばる手術です。
動脈やリンパ管を温存するため、体への負担が比較的少なく病院によっては日帰りが可能です。
病院によって保険適用されるかどうかが異なり、全額自己負担の場合は20〜40万円ほどかかります。

そもそも精索静脈瘤にならないための予防策はないのでしょうか?
それはずばり、精巣付近の血流を維持することです。
簡単そうで難しい血流ですが、何とかしたいですね。

当院には多くの男性も来院しています。
その理由は鍼灸は血流改善によいからです。
男性は筋肉質で筋肉量も多く、圧迫が多くなります。
男性は中年太りでお腹が出て、圧迫が多くなります。
この圧迫により血流不全が起こり、精巣に負担がかかります。
痛いわけでもなく、痒いわけでもないため、見逃しやすくなっていますが誰にでも起こりうる可能性があります。
妊活をする男性はぜひ、奥様とともに血流改善を心がける必要があります。
子供は女性一人では作れません。
ぜひお二人で協力していきましょう!!!

銀のすずでは患者さまの生活習慣を聞きながらアドバイスさせていただいております。

是非、血流改善に鍼を受けてみてはいかがでしょうか?
銀のすず
不妊鍼灸、マタニティ、整体 不妊治療、逆子、骨盤矯正



トラウマと不妊治療 −心への影響−

妊活がとてもストレスになるのは経験者であればだれでもご存知でしょう。
一番ストレスを感じるのは女性なのは言うまでもありません(男性にも多少ではありますがストレスがかかってきます・・・)。

トラウマ、不妊、体質、精神
実際、不妊治療がストレスと感じるのはいったいどのような出来事でしょうか?
当院にご来院の方の意見を紹介します。

ご自身、ご家庭への不安
・自然に子供ができないということ
・私は一生妊娠できないのではないか?
・何をしたらどうしたら良いのかわからない
・夫が協力的ではない
・薬による体の負担
・不妊治療をどこまで続けてよいのかわからない
・子供や妊婦さんを見ると羨ましく思う
・年齢が問題だといわれた
・母親になることができるかという不安
・不妊治療によって授かった子供の将来は大丈夫か?
・雑誌やインターネットでの情報に左右される
・高額なサプリを飲まなくてはいけない
・漢方薬局では病院の不妊治療を受けるなといわれる
・妊娠初期の流産への恐怖
・夫の精子が悪いのに病院へ行かない
・夫にサプリを勧めるが飲んでくれない
・言っていることがみんなバラバラで何を信じればよいのか

病院への不安
・治療金額が高い
・病院の待ち時間が長い
・病院への通院回数が多い
・仕事との両立
・どの病院に行けばよいのかわからない
・採卵が痛い、怖い
・採卵ができない
・移植をしても結果が出ない
・転院するタイミング
・治療法を選ばせる医師への不安
・いつも同じ治療法しかしない
・質問をしようとしても聞くなという雰囲気
・あまり話をしてくれない
・とても横柄な態度
・カード払いができない

不安、うつ、不妊治療、体質改善
大小さまざまな不安を抱えていますね。
不妊治療中は不安を日々感じ、頭から離れることはありません。
妊娠出産というのはライフイベントの中でもかなり重要なウエイトを占めていることが伺えます。

ある方の話では、「不妊治療が終わっても不妊治療のつらい話を聞くと涙が出てくる」といいます。


さて、不妊治療ではいろいろな不安やストレスを抱えていますが、今度は「トラウマ」についてご説明を。

トラウマ的出来事とは、「身体的、感情的、心理的な困難や災害、被災体験であり、事故、手術なども含めて個人的な安全を脅かしたと感じられるような体験」のことです。

出来事の大きさや被害の程度が、トラウマ症状の程度に比例するとは限りません。

緊急時に、恐怖感と無力感を伴い、闘争・逃走反応が完了せずに神経系に滞ってしまうと、それがトラウマとなってPTSDの発症に繋がり、身体症状や心理症状として出てくるのです。

もう一方では、慢性的なストレスも無視できません。

私たちの生活は、日常的にストレスにさらされています。
命の危機というほどの出来事ではなくても、慢性的なストレスに随時晒されると自律神経のバランスが崩れることはよく起こります。
また過去に大きな出来事を体験した人が、成人してからストレスにさらされ続けると、相乗的に身体の許容範囲が狭くなり、些細なことに過剰反応するようになったり、不安や落ち込んだり、身体が弱ったりすることがあります。
※前にも書いたストレスの項目にも詳しく書いてあります。 「今までは耐えられていた、大丈夫だったのに」とはよく聞く言葉ですが、ストレスとはそういうふうに徐々に影響していくものなので、身体を緩めることを心がけるのは健康を保つために大切なことです。

以下のことが、個人的な安全を脅かす危機となり、トラウマとなり得る出来事です。
繰り返しますが、必ずしもトラウマとなるとは限りませんが、原因不明の身体症状や心の問題の原因や不定愁訴がこういった出来事に起因していることもあるので、過小評価しないことが大切です。

一般的に言われているトラウマ的、ストレス的な出来事をご紹介します。
事故、むち打ち、スポーツ事故、落下、転倒
手術医療的介入、長期の病気、高熱、毒
・戦争、紛争、拷問、テロ
・自然災害、火事、洪水、地震、津波
・海、川、プール、浴室などで溺れた、窒息
暴力行為、レイプ、性被害
・職場でのストレス、ハラスメント、人間関係、超過労働、異動、昇進、降格
・家族、恋人、友人やペットの死、喪失
・学校でのストレス、いじめ、教師からの暴力(身体的、精神的)、転校
・引越し、移転
・幼少期の身体的虐待、性被害、言葉での虐待、ネグレクト育児放棄裏切り
・自分が母親としての出産期・周産期トラウマ、流産不妊治療
・自分自身が生まれた時のバーストラウマ、母親のストレス、出産期・周産期トラウマ
両親の不仲、ケンカ、DV、離婚
・親からの過干渉、抑圧厳しいしつけ、過度な期待、親孝行のプレッシャー
・ジェンダーアイデンティティに関する悩み
・子育て、教育、進学、病気、発達障害、身体障害、引きこもり

日常的に起こりやすそうなところを太文字にしてみました。
大人に限らず、全年齢層で、誰にでも起こりそうなことも含まれています。

先ほども書きましたが、出来事があったとしてもみんながトラウマになることはありません。
とはいえ、心身への様々な症状を起こすことも事実です。
・心臓の動悸、呼吸(器)障害、めまい
・ささいなことでビクッとする
・過活動、多動、ADHD
・慢性的な痛み
不眠、睡眠障害、悪夢
PMS生理痛
・消化の問題、過敏性腸症候群
・免疫システム障害
慢性疲労
・そわそわする、落ち着かない、貧乏ゆすり

・人とうまくやれない、人が怖い、信用できない
・自立が怖い
・自分さえ我慢すればいいと思っている
・人と愛情でつながることやコミットが難しい
・人から愛情を受けることが難しい

・依存しがち(喫煙、飲酒、ドラッグ、性的、仕事、食べ物、ゲーム、SNSなど)
・特定の場所、活動、記憶、状況や人を避ける、逃げる
爪を噛む髪をいじる
・他人、家族、子ども、環境、状況をコントロールしがち

これらの症状は私自身も経験あるし、だれでも起こりうるものだとは思いますが・・・。

それもそのはず、自律神経のトラブルなので、ちょっとしたストレスでも起こります。

トラウマになりうる出来事が、人生において一度もないという人はいないでしょう。
そんな温室育ちはないかと思います。
私自身を振り返ってもかなりのトラウマ的、ストレス的出来事がたくさんありましたから。
・小中学で太っていたので肥満児検診の集合が全校放送されて嫌な思いをした
・父親の急死
・祖母が行方不明
・自分の不注意による交通事故
・相手の不注意によるバイク事故
・大好きだった牛(名前バンカー)が売られていった ・ペットの死
・太っているということでのいじめ(サンドバック状態)
・厳しかった剣道でのしごき
この程度のことは誰もが一つや二つ経験しているでしょう。
これらがトラウマかといわれるとそうでもない気がしますけど、無理やり言えば飲酒とか、不眠とかはありますね。

実際、トラウマを考えるときに2つの方法があると思います。
@出来事を想像して、心身にどう影響するか考える方法。
基礎から始まり、結果を導く方法ですね。
こちらはあくまで予防的思考ですので、不妊治療を始めるのであれば同時に考えておく必要があります。
対策を考えることができるのでダメージは少なそうですね。
ただし、先見の明がなければ完全に見落とすのでとても難しいことです。

Aトラウマから考えて、なぜ起こったのか出来事を考える方法。
こちらは、今悩んでいる方の人生をフィードバックして考えて、原因を探る方法。
原因を探るのは良いのですが、もうトラウマになっているので後ろ向きな方法です。

不妊治療は、過酷であるということは皆さん承知して取り組もうとしていますか?

はっきり申し上げますと、不妊治療は「闇」です。
先の見えないトンネルと同じかもしれません。
その理由は100%の解決策がないからです。

その闇、トンネルである不妊治療がその後の人生のトラウマになるようでは困ってしまいます。
幸せであふれているようでなくては・・・。
メンタル、不妊、トラウマ、体外受精

そこで不妊治療が抱えている不安を先に解決する、同時進行して処理しておくことが大切です。

その方法は、中立な立場で、古今東西の情報をたくさん持っていて、信頼できる人を探すことでしょう。

当院へお越しになる方から、不妊治療を始める前に来ておけばよかったとおっしゃっていただけます。

私たちのスタッフはいつも皆様の支えになるために、常に学び、高めあっています。
また施術時間はずーっと話ができるように、個室で、マンツーマンで対応します。
ご興味のある方はぜひご相談ください。
銀のすず
不妊鍼灸、マタニティ、整体 不妊治療、逆子、骨盤矯正



体質改善と不妊治療

体質とはいったい何のでしょうか?

辞典には「からだの性質。遺伝的素因と環境要因との相互作用によって形成される、個々人の総合的な性質。」 と書かれています。

つまり生まれついたもの、日常生活で培ったものから体質は作られるということです。

生まれついたものとは、遺伝的なことですね。
遺伝は両親から受け継いだもの。
唯一、両親から受け継ぐことができるものはDNAだけだといわれています。
私たちは、母親の卵子と父親の精子のDNAからできていますから。
体質改善、遺伝子、卵子や精子の質

遺伝的な体質は、身長や体重などの骨格、病弱、アレルギー体質など生まれたときには備わっている性質を言います。
幼少期であれば改善の余地はあるかもしれませんが、成長した大人にはどうすることもできません。

一般的に体質改善するのは、遺伝的な体質ではなく、日常生活で培ったもの、後天的な体質を改善します。

子供のころから独り立ちするまで、お母さんのごはんを食べ、身体を使った運動をして成長してきました。
その後は自分で行動の選択をして日常生活を送ってきました。
そういった日々の生活が、後天的に培った体質になります。

年齢を重ねることで良い意味でも、悪い意味でも築き上げていくものです。

もう少し具体的な話をしましょう。

歯を磨かなくても、まったく虫歯できない人いますよね。
しっかり歯を磨くのに虫歯ができてしまう人もいます。
これは唾液の問題だともいわれています。
唾液のペーハー(酸とアルカリ)に依存しているといわれていますが、唾液のペーハーはある程度体質が影響しています。
体質改善、虫歯、卵子

慢性的に腰痛がある人。
肩こりは気になりませんが、腰の痛みが気になります。
若いときに怪我をしたことがある。
たからその後遺症になっているのも後天的な体質。
怪我はしていないけど、体質的に、他の部位に比べ、腰が弱いのは先天的な体質。
どちらにせよ、疲れや使い過ぎなどによりどうしても弱いところに反応が出やすくなります。
体質改善、腰痛、腎、性欲

運動や食事にも気を使っているにもかかわらず、太っている人。
甲状腺や肝臓などの働きが弱いのかもしれませんし、筋肉量が少ないのかもしれません。
これも先天的、後天的に太りやすい体質ということになります。
体質改善、肥満、太る

これは妊娠についても同じことが言えるのではないでしょうか?

どんなに不摂生をしていても妊娠する人はいます。
ガンガン酒を飲み、タバコを吸って、夜更かしして・・・それでも妊娠するの?と言う人はいますね。
これは体質的に妊娠に関わる卵巣や子宮などが強いのかもしれません。

また、28歳ごろ自然妊娠できても、35歳で妊活を始めてもなかなか妊娠しない場合もあります。
若いころは体質的に問題があっても何とかなることだってあります。
しかし、1度の出産と時間の経過によってさらに体質に変化が起こっても不思議ではありません。

先天的な体質に関しては、遺伝情報に組み込まれているため、仕方ないこともありますが、後天的な場合はまだ改善の余地があります。

先天的な体質は、ホルモン系、つまりホルモンを分泌する臓器と受ける臓器のトラブルがあげられます。
細かい話になりますが、ホルモンを作るには材料があり、その材料を作り出すのも臓器なので、臓器の調子が悪いと材料不足もあるでしょう。
また子宮後屈や卵管、血管の太さなどの構造的な問題もあるでしょう。
さらに早発閉経など生まれたときに卵子の数が少ないことも先天的な体質です。
こういった場合は、病院でホルモンを補充したり、体外受精をしたり、卵子提供、代理母出産などの方法があるにはあります。

後天的な体質に関してはいろいろありますね。
誕生してからの生活環境です。 食生活、住環境、教育環境、運動環境、医療環境、人間関係・・・。

どれも大切ですし、避けて通ることもできません。
ご本人、そして家族、友人など自分だけではどうにもならないことも含まれています。

さてもっとも基本的なものといえば食生活ではないでしょうか?
食事は私たちの身体を作る大切なもの。
体質改善、食生活、卵子

母乳、ミルク、離乳食から始まり、朝ごはん、昼ご飯、夕ご飯、間食を含めれば、1年で1000回以上も繰り返します。
それを30年続ければ30000回と果てしない数です。
食事が体質に影響を与えないはずはありません。
一人暮らしを始めるまでは、ほぼ母親の作る食事、学校給食で生活し、その後は自由気ままに飲んだり食べたりするでしょう。
いつも作ってもらい、家に帰ればごはんがある環境とは違い、自分で作らなくてはいけないと思うと億劫になりますね。
身体に悪いと思いながらも、ファストフード、コンビニ、総菜で済ませてしまうことも多いのではないでしょうか?
私が18歳で一人暮らししたときは、パスタを大量にゆでて、ケチャップつけて食べていました。
こんな食事でも身体が作られてしまうというのだから質が悪い。
たとえば脂肪ですが、良質な脂肪であれば良いのですが、悪い油もまた吸収され、細胞の一部、ホルモンの一部、さらには蓄積されていると思うとぞっとします。
脂肪は尿中には排泄されず、蓄積してしまうのです。

次は住環境です。
体質改善、住環境、冷え

昔は今のような密度の高い建物ではなく、冷暖房は効きにくく、寒暖差のトラブルが多かったでしょう。
トイレも和式だったし、よくあの姿勢で長時間居られたものです・・・。
畳の家も多かったのではないでしょうか。
するとイスより座布団、ベッドより布団ではなったでしょうか。
バリアフリーの家も増えましたが、昔は段差だらけ・・・足腰に負担が多かったでしょうね。
ただ悪い負担ばかりではなく、身体にとっては有効な負担でもあったでしょう。
トイレも和式が良いともいわれていますし・・・。
住環境はずいぶんと便利になり、進歩しましたが人間の身体自体はまったく進歩はしていません。
住環境の変化は身体にとってストレスとなり、またストレスではなくなり、むしろ身体に重要な負荷がなくなる原因になります。

教育環境は・・・住んでいるところでずいぶん違いそうですね。
体質改善、教育環境、性格、精子、卵子
長い人生を考え、人類が進歩するには勉強が大切なのは言うまでもありません。
ただし、教育格差という言葉があるように学びたくても学べない人もいるということです。
教育にはお金がかかるという事実。
さらに勉強できる机や本、集中できる環境なども大切です。
一般的には幼稚園、小学校、中学校、高校、大学があり、さらに塾に通う機会があります。
勉強は忍耐力が大切で、精神的な要因が大きく影響をします。
勉強ができないという悩みから引きこもりになるケースもあります。

またいじめや体罰なども教育環境を考える上では必要です。
体質改善、教育環境、いじめ
成長期に受けたいじめや体罰はトラウマになってしまうことも多いでしょう。
いじめの性質は変わってもいじめや体罰は昔からありましたが、その時どう対処していたのでしょうか?
私もいじめられた経験がありますが、その時は相手を叩きのめして解決しました。
上級生からのいじめは耐えるしかありませんでしたが・・・。
体罰というか、武道系の部活だったので竹刀や木刀でたたかれること、往復ビンタなどは日常茶飯事でしたね。
今の時代には合いませんが、そんな時代で強く育ったともいえるかもしれません。

学校や登下校など安全性も考えないといけません。
地震などの天災、交通事故や変質者による人災などこれまた、精神と肉体に十分な影響力を示すでしょう。

運動環境は、機会、スペース、友人なども関わってきます。
体質改善、運動環境、体力、筋力
住んでいる地域によって盛んな運動があることも、友人がやっているので一緒に始めるなどの動機があるでしょう。
行っている運動によって使用する神経や筋肉に差があるのは言うまでもありません。
運動神経の良し悪しは、シナプスと神経のつなぎ方がスムーズかどうかで決まるようです。
サッカーをしていれば、足と脳のつながりが発達し、バレーボールをしていれば、手と脳のつながりが発達するでしょう。
野球やゴルフをしている人は、突然エアー素振りをし始める人がいます。
あれはまさに運動環境が作り出した賜物です。
利き手や利き足などに差が起こり、怪我などを作る機会も増えてきます。
良い意味でのストレスと怪我や後遺症などのストレスが考えられます。

医療環境は・・・身近に病院があるか、病院に通う習慣があるのか、病気や怪我をよくするか、健康への関心が高いかなど個人差が多い気がします。
体質改善、医療環境、病気、健康
小さいころは親が面倒をみてくれるので、健康は親任せでした。
親が子供の健康を守っているのです。
大人になると、病院へは自分で探し、通院するかしないか判断しなくてはなりません。
頭痛や腰痛などの痛みは薬局の痛み止めで止めてしまうかもしれません。
大きな病気が潜んでいるかもしれない場合は怖いですね。
人間ドックや健康診断もまたするかどうかは人それぞれですし。
患った病気が慢性化することも、古傷になることもあるでしょう。 これもまた体質の一部となってきますね。

人間関係って、両親、兄弟、友人、知人など近いところから遠いところまでたくさんいます。
体質改善、人間関係、性格形成、トラウマ
無人島にでも住んでいない限り、人と関わらないという選択肢はありません。
自分の考えに近い人、同じような境遇の人、少しだけ共感できる、共通の趣味がある、同級生、同じ職場など関わり方は色々ですね。
同じ趣味を共有したり、知らなかったことを知るきっかけになったり、楽しいこと、うれしいことを共有することもあるでしょう。
悪いことを共有する、つらいことを押し付けられるなど悪い面もありますね。
これもまた自分たちの生き方に関わることですので、性格形成、体質形成に関わっていくことでしょう。

こうやって考えてみると体質の奥深さを感じませんか?
成長の過程すべてに体質形成チャンスがあり、また自分で作り出すものと、周りから作られるものがあります。

ここまで複雑だと家族でも同じ体質の人を見つけるのは難しそうです。

さて、ここから具体的に不妊と体質について考えていきます。
遺伝的な体質、つまり全身の中で生まれながらに子宮、卵巣、ホルモン分泌臓器が弱い人がいることは考えられます。
最近ニュースにもなっていた、生まれながらにして子宮がない人もいますが、少し構造的に、機能的に弱い方もいます。
「子宮移植」とは?
私のところにも来院されますが、「早発閉経」の方もそういったケースなのではないでしょうか。

後天的な体質は、時間をかけて、いろいろな出来事を受けて培っていくものです。
まさに人生そのものですね。
女性アスリートで聞く話ですが、大会と月経が重なるといけないから、「生理を止めた」とか、一般的な女性でも温泉に行くから「生理を止めた」とか聞きます。
1回だけのことだとは考えられないので、定期的に月経を止めるのでしょうね。
当院に来院している方で、ピルを飲み過ぎて「子宮が小さくなった」という方がいらっしゃいます。
これはもはや退化しているとしか考えられません。
以前に紹介した、女性ホルモンに影響を与える「外来性女性ホルモン」もまた口から毎日、少量ずつ入り、それが積み重なることで子宮や卵巣、乳腺などに影響を与えます。
さらにホルモン分泌異常へと導くでしょう。
ストレスも同様ですね。
あまりにも大きなストレスでホルモンバランスが崩れるケース、小さなストレスの積み重ねでホルモンバランスが崩れるケースがあるでしょう。
これではいざ妊娠しようにも、良い結果が出ないかもしれません。
ミトコンドリアと卵子の関係で、ミトコンドリアの活性が低い人がいます。
昨日今日ではなく、中長期的に日々の活動量が少ない、そして栄養のバランスが悪い人なのでしょう。
これもまた日々の積み重ね。

あげればどれもが、妊娠の足かせになるだろうということは想像できます。
しかも厄介なのは、生まれつきの個体差と日々の生活スタイルが千差万別であること、妊娠をしようとするタイミングがみんな違うことですね。
さらに、ご主人の状態も加わるわけですので、明確な解結方法を見出すのがあまりにも難しいのです。

妊娠のメカニズムはわかっているようでわかっていない。
体外受精の成功率を30%だとすると、偶然性を含めて、解明できていることは30%と解釈できる。
残りの70%以上は不明瞭ということになります。

つまり、これをすると不妊になるという絶対的な原因がない(原因かどうかも分からない)。

これをすると妊娠するという素晴らしい魔法のようなものもない。

不明瞭な70%を限りなく少なくすることが、妊娠率アップの秘訣であり、そのために日々培ってきた後天的な体質を改め、修復する必要があります。

一朝一夕では改善することが難しいですが、ある程度の期間(約半年)徹底的に行うことで必ずや体質改善はできます。

ちなみに一朝一夕という言葉は、東洋医学の重要な書物である「易経」にある言葉だとか・・・。

体質改善の重要性を少しはわかっていただけたでしょうか?

体質改善には、体質を知ることから始めましょう!!!

私たちは皆様の体質をしっかり把握し、そのうえで体質改善のアドバイスと鍼灸を行っていきます!!!

ご興味のある方はぜひご相談ください。
銀のすず
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成功率が低すぎる!日本の不妊治療の残念な実態

以下は東洋経済オンラインで掲載されている記事の抜粋です。

■生殖補助医療の実施件数は多いのに…

意外と知られていない事実がある。日本では生殖補助医療の実施件数が多いにもかかわらず、出産率が低いのだ。

世界各国の生殖補助医療の実施状況をモニタリングしている組織「国際生殖補助医療監視委員会」が実施した調査では、日本の生殖補助医療の実施件数は60カ国中、第1位だったにもかかわらず、出産率は最下位の6.2%というショッキングな結果が出ている。

つまり日本は国際的に見ると、不妊治療が世界でいちばん行われているにもかかわらず「いちばん出産できない国」ということになる。

いったい、なぜそうなってしまうのか。不妊治療に踏み切る前に、ぜひ知っておいてほしいことがいくつかある。

■あまり触れられない「顕微授精」のリスク
ひとつは「顕微授精」のリスクだ。

不妊治療に用いられる生殖補助医療技術には、大きく分けて「体外受精」と「顕微授精」がある。

体外受精とは「体外に取り出した卵子に精子をふりかけて、精子の自力で卵子に侵入して受精させるための環境を整え、培養液内で受精させてから子宮に戻す技術」のことをいう。

一方、顕微授精とは「体外に取り出した卵子に顕微鏡をのぞいて極細のガラス針で1匹の精子を人間の手で人為的に穿刺注入して、人工的に授精させてから子宮に戻す技術」である。ここに自然に受精させる体外受精と、人工的な手を必要とする顕微授精には根本的な違いがある。

現在、不妊治療の8割を占めるのは、顕微鏡下で卵子にガラス針を刺して、精子を注入する「顕微授精」と呼ばれているものだ。針を刺すことによって卵子に傷がつくのだが、あくまでも問題はなく、安全だといわれている。しかし、卵子に針で穴を開けるのだ。本当に大丈夫なのかという単純な疑問が頭をよぎる。そこで不妊治療についての参考文献を調べてみると、ある海外のニュースにたどり着いた。

「顕微授精に代表される不妊治療だが、その不妊治療による妊娠で生まれた子は、自然妊娠で生まれた子に比べ、自閉症スペクトラムになるリスクが2倍になる」
このショッキングな記事は、米疾病対策センター(Centers for disease Control and Prevention:CDC)に所管・公表された大規模疫学調査による記事であった。

この調査結果は、1997年から2007年にかけて、カリフォルニア州で出生した590万例の小児に関するデータを基に分析した数字だ。筆者が知るかぎり、この報告に関しては日本ではまったく報道されていない。筆者が調査・取材した日本の不妊クリニックの多くのケースでは、不妊治療に関するリスクの説明はほとんどなされておらず、「顕微授精は安全・安心である」と患者に伝えていたのだ。

「卵子の老化」を原因にされることが多いが…
臨床精子学研究の第一人者でもある黒田優佳子医師(黒田インターナショナル メディカル リプロダクション)は、「欧米では顕微授精によって生まれた子どもには、自然に妊娠して誕生した子どもに比べて、先天性異常の発症率が高い傾向があることが多数報告されている」と言う。

■「精子の質」を判断できないクリニックがある
詳しくは『本当は怖い不妊治療』にも書いたが、日本の場合、不妊クリニックによっても異なるが、体外受精や顕微授精の生殖補助医療の費用は、1回につき約20万〜100万円かかる。
国際的に見れば、もっと高額の国もあるし、逆に国側が全額を支給する場合もあるが、費用の面から見ると、誰でも受けられるものではない。
しかし、筆者が取材した20〜50代の夫婦のなかには、9つの専門クリニックを回り、トータルで5000万円もかけて治療をしたが、それでも子どもを授かることができなかったというケースもあった。

ある夫婦が語る。
「前に通っていた不妊クリニックで『精子は大丈夫です。運動率、数ともに完璧です。受精しない原因としては、加齢に伴う卵子と子宮の劣化、いわゆる“老化卵子”だから』と指摘され、顕微授精をしないと受精しませんよと言われました」(40代の夫婦)

ちなみに「老化卵子」とは、加齢により卵子の質と量が低下することである。
具体的にいえば、年齢とともに卵巣組織単位重量あたりの「原始卵包(将来成熟した卵子に成長する可能性を備えた未成熟な卵子をひとつ入れている袋)」の数が急速に減ることだ。
筆者の取材では、不妊クリニックに行くと、女性側に問題があり、「卵子の老化」を原因にされることが非常に多い。

しかし、黒田医師は「不妊の40〜50%は精子の“質”で決まります」と言う。
先の40代の夫婦に関しても黒田医師が診断してみると、夫の精子は「先天性先体欠損の精子」であり、精子に問題があったことが判明した。全体の90%以上に「精子頭部空胞」も認められ、異常な頭部構造を持っている精子だったのだ。
言葉にすると少々専門的で難しいが、「先体欠損」とは卵子に入り込もうとする精子の先体が欠損しているということだ。

つまり、前に通院していた不妊クリニックで「精子の運動率と数と共に完璧」と言われたとおり、見た目の精子は数や運動率はいいのだが、不妊に40〜50%も影響を与える精子の質までは診断できていなかったことになる。

この事例のように、見た目では精子は正常であり、卵子のほうに問題があると言われるケースは多い。そして不妊の真の原因が解明されないまま、何度も顕微授精が繰り返され、結果、妊娠に至らない。
これが、日本の不妊治療による出産率が低くなる1つの要因ではないだろうか。

不妊治療はブーム的に急速に広まっており、2008年時点の日本産科婦人科学会のデータによると、不妊治療患者は約120万組いるとされているが、現在ではさらに増加し、驚くべき数字になっていると思われる。

心身にも金銭的にも負担の大きい不妊治療。「みんなやっているから」「一刻でも早く」と突き進む前に、もっと現実を調べるのがよいのではないだろうか。 

■全文成功率が低い、不妊治療(草薙 厚子:東洋経済ONLINE)



不妊とは

日本産科婦人科学会の声明
「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊という。その一定期間については1年というのが一般的である。なお、妊娠のために医学的介入が必要な場合は期間を問わない。」(日本産科婦人科学会 生殖・内分泌委員会生殖医療リスクマネージメント小委員会)



2015年までは2年と定義されていましたが、1年となりました。
晩婚化が進み、高齢出産が増えている現代において、不妊の定義が1年になったというのは、必然的なもののように思えます。
現在、6組の夫婦のうち1組は不妊症として悩んでおり、不妊症は決してめずらしい事ではなく、もっと身近に迫った問題となっています。

日本産科婦人科学会


最近聞く話では全国で子供が欲しい女性は500万人いるといわれています。
出生数が90万人を切ったという話ですので、人口減少は免れません。
確か私が生まれた年は出生数130万人ぐらいだったので40万人も少なくなりました。
40万人は品川区、岐阜市、豊中市の人口に匹敵します。
毎年、大きい市区町村の人口が減るということですね。
これは由々しき問題です。
妊娠を望む500万人が妊娠し、出産すれば少子化対策が解消されるのですが・・・。

不妊治療の一番の問題は『お金』でしょう。
一度の採卵で30〜100万円ほど
一度の移植で15万円ほど
その他、検査費用などを考えると莫大な費用が掛かります。
この金額を1回だけ支払うというのであれば何とか捻出することはできるかもしれませんが、数回となると難しいと言わざるを得ません。
私自身、不妊治療を経験し、採卵4回、移植2回をしました。
約400万円ほどを短期間で支払うことになりました。
とても大変だったのを覚えています。
残念ながら健康保険は人工授精までしか適応されていません。
体外受精も健康保険の適応になれば、多くの方が不妊治療をし、結果最高の少子化対策に繋がるはずです。
今、子供を増やさないと20年後は大変なことになるということを今の政治家は理解していないのか、それとも興味がないのか?
どうか不妊治療費の補助が手厚くなることを望みます。



健康なカップルが妊娠する確率は決して高くない!

体質改善、妊娠率、受精率、流産

健康で特に問題もないカップルの1周期あたりの妊娠率が20%程度であるといわれています。
病気もなく、体調もよいカップルがぴったりのタイミングでセックスをしても、5組に1組しか妊娠しないという計算です。
同じ哺乳類の生物でも、ネズミはほぼ100%で妊娠するそうです。
ネズミと比較するのはおかしいかもしれませんが、人間は決して妊娠しやすい生物ではないということになります。

そもそも、健康な男女であっても精子や卵子にはある一定の確率で染色体異常があるといわれています。
精子と卵子が出会えたとしても、どちらかに染色体異常があれば正常な受精はできません。
もし受精しても、染色体異常を持つ受精卵は着床しなかったり流産となり、出産までいくことはできないのです。

卵子は排卵されてからゆっくりと進み、卵管の太いところ(卵管膨大部)に向かいます。
膣内に射精された精子は自らの尻尾で子宮内、卵管に入り、膨大部に向かいます。
射精された場所から卵管膨大部まで約6qほどの距離があるのだとか(精子の大きさが170pだとして)。
時間にして約30分。
精子にとって子宮内や卵管内はとても広く、わずか0.1oの卵子を求めて、精子は旅に出るのです。

精子には目があるわけでもないし、考える脳もありませんので、放たれた精子は真逆に行く精子もあれば、壁に激突する精子もあるでしょう。
さらに、膣から子宮内に入るには膣や子宮の酸性の壁を乗り越えなくてはなりません。
膣や子宮は感染症から身を守るために乳酸菌(デーデルライン桿菌)によって酸性に保たれているのです。
精子自体も自らの周囲をアルカリ性の粘膜で多い、身を守っているのですが、1%程度が子宮内に入り込むことができます。
1億の1%は100万ですね。
大きな犠牲を払いながら、100万の精子が子宮内に入り、そして卵管を目指します。
不妊針灸、卵子、体質改善、精子

排卵のタイミングには子宮内の酸度が低下し、さらに粘液の粘り気も減り、精子は進みやすくなります。
そして結果的に卵管膨大部に到達できる精子は数百になるのです。
1億が数百って、0.0001%となり、ありえない確率ということです。
※ちなみに精子を卵子のいる場所へと誘導する誘因物質が存在するといわれていますが詳細は不明だそうです。

妊娠するということには、
『よい精子とよい卵子』が『確実に出会う』ことが大切で、”偶然性が少なからず影響”しているということです。
妊娠・出産はたくさんの偶然が重なった奇跡的な出来事なのですね。

流産をした場合、「染色体異常があった」というのは結果論であって、避けようがありません。
卵子や精子の運命は3〜5ヶ月前にある程度決まっているといわれています。
日々の生活スタイルが卵子や精子の染色体に影響していると考えるのが一般的でしょう。
よって不妊治療に取り組むには、日常生活を改めていく必要がある!ということを理解することが大切です。
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不妊と年齢の切っても切れない関係!

高齢化社会といわれてずいぶん経ちますが、高齢化の波は”妊娠”まで迫ってきました。
晩婚化や高齢出産など、年齢に関わることが現在の不妊問題にとても影響を与えていると言わざるをえません。


年齢と不妊の関係を理解するために、まず卵子について理解しなくては!
まずは大原則です。
女性は生まれたときには卵巣内に一生分の卵子の元がすでに存在し、新たにつくられることはありません。
よって加齢とともに卵子は少なくなっていきます。
そして肉体同様、加齢によって老いていきます。
もちろん、個体差があるので同じ年齢でも違いがみられます。

体外受精、精索静脈瘤、人工受精、体質改善
妊孕性・・・妊娠のしやすさ。
よくわからない漠然とした言葉ですが、妊孕性を判断する明確な材料があればよいのですが、ありません。

さて、生まれたときに卵子の数が決まっているので、女性は思春期になったら知識として知っておきたいところですが、教わることもなく、調べることもなく、大人になります。
日本の性教育の遅れが現在の少子化や不妊の現状に影響を与えている一つの要因になっているように思えます。


卵子の数の推移は上のグラフをご覧いただけると一目瞭然ですね。

・誕生時、200万個
・初潮時、20万個
・その後1周期に1000個(一日30から40個)

相当な数が年齢とともに減っていくということがお分かりいただけるでしょう。
また数だけでなく、老化もするので質も低下してしまいます。

現在の医療では、老化した肉体を若々しくすることはできません。
それは卵子とて同じです。


できるだけ早く、不妊治療に着手する必要があるのです。
AMH(抗ミュラー管ホルモン)を測って、間接的に卵子の残存数を知る方法があります。
発育をしている卵胞から分泌されているホルモンです。
発育している卵胞がなければ分泌されないので、卵子の数を表すのです。
ということは、年齢とともに下がってくるのは誰でも同じです。
ただし、AMHは「数」であって、「質」ではありません。
低い=質ではありませんので、妊娠する可能性はあります。
そして、AMHが高いというのもちょっと考えものです。
いわゆる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)という、卵巣に小さな卵胞が連なって詰まり、排卵に障害をきたす病気が疑われます。
多嚢胞性卵巣症候群は、遺伝性があると言われていますが、それ以外にも男性ホルモンが高い、LHが高い、月経不順、インスリンが効きにくいなどの特徴があります。
1周期にたくさんの卵胞ができてしまうので、多胎のリスクであったり、場合によっては質の良くない卵子、卵子のない空っぽのケースもあるようです。
卵胞がたくさんある場合は、この多嚢胞性卵巣症候群を疑うことになります。

妊娠には、年齢が深く関わってくることがお分かりいただけたと思います。
減ってしまった卵子を増やすことは無理です。
ただ、質を上げていくことは可能です。

所詮、卵巣は血液によって栄養され、ホルモンは血液を巡って目的地へ向かいます。
よって、血流を改善することがとても大切というか、それしか方法がないといったほうがいいかもしれないレベルです。
「下手な鉄砲も数撃てば当たる」ではなく、少数精鋭で実践していくために日々の体質改善に力を入れていきましょう。



妊娠するにはセックスをしよう!

不妊治療を行うカップルでも、セックスの数が多いほうが妊娠率が高い!
という研究発表があります。
さすがに毎日とまではいきませんが、ストレスのない範囲で週に2回程度のセックスがよいのかもしれません。
セックス中は女性ホルモンも男性ホルモンも高まりますので、ホルモンバランスを見直すには重要な時間といえます。
不妊治療は不妊治療として、セックスはセックスとして取り入れてみてはいかがでしょうか?
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しかし、不妊治療経験者としての意見ですが、とても大変だったという意見も言っておきます。
男性と女性の性欲の話があります。
男性は10代、20代、50代に性欲が強く、女性は30代、40代に性欲が強いといいます。
実際、男性としての意見では、50代ではないので不明ですが、10代、20代は強く、30代、40代は確かに弱い・・・と納得してしまいます。
女性に至っては、子供を適齢期ということもあり、性欲が高まるのは自然な流れだと思います。

30代、40代の男性は、仕事のほうへやる気が向いてしまうためではないかという意見があります。
年齢的に中間管理職であったり、日々の生活中に抱えるものが多くなってきて、疲れ果て、セックスレスになるという話もあります。
そう・・・原因はストレスと疲労の可能性が高い。
当院も妊活中のセックスについては実践することをお勧めしますが、それがかえって夫婦の歪を生んでしまっては意味がありません。
現在、男性の精子数がどんどん減ってきています。
精子数の基準値(みんなの平均値)も下がってきています。
結果、男性ホルモンが低くなっているのでしょう。
周りを見渡すと、たくましい男性が減っているようにも思えます。
毛深く、筋肉質で、ギラギラしている男性が少ないです。
今は毛の薄い、体の細い草食系男子が多くいますね。
きっと男性ホルモンが少ないのでしょう。
そうなると10代、20代の性欲も減り、妊娠からどんどん遠ざかってしまうでしょう。

ではどうしたらセックスの回数を増やすことができるのでしょうか?
バイアグラを飲む、マムシやすっぽんなどの滋養強壮のあるものを摂る、筋トレして男性ホルモンを増やす・・・。
正直、これが性欲につながればよいのですが、そう簡単な話ではありません。
セックスをするには男性の力がどうしても必要です。
しかし、男性の不妊治療は進んでいません。
特に勃起不全は精神的なものも含んでいるのでカウンセリングが精一杯です。
誰か、はやくインポテンツを改善できる治療を確立してください!!!と願うばかりです。

ちなみに以前は頻繁のセックスで精子の数が減ってしまうと考えられていましたが、毎日作られるので問題ありません。
精子の少ない人、運動率の悪い人は適度に射精したほうが精子の質がアップするという報告もあります。
5日以上の禁欲は精子に影響が出るそうですのでご注意ください。

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太り過ぎはホルモンバランスを悪化させ妊娠しにくくなる!

脂肪と女性ホルモンは親和性が高く、脂肪内に女性ホルモンを蓄積してしまいます。
脂肪内に女性ホルモンが蓄積されることで血中ホルモン量が少なくなるため、ホルモン分泌が増加し、体内のホルモンバランスが悪くなります。
女性ホルモンなどの性ホルモンの原料はコレステロールです。 減量、エストロゲン、男性ホルモン、甲状腺、体質改善

人間の場合、コレステロールの管理は肝臓が行っています。 コレステロールには食事由来と肝臓由来に分けられますが、食事由来も肝臓に入ってきます。 このバランス2:8ぐらいですが、食事由来が多い場合はこの比率が変わり、バランスを取ります。 減量、エストロゲン、男性ホルモン、甲状腺、体質改善

実際は、コレステロールは脂質ではなく、動物性たんぱくの中にあるステロールやアルコールの一種です。
コレステロールは誤解の多い物質ですね!
・コレステロールは性ホルモンの材料
・60兆個の細胞の細胞膜の構成成分
・胆汁酸の材料として、脂肪分や脂溶性ビタミンの消化・吸収を促進
・ビタミンDとなりカルシウムの吸収を促進
という働きがあるんです。
不妊に関して言えば、コレステロールの少ない人は女性ホルモンが作りにくいということです。

男性についても、太り過ぎは高血圧や糖尿病などの原因となり精子の状態を悪くすることがわかっています。
しかも自分の腹の肉で精子を温めてしまう恐れもありますのでやはり痩せたほうがいいでしょうね。
男女ともに太り過ぎの場合は、ダイエットをしたほうが妊娠しやすいといわれています。

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ダイエットも良いのですが、太っているということに何か理由があるかもしれません。
例えば、甲状腺機能低下症などのホルモン異常ということも考えられます。
体外受精をしている方は、きっと甲状腺の検査をしていると思うので何らかの処置がされているとは思いますが、タイミングや人工授精の方は先に検査しても良いかもしれません。

肥満の場合は、ファスティング、糖質制限などを試みてもよいかもしれません。
ただし、気を付けなくてはならないのは、必要な栄養はしっかり摂ることです。
この時期にも卵子や精子は着々と成長を続けていることを忘れてはなりません。
減量を意識するあまり必要な栄養が卵子や精子に届かなくなってしまっては元も子もありません。
また、卵子や精子だけでなく全身の細胞が生きていていること、それらの細胞の活動量アップが減量には必要だということも忘れてはなりません。
食べないで痩せるとリバウンドの原因になりますから。
また、運動だけで痩せようと思っても筋肉内に脂肪が取り込まれ、霜降り肉になり、巨大となりますのでそれも微妙です。
太っていて負荷の大きな運動をしている方の身体は正直、あまりきれいには見えません。

ちなみに、高度生殖医療で使用するホルモン剤は腰周りに脂肪を蓄えやすいので、スタイルアップを目的としたダイエットはちょっと難しいかもしれません・・・。
ダイエット、エストロゲン、ホルモンバランス、体質改善



痩せ過ぎもホルモンバランスを悪化させ妊娠しにくくなる!

ホルモンは構造的に3種類に分けられます。
タンパク質由来のペプチドホルモン、アミノ酸から酵素作用に作られたアミノ酸誘導ホルモン、脂肪由来のステロイドホルモンです。
女性ホルモンであるエストロゲン(E2)、プロゲステロン(P4)はステロイドホルモンです。
卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)はペプチドホルモンです。

やせ型の女性は、体内にステロイドホルモンの材料となる脂肪が少ないため、ホルモン分泌の減少が起こる可能性があります。
また、脂肪という効率の良いエネルギーがないため、タンパク質を消耗してエネルギーを作っていることで、卵巣や子宮、卵子など生殖に関わる細胞の構成にも問題が生じる可能性があります。

さらに日々の食事で糖質を多くとっているかもしれません。
そうなるとまた体に良くない影響が起こります。

ホルモン分泌のことを考えて、良質な脂質を摂るように心がけましょう。

遺残卵胞、体質改善、黄体機能不全



喫煙は妊娠しにくくし、流産率を高める!

タバコを吸う人は、吸わない人に比べて不妊症になるリスクが高く、流産や子宮外妊娠のリスクも高くなります。
妊娠中の喫煙は低出生体重児や早産を招きやすいことがわかっています。
喫煙は栄養の吸収の妨げになることも知られ、また一酸化炭素の取り込みにより酸欠となり細胞の活性化が阻害されます。
血液中にはヘモグロビンという物質があり、酸素と結合して全身に酸素を届ける働きをしています。
一酸化炭素は酸素に比べて1000倍早くヘモグロビンと結合することがわかっています。
つまり、呼吸による酸素と、たばこによる一酸化炭素が同時に体内に入ってくると、ヘモグロビンは先に一酸化炭素と結合してしまうため、体の中が一酸化炭素でいっぱいになるということです。
この状態では細胞内のエネルギー産生を司るミトコンドリアの活動に支障をきたすため、エネルギー産生できずに全身の細胞レベルの低下も起こる可能性があります。
これでは良質な卵子や精子は作れない可能性があるほか、妊娠しても子宮内の血流不全で流産率が上がりかねません。
さらにニコチンやタールなどの有害物質による発がん性などもあり、タバコは極めて危険度の高いものです。
最近、電子タバコが普及しました。
タバコ販売会社は通常のタバコよりもリスクが少ないと言っていますが果たして真実はどうでしょうか?
タバコの起源は、新大陸アメリカにあると考えられていて、すでに栽培も始まっていたそうです。
マヤ文明の時代、メキシコのアステカ族では、タバコはお祈りの時に神々に捧げる香として、戦争の祈願や予言、占いのときの供物として、病気治療の医薬として用いられていました。
たばこの薬効は、脳充血の予防、切傷、おでき、吹き出物、打撲、虫刺され、角膜症、頭痛、神経痛、血止め、その他 いろいろあるとされていましたが、日本では薬として利用・効果をあげた例はあまりないようです。
世界中に広まったのはコロンブスが新大陸発見の時、 香り高い乾燥した葉=「たばこ」の葉を贈ったときだそうです。
普通、多くの植物は中国大陸を経由して日本に入ってきます。
この煙草に関しては江戸時代に日本に入り、一人前になったら煙草を吸うという習慣が出来上がり、日本から朝鮮半島に渡ったとされています。

タバコを吸うタイミングは、仕事が終わり、食事が終わりなど、何かを終わる時、つまりオンとオフを切り替える働きがあります。
そしてストレス発散という意味合いもあります。

タバコを肯定するつもりはありません。
特に妊娠を考えている人、妊娠中の人、子供などには絶対に避けるべきものです。
もっとも重要な酸素と二酸化炭素の運搬ができなくなるわけで細胞の活動ができなくなってしまいます。
窒息するようなものです。
がんや肺気腫などはある程度長期的使用になってくるので、タールなどの化学成分の怖さよりもガス交換がうまくいかないほうが妊活には致命的です。
喫煙中の方は夫婦そろって禁煙しましょう。
また喫煙者の近くにはいかないようにしましょう。

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アルコールはダメなわけじゃない!

お酒は適量であればそこまで問題がないといわれています。
医者によっては少量のアルコールならストレス発散に良いとも言っているようです。
何にせよ、適量というのが大切なんだと思いますが・・・。

ただし、アルコールでも避けたほうが良いものもあります。
ダイエットとも関係しますが、糖質を発酵させてできるのがアルコールなので取りすぎは肥満の原因になります。
特に、ビール、発泡酒、日本酒、カクテルなどは糖度が高すぎるので気をつけたいです。
食事中や食後に糖度の高いアルコールを飲むと、急激な血糖値の上昇によりインスリンが過剰に分泌され、脂肪の増加が起こります。
飲むのであれば、糖度の低いウイスキーや赤ワインがよいでしょう。
またアルコールには脱水作用があり、体内から水分を奪っていきます。
すると体内の水分が蒸発してしまい、血液の濃縮が起こりかねません。
水分補給も怠らないようにしたいですね。

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カフェインだってダメなわけじゃない!

との報告があります。
ただし、絶対に摂っちゃだめと言うわけではありません。

カフェインはコーヒーだけでなく紅茶、ウーロン茶、ココア、そして多くの女性が大好きなチョコレートの中にも含まれています。
そのため、すべてを排除するのは難しいと言わざるを得ません。

カフェインには交感神経を高める働きがあり、集中したい時などに適量を取る分には良いこともあります。
毎日3杯ぐらいのコーヒーに含まれているカフェインの量なら問題ないでしょう。
できるだけ飲みたくないというのであれば、水やタンポポコーヒー、麦茶、ルイボスティなどのノンカフェインを選んでもよいでしょう。

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牛乳について

私が小学生の頃は「背が伸びるから飲みなさい」とか「骨が丈夫になるから飲みなさい」という教育を受けてきました。
学校給食でも、ご飯なのに牛乳・・・。って思いながら飲みました。

牛乳内に含まれている乳糖を分解するラクターゼ(酵素)が少ない人が日本人の8割とか。
そのため牛乳を飲むと下痢をしてしまいます。
これでは牛乳がどんなに栄養があったとしても意味がありません。

私も必ず毎日下痢をしていて、小学生の頃悩んでいました。
しかしこれが乳糖不耐性だったということは大人になって初めて知ったのでした。

日本人の多くの人が下痢をしてしまう牛乳ですが、さらに悪いことは乳牛は多くの抗生物質やホルモン剤を食べさせられた牛たちであるということです。
その牛が作った牛乳にも同様に抗生物質やホルモン剤が入っているのです。
この時点で牛乳を飲んだほうが良いか考えなくてはなりません。

また、搾乳された牛乳は工場に運び込まれ、低温殺菌されます。
その際、牛乳に含まれる酵素は壊され、良い菌類たちも壊されます。
さらにほとんどのアミノ酸やタンパク質は変性し、ビタミン、ミネラルも壊されて使えないものとなっています。
カルシウムでさえ、使えないカルシウムになるようです。
変性、破壊されたものは数値上では計測できるかもしれませんが、使えなければ何の意味もありません。
そして熱処理されると乳糖が変化し、β型乳糖となり、血糖値を急激に上げることもわかっています。

まだまだあります。
ホモジナイズ=脂肪球の均一化 という行程があり、これをすると牛乳が酸化するそうです。
最近ではホモジナイズしていない牛乳もあるのでそういった牛乳を選んだほうがいいですね。
判断する方法は、クリームラインができるかどうか。

これらの牛乳は生乳、つまり搾りたての場合は話が変わってきます。
熱処理されていないのでアミノ酸や酵素、ビタミン、善玉菌など体に必要なものがたくさん入っています。
こっちの生乳は素晴らしい!!!
是非飲んでください!!!

最近の研究で、牛のたんぱく質にA1、A2があり、ホルスタイン種の牛乳にはA1があり、ガンジー種にはA2が含まれていることがわかりました。
乳牛に多いのはホルスタイン種ですが、A1のたんぱく質はこれもまた下痢や腹痛の原因になるという研究もあります。
ガンジー種の牛乳に含まれるA2は、研究段階ですが子供の自閉症や統合失調症などに効果がみられるとか・・・。

さあ、皆さん牛乳は体によいのでしょうか?

私の実家では昔、乳牛を育てていました。
その当時は子供だったのであまり気にもしていませんでしたが、本来牧草を食べる牛がとうもろこしや麦などの穀物を食べていたこと、しかも紫色をした不思議なとうもろこしを食べていたのを思い出します。
濃い牛乳を作りたい、大量の牛乳を搾りたいと思うのは酪農家であれば至極当然だと思いますので、仕方ないとは思いますが・・・。
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ピックアップ障害

ピックアップ障害とは、『排卵した卵子を卵管内に取り込むことが出来ないこと』を指します。
本来であれば、排卵された卵子は卵管采と呼ばれる器官に取り上げられて、卵管へと送り出されます。

しかし、この卵管采がうまく機能しないと、卵子を卵管に送り出すことができなくなります。
すると、精子と出会うことが出来ません。

卵管采とは、卵管の先にある部分で、手のひらを広げたような形をしてます。

ピックアップ障害、卵管采、不妊、体外受精

そして、排卵に合わせて卵巣に近づき、卵子を取り込むと考えられています。
ピックアップ障害が起きると、卵子と精子が出会うことが出来ないため不妊症の原因となります。

ピックアップ障害の原因はわかっていませんが、自律神経のバランスが崩れているせいではないかと考えられています。
卵管采は、自分の意志で動かすことはでいないので、自律神経がコントロールしています。

さて、ここで自律神経の話をしなくてはなりません。
誰もが知っている自律神経は、あまりにも複雑すぎて解明はほぼできていません。
もちろん解明できていることはあるんですが、あくまでわかっているのは表面的な部分だけです。

私たちの体の90%はこの自律神経によって支配されています。
ほぼ自律神経といっても過言ではありません。

もし病院で『自律神経失調症』といわれてしまったら、『自分を全否定された』ように感じてしまうのは私だけでしょうか?
そんな自律神経ですが、正確に検査することさえ難しいのです。
以前、病院勤務しているとき、『糖尿病患者の自律神経系とR-R心電図』というテーマで研究していました。
この時、自律神経評価法としてポピュラーだったのがR-R心電図といって、心電図の一番高い山と一番高い山の間を約100拍の時間を測り、その誤差を標準偏差や変動係数で評価するという方法です。
今ではフーリエ変換して評価できる機械もあります。
通常、心拍とは小さな誤差があり、一定ではありません。
しかし、自律神経障害のある糖尿病患者などでは、小さな誤差がなくなり、一定となります。
自律神経障害の評価法として用いられています。
他の自律神経の評価法としては唾液や発汗、脈拍、血圧などを用いて行う方法があります。
がしかし、あとで出てきますが、心臓、唾液、発汗、脈拍、血圧などは全部の自律神経を使っているわけではないので、評価も部分的になってしまうのです。
そこが自律神経の評価の難しさなのですね。


話を戻して自律神経には種類があります。
交感神経
副交感神経
内臓求心性神経

それぞれが拮抗、協力しながら働きます。
生きるために必要な『循環』、『呼吸』、『消化』、『代謝』、『分泌』、『体温維持』、『排泄』、『生殖』を管理しています。
自分で意識できないものすべてを管理しています。

脳、脊髄、自律神経の図を描いてみました。
簡略図にしようとすると書いてみると意外と複雑ですね。

自律神経、交感神経、ピックアップ障害


簡単に言ってしまうと大脳辺縁系、視床下部、脳幹を通った情報が、
・交感神経は、背骨の横(交感神経幹)から出てきて、各種組織に行く
・副交感神経は、脳幹(中脳、橋、延髄)、仙骨(仙髄)から出てきて、各種組織に行く
・内臓求心性神経は、各種組織から背骨の横、頭、仙骨へと入り、脳幹、視床下部、大脳辺縁系へと行く
わけです。
こうして私たちの自律神経は、特に「ホメオスタシス」という一定を保とうとする働きを維持してくれます。
そして自律神経と特に関係の深いものとして「免疫」、「ホルモン」があります。
この3つは「ホメオスタシスの三角」と呼ばれ、常にバランスを取り合い動いています。
ホルモン分泌が悪い、風邪をひきやすいと思ったら自律神経の乱れを考えなくてはいけません。

こんなに複雑な自律神経は、とてもデリケートなんです。
当たり前のことを当たり前にするためのシステムなので、当たり前じゃないことをすると狂うこともあります。
夜寝るのは当たり前ですが、夜更かししたり・・・。
こういった積み重ねが不眠の原因になってしまう場合があります。

では本題のピックアップ障害ですが、自分ではコントロールできないの自律神経の関与があります。

ピックアップ障害の改善策、治療法や、妊娠するには・・・
根本的な治療法はまだ解明されていないため、排卵誘発剤を使って排卵する卵子の数を増やすという改善策があります。
数を増やせば、卵管采が上手く機能していなくても可能性が高まるのでは、と考えられているからです。

また、体外受精も排卵自体が行われているのなら、卵子と精子の出会う環境を人工的に用意してあげれば妊娠することができます。
ピックアップ障害の場合、体外受精を行うとかなりの確率で妊娠できます。

DOST(ドスト)法を用いる場合もあります。
卵子を採取し、精子と一定時間体外で混ぜ合わせた後に子宮内に戻す方法です。
体外受精のように受精卵に培養してから戻すのではなく、出会いの瞬間だけを手伝います。
治療の期間も1日ほどで終わりますし、体外受精に比べて費用が安くなるのが特徴です。
GIFT法もあります。
精子と卵子を合わせて「卵管」に移植する方法です。

自律神経のバランスの崩れによって起きると言われているピックアップ障害ですので、ストレスの解消やリラックスをするということが大切です。
針灸マッサージや整体は自律神経を整える働きがあり、リラックスさせるのでもってこいの方法ですね。
ご相談ください。
銀のすず



サプリは飲む?飲まない?

いまや妊活に欠かせないサプリですが、実際のところはどうなのでしょうか?
葉酸にビタミンB類、鉄、ミトコンドリアなどなど・・・種類も豊富です。
よくある質問ですが「昔の人は飲んでいなかったのに妊娠できたじゃないですか!」といわれることも。
その通りでございます。

昔の人は飲んでいませんでした。

理由はいくつかあります。
1.若くして妊娠していたという事実。
2.食べ物が違ったという事実。

若さはここでは割愛します。
昔の話をしても戻ることはできませんので。

日本は戦後いろいろなことが変わっていきました。
皆さん、ご存知平均寿命ですが、現在は世界トップクラスの長寿国となっていますが、20世紀初めごろは平均寿命30代後半だったのです。
その当時、欧米では平均寿命が50歳を超えていました。
日本の平均寿命が50歳を超えたのは1947年(昭和22年)でした。
欧米に遅れること約半世紀です。
この原因は、発展途上国と同じ、動物性たんぱく質と脂肪の不足であったと考えられています。

1945年、終戦により急激な経済発展が起こり、食生活が豊かになってきました。
米と塩の過剰摂取が改善され、動物性たんぱく質と脂肪の増加により、結核と脳卒中の死亡が減り、1980年(昭和55年)には平均寿命が世界トップとなりました。
このころの食事を欧米化というらしく、今の私たちの食事は欧米化ではありません。

人口増加を見てみると、1947年〜1949年、1971年〜1974年までベビーブームが起こり、爆発的に人口が増えました。
これも戦後から始まったと考えると、やはり生活が豊かになり、食の欧米化があったおかげであるのは事実です。

私の母が1949年(昭和24年)生まれでしたのでベビーブーム真っ只中です。
今まで見たことのないような欧米の食材が並んでいたでしょう。
肉や魚、卵などを今までよりもたくさん食べたことでしょう。
さらにどの家庭も畑で野菜を育て、食べることは従来通りだったでしょう。

その結果、動物性たんぱく質と脂肪の摂取は増加し、ミネラルや食物繊維、ビタミンの摂取はとても優れていたでしょう。
この時点で、葉酸やビタミン、食物繊維の摂取量はクリアされ、腸内環境も良く、栄養の吸収力もよかったでしょう。

こうして、戦後の日本は欧米化により食の安定化が起こり、寿命とともに、健康もある程度は確保した時代でした。

では戦後の当時と現代では一体何が変わっているのでしょうか?
今の食事、食材をみてみると、変なことに気が付くでしょうか?
冷凍食品、簡単な調味料などのレトルト食品、お菓子類などがとても多く普及していることを。
安価で使いやすいというマーガリン、味の素、精製白糖。
さらに自然にはない人工的なものたち、有名なのは石油系で作られるプラスチック製品。
生物が生きてはいけない電子レンジでの調理。
くっつかないテフロン加工のフライパン。
短い時間で成長し、出荷された家畜や魚、そして野菜たち。
遺伝子を組み替えられた(品種改良)された生き物たち。

まだまだ挙げればきりがないほど不思議なものがたくさんあります。

本当に注意しなければなりません。
今ある大部分の食べ物は体に良いとはいえません。

現代の私たちは、量は食べていますが必要なものは食べていない。
そして体に不要なものを多く食べている。
ある意味、栄養失調です。
こういった話をすると必ず言われるのは、『だまされるな!!!』という意見。
よく考えてください。
今はやりのタピオカミルクティ。
これはデンプン(炭水化物)ですし、甘い砂糖まみれのシロップの飲み物です。
こんな飲み物が身体に良いわけがない。
私は気持ちが悪くて飲みませんが、美味しいという味覚の持ち主が信じられません。
糖質、タピオカ、ミルクティ、糖化、酸化、老化

納豆だって、大豆ですら身体に悪いのに、さらに今の納豆は発酵食品ではありません。
よって食べる価値はないどころか避けるべき食べ物です。
そういえば最近、近代マグロのニュースがありました。
正直、あの養殖マグロは気持ち悪くて食べられません。
人工飼料でホルモン剤、抗生剤漬けのマグロをどうして食べようと思うのか?
生産者の想いと消費者の想いは一致してはいないことを理解してください。
生産者は売りたいだけ、消費者の健康のことは気にしていません。
もし気にしていたら『パン』、『タピオカミルクティ』は売れません。
消費者は身体に良くて、美味しい物を探していますが、テレビや雑誌、SNSで著名人が食べているものや紹介しているものを見て動きます。
広告を出している企業が作っている番組なので企業に都合が良い内容で情報発信をしています。
実際に、今世の中にある食品で安全なものなんて、自給自足をしない限り難しいのです。
それが困難だから、まだマシなものを見つけて食べていかなくては行かないということを肝に銘じましょう。
何かを始めるときは衝動的に動かず、1回立ち止まって考えてから動きましょう。
メディアが取り上げているものは手にしないことをお勧めいたします。
水分、タンパク質、脂質は食事で、その他の細かいものはサプリで摂取がいいんじゃないでしょうか。

常に良質なものを食べていればよいのですが、現実としては難しいと思います。
方法としては、サプリを上手に利用するしかないと考えています。

品質とコスパのよいサプリを選びましょう。

ナイアシン、葉酸、ビタミンE、不妊

ちなみに私は国内のサプリは購入しません。
もっと高品質で安いものがたくさんありますので!
ご興味のある方はぜひご相談ください。

銀のすず



女性生殖器の構造と機能を知ろう!

妊娠に直接的に関わっている器官は、卵巣、卵管、子宮です。
生まれる前から卵子を保管し、排卵に向けて成育する卵巣。
精子を迎え入れる子宮とその外側にある腟、精子や受精卵の通り道となる卵管。
卵管の端にある卵管采は卵巣から排卵された卵子を取り込みます(ピックアップ)。
子宮には受精卵が着床して、胎児を育てます。

子宮、卵巣、卵子、卵管、不妊

月経についてもしっかり理解しなくてはなりません。
いわゆる「生理周期」には、卵巣周期と子宮周期の2つがあります。
「卵巣周期」には卵胞期・排卵期・黄体期があり、「子宮周期」には増殖期と分泌期、月経期があります。
この2つの周期をあわせて、私たちは生理周期、もしくは月経周期といいます。

詳しくは下の章で書きます。
一般的には2つの周期は関係性を持って活動していますが、何らかの影響で生理がないけど排卵している、生理があるけど排卵していないということがあります。
妊活中の方にとって基礎体温をつけるのは常識ですが、そもそも基礎体温が何を意味しているのか知っておく必要があります。

月経周期、体質改善、卵巣、卵子、卵管、不妊

女性の月経には低温期と高温期があります。
これがどういった意味を持っているか考える必要があります。

なぜ、低温期と高温期が存在するのでしょうか?
その理由はわかりませんが、低温と高温ですので、様子が異なるということはわかります。
女性の体温が時期によって差がなくてはならないので、皆さんはそれを阻害してはいけないのです。

低温期は、月経に始まり、排卵直前までの期間を言います。
高温期は、排卵から月経が始まるまでの期間を言います。
妊娠をすると排卵から10か月間もの間、高温期となります。


このリズムを正し、しっかり低温と高温が維持できるように生活を送る必要があります。 こちらも参考にしてください。
月経周期について
低温期と高温期をしっかり把握するためには、基礎体温を測定してみるとよいでしょう。



男性生殖器の構造と機能を知ろう!

男性の生殖器は、陰茎、亀頭、海綿体、尿道球腺、前立腺、精管、精巣上体、精巣、陰嚢に分類できます。
これらの男性生殖器は、精子を作って体外に排泄すること、男性ホルモンを作ることを目的としています。
勃起や射精のメカニズムについても理解しておく必要があります。
なぜなら男性不妊の一つである勃起障害は大変なストレスとなり、結果として精子の質を悪化させ得るからです。

精子、精索静脈瘤、体質改善、睾丸、精子の質

ではまず勃起について。
海綿体は細い糸のような血管が無数に集まったスポンジ状の構造で、周りを「白膜」が覆っています。
非勃起時には陰茎海綿体につながる血管や平滑筋は収縮した状態で、血液が中に押し寄せることはできません。
おもに毛細血管を通して、海綿体組織に栄養や酸素を運ぶだけにとどまっています。

性的刺激を受けると、まず脳の中枢神経が興奮し、その情報が脊髄神経を通って陰茎へと伝わります。すると体内では一酸化窒素が放出されます。これが勃起の始まりです。
一酸化窒素が放出されると、勃起に深く関わる陰茎深動脈と螺行動脈がゆるみ始めます。
さらに海綿体の平滑筋も弛緩することにより、多量の血液を受け入れる準備が整います。そして一気に海綿体へと血が流れ込み、血液の圧力によって海綿体は硬くなります。これが勃起という現象です。
一度勃起すると、海綿体を覆う白膜がパンパンに膨れた状態となり、静脈が圧迫されます。これによって陰茎の内圧が上がり、一度流れ込んだ血液が簡単に出て行くことなく、勃起が維持されます。
勃起は副交感神経によってコントロールされているので、リラックス状態でなければなりません。緊張していると勃起状態を作ることはできないのです。

続いて射精について。
射精は交感神経によってコントロールされ、腰椎にある射精中枢から指令が発せられることにより起こります。
射精は主に亀頭冠への刺激によって誘発されますが、刺激の強さよりも一定量の刺激が継続的に蓄積することが必要条件で、刺激の総量がある限界値を超えると腰椎から生殖器を取り巻く筋肉群へ射精指令が発せられます。
一度射精指令が発せられると、あとは射精へ向かって一気に突進していくため、もはや自分の意思で止めることは不可能になります。射精のメカニズムが発動してもう後戻りできなくなる時点のことを不帰点と呼びます。
精子、東京、精索静脈瘤、睾丸、精子の質

次は精子について。
精子は精祖細胞、精母細胞、精娘細胞、精細胞(精子細胞)、精子へと分化成熟します。
この過程に約3か月の期間を要します。
1日に精巣で作られる精子の数は健常成人男性で約2憶ほどで、日々絶え間なく産生されており、精嚢の精液のストックはおよそ3日で一杯となります。
禁欲期間が長くなると精子の質(運動率、奇形率)が低くなることがわかっています。
なので3日に一度は精子を体外へ出し、常に新鮮な精子を溜めておく環境づくりも必要です。
一回の射精では通常1億〜4億程です。
精子は遺伝情報である核DNAを含有する頭部、ミトコンドリアの集合した中片部、さらに中心小体から伸びた軸糸からなる尾部から構成されています。
尾部はエネルギーを取り出す働きをするミトコンドリアを多く含み、これが精子の運動の原動力となり、軸糸を動かし卵子に向かって進みます。いわゆる運動率です。
運動率を上げるためにも、日々の生活の中でミトコンドリアを活性化してあげることが大切です。
精巣の働きは34度以上の温度に弱く、これが睾丸が体幹から離れてぶら下がっている理由です。
また、自転車やバイクに乗ると陰茎や精巣がサドル部分に圧迫されることがあります。
精巣が圧迫されることで熱がこもり、精子を作る機能に影響を及ぼす可能性が高いという研究結果もあります。
精子の女性の体内での寿命は約72時間(約3日)と言われてます。
もちろん個人差はあるので72時間より短かったり、長かったりもします。



妊娠に関わるホルモンについて知ろう!

妊娠するための排卵と月経のサイクルは、分泌されたさまざまなホルモンが、血流に乗り、それぞれの器官に働きかけることで起こります。 ホルモンはそれが、栄養になるのではなく、あくまで刺激となって作用するのです。

どのホルモンが、どの器官に、どのような働きかけをしているのかを理解しておきましょう。

体質改善、子宮、卵巣、卵子、卵管、不妊

月経時には、脳の視床下部から下垂体に卵胞刺激ホルモン(FSH)を分泌するように働きかけます。
 指令を受けた下垂体はFSHを分泌し、卵巣に卵胞を成熟させるように促します。
FSHに刺激された卵胞は成熟に伴って、エストロゲン(E2)を分泌します。
エストロゲンによって子宮内膜が厚くなり、頸管粘液が分泌されるようになります。
卵胞が大きくなってエストロゲンの分泌が十分な量になると、それを察知した視床下部は下垂体に黄体化ホルモン(LH)を大量に分泌させ(LHサージ)、卵巣に排卵するよう促します。
LHサージを受けて、排卵が起こります。
排卵後の卵胞は黄体に変化し、黄体からプロゲステロン(P4)とエストロゲンが分泌されます。これらのホルモンの働きで子宮内膜はより厚さを増し、受精卵が着床しやすい環境を整えます。

エストロゲンやプロゲステロン、男性のテストステロンは性ホルモンといわれ、ホルモンの分類では「ステロイドホルモン」に分類されます。
ステロイドホルモンは脂肪、コレステロールからできているのをご存知でしょうか?
エストロゲン、E2、卵子、コレステロール
コレステロールと言うと悪者みたいに扱う方がいますが、そんなことはありません。
もちろん、質の悪い油や糖質から作られる油は体にとって害でしかありませんが、良質な油から作られたコレステロールはとても重要な成分です。
最近流行の「亜麻仁油、オリーブオイル、ココナッツオイル」は積極的に摂ったほうが良い油です。
またバターも体に良いので食べましょう。
反対に、マーガリンや植物由来のホイップ、ショートニングなどは食べてはいけません。
肉の油に関して言うと、霜降り肉などは避けるべきです。
動物が食べている餌に注意して選ぶと良いでしょう。
本来、牛などの家畜は草食です。
これは別のところでも書こうとは思いますが、牛の胃腸は長く、そこに住む腸内細菌が草を食べ、増殖し、その増殖した菌を牛が吸収して栄養を摂っています。
なので、牛などの草食動物は結果的には肉食(菌を食べる)だと言えます。
間接的に菌を食べているはずなのですが、穀物などが入ってくると直接栄養素を取り込むことになるため、積極的に体内に取り込まれてしまいます。
私たちと同様、うまいものを食べてしまうとクセになり、また食べたくなってしまいます。
いわゆる中毒のように・・・。
牛にビール、豚にクッキーを与える農家がいますが、当たり前ですがほろ酔いになり、甘いクッキーを一度口にしたら最後ですね。
グラスフェッド(牧草)で育った家畜とグレイン(穀物)で育った家畜では脂が違います。
できるだけ、牧草など本来の食べ物で育った家畜を口にしたいですね。
家畜が飼育される過程で与えられた餌には抗生物質やホルモン剤が使用されています。
結果、肉や脂身にはホルモンが蓄積され、それを私たち人間が食するので、食物連鎖で私たちにも影響を及ぼします。
外部から入ってくるホルモンは「内分泌かく乱物質」といわれ、危険視されています。
環境ホルモンの参照



不妊の原因について!

妊娠を考える時には、一度は病院での検査が必要です。
原因が分かれば、対処できる可能性がありますから。
まだまだ解明されていないことの多い生殖医療ですが、代表的なものをご紹介します。
ここで注意してほしいのは、「原因」というのはすなわち「結果」だということ。
本当の意味での原因は何も分かっていないのだということをご理解ください。

不妊症の原因
1.特に原因なし
2.セックスレス
3.排卵障害
 @ 多嚢性卵巣症候群(PCOS)
 A 黄体機能不全
 B 視床下部・下垂体性排卵障害
 C 卵巣性排卵障害
 D 早期卵巣機能不全
4.卵子の老化
5.妊娠の妨げになる異常や疾患
 @ 子宮内膜症
 A 着床不全
 B 卵管異常
 C 子宮異常
 D 頸管異常
6.精子の質



不妊の検査について!

1.基礎体温からはじめましょう

病院にかかる前に、自分の月経の状態を大まかに知る必要があります。
基礎体温とは、朝、目が覚めてすぐに測る体温のことです。毎日測定し、記録をつけておきましょう。
排卵があれば、基礎体温は月経から排卵までの低温相(低温期)、そのあとの高温相(高温期)の二相になります。

ただし、基礎体温はあくまで目安になるだけ。誤差も多いので、基礎体温が不安定なのは仕方ありません。
測定する時間、寝返りの回数、室温、睡眠レベルなどの影響も受けます。
基礎体温の測定意義は、今の自分は高温期なのか低温期なのかを知り、生活リズムをつかむことです。

2.月経にあわせた検査

病院での検査は月経周期に合わせて行われます。
低温期:子宮卵管の造影検査、超音波検査(卵胞の発育度)、ホルモン検査(LH:黄体化ホルモン、FSH:卵胞刺激ホルモン、PRL:プロラクチン)
排卵期:フーナー検査、超音波検査(排卵の確認)、ホルモン検査(LH:黄体化ホルモン、E2:エストロゲン、P4:プロゲステロン)
高温期:超音波検査(着床、内膜の状態)、ホルモン検査(LH:黄体化ホルモン、E2:エストロゲン、P4:プロゲステロン)

3.そのほかに必要な検査

クラミジア抗体検査、精液検査も基本的な検査です。 それ以外にも場合によって必要になる検査があります。
腹腔鏡、子宮鏡、抗精子抗体検査、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)負荷試験、甲状腺ホルモン、染色体検査、凝固能検査、抗ミューラー管ホルモン(AMH)など。

血液検査など検査一般は、あくまで相対値であることを理解しておいてください。
最近では検査に反映されない異常もあり、「隠れ○○」といわれる病気も少なくありません。
たとえば隠れ貧血。
めまい、立ちくらみなどの自覚症状はあるが、ヘモグロビンなどは正常範囲内。
身近で聞いたことがないですか?
検査結果の「異常なし」は大勢の人たちから外れていないということをあらわしています。

基準値とは(日本臨床検査専門医会)



不妊治療の流れについて!

不妊治療とは、不妊の原因を治療する、もしくは妊娠の可能性を高めるという治療方法のことを言います。
上にも書きましたが、本当の意味での不妊の原因はわかりませんし、妊娠の可能性を高めるというのも漠然としています。
具体的に行われていることとしては、排卵しにくいので排卵誘発法を用い、ホルモンが少ないからホルモンを補充する、卵管が閉塞しているから採卵する、精子の運動率が悪いので顕微授精するということですね。
この方法をしたからといって妊娠するという確証はどこにもありません。
ただ、現状この方法を取ることしかできないということを不妊治療を受ける側も知っておかなくてはいけません。
染色体異常の割合などを考えても、「子供は授かり物」だということを深く感じます。

大きな流れとしては、まずはタイミング法、人工授精、そして体外受精と進んでいきます。
これをステップアップ治療といいます。
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一般不妊治療(タイミング、人工授精)について!

タイミング法・人工授精は一般不妊治療に分類されます。

タイミング法は、超音波検査を利用して排卵日を推測し、性交のタイミングを合わせる方法です。
場合によっては投薬でのホルモン補充を行うこともあります。

人工授精は、用手にて採取した精子を洗浄・運動している成熟精子を回収し、月経周期のタイミングを見計らって子宮内に戻す方法です。
こちらもホルモン補充を行うことがあるようです。
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人工授精の妊娠率はあまり高くない(5から10%程度)と言われていますが、ここまでは保険が適応となるため実践しやすいといえるでしょう。
おおよそ3万円ぐらいが1回の目安です。
月経時、排卵日確認(予測)、排卵にあわせて病院へ行くため、1周期に最低3回は通院が必要です。
人工授精の当日は夫と一緒に病院へ行くか自宅から精子を持っていくため、大変だという声も聞きます。
クリニック内には採精室があります。
妻が持参する場合は、採精後2時間以内に持っていくようにします。

クリニックによっては子宮内に精子を戻すのではなく、卵管内人工授精をするクリニックがあります。
授精は卵管で行われるので、より高い確率を狙ったものです。
料金は3万円ぐらい追加されるようです。



高度不妊治療(体外受精・顕微授精)について!

体外受精は1978年に英国で初めて成功し、ルイーズちゃんという女の子が誕生しました。
当初よく使われていた「試験管ベビー」という言葉を覚えている方もいるかもしれません。
しかし、この言葉は実相を反映していないばかりか差別的な響きをもつため使われなくなりました。
日本では1983年に体外受精による第1子が誕生。
1998年には年間出生数1万人を超えました。
現在、日本で生まれる赤ちゃんの40人に1人は高度生殖医療(ART)で誕生しており、もはや特殊な治療ではなくなりました。
とはいえ、女性の体への負担が大きく、治療費は高額です。
施設や方法によっても異なりますが、1回あたり50万円から100万円が相場となっています。
体質改善、東京 鍼灸、卵子の質
体外受精や顕微授精では、採卵→受精→移植というステップを踏んでいきます。
その中で、時期や状況に合わせて排卵誘発剤をはじめとする投薬を行います。
卵管閉塞やピックアップ障害などのために卵管を卵子が通過できない場合や受精しにくい場合などにとても有効な手段です。
採卵・採精した卵子と精子をふりかけ法もしくは顕微授精を行い、受精卵にします。
このとき受精卵にならない場合もありますが、統計的には約80%が受精卵になるようです。
これを凍結もしくは新鮮なまま移植していきます。

着床の確率は20%程度といわれているので、着床は受精よりもはるかに困難な道のりであることが想像できます。
体外受精の成功率は施設によっても異なりますが、約30%といわれており、約3回の体外受精で大体1度は妊娠できるという計算になります。

体外受精、採卵、採精、卵子、卵管、不妊



ふりかけ法と顕微授精の違い


では、体外受精の流れを見ていきます。

1.卵子の成育
質の良い卵子をいくつか確保しておき、その中から最も良いものを選ぶことが大切です。
そのため、FSH注射やhCG注射などのホルモン剤を投与して、卵子を発育させます。

2. 採卵・採精
卵子が十分に発育したら、卵子を摘出します。「採卵」
男性側は採卵のタイミングに合わせて精子の採取を行います。「採精」

3. 授精・培養
採卵が終わったら、いよいよ受精です。
通常体外受精は、採取した卵子と精子をシャーレの中に入れて受精を待ちます。
顕微授精は、顕微鏡下で1つの精子をガラス針で卵子の細胞質内に注入します。
受精を確認したら培養させ、細胞分裂して発育するのを待ちます。
受精から2〜3日後は「初期胚」、5〜6日後には「胚盤胞」という状態になります。
採卵した卵子を凍結せずその周期に移植する場合は新鮮胚移植へと進み、凍結する場合は次周期以降に移植となります。

4. 胚移植
発育した受精卵(胚)を、初期胚または胚盤胞の状態で子宮内に移植します。 一般的には、初期胚よりも胚盤胞の方が着床率(妊娠率)が高いとされていますが、どの段階で移植するかは胚の状態や子宮内膜のコンディションなどを見て総合的に判断されます。
培養士さんの腕の見せ所ですね。

5. 妊娠判定
胚移植の2〜3週間後に血液検査や尿検査などで妊娠が成立したかどうかを判断します。
施設によりますが、移植後1週間で中間判定を行うところもあります。

以上が体外受精の大まかな流れです。


次に、体外受精の受精方法について。
上でも少し触れましたが、体外受精の受精方法にはふりかけ法と顕微授精があります。
※通常体外受精とはふりかけ法のことをさします。

ふりかけ法は、採取した卵子をシャーレという容器に入れ、遠心分離などで精製した精子を振りかけて自ら受精するのを待つ方法です。

顕微授精は、極細ガラス針の先端に1匹の精子を吸引し、顕微鏡で確認しながら卵子内部の細胞質に直接注入する方法です。

体外受精により妊娠が成功する割合は4人に1人です。
1回あたりの費用が30〜60万円と高額なものですし、採卵などの身体的負荷も大きくなります。

ですから、体外受精のことについて受ける側もきちんと基本的な知識を身につけておく必要があると思います。
医師の中には体外受精の有効性ばかりを強調する人もみられますので、受ける人がメリットだけでなくデメリットについても知っておくべきだと思います。

まず、体外受精を実施するケースとは?
自然妊娠を目指す方法であるタイミング療法や人工授精を一定回数行っても妊娠に至らない場合に検討されます。

体外受精の基本的な内容は、
・卵子を複数得るための卵巣刺激(内服薬や注射を使用)
・排卵の抑制(内服/坐薬/点鼻薬/注射を使用)
・卵子の成熟(点鼻薬/注射を使用)、卵巣から卵子の採取(採卵)
・培養液内での受精、受精卵の培養
・発育した胚の子宮内への移植(新鮮胚移植)、余剰胚の凍結および融解胚移植
から成ります。

卵巣の刺激方法と排卵抑制方法の組み合わせにより、自然周期法、クロミッド法、Long法、Short法、アンタゴニスト法などに分けられます。
使用する薬剤や分量も様々です。

そして、受精方法にはふりかけ法と顕微授精の二つがあります。
体外受精、顕微授精、精子の質、卵子の質
では、それぞれを見ていきましょう。

ふりかけ法
ふりかけ法は、卵子が入っている培養液に精子を振りかけて受精するのを待ちます。1個の卵子に対して約10万個の精子を使って、精子が本来持つ受精能力により受精させる方法です。
タイミングや、人工授精よりも精子と卵子の出会いの確立が上がっているということです。
卵子と数億ほどの精子の中の一つが引き合い、そして受精卵となるので、きっと相性も抜群ですね。
そして、受精後、胚盤胞まで育つ確率が顕微授精より10%ほど高いといわれております。
しかし、受精率は顕微授精よりはるかに低いです。
そして、精子の質がとても大事になります。
重症乏精子症、不動精子症、精子無力症、精子奇形症などにより極端に精子の数が少ないため、精子がうまく卵子に入れないことや、卵子の膜が固くて入れないなどで受精できない可能性があります。

では、顕微授精の場合はどうでしょうか?

顕微授精
顕微授精は精子が不良で受精率の低下が懸念されるときに、精子1個を卵子内に注入し授精を行う手法です。

高度な男性不妊(精液中の精子濃度や運動率が低い場合)や体外受精では受精できないと判断した場合に行います。
顕微授精では細いガラス針の先端に1個の精子を入れて顕微鏡で確認しながら人工的に卵子に直接注入し授精します。
そして、受精卵となり、育つのを待ちます。
精子の数が少ない、運動率が低いといった場合や、女性の体が精子を拒絶する抗精子抗体を持っていて、精子が体内に入れない場合でも、顕微授精であれば受精をサポートすることができます。
一般的に、人工授精や体外受精で妊娠が成立しないとき、最終手段として顕微授精の実施を検討することになります。
ふりかけ法より胚盤胞まで育つ確率は低いですが、受精率は高いです。

体外受精に比べて費用が高いのは、卵子に精子を注入する工程に数万円の費用が発生するからです。

「(体外)受精」では、卵子内に精子の「中身」しか入りません。

一方「顕微授精」では、精子の「全体(外身)」も入ります。
精子の頭には「先体酵素」というのが入っていて、それも入ります。
おまけに培養液も(多かれ少なかれ)入ります。
大分違いますね。いろんなおまけが入っているのです。
この「顕微授精」時に、ついでに入るいろんなおまけがどうなんだ?と、いろいろ議論されています。
今のところ、
『"通常量"なら問題ないのでは? でも少ないに越したことはないよね。』
という感じに落ち着いていると思います。

あと、よくある議論が「精子の選択」の話です。
体外受精では、受精能力を有した精子が自然に選択されて入ります。
しかし、顕微授精では、当事者ではない第三者が選択した精子が入れられる。
「受精能力」を有しているかも不明です。
「やはり、体外の方が安心感がある。"我が子"になる精子を選ぶ奴は一体どこのどいつなんだ!」
という意見と、
「自然で選ばれている精子だって単なる偶然。顕微授精で、その人の目にとまるのも単なる偶然。一緒ではないのか。」
という意見もあります。
どちらも、ごもっともです。

まとめると、体外受精と顕微授精の"違い"とは
・受精率と胚盤胞まで育つ確率。
・顕微授精では、通常の「受精」では卵子内に入らないものまで入ってしまう。
・精子の選択に「人為的な目」が入っている。
・一般に体外受精に比べ、顕微授精は費用が高い

現在日本で行われている「体外受精」の半数以上はこの「顕微授精」なのです。
「顕微授精」は通常の「体外受精」よりも費用が高くつきますが、受精する確率が高いので広く普及しています。
しかし、胚盤胞まで育つ確率がよいといわれている体外受精で受精可能な質の良い卵子、精子の場合でも、本当に顕微にする必要があるのでしょうか??
高刺激などで複数の卵が採れた場合は半々で顕微とふりかけをすることもあり、それをスプリットと呼びます。
スプリットという方法もありますので、ご自身に合っている方法を見つけていただきたいと思います。
銀のすず



月経周期について

いわゆる月経周期とは、「卵巣周期」と「子宮周期」のことです。
便宜的にまとめて説明することが多いのですが、実は2つの周期のことなのです。
卵巣はホルモン分泌と卵胞および卵子を発育させ、排卵するための臓器です。
子宮は内膜を厚くし、排卵された卵子(受精卵)を受け入れ、妊娠期に子どもを育む臓器です。
すべて連携していますが、それぞれ役割が異なります。

まずはホルモンの流れを見てみましょう。
視床下部、下垂体、卵巣の3つが連携してホルモンを分泌・抑制し、ちょうど良いバランスで卵子を育て、妊娠に備えます。

エストロゲン、プロゲステロン、卵巣機能
●卵巣周期●
卵胞期:1―14日
FSH分泌増加で卵胞が成熟(グラーフ細胞)
1つの卵胞のみが成長し、その他は退縮
卵胞の発育によりエストロゲンが増加し、子宮内膜の肥厚
排卵期:14日目
エストロゲンが急激に増加し、視床下部に作用してLHの一過性分泌増加(LHサージ)*を引き起こし、排卵がおこる(正のフィードバック調節)
黄体期:14〜28日
LH作用で排卵後の卵胞には黄体が形成されプロゲステロンが分泌
プロゲステロンの作用により子宮粘膜から分泌液がでる
受精が行われない場合、黄体は退縮し白体となりプロゲステロン量も低下
基礎体温が最も高い
卵管の運動はエストロゲンによって亢進、プロゲステロンによって抑制

●子宮周期●
月経期:子宮内膜の脱落により膣より出血
増殖期:卵胞の分泌するエストロゲンの作用により子宮内膜の増殖
分泌期:排卵後黄体の分泌するプロゲステロンの作用により内膜からの分泌物が増え受精卵が着床しやすくなる
    受精が行われない場合、黄体は退縮し白体となりプロゲステロン量も低下する



ストレスと不妊

エストロゲン、プロゲステロン、卵巣機能

現代社会はストレスが多いと言っても 誰も疑問を抱かないことと思います。
不妊治療はさらに大きなストレスがかかります。
ただでさえストレスを感じやすい現代社会で生活を営む上、なかなか子供が授らないとなると、ガンなどの命にかかわる病気の宣告を受けることと同じレベルのストレスを感じるようになると指摘する専門家もいるくらいです。
ストレスが原因で不妊になることは既に生理学的にも裏付けられており、不妊であることによるストレスが妊娠をさらに遠ざけることになるというのもうなずけます。
かの有名な黄帝内経にも、精神的に不安定では妊娠できないと書いてあります。

ストレス状態での身体のメカニズム
嫌なことに対峙した時、脳の中の、理性を司るところと本能に忠実なところとの間で葛藤が起こります。
そして理性が本能を抑え込んだときにストレス状態が発生します。
そうすると脳は“嫌なこと”に対して闘争、あるいは逃走するように、身体を臨戦態勢にします。
ストレス状態を感じ取ると、 脳幹にある“視床下部”というところが副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)というホルモンを分泌します。
そして、このCRHは下垂体に働きかけて副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を分泌させ、ACTHは副腎に働きかけてコルチゾールを分泌させて、ブドウ糖生成を促し、ストレスに対しての臨戦態勢を取ります。
ところが、この状態が長引くと免疫作用を抑制し、同じく副腎皮質から分泌されるコルチコステロンというホルモンが脳の神経細胞の働きを抑制してしまいます。
さらにCRHは、自律神経のうち交感神経を活性化させ、副交感神経を抑制します。
これも身体を臨戦態勢にするためで、交感神経はノルアドレナリンを分泌、さらに副腎の髄質というところを刺激してアドレナリンというホルモンを分泌させます。
アドレナリンやノルアドレナリンはコルチゾールと同様、血糖値を上げ、心拍数を増やし、血管を収縮させて血圧を上げます。
このようにノルアドレナリン・アドレナリンは、お互いに協力しあって脳や身体に活動態勢をとらせる働きをするのですが、これが長期間に及ぶと疲弊してきます。

ストレスによって妊娠しづらくなるメカニズム
不妊が先でもストレスが先でも、ストレスによって妊娠への道のりは厳しくなります。
その理由は、ストレスによる脳と副腎の反応と妊活におけるホルモン分泌の反応に共通点が多いことです。

★ストレス時のホルモンの分泌経路
 視床下部→〈CRH〉→下垂体→(ACTH)→副腎皮質
★毎周期の生殖機能を働かせるホルモンの分泌経路
 視床下部→(GnRH)→下垂体→(FSH・LH)→卵巣

視床下部、下垂体は共通しており、最後が副腎か卵巣かというところに違いがあるだけです。
平常時は生殖機能をしっかりとコントロールしているのですが、過度のストレスが長期間に及ぶと自分の身体の緊急事態に対処する生体反応を最優先し、生殖機能を含む他の日常的な生命活動が犠牲になってしまいます。

自律神経失調症、ホルモンバランス、体質改善
一方の自律神経ではストレスによって 交感神経が活性化され、副交感神経が抑制されてしまいます。その結果、血管が収縮し、血流不良となります。
ある研究者は、副交感神経が抑制されることで月経血が逆流して子宮内膜症を起こし、血流障害が長引くことで子宮筋腫が出来やすくなり、さらには白血球が多くなることで卵管に炎症を起こしやすくなると指摘しています。

とても重要なストレス対策
アメリカで実施された調査でも、過度な不安や心配・焦り等の精神状態が体外受精等の不妊治療において、良好な卵子の採卵から採卵後の受精率、さらには胚移植後の着床率、妊娠継続率等すべての治療のステップにおいて、その結果に大きく影響を及ぼしていることが明らかになっています。
ストレス解放というのは簡単ですが、どのように解放するかが大切です。
私たちの用いる鍼灸やマッサージ、アロマセラピーは肉体だけでなく、精神面へも作用します。
じっくり行うカウンセリングやリラックスできる個室での対応もストレス軽減に一役買います。少しでもストレスを解放して妊活に取り組んでほしいと願っています。
アロマセラピー、不妊、アロマ、体質改善



生命力と生殖能力

さて体外受精が誕生したのは1980年代。
この画期的な方法により、それまで妊娠できなかった方たちが妊娠することができるようになりました。
私の推測ですが、当時の不妊はホルモン異常、卵管閉塞、子宮筋腫、子宮内膜症など今でいう一般的な不妊の原因ではなかったでしょうか?
※もちろん例外はあったと思います。
私の母親は23歳で姉を産んでいますが、当時は一般的な出産年齢だったのだと思います。
一昔前は比較的早い年齢で妊娠・出産をしていたでしょう。
妊娠する女性の多くは若かったはずです。
2018年現在、不妊で悩んでいる方の多くは検査でも原因がはっきりせず「原因不明」と言われているのではないでしょうか?
当院には30代半ばぐらいから40代の方が多く来院していますが、「原因不明」の場合は卵子の老化というしかないのかもしれません。

ふとした疑問です。なぜ若い頃に妊娠しやすいのでしょうか?
その答えは生命力がカギを握っているとしか考えられません。
AMHという残りの卵子数を表す数値があり、低いことで急いだほうがいいといわれるのも、年齢・生命力を表しているのではないかと考えるわけです。
生きとし生けるものは誕生とともに、死に向かっているといわれます。
生命力を取ると、年齢が若いほうが高いのは当たり前です。
女性は第二次性徴(12歳)ぐらいから閉経(50歳)まで月経が起こり、妊娠し得る特別な期間を過ごします。
新しい命を育み・つなぐということは、自らの生命力を次世代に分け与えていくことではないかと考えます。
妊娠、出産、育児を近くで見ていると、まさに命がけ。
高齢になればなるほど自分の命を続けることが精一杯となるので、最初に生殖能力が低下していくのだと思います。

生命力、自然治癒力、東洋医学、不妊針灸

妊娠するためにはやはり生命力を高めていくことが何よりも重要だと考えるため、生命力アップを目指します。
ではどうするか?
私たちの肉体は車の部品とは違い、替えが効かず、一生使い続けなければなりません。
しかし、日常生活での疲労やストレスなどで傷んでくることを避けることはできません。
傷んだところを修復し、さらにエネルギッシュに活動できる身体作りをすることが大切です。
もともと備わっている自然治癒力のアップと、プラスアルファを心がけることです。

自分自身の睡眠や食事、運動、ストレス解消などをもう一度見直す必要があります。
今の生活で身体に負担をかけていることはありませんか?
私たちは、生活習慣の改善に全力を尽くしてアドバイスを提供し、鍼灸マッサージを通して、体質改善を目指しています。

自分の生活スタイルがどうなのか、お聞きになりたい方は是非ご相談ください。
銀のすず



怖いエストロゲンについて!

エストロゲン(E2)といえば女性ホルモンの一つであることを妊活中の方はご存知かと思います。
エストロゲンは女性をつくるホルモンと言っても過言ではなく、第二次性徴の発現、子宮内膜の増殖、月経周期の成立と連携、乳腺管の増殖分泌促進という大切な役割をしています。
コレステロールを原料とするステロイドホルモンに分類され、卵巣をはじめ、脂肪組織、精巣、副腎からも生成されます。
よって男性にも存在します。

エストロゲン、不妊、内分泌かく乱物質

もちろんエストロゲンは男女ともに必要なホルモンですが、現代社会では、本来あるべきプロゲステロン(黄体ホルモン)やテストステロン(男性ホルモンの一種)との比率から逸脱し、エストロゲンが過剰に体内に存在するようになってしまったのです。
これを「エストロゲン・ドミナンス」と言います。

子宮筋腫、子宮がん、子宮頚部異形成、乳がん、前立腺がん、不安、気分の動揺、イライラ感、不眠、頭痛、疲労、むくみ、性欲の減退、甲状腺機能障害、生理不順・PMS、不妊、乳房の圧痛、多嚢胞性卵胞、喘息、蕁麻疹、湿疹、鼻づまり といったアレルギー症状、加齢亢進、特に腰まわりと太ももの脂肪の蓄積、胆嚢の病気、血栓の増加、低血糖、銅の過剰と亜鉛の欠乏、マグネシウム欠乏、ビタミンB群の欠乏、閉経前の骨密度低下、骨粗鬆症、自己免疫疾患、無精子症などなど。。。
それはそれは多くの病気の原因の一つとなっています。

ここまででもエストロゲンの過剰は怖いと言っている意味がお分かりいただけたと思います。さて、どうして過剰になるのでしょうか?
それは内分泌攪乱物質、つまり環境ホルモンによる影響が強いことがあげられます。

環境ホルモンとは一体何で、どのように私たちの身体にどのように入ってくるのでしょうか?

代表的なものとして、プラスチックの一つであるポリカーボネートがあげられます。
ポリカーボネートはビスフェノールAと塩化カルボニルを材料として作られますが、ビスフェノールAは強いエストロゲン様作用(エストロゲンに似た働き)があることわかっています。
このポリカーボネートは学校給食の食器や哺乳瓶にまで使われています。
95度の熱湯をポリカーボネート製の哺乳瓶に入れたところ、ビスフェノールAが検出されたという報告もあります。

さらに最悪の環境ホルモンであるダイオキシンにもエストロゲン作用があります。
青酸カリの1000倍もの毒性をもつ恐ろしい物質です。
とても身近にある塩化ビニール、塩化ビニリデンを燃やすと生成され、いったん体内に入ると排出することが難しい物質です。

私たちの身の回りには、ペットボトルや発泡スチロール、カップ麺の容器などプラスチック製品がたくさんあります。
これらにも同様にエストロゲン作用がある可能性が高いといわれています。

その他、殺虫剤や工業廃棄物、自動車の排気ガス、石けんやシャンプー、ネイルポリッシュ、家具や建材の塗料にも含まれ、すべて同様にエストロゲン作用があることがわかっています。

実は食事からも入ってきます。
女性ホルモンを投与されている肉類、養殖の魚、そして大豆、砂糖、炭水化物などもエストロゲンの過剰を引き起こします。
見直しが必要ですね。

私たちの周りを良く見渡してください。

本当にたくさんの内分泌かく乱物質、環境ホルモンが存在し、外来性のエストロゲンであふれかえっています。

妊活においては、何よりも自分のエストロゲンが一番です。
そう、自分のエストロゲンが一番なんです。

ポリカーボネートのエストロゲンではダメ。
ダイオキシンのエストロゲンでもダメ。
大豆のエストロゲンでもダメ。

自分のエストロゲンが一番なんです。

そこで、卵巣機能を高めるのはもちろんのこと、エストロゲンの原料である良質な脂質の摂取、肝機能を高め、コレステロール合成促進、そしてホルモンやコレステロールを運搬するための血流を良くすることが、自分のエストロゲン合成・分泌に不可欠であることを理解しておかなくてはなりません。

食事はご自身で注意して内臓機能を高め、血流改善は私たちの針灸マッサージでお手伝いします。

もっと詳細が知りたい方は、ぜひご相談ください。
銀のすず



活性酸素の恐怖

活性酸素について、皆さんはどのようなイメージを持っていますか?
分子で表すと、酸素はO2、活性酸素はO2などとなります。
少しだけ化学のお話をしますと、そもそも分子はお互いに結合することで安定して存在しています。
酸素分子(O2)は酸素原子である(O)が2個結びついて1個の酸素分子を形成しています。
酸素原子(O)は、中心に1個の原子核があり周りを8個の電子が回っています。酸素原子の場合は図のように電子の軌道が2つあり、この8個の電子は内側の軌道に2個、外側の軌道に6個が回っているという構造をしています。

活性酸素、不妊、卵子の老化

通常、電子は2個のペアで存在しており、これが最も安定的な形だとされています。
ところが酸素原子の外側の軌道を回る6個の電子のうち、2個だけはペアになる相手を持っていないのです。そこで同じようにペアのいない他の酸素原子の外側の2個の電子とくっついて2つの酸素原子が結びつき、酸素分子(O2)となって安定するのです。

しかし何かのはずみで、ペアの組めない電子(不対電子)ができてしまいます。それでもなんとか相手を見つけて安定するために、他の物質の分子から電子を掠奪しようと襲いかかります。
これが活性酸素です。
つまり、酸素がペアとなる電子を欠いて掠奪者となったものが活性酸素なのです。
この掠奪者のことを”フリーラジカル”といいます。

一方、掠奪された側も活性酸素となって他の分子を襲って電子を掠奪します。
するとまた掠奪された分子が他の分子から電子を奪い取ります。こうして、次から次へと連鎖反応を起こしていくのです。
こうして電子が奪われていくことを”酸化”と呼び、逆に電子を奪って安定することを”還元”と呼んでいます。

つまり、フリーラジカルが他の分子から電子を奪いとることにより、その分子は「酸化」してしまうのです。
酸化というのは、金属のサビや食べ物の腐敗のことです。体の酸化が進むと、鉄と同じように細胞をサビつかせるのです。

"活性酸素”は非常に過激で酸化力が強烈なのです。体内の細胞を次から次へと酸化していく超酸化力によって、私たちの体内にある血管や臓器がボロボロになっていきます。

病気の90%は活性酸素によるものだといわれています。
私たち人間は生命を維持するため、空気を吸って生活しています。この空気の21%は酸素です。毎日500 リットルほどの酸素を消費しています。
この中の2-3%が活性酸素になり、正常な酸素から電子を奪い取ります。奪い取られた酸素もまた活性酸素となり、他の正常な酸素を攻撃して電子を奪い取りにいくのです。このような連鎖反応をどんどん起こして、活性酸素が一気に増えていくのです。

なぜ呼吸をするのかというと、生命維持に必要なエネルギーを得るためです。
細胞内のミトコンドリアで絶えず酸素を消費して、エネルギーを作っているのです。
この過程でも一部で活性酸素が作られて「免疫機能」の一端を担っています。
血液中の白血球が体内に侵入したウィルスや細菌を分解するための武器として使われます。
また、日々体中で発生する「がん細胞」を攻撃・破壊してくれます。
体内で余った水素と結合して水をつくる働きもしています。

免疫機能について見ると、活性酸素が良いものに見えてきますよね。
もちろん無くてはならないものですが、現代は「活性酸素の過剰」が起こっているのも事実です。

酸素に触れたものは、必ず酸化していきます。

ここで妊活にお話を戻します
妊活において質を上げたい卵子や、精子も私たちの細胞の一部であり、DNA情報が埋め込まれてます。
卵子や精子がサビているなんて考えられないですよね。
何と言っても抗酸化が必要になってきます。

これ以上増やさないためにも活性酸素の発生源となるものはできるだけ避けましょう。
紫外線、たばこ、電磁波などの活性酸素を過剰に発生させる原因には近づかず、対策をすることです。
呼吸によって取り込んだ酸素は、体内の通常の代謝活動の中で約2-3%%は活性酸素になると言われています。
ということは、激しい運動や有酸素運動はもってのほかです。
風邪をひいたり病気になっても、免疫機能が働くことで活性酸素が増えます。
他にも、大気汚染 や食品添加物、医薬品や放射線、ストレスなどの日々の環境でさえも活性酸素は増えてしまうのです。

活性酸素、抗酸化物質、精子の質、卵子の質

活性酸素を必要以上に増加させないためには?

まずは外からの有害物質を取り込まないようにしましょう。

例えば、、、
・タバコはなるべく吸わない。
・お酒を飲みすぎない。
・化学物質を含むものをなるべく口にしない。
・化粧品や洗剤などにも気を遣う。
・紫外線やX線などには対策を行う。
・薬を飲みすぎない。
・ストレス管理
・健康な身体の維持
などが挙げられますね。

実は私たちの体には、活性酸素の発生を抑えたり、活性酸素によるダメージを軽減させる機能もあります。
いわゆる抗酸化酵素と呼ばれるものが存在するのです。
カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)です。
カタラーゼは細胞小器官のペルオキシソームの中にあり、長鎖脂肪酸のβ酸化、コレステロールや胆汁酸の合成、過酸化水素(アミノ酸やプリンの代謝などで発生した活性酸素の一つ)の分解を行います。
ミトコンドリア内の電子伝達系ではスーパーオキシドアニオンO2が常に作られ、それをスーパーオキシドディスムターゼが過酸化水素に変換し、その後ペルオキシダーゼによって水に変えていきます。

必要最低限の活性酸素、つまりβ酸化やコレステロールや胆汁酸の合成、アミノ酸やプリンの代謝、電子伝達系などで発生したものは自分で処理できますが、それ以上の活性酸素は処理が追いつかず、DNAを傷つけてしまうということです。

対策として、抗酸化成分を積極的に摂りましょう。

抗酸化成分には、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、βカロテン、リコピン、グルタチオン、ポリフェノールなどがあります。

ショウガは最強の抗酸化物質と言われるものなので、食事に摂り入れることもおすすめです。

銀のすず



不妊治療の病院選び

不妊治療に保険が適応され、2年が経ちます。
多少、ハードルが下がったこともあり、不妊治療をスタートした方も多くいらっしゃったかと思います。
良くも悪くも保険診療になったため、診察回数や使用できる薬など制約も増えたという意見もあります。
保険診療が始まって、果たして出生率は上がっているのでしょうか?
本当に子供が欲しいと願っている方の手助けになっているのでしょうか?
以前にもまして、病院選びは難しくなっており、しっかり見極めた病因選びが大切です。

加藤レディースクリニック

KLC、不妊
日本全国から来院します。
特徴としては自然周期による体外受精をします。
この病院はおそらく来院数日本一といっても過言ではない不妊クリニックでしょう。
海外からも多くの方が通われているとか。
銀のすずにも多くの方がご来院しています。

両角レディースクリニック

不妊治療、東京、不妊鍼灸
アクセスの良い銀座にあり、刺激法を特徴とします。
ストレスの多い不妊治療が少しでも快適に過ごせるように空間作りにこだわっています。
40歳以上の女性が多く来院しています。
銀のすずにも多くの方がご来院しています。

リプリダクションクリニック東京

通いやすいクリニック、不妊治療、不妊鍼灸
大阪が本拠地で、数年前に東京で開院しました。
新橋駅直結でアクセスも良く、ガラス張りで明るいクリニックです。
特徴としては刺激法で、不育症、男性不妊にも積極的に取り組んでいます。
銀のすずにも多くの方がご来院しています。

杉山産婦人科

タイミング、人工受精、着床率
世田谷区にある産科クリニックが丸の内に不妊専門のクリニックを作りました。
アクセスがとてもよいことから遠方からも通われているようです。
私も一度訪れたことがありますが、きれいな空間でした。
銀のすずにも多くの方がご来院しています。

はらメディカルクリニック

ふりかけ、針灸、不妊
現在は、宮崎先生が院長をしており、はらメディカルクリニックを運営されています。
前院長の原先生とは、一度書籍の執筆でご一緒させていただきました。
不妊治療ステップアップベストガイド 銀のすずにも多くの方がご来院しています。

ナチュラルアートクリニック

東京、体外受精、不妊、顕微授精
もっと自然に「妊娠」という最大の贈り物を出来るだけ多くの人に届けたい、これが私たちの願いです。
寺元先生とは面識があり、お互いに患者さまをご紹介させて頂いています。
とても熱心な医師で信頼できます。 銀のすずにも多くの方がご来院しています。

梅ヶ丘産婦人科

東京、体外受精、不妊、顕微授精
こちらのクリニックの特徴は、最も弱い治療から開始し、妊娠するまで徐々に治療をステップアップして強くしていくことを念頭に置いています。
25年間に来院された不妊患者さん26513組のうち15566組、59%がすでに妊娠されています。
銀のすずにも多くの方がご来院しています。

京野アートクリニック高輪

銀のすず、卵子の質、精子の質、不妊
こちらのクリニックの特徴は、男性不妊、FT(卵管鏡下卵管形成術)、IVM(未成熟卵体外培養法)、ERA(子宮内膜受容能検査)を積極的に行っています。
17年間で10,000人以上の赤ちゃん誕生の実績を持っています。
ERA(子宮内膜受容能検査)という今話題の治療も行っています。
銀のすずにも多くの方がご来院しています。

五の橋レディスクリニック

銀のすず、東京、不妊
こちらのクリニックは、江東区でお産病院として歴史と実績のある五の橋産婦人科の姉妹クリニックです。
「不妊症と女性特有の疾病の治療」を中心に、女性の皆さまの健康をサポートするクリニックです。
タイミング法から体外受精まで幅広く治療を行っています。
銀のすずにも多くの方がご来院しています。

新橋夢クリニック

銀のすず、不妊針灸、不妊整体
加藤レディースクリニックの流れをもつ有名なクリニックです。患者さんの負担の少ない低卵巣刺激かつ高い妊娠率を目指します。
患者さんが通院しやすい、温かみのあるクリニックで、流産予防に力を入れています。
銀のすずにも多くの方がご来院しています。

はるねクリニック銀座

銀のすず、不妊鍼灸
スタッフはすべて女性というクリニック。初めて治療を始めようとする場合には安心感があります。 経験豊かな女性専門医がアットホームな雰囲気で治療にあたります。とくに、患者さんとの信頼関係を大切にすることによって、より適切な方法を選択できるよう心がけています。 銀のすずにも多くの方がご来院しています。

銀座すずらん通りレディスクリニック

不妊針灸、卵子の質、着床不全
タイミングから体外受精、月経トラブル、感染症まで幅広く、対応してくれるクリニックです。 女医であるということを活かし、 受診される方の気持ちもケアしながら 「わかり易く、温かい医療」を第一にしています。 銀のすずにも多くの方がご来院しています。

木場公園クリニック

不育症、着床障害、PCOS
女性には日帰りの腹腔鏡下手術、子宮鏡下手術、卵管鏡下卵管形成術、男性には日帰りの精索静脈瘤の手術などを実施し、できるだけ自然に近い方法で妊娠していただきます。
ご夫婦の立場に立った生殖専門医による大学病院レベルの高品位な技術と、欧米スタイルの心の通った女性・男性不妊症の診察・検査・治療を行わせていただきます。
当院の銀座院にも多くの方がご来院しています。 銀のすずにも多くの方がご来院しています。

楠原ウィメンズクリニック

妊活、不妊鍼灸、子宝神社
楠原ウィメンズクリニックの診療の目標は、不妊に悩むすべての方が妊婦に到達できることを目指しています。
そのために体外受精、顕微授精から一般不妊治療まで、患者様一人ひとりに最も適切な治療法をご提供いたします。
当院の銀座院にも多くの方がご来院しています。 銀のすずにも多くの方がご来院しています。

ファティリティクリニック東京


不妊、恵比寿、渋谷、銀のすず
医療の安全性、不妊治療における高い医療水準の維持、患者様中心の、心のこもった医療の実践に重点を置き、診療を行っています。
当院の渋谷恵比寿院にも多くの方がご来院しております。
とても信頼できるドクターが診療に当たっています。 銀のすずにも多くの方がご来院しています。

神戸ARTレディスクリニック

多嚢胞性卵巣症候群、勃起不全、精索静脈瘤
こちらは神戸にありながらも東京から通院する方が大勢いるクリニックです。
一番の特徴は着床前診断を実践していることです。染色体異常による流産を経験した方は一度は悩むそうです。
銀のすずにも多くの方がご来院しています。

以下追ってご紹介したいと思います。

キネマARTクリニック


順天堂大学病院 順天堂医院


新宿ARTクリニック


聖路加国際病院


はなおかIVFクリニック品川


はなおかレディースクリニック


神奈川レディースクリニック


田園都市レディースクリニック


福田ウイメンズクリニック


矢内原ウィメンズクリニック


みなとみらい夢クリニック

ノア ウィメンズクリニック


海老名レディースクリニック 不妊センター


山下湘南夢クリニック


馬車道レディスクリニック


高橋ウイメンズクリニック


窪谷産婦人科 IVFクリニック


高橋レディースクリニック


さちレディースクリニック


津田沼IVFクリニック


中野レディースクリニック




ERA検査とは何だろう?

ERA検査(Endometrial Receptivity Array)

最近聞くことの増えたERA検査というものをご存知でしょうか。

ERA検査とは?
女性一人ひとり、最適な着床の時期が違うといわれています。
2013年にスペインのグループに子宮内膜受容能力検査についての論文が発表され、子宮内膜組織の遺伝子検査により、個々の症例の「着床のウインドウ」がいつなのかを個別に確認することが可能になりつつあることが示されました。

いわゆる、子宮内膜受容能検査(ERA)は、子宮内膜組織の遺伝子レベルで調べ、着床のタイミングが合っているかどうかをチェックする検査です。
それにより自分の着床ウインドウを知ることかできるようです。

また、反復着床不成功例に対して行う検査です。
体外受精の治療で良好胚を移植してもなかなか着床しない場合があります。
凍結融解胚盤胞を複数回移植しても着床に至らないことを「反復着床障害」と言いますが、多くは胚の染色体異常が原因ではと考えられてきました。
子宮内膜を着床可能な状態にしているつもりでも、遺伝子レベルでは準備が整っていない場合があるというのです。
そこで、融解胚盤胞を移植する場合、移植する日の子宮内膜が着床可能状態にあるかどうかを検査します。

検査周期では移植は行いません。検査だけを行います。
以前は検査を2回行うこともありましたが、再検査などがない場合、今は1度の検査で子宮内膜の状態が分かるようになりました。

着床障害の女性側の原因として、子宮内膜増殖症、子宮粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内癒着といった子宮因子や卵管水腫などの卵管因子、血栓傾向などの問題があげられていましたが、それらを除外できた場合でも胚と子宮内膜の「着床のウインドウ」のズレが示唆されるようになってきたのです。

着床ウインドウ(WOI)とは?
胚が着床できる子宮内膜の受容可能期間のことを指し、通常は月経が始まってから19日目から21日目といわれています。
この時期のことを「着床ウインドウ」と呼んでいます。

着床ウインドウ(WOI)のずれとは?
子宮内膜にP4(黄体ホルモン)投与を開始してから120時間後にWOIが存在する方が多い中、P4投与を開始してから96時間後もしくは144時間後にWOIが存在する方がおられます。
こういった方を「WOIがずれている」と言います。
ERA検査を受けられた患者様の30%近くが、着床ウィンドウの時期がずれていたという結果が分かってきております。
Era、着床の窓、着床障害

では、どのような検査をするのか?
細いカニューレ(管)にて子宮内膜を採取しますので、痛みはほとんどありませんが、採取が困難な方の場合などは必要に応じて前処置や静脈麻酔下(鎮痛、鎮静)での処置となる場合があります。
融解胚盤胞移植実施の周期に使用するホルモン剤を用いて、移植をする周期と同じような方法でで、着床しやすくするために子宮内膜を厚くしていきます。
ホルモン剤を投与してから、5日目に、子宮内膜の組織を採取して、検査を実施します。

融解胚移植の場合
エストロゲン製剤(卵胞ホルモン製剤)を月経2日目から服用開始。
月経12日目ごろに内膜の厚さを確認。
プロゲステロン製剤(黄体ホルモン製剤)を開始して、5日目に子宮内膜組織を採取し、検査に提出。

自然周期の場合
排卵を確認してから5日目に子宮内膜組織を採取し、検査に提出。

※検査結果が出るまでには2〜3週間かかります。
当日はシャワーのみ可(入浴不可)、性交渉も不可だそうです。

子宮内膜を採取した時期の結果が受容性のある場合、【着床ウィンドウ】には問題がなく良質な受精卵をこの時期に同じ条件にて移植していくことにより妊娠が期待できます。
非受容期との結果が出た場合は、再検査が必要となります。
この場合、検査結果には次回検査時の子宮内膜採取のタイミングの指示が記載されています。
再検査の場合、移植も延期となります。
しかし、ただ先送りになるわけではなく、再検査によって最適な移植時期を特定したことにより、妊娠率が24%向上するというデータが得られています。

妊娠に至らない原因がホルモン、卵管、子宮内膜の厚さ、卵子の老化、精子の異常、血液凝固異常、免疫異常、染色体異常などから新たな原因が見出されました!!!

さすが科学というところでしょうか?
細分化が進み、卵子や精子という種の遺伝子レベルでの異常、子宮という大地の遺伝子レベルでの異常を見つけたということですね。

精子や卵子に関しては着床前診断で、子宮に関してはERA検査でチェックすれば、妊娠率のアップは確実なのでしょう。

子宮の遺伝子検査は大いに行われていくことは想像できますが、精子や卵子の遺伝子検査は難しいでしょうけど・・・。
銀のすず



排卵誘発剤の種類と副作用

妊活、血行、卵子、妊娠率

タイミング、人工授精、体外受精に至るまで使われる排卵誘発剤。
種類も方法もたくさんあるし、体に負担はないのかという不安もあるかと思います。
ここでご紹介します。

クロミッド(成分:クロミフェン)

通常、排卵がない方へ、最初にクロミッドが試されます。
クロミッドは、比較的軽い排卵障害があるときや、排卵のリズムが不安定で性交のタイミングを取りづらいときなどに処方されるスタンダードな排卵誘発剤です。
通常、生理(月経)の5日目から1日1錠、5日間内服します。
クロミッドの成分であるクエン酸クロミフェン(Clomifene citrate)は、脳の視床下部や脳下垂体に作用して数段階のホルモン分泌を経て、排卵が誘発されます。
「FSH(卵胞刺激ホルモン)」と「LH(黄体刺激ホルモン)」の分泌を促します。
この2つのホルモンが分泌されることで卵胞が成熟し、排卵が促されます。
クロミッド(クロミッド錠)とは、代表的な排卵誘発剤で、排卵を促す薬です。
主に、排卵障害に伴う不妊症に使用されます。女性の場合、性腺刺激ホルモンが不足すると、排卵しづらくなります。
クロミッドは、性腺刺激ホルモンの分泌を増やす作用があり、結果として、排卵を生じさせる効果が期待されます。
また、男性不妊症に対して使用される場合もあります。
この場合にも性腺刺激ホルモンが増加することにより睾丸に作用し、結果として精子形成を促すと報告されています。

副作用
クロミッドの副作用は少ない方だといわれています。
個人差はありますが、頚管粘液や子宮内膜への悪影響が報告されております。
効き過ぎた時は、卵巣が腫れてくる場合があります。
主な副作用は
・下腹部の張りや痛み
・イライラ感
・頭痛
・物がかすんで見える、虚血性視神経症
・霧視等の視覚症状
・発疹
・精神変調頭痛、情動不安等
・AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇
・ビリルビン上昇、γ-GTP上昇
・悪心、吐き気、吐く、食欲不振
・顔面潮紅、尿が増える、口が渇く、疲労感

もし、視覚症状に関する副作用が生じた場合には、目の検査が必要となる場合があります。


セキソビット(成分:シクロフェニル)

セキソビットは、生理がこない「無月経」や、生理周期が長い「稀発月経」などの排卵障害に対して改善効果を発揮します。
通常、生理(月経)の3日目もしくは5日目から1日4〜6錠、5〜10日間内服します。
セキソビットは、シクロフェニルという成分を含む、錠剤タイプの排卵誘発剤です。
セキソビットも、FSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体刺激ホルモン)の分泌を促して排卵を誘発する薬ですが、クロミッドに比べると効果は少し弱くなります。
そのぶん副作用も少ないため、排卵障害が比較的軽いときや不妊治療の初期段階で使われることが多くあります。
また、クロミッドとは異なり、子宮内膜が薄くなる、子宮頸管粘液の産生が少なくなるといったことが起こりにくい、というメリットがあります。

副作用
セキソビットの副作用は少ないですが、以下のような副作用があらわれることがあります。
主な副作用は
・下腹部痛
・吐き気、眩暈
・発疹
・食欲不振
・頭痛
・胸の張り
・不正出血
・肝臓機能の低下
・卵巣過剰刺激症候群
・多胎妊娠


テルグリド(成分:テルグリド)
テルグリドは、排卵を抑制する「プロラクチン」というホルモンの数値が高すぎるときに使用される内服薬です。
※プロラクチンは、脳下垂体で分泌される女性ホルモンの一種です。
テルグリドは,イネ科植物の花穂に寄生するキノコの仲間(真菌植物)の麦角の誘導体で,プロラクチンというホルモンの分泌を抑制して乳汁漏出症や排卵障害の改善,下垂体腺腫の縮小に効果を発揮します。
出産後の授乳期には排卵・月経がしばらく起こらない期間がありますが、これもプロラクチンが関係しており、排卵を抑えることでさらなる妊娠を防ぐ効果があります。
しかし本来、授乳すべき時期以外にプロラクチンが多く分泌されることがあります。
それにより、乳中が出るだけではなく、排卵が抑えられて月経の停止や無排卵などの生理不順や、流産を引き起こしてしまうため不妊の原因となってしまいます。
実は女性だけでなく男性にも分泌されており、男性にとっては、精嚢腺や前立腺といった性機能の発育を促す役割を持っています。
テルグリドは、基本的には1日2錠、毎日続けて飲む薬ですが、症状に応じて量を減らすこともあります。

副作用
・急激な血圧低下・起立性低血圧によるショック(悪心・嘔吐,顔面蒼白,冷汗,失神など)
・AST・ALT・AL-P上昇
・胸膜線維症,肺線維症
・幻覚・妄想,せん妄,錯乱
・胃・十二指腸潰瘍の発現・悪化
・悪性症候群(発熱,意識障害,無動無言,強度の筋強剛,嚥下(えんげ)困難,頻脈,発汗)
・胸水,心膜液,胸膜炎,心膜炎
・心臓弁膜症
・けいれん,脳血管障害,心臓発作,高血圧
・後腹膜線維症(背部痛,下肢浮腫,腎機能障害など)
・突発性睡眠
・アレルギー症状(発疹,かゆみなど)
・脱毛,夜間の脚のけいれん,寒冷による指趾の蒼白
・尿失禁,帯下(おりもの)増加
・衝動制御障害(病的賭博,病的性欲亢進)


注射薬 hMG製剤・FSH製剤
無月経や排卵障害が原因で排卵がうまくいかなかったり、それが原因で不妊が見られる場合に使われる注射薬です。
ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)は、脳下垂体から分泌されるホルモンの一種で、「卵胞刺激ホルモン(FSH)」と「黄体形成ホルモン(LH)」の2つがあります。
エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンの産生・分泌に大きく関わっています。
また、FSHは卵胞の発育を促し、LHは排卵を誘発するなど、排卵に至るまでのプロセスでゴナドトロピンが重要な役割を果たします。
この2種類のゴナドトロピンの作用を、hMG製剤とhCG製剤の注射を打つことで補い、排卵を誘発するのが、ゴナドトロピン(hMG-hCG)療法です。
hMG製剤を投与期間は、超音波検査で卵胞の発育状況を観察します。
卵胞の直径が18mm程度まで大きくなり、卵胞が充分に成熟したと判断したら、hCG製剤を投与して排卵を促します。
通常、生理が始まった日を1日目として、3〜5日目からクロミッドやhMGを投与したあと、10〜14日目にhCG製剤を注射し、排卵を促します。
hMG製剤やFSH製剤だけで使用されることもありますが、クロミッドの効果をより高める目的で補助的に使われることもあります。
(※hMG製剤とFSH製剤は、FSH(卵胞刺激ホルモン)と同じ作用を持つ注射薬で、卵胞を発育させる作用があります。)

hMG製剤 hMG製剤は、閉経後の女性の尿から抽出・精製された薬で、FSHとLHの両方を含みます。
製品によって、2つのホルモンの含有比率は異なります。
FSH作用があるhMG製剤を投与し、充分な大きさまで卵胞が発育します。
精製hMG製剤(FSH製剤)は、hMG製剤からLH成分を取り除いたものです。

hCG製剤
hCG製剤は、妊婦の尿から精製されたものです。
LH作用を持つhCG製剤を投与し、排卵を誘発します。
クロミッドやhMG注射で卵胞を発育させたあとは、卵胞が成熟した段階でLHの作用が必要となります。
そこで使われるのが、LH作用を持つhCG製剤です。

種類によっては自分で注射できるタイプもあり、通院の負担を軽減できるというメリットがあります。
ゴナドトロピン療法はクロミフェン療法と比べて妊娠率が高いという長所がある一方で、流産率も高いという懸念点もあります。

副作用
・「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」が起きる場合がある
・多胎児妊娠(妊娠高血圧症候群などの合併症や、流産・早産リスクが高まるため、注意が必要)
・血栓症
・脳梗塞
・卵巣破裂
・卵巣茎捻転
・呼吸困難
・肺水腫


点鼻薬 スプレキュア(ブセレキュア)

点鼻薬タイプの薬です。脳に働きかけFSHとLHの分泌を促します。
スプレキュア(ブセレキュア)は「GnRH誘導体製剤」の一種で「GnRHアゴニスト」とも言います。
GnRHアゴニストは、脳の視床下部から分泌されるGnRH(Gonadotropin Releasing Hormone)の誘導体で、FSHとLHという性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)の分泌を抑制します。
スプレキュアは元々、子宮内膜症や子宮筋腫という子宮疾患の治療に用いられてきました。
「偽閉経療法」といって、スプレキュアを使ってエストロゲンの分泌を閉経時同様まで下げることで、月経を停止させ、子宮内膜症や子宮筋腫の病変の悪化を防止し、また縮小・萎縮効果も期待できます。
また、スプレキュアを使うことで、「GnRHの分泌を抑制する」や「GnRHの分泌を一時的に増加させる」作用があるという点があります。
排卵誘発と排卵誘発は相反する効果となりますが、スプレキュアは使い方によってこの2つの効果を発揮することができる薬です。
使い方の違いは、スプレキュアを使用する期間の長さです。
長期間使用すると「排卵抑制」が働き、短期間使用すると「排卵誘発」が働くという仕組みです。

長時間使用
体外受精において、なぜ排卵を抑制させる必要があるかといいますと、体外受精ではある程度多くの質の良い卵子を一度の周期で採卵したいという目的があり、スプレキュアで排卵を抑制しながら卵巣内の複数の卵胞が成熟するのを待つためです。
また採卵では、排卵直前の卵胞から卵子を採る必要があるため、排卵時期を適切にコントロールする必要があるので、意図しないタイミングで排卵しないようにするスプレキュアの役割は大切になります。

短時間使用
使用開始当初は、GnRHの分泌量が一時的に増える「フレアアップ」という現象が起こります。
GnRHの分泌量が増えるということは、FSH・LHの分泌量も増えます。
排卵する際には「LHサージ」というLHの分泌量が一時的に増えてから約36時間後に排卵する仕組みになっているため、GnRH分泌量増加に伴うLH分泌量増加(=LHサージ)を起こして排卵させるのです。

副作用
・頭痛
・眠気
・太る
・アナフィラキシーショック症状
・うつ症状
・脱毛
・心筋梗塞、脳梗塞
・ほてり
・胸の張り
・更年期障害様症状
これからも新しい薬が作られると思いますが、作用機序はそう変わることはないかと思います。
相談がありましたら、お問い合わせください!!! 銀のすず



睡眠と妊娠に関わる成長ホルモンとメラトニンの関係

妊活に臨む女性たち、いやすべての女性たちは仕事のストレス、対人ストレス、そして妊活ストレスに悩み、眠れない日々を過ごしてはいませんか?
一般的ですが、睡眠不足は肌荒れの原因となり、皆様のお肌に多大な影響を与えていることと思います。
美容だけでなく、不妊と睡眠の関係が言われるようになりました。
その理由を理解するために、睡眠について勉強しなくてはなりません。
睡眠、メラトニン、成長ホルモン、卵子

私は昔、「なぜ人は一日8時間も寝なくてはならないのか」と疑問に思ったものでした。
一日24時間しかないのに・・・若いころはそう思っていました。
しかし、睡眠のメカニズム、ホルモンを詳しく知ることでその疑問は簡単に解決できました。

それでは考えてみましょう。
睡眠には、「「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2タイプがあります。
レム睡眠は比較的浅い眠りで身体は休んでいるけれど脳は活発に動いている状態。
ノンレム睡眠は深い眠りで脳も身体も深く休んでいる状態を指します。
私たちが睡眠に入るとまず深い睡眠であるノンレム睡眠が現れ、約90分のサイクルでレム睡眠とノンレム睡眠とが繰り返されます。

このノンレム睡眠には私たちの未来への大切な時間なのです。

私たちの身体はゴールデンタイムである10時から深夜2時の間に成長ホルモンが分泌される仕組みになっています。
成長ホルモンというと、「背が伸びる」とお思いかもしれませんが、それは成長期の人。
大人の場合は、壊れた細胞や組織の修復や細胞の活性化を担います。

特にノンレム睡眠の状態にあるときに分泌が高まります。
成長ホルモンはその他のホルモンを調整する働きがあり、同じく脳下垂体前葉から分泌される卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモンの分泌にも影響を与えます。
つまり、健やかな卵子の生成には成長ホルモンのしっかり分泌される必要があり、そのためには十分な睡眠が必須と考えることができます。

また、最近は睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの存在も妊娠に深く関係していると考えられています。
時差ぼけがある人が飲むというメラトニンのサプリも最近、妊活中の間で流行っています。
松果体から分泌されます。

朝日を浴びてから14時間後に分泌が始まるメラトニンは、眠気を誘うだけでなく体内の活性酸素を抑制する抗酸化作用を有します。

またもここで活性酸素の話ですね。
ストレスや喫煙、糖質の過剰など様々な場所から生まれてくる加齢物質。

活性酸素は卵子を攻撃する要素の1つですから、睡眠不足によってメラトニンが分泌不全となると、卵胞発育の過程で酸化ストレスが生じて卵子の成熟を妨げてしまうのです。
採卵をしても、卵子の質が悪い、もちろん卵子だけではなく精子だって同じです。
活性酸素は怖いのです。
活性酸素から少しでも身を守るメラトニンはとても重要だということがわかりますね。
メラトニンは、必須アミノ酸に一種であるトリプトファンから合成されます。
食事も一緒に見直す必要がありますね。

さて睡眠によってホルモン分泌が変わり、妊活にもどうやら影響があるというのはお分かりいただけたと思います。
いわゆる「溜め寝」はできませんので、毎日、早めに寝なくてはなりません。
また量もさることながら、質も高めないと成長ホルモンやメラトニンは出ないかもしれません。
そこで、深い眠りが継続できているかをチェックする方法を知っておきましょう。

ノンレム睡眠の時は、抗利尿ホルモン(おしっこしたいを抑える)が下垂体後葉から分泌され、夜中トイレに目覚めないようになっています。
もし1〜2時間おきにトイレに目覚める人は、睡眠の質を疑ったほうがいいかもしれません。

ここでは卵子の話をしましたが、男性の精子だって同じです。
成長ホルモンや活性酸素のダメージはあります。
男女関係なく、質の良い睡眠を心がけましょう。

不眠の原因は、心身へのストレスが大きく影響いたします。
どこかで発散するところはないのか、発散できるものはないのか、探してみてはいかがでしょうか?

我が家の発散は、旅、犬、テレビで、私個人は読書、散歩です。

また、針灸マッサージは自律神経を整えるには最適ですね。
自律神経はホルモン分泌をコントロールしていますし、睡眠も自律神経がコントロールしています。
全身を緩ませ、整える鍼灸をやはり不妊治療の一部にするのは意味があることでしょう。
どうぞ、皆様のお近くの針灸院へ行かれてはどうでしょうか?
銀のすず



血行促進が妊娠の秘訣

血行が大事だというのは誰でもご存知のことと思います。
何がどう大事か?考えていきたいと思います。

私の見解では、妊活においてかなり重要な要素を持っていると思います。
その理由も含めて考えていきましょう。

現代医学に限らず、東洋医学でも『血行』の重要性を大昔から説いています。

東洋医学では
・血は気によって作られる
・血行は気がコントロールする
・血は気を運ぶ
と考えています。

このことから気為血之帥、血為気之母という言葉があります。
気は血の師匠であって、血は母親のように気を養います。
どちらが欠けてもダメだといっています。

西洋医学では
・栄養や老廃物を運ぶのは脈管系、動脈、静脈、リンパによって行われる
・吸収と排泄は毛細血管で行われる
・血行のコントロールは自律神経によって行われる
と考えます。

私たちが口にした栄養、そして毒物は腸内から毛細血管へ吸収されます。
そして血管の収縮と弛緩は自律神経の働きによってコントロールされます。

西洋東洋に限らず、心臓はポンプとしての働きがあります。
また心臓を動かすエネルギーを『心気』と東洋医学では表現し、西洋医学では冠状動脈の血液で心臓が栄養されます。

どちらにせよ、血にはあらゆる栄養が含まれ、血行によって各部位へと向かい、栄養し、排泄をします。

ここで一度考えてほしいのですが、女性ホルモンを例に考えてみたいと思います。
視床下部からゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)が分泌され、下垂体に作用し、ゴナドトロピン(FSH、LH)が分泌され、卵巣に働き、エストロゲン(E2)が分泌され、卵胞、子宮内膜が発育します。
血行、体質改善、不妊、銀のすず
GnRH、FSH、LH、E2のどれもが血液を使って次の目的地へと流れていきます。
分泌しているだけでなく、確実に目的地に到着していなくては何の意味もありません。

血液検査をするとき、私たちは肘の静脈から採血します。
採血しやすく、血が止まりやすいということから腕の静脈を使います。

肘のところの数値が正常範囲だからといって、それが卵巣へとしっかり流れているということにはなりません。
ちゃんと卵巣へと流れているかを知りたかったら卵巣動脈や卵巣内での血液検査をしなくてはならないはずです。
でもそんなことをいちいちしていたら大変です。
なので直接的ではなく、間接的に『血液が流れている前提』で腕の静脈で測定します。

話は少し変わり、年齢とともに動脈硬化が起こることは誰もが知っているでしょう?

不妊治療も年齢がどんどん高くなり、卵子の老化などといわれるようになりました。
ということはもともと細い血管である卵巣動脈や子宮動脈、卵巣静脈や子宮静脈は大丈夫なのでしょうか?

いくら何でもまだまだ血管は大丈夫だと思っているのであれば、少し考えなおしたほうが良いかもしれません。
まずは血液の流れから知っておきましょう!
血流改善、体質改善、ホルモンバランス、銀のすず
そして太さ!!
血行、体質改善、卵巣動脈、子宮動脈
弾性型動脈は25o、筋性型動脈は0.4o、細動脈は30μm。
大静脈30o、中等大の静脈は0.5o、細静脈は40μm。
毛細血管は8〜10μm。

これを見る限りでも、残念ながら卵巣や子宮へと出入りする血管はそこまで太いかというとそうでもありません・・・。
卵巣動脈や子宮動脈は0.4o、卵巣静脈や子宮静脈は0.5o、細動静脈は30−40μm(0.03−0.04o)と極細です。

動脈の血管は細くなるのは、末梢動脈疾患(PAD)という動脈硬化による病気です。
むくみ、静脈瘤、銀のすず、子宮動脈
勘違いされやすいのですが、動脈の変化は中高年になってから起こるものだと信じている人が多いんです!!!
実は、0歳の時点ですでに主な動脈に「硬化」の初期病変がみられ、10歳前後から急に進んできます。
30歳ごろになると、まさに“完成”された「動脈硬化」が現れるようになります。

おそらく動脈硬化が起こる優先順位もあるように思えます。
まず命に関わるところは一番最後で、命に影響のあまりないところから動脈硬化が進むような気がします。
そして個人差もかなり大きいと考えられます。
生まれた時から一生つき合わねばならない血管の変化ですが、変化を起こし、進める「危険因子」を避け、食事、運動などに気をつけている人とそうでない人では進行レベルは違うでしょう。
年齢とともに、生殖器への血流は衰えていないでしょうか?

続いて静脈です。
動脈硬化、血行、体質改善、銀のすず、子宮動脈
静脈はむくみと静脈瘤、そして血栓ですね。
静脈は心臓の支配がなく、血圧も限りなく低く、上が30oHg、下が2-3mmHgぐらいです。
血圧が低いにもかかわらず、末端側から心臓へ血液を戻さなくちゃいけないので大変な重労働を強いられます。
構造的に逆流防止弁が付いており、一度送った血液が戻ってこないようにしますが、なんと弁が壊れている人もいるとか。
するといつまでたっても心臓へ戻れず、行ったり来たり。
結果、留まることになりむくんだり、静脈に負荷がかかり静脈瘤になったり、血栓ができたりと踏んだり蹴ったりになります。
また血圧が低いので、膝を折っているだけで、前かがみになっているだけで、パソコンを打っているだけで静脈の流れは確実に悪くなってきます。
採血がなぜ静脈からするか考えれば一目瞭然です。
血圧が低いからですね。
動脈から採血したら噴水のように吹き出し、止まりません。
テープで、指で簡単に止まるので、姿勢でも十分止まります。
一定姿勢って怖いですね。
もちろん、静脈だって細胞でできていますので、硬化は起こります。

リンパ管についても付け加えておきます。
リンパ液が流れている管で、血管と違い、末端から中心に戻ってくるという特徴があります。
静脈と並行して走っていることが多く、最終的には静脈と合流し、心臓(右心房)へ戻ります。
静脈と似た構造ですが、静脈よりも壁が薄く、透過性が高いため、大きな分子のタンパク質や病原体など通常血管には入らないものも通します。
流れるリンパ液の主成分は、血液中の液体成分である血しょうです。
心臓から届け終えた血液は再び血管に戻りますが、その際に戻れなかった水分を組織液といい、全身の細胞はこの組織液の中に浸った状態で存在しています。
この組織液の一部が毛細リンパ管に入り、リンパ液となります。
組織液には細胞から出た老廃物や細菌、ウイルスなどの異物が含まれており、それらも一緒にリンパ管に取り込まれます。
身体にとって有害なものもありますので、リンパ節で白血球たちが待ち伏せし、攻撃します。

私たちの身体には、行って、戻ってくる血液が大切なんです。
その流れる道が血管というわけです。

血液を流す道(血管)についてはイメージできたと思います。
続いては流れている血液についてここでは簡単に説明します。
後日、詳しく説明をします。

血液は赤血球や白血球などの細胞たちと栄養、老廃物が溶け込んでいる液体です。
この中には卵子や精子、子宮内膜を作るように命令を出すホルモン、そして作り、育てるタンパク質や脂質、ビタミン、ミネラルが豊富です。
もし、この血液に栄養がなければどうなりますか?
もし、この血液に毒が流れていたらどうなりますか?
※流れてこないというのは血管の問題ですので、先ほど説明しました。

ということで、まとめです。

生殖器に限らず、各種内臓や筋肉、皮膚、髪の毛、目、鼻、口・・・なんでもいいのですが、すべて血液で栄養されています。

そして血液を運搬するのは血管であり、動脈や静脈、リンパです。

よって『最高の血液が、しっかり目的地まで注いでいる』ということが妊活の秘訣であり、人の生き方の秘訣です。

もう一度、血液と血行について考えてほしいと思います。
相談がありましたら、お問い合わせください!!! 銀のすず



妊活と葉酸について

まずは葉酸を知りましょう。
妊活、不妊、葉酸、着床率

葉酸は、ビタミンM、ビタミンB9などとも呼ばれ、水溶性ビタミンに分類されます。DNAなど核酸の合成や細胞分裂を促進、造血作用に欠かせない栄養素です。

妊娠中に葉酸が少ないと、神経管閉鎖障害(神経管は脳や脊髄の原型)が起こり、二分脊椎症や無脳症のリスクが高かくなることが知られています。
また、妊娠を希望する女性にも葉酸が重要だといわれ、巷で多くの広告がなされています。
その理由には流産率の低下、不妊治療の成績に差があるとの報告があるからです。

葉酸は「食事」と「合成」の形で摂取することができます。

食事=天然=プテロイルグルタミン酸=ポリグルタミン酸型
合成=人工=プテロイルモノグルタミン酸=モノグルタミン酸型

この両者の大きな違いは吸収率です。
食べ物から吸収した葉酸は、ポリグルタミン酸型なので、体内でモノグルタミン酸型に形を変えて、初めて小腸から吸収されます。
途中で胃液やらで壊れるものもあるでしょう。
すると吸収量は減ってしまいます。
なので、吸収率を考えると合成の葉酸が良いといわれています。

ちなみに1日の摂取量は1000μg(1mg)で、モノグルタミン酸型として取り入れたいですね。
では実際、食事由来にはどのくらい入っているのでしょうか?
モノグルタミン酸型に換算して表示します。
葉酸といえばほうれん草ですが・・・100gの茹でたほうれん草に含まれる葉酸は110μg。
生だと一束ぐらいでしょうか。
茹でると握りこぶしぐらいの量です。
これを10セット食べれば一日の葉酸は確保されます。
ほうれん草食べるなら、枝豆(260μg)のほうが多いですね。
ちなみにブロッコリ(120μg)、アスパラガス(180μg)です。

実は植物より動物に葉酸は多く含まれているのです。
鳥のレバー(1300μg)、牛のレバー(1000μg)、豚のレバー(810μg)、うなぎ(380μg)、生うに(360μg)です。
どう考えても動物性、とくにレバーを食べるのが合理的ですね。
100gのレバーを食べれば1日の摂取量はクリア!

もちろん毎日食べるのは難しいし、コストパフォーマンスも気になるところ。合理的にサプリでも良いかもしれません。

一般的なサプリは天然型で400㎍が一般的ですので、これでは正直まったく足りていません。
もしサプリを選ぶときには天然由来ではなく、合成の葉酸を選び、含有量も7〜800μg(食事で200μg摂るとして)のものを選ぶ必要があります。

食事もサプリも継続が鍵となります。
もともと体内に微量しか存在しない成分ですので、すぐに結果が出るわけでもないかもしれません。それでもコツコツと摂っていく必要があります。

ご主人様の精子にも良い影響があるとのことですので、ご一緒に摂られてはいかがでしょうか?

相談がありましたら、お問い合わせください!!! 銀のすず



妊活と水について

私はどんな栄養素よりも、水が最重要であると考えています。
妊活、水、卵子の老化、男性不妊

私たちのカラダにはとても多くの水分が含まれています。
新生児は80%、乳児70%、成人60%、高齢者50%ぐらい。
体重換算すると、体重50kgの女性には32kgの水分を持つということです。ちなみに、次に多い成分はたんぱく質で18%といわれており、約5kgとなります。

体内の水分は、細胞内液と細胞外液に分けられます。
細胞内液は細胞の中の水分で2/3、細胞外液は血液やリンパなど1/3となります。

これだけ多い水分ですが、年齢とともに少しずつ減ってきます。
生まれたての赤ちゃんはピチピチで、張り裂けんばかりの肌ですが、ある年齢を重ねると小じわやシミそばかすが目立ち始めてきます。
細胞内液が減り、細胞のハリがなくなり、細胞外液が減り、血液はドロドロとなり血行不良、そして細胞内へ影響がでるのです。
肌だけでなく、髪の毛が細くなる、爪が割れやすい、膝や腰などの関節が痛いなど体内の「水分」が減ってきて起こる現象です。

瞬間的な脱水でも起こらなくもありませんが、普段からの水分量の減少が"老化"と比例しているように思えます。

最近、「卵子の老化」という言葉があるように、妊娠したいと考えている女性の卵胞や子宮内膜だって例外ではないと考えられます。
だって、女性のおなかの中に宿すものは、90%の水分からなる胎児なのですから、母体に水分がなければ生み出すことは難しいというのは誰だってお分かりではないでしょうか?

東洋医学では、陰陽論という考え方があり、すべてのものを性質や形など色々な角度から2種類に分けるという考え方があります。
天と地のように、男性と女性もまた陰陽に分けられ、男性は陽、女性は陰となります。
単純に陰と陽ではなく、それぞれの特徴を深く考えさせる分類法です。
ちなみに、東洋医学独特の考えである気、血、水の3つの物質も分類でき、気が陽、血と水は陰となります。

生殖器の形状による分類、性格的な分類、筋肉量による分類、動作量による分類など挙げればきりのないほど、男女の特性を説いた分類法です。

「女性は陰の生き物」と呼ばれるように、陰の性質を持つ生き物。
毎月やってくる月経もまた、女性にのみに与えられた自然であり、出血は体内から血を排泄し、新しい血を作り、子を宿す準備をするのです。
そしていつの日か、陰の生き物である女性が水分の塊である胎児をおなかに宿す。
さらに歳を経て、女性は閉経し、子供を作ることができなくなる。

これが自然の摂理ではないでしょうか?

では水分はどのくらい摂ったらいいのでしょうか?
一般的には2〜2.5リットル毎日摂るべきだといわれています(個人差あり)が、私たちのカラダでどのぐらい水分が動くのかを理解しましょう。

出る水分
@ 皮膚、呼吸、汗:900cc
A 尿:1500cc
B 便:100cc
合計2500cc

入る水分
@ 食物:600cc(ご飯1膳90cc、トマト1個150cc)
A 体内でできる代謝水:200cc
B 飲料水・・・
飲料水以外で800ccなのでイコールにするには1700ccの水分を飲まないと足りなくなります。

足りなくなったらどうなるのでしょうか?

私たちのカラダは中では"渇き"が起こり、細胞や組織は多大な影響を受けることとなります。

食べるのを忘れても、水分を飲むことだけはわすれてはなりません。
女性が生涯において気になる肌や髪、爪などの美容、そして妊娠できるカラダには水分が重要だということです。

相談がありましたら、お問い合わせください!!! 銀のすず



妊活と運動について

妊活、運動、ミトコンドリア、卵子の老化、活性酸素、男性不妊

そもそも「運動」とはなんでしょうか?
物理学では「物体が時とともに空間的位置を変えること」をいいますが、私たちの言う運動とは「カラダを動かすこと」です。

私たちは、字の如く「動く物」。
私たちのカラダは動くように、構造と機能が備わっています。

原始時代から少し前までは、生活のすべてで「動かなくてはならない」状況ばかりでした。
日々の移動はもちろん、食糧確保、物の運搬などすべて人の力によって行われてきましたが、近年、私たちの生活は便利になり、どうしても活動量が減ってきました。
結果、筋肉量は低下し、代謝が落ちてきたという事実は認識しなくてはなりません。

よって現代人は運動するべきです。

ただし、これだけは忘れないでほしい。
むやみやたらな運動はするべきではない。
自分に必要な運動を行うことです。
誰かがこの運動は素晴らしいといっても、自分に不要であれば、害になることがあることを知っておかなくてはなりません。
ちなみに私は、毎日運動します。
絶対に呼吸が乱れるような運動はしません。
深く、少ない呼吸を心がけ、腹筋に力を込め、親指を意識し、少し歩幅を広げるように歩きます。
話を戻して、
運動の良し悪しを簡単に解説し、自分に足りないものを考え、また不妊と運動との関係もお話します。

まずは運動の運動の良いところのご紹介です。
・健康増進、体力維持
・血行改善
・ダイエット効果
・心肺機能向上
・筋力増強、それに伴う関節への負担減
・ストレス発散(精神安定、達成感など)

続いて運動の悪いところのご紹介です。
・過剰な運動で組織破壊や疲労物質の蓄積
・過剰な有酸素運動による活性酸素の過剰発生
・無酸素運動による筋肉の肥大化(マッチョ)
・無酸素運動によるエネルギー代謝の悪循環
・怪我や突然死

さらに不妊との関係をご紹介します。
・活性酸素が卵子の老化を招くかもしれません
・炭水化物食の場合の運動は卵子は栄養されません
・脂肪、たんぱく質食の場合の運動は卵子へ良いエネルギー供給が可能となります
・過度な疲労により細胞の活性は下がってしまいます
・不要な筋肉を付けすぎた結果の血行不良が懸念されます

このぐらいでしょうか?

私はもともとかなりハードに運動をしてきましたが、運動は必要だといいながらも、反対の意見を述べています。

その理由は、「他人が良い」ということと「自分に良い」はイコールではないということです。
まずは誰かを見る、誰かの意見を聞くのではなく、自分を見つめてあげることこそ、すべての第1歩ではないでしょうか?

自分を理解して改めて、自分に合った運動をみつけ、実践する。
ウォーキングでも、ランニングでも、水泳でも、加圧でもなんでも自分に必要であればとても素晴らしい運動です。
ぜひ自分に合った運動を見つけてから運動を始めましょう。
どんな運動をしたら良いのかわからない場合はご相談ください。
銀のすず



妊活とルイボスティについて

妊活、ルイボスティ、カフェイン、卵子の老化、男性不妊

「ルイボスティを飲むと妊娠するらしいよ!」
とよく聞かされるフレーズですね。

結論から言って、それで妊娠するなら誰も困っていないという事実。
とはいえ、カラダに悪いといっているわけではありません。
ルイボスティはとてもカラダに良いものです。

さて有名なルイボスですが、5年前のハーブの本には記載がありません。
ここ最近注目されているのですね(大昔から原住民には利用されています)。
生息しているのは南アフリカで、それ以外の地域では栽培できないそうです。
それがまた、希少性を増しますね。

さてルイボスの良さといえば
@ アンチエイジング・美肌
A 妊活
B むくみ・冷え
C アトピー
D ダイエット
E 安眠効果
F 二日酔い
G 貧血
H 生理痛
I 便秘・下痢
J 水虫
K 加齢臭・体臭
L 更年期
M 熱中症
N 糖尿病・痛風
O 花粉症

たくさんの効能があります。
とくに着目するのは、活性酸素分解酵素SODという活性酸素を分解する酵素、抗酸化物質をたくさん持つことです。抗酸化物質といえばアンチエイジング。
活性酸素はカラダにとって悪者のイメージが強いですが、バイキンからカラダを守るという殺菌効果がとても強い。ただ、増えすぎるとカラダを酸化(錆付かせる)させてしまう。
普通に呼吸していても増えるし、激しい運動、喫煙、強いストレス、紫外線の浴びすぎなどによってもっと増えてきます。
近年、「卵子の老化」が騒がれていますが、活性酸素もまた原因となっているはずです。であればやはり活性酸素をカラダから除去する必要があります。
そこで抗酸化物質を摂る必要があります。ルイボスも良いですが、ブルーベリー、バナナ、にんにく、キャベツ、ショウガ、たまねぎ、ブロッコリー、ココナッツ、アボガド、納豆、たまごの卵黄、アーモンドなどにも抗酸化物質が多く含まれていますのでバランスよく摂りましょう。

そして、ルイボスには多くのミネラルを含むというのも特徴です。カルシウム、亜鉛、リン、マグネシウム、マンガン、鉄、銅を他のお茶より多く含みます。カラダに必要な成分ですのでしっかり摂りたいところですが、過剰摂取は負担になるということを知らなくてはなりません。
高カルシウム血症、高マグネシウム血症、高リン血症、銅の過剰摂取で嘔吐や下痢・パーキンソン・貧血など、鉄の過剰摂取で嘔吐・下痢・ショック症状、マンガンの過剰摂取で運動失調・パーキンソン病などの原因、もしくはきっかけになるかもしれません。

また上記に書いた他の食材にも多くの成分が含まれているので、過剰摂取などバランスを考えてお摂りください。

絶対にないと思いますが、ルイボスだけしか口にしない、ルイボスの栄養に頼り切っているのであれば、完璧なルイボスを探し、単体での栄養を考えればよいでしょう。
あくまでバランスです。

最後にノンカフェインと低タンニンであるということ。
どうしてもカフェインを悪にしたいようなので、カフェインを「毒」と考えるのであれば、ルイボスやデカフェを飲みましょう。ここでは説明しませんがデカフェはめちゃくちゃカラダに悪いです。私だったら迷わずカフェイン入りのコーヒーを飲みますが・・・。
タンニンは鉄の吸収を阻害するので、摂りすぎは貧血の原因となります。ルイボスは低いのでルイボスや食事に含まれる鉄の吸収を阻害することはないでしょう。

たくさん良いことのあるルイボスですが、効果のあるものには必ず副作用があります。
この世に万能薬など絶対にないのだから。
たとえば
@ 眠たくなる
A 葉酸が壊される
B 冷え性
C 胃腸機能の低下
などがあります。
ご注意してください。

ルイボスは原住民の薬草として愛され、利用されていましたが、今では世界中で利用されています。
ルイボスに限らず、最近流行のチアシードなども昔から原住民に愛されていました。
それが現代になってスーパーフードとして脚光を浴びています。

流行った時代は違いますが、原住民に愛され、使われていた薬草たちって実はたくさんあるんです。
たとえばコーヒー、茶葉(紅茶、緑茶、白茶など)、ローズマリー、ユーカリ、ラベンダー、マテなども現地ではとても良い薬草として利用されていました。
現代では私たちの生活にも溶け込んだ当たり前の植物ですがきっとルイボスもそのうち当たり前になり、ジャングルの森の中で発見された新たな植物が脚光を浴びるときが来るのでしょう。
私たちの身近にあるショウガやニンニクもスーパーフードで抗酸化作用もあるので、バランスよく食事の中に取り入れたいものです。

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妊活と卵(たまご)について

妊活、たまご、卵子の老化

卵子の質を上げるためにたまごを食べようというお話。

いくら卵子もたまごだからって、たまごを食べるとなんてそんな馬鹿な話あるか!
といわれそうですが、そういった都市伝説があるんです。

たまごを食べすぎたらコレステロールが増えて、太っちゃう!
という声もいただきそうですね。

たまごについて、コレステロールについてまだまだ間違った情報が多いのかもしれませんね。

まずたまごは何からできているのでしょうか?
100gあたり
水分76.1g、たんぱく質12.3g、脂肪10.3g、炭水化物0.3gがほとんど。
それ以外にナトリウム、カリウム、リン、レチノール、葉酸などがちょっと入っています。

水分が多いのは生き物として当たり前ですが、やはり注視しなくてはならないのは、たんぱく質と脂肪が多いこと、そして炭水化物がとっても少ないことです。

いわゆる高カロリー、高脂肪、高たんぱく食といわれるものですね。

私たちのカラダの構成成分は
水分60%、たんぱく質20%、脂肪15%ぐらいですからたまごと私たち人間のカラダは実に似ているのですね。

たんぱく質はアミノ酸の集合体ですね。
なかでも必須アミノ酸は体内で合成できず、食事からのみ摂取するものもあります。
たんぱく質は、私たちの筋肉、髪の毛や皮膚、骨の一部などを作っています。
人間として水分に次いで多い成分ですので、重要度は計り知れません。
食品たんぱく質の栄養価を科学的に示す方法として「アミノ酸スコア」という指標があります。
人間のからだにとって理想とされる必須アミノ酸の量に対して、その食品に含まれている必須アミノ酸の割合を算出します。
すべての必須アミノ酸が必要とされる量を満たしている場合に、アミノ酸スコアは100になります。
つまり、アミノ酸スコアが100に近いほど、良質のたんぱく質であり、言うまでもなくたまごはアミノ酸スコアが100です。
ちなみに白米65、大豆86です。牛肉、豚肉、鶏肉など肉類はすべて100となっています。
また、アミノ酸スコアと少し違うプロテインスコアというものもあります。
プロテインスコアのほうが信頼性があるという話があるで紹介します。

プロテインスコアは特定の食品に含まれる必須アミノ酸が、人体が求める必須アミノ酸の比率と比較してどの程度含まれているかを評価したものです。
簡単に言うと、人の体内で作ることのできない8種類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいるかどうかです。
プロテインスコアが100点なのは卵で、牛肉(80)や豚肉(90)、鶏肉(87)、さんま(96)が上位にいて、大豆(56)が低いことがわかります。

やっぱり人間はたまごや肉を食べなくてはならないのですね!

たまごに含まれている脂肪は中性脂肪>一価不飽和脂肪酸>飽和脂肪酸>多価不飽和脂肪酸>コレステロールの順となっています。
しかも絶妙なバランスで含まれているスーパーフードです。
以下、脂肪について説明しましょう!

脂肪の大部分は中性脂肪で、膵臓からの消化液によって、脂肪酸とグリセロールになります。
脂肪酸には飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸に分けられ、不飽和脂肪酸はさらに一価と多価不飽和脂肪酸に分類されます。
脂肪酸にも必須脂肪酸があり、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸という食事からしか摂取することができないものもあります。
飽和脂肪酸は非常に安定した脂肪酸で加熱に強く、酸化しにくいといった性質があります。
代表的な脂肪酸はラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸です。
飽和脂肪酸の摂取は血液中の脂肪濃度を上げず、また体内に中性脂肪として蓄積されません。
摂りすぎは動脈硬化の原因となり、摂らな過ぎは血管がもろくなります。

一価不飽和脂肪酸も比較的安定し、オレイン酸が有名です。牛肉や豚肉、ヒマワリ油、ベニバナ油、オリーブ油、ナタネ油に多く含まれます。
酸化しにくいので過酸化脂質を作りにくく、また心臓病やがんの発生率を下げます。

多価不飽和脂肪酸は魚に含まれるDHAやEPAが有名で、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸が有名です。
細かいことを言うとオメガ3系とオメガ6系に分けられ、オメガ6系は酸化しやすく、ガンと深い関係のある過酸化脂質を作ります。
もちろんコレステロールを減らしたり、血糖値を下げたり、血圧調整、免疫力アップもしてくれます。
オメガ3系はがん細胞増殖抑制、降圧作用、善玉コレステロールを増やし、中性脂肪を減らすなどの働きがあります。

脂肪から連想するものにコレステロールがあります。
実際は、コレステロールは脂質ではなく、動物性たんぱくの中にあるステロールやアルコールの一種です。
コレステロールは誤解の多い物質ですね!
・コレステロールは性ホルモンの材料
・60兆個の細胞の細胞膜の構成成分
・胆汁酸の材料として、脂肪分や脂溶性ビタミンの消化・吸収を促進
・ビタミンDとなりカルシウムの吸収を促進
という働きがあるんです。
不妊に関して言えば、コレステロールの少ない人は女性ホルモンが作りにくいということです。

トータルすると、たまごの脂肪はめちゃくちゃ良い!と言うことですね。
ただし、酸化してしまうと良くないので、できるだけ生が良いでしょう!
しかも黄身と白身を生の状態で混ぜ合わせないでください。
混ぜた時点で白身の「アビジン」と黄身の「ビオチン」が結合して吸収されにくくなってしまうからです。
ビオチンはビタミンB7とも言われ、血流を改善し、コラーゲン生成促進などの効果があります。
続いて、たまごの炭水化物量を見てもらえればわかりますが、他の成分に比べるととっても少ない。
きっとたまごにとってもそんなに重要な成分ではないのでしょうね。
炭水化物にはたんぱく質や脂質のように「必須炭水化物」、「必須糖質」などと言うものはありません。
そもそもなぜ三大栄養素に入っているのかすら疑問ですが・・・。

たまご固有の成分もありますが、やはり人のカラダと同じような成分からなるということが重要そうです。
しっかり摂って、良質なたんぱく質と脂肪を取り込みましょう。

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妊活と鉄について

鉄は私たちには欠かせないミネラルの一つです。
誰でもご存知、ヘモグロビンの構成成分ですね。
ヘモグロビンについてお話していきましょう。
まずはヘモグロビンは赤血球の中にあります。
赤血球は直径7〜8μmの円盤状で、核がない。
1マイクロリットル中に450万個、私たちの身体には血液4リットルあるので、4,000,000マイクロリットルになるので、18兆個もあるのです。
人体の細胞数は60兆個といわれているので1/3は赤血球というわけです。
こんなに多いのにはどんな理由があるのでしょうか?
赤血球の仕事は酸素と二酸化炭素の運搬です。
このガス交換が私たちの生命にとても重要だということなのでしょう。
さて、赤血球の寿命は120日で、毎日2000億個が作られます。
数を見るとびっくりしますね。
では実際にどのように作られているのか見ていきましょう。
妊活、たまご、卵子の老化

いわゆる血液は末梢血液といい、その血液中に流れている赤血球や白血球、血小板は骨髄で成長し、一人前になったら出てきます。
図を見てもわかるように、骨髄中は核を持ち、細胞分裂もできます。
ヘモグロビン合成も網赤血球まではできるので、それまでにヘモグロビンを作っておかなくてはならないということです。
これから話になる『鉄分』は末梢血液にあれば良いのではなく、あくまで骨髄中になくてはならない物質というわけですね。
皆さんが傷から出てくる血をなめて、鉄の味がするのは唾液で赤血球が壊れて、中のヘモグロビンのヘムの味です。
血液中に鉄が流れているわけではありません。

さて前置きはこのあたりにしてヘモグロビンの話を勧めましょう。
赤血球が壊れてヘモグロビンが赤血球外に放出されることを”溶血”といいます。
赤芽球から赤血球になって壊れるまでに120日かかります。
赤血球が古くなると、代謝酵素の減少によりATPが少なくなり、壊れやすくなります。
主に脾臓で選別され、血管外でマクロファージにてこわされます。
赤血球の2/3は水分、1/3はヘモグロビン、わずかに酵素やATP、ブドウ糖、タンパク質、脂質が存在しています。
赤血球は核もなければ、ミトコンドリアもありません。
よって酵素による嫌気的解糖系によってATPを作り上げる効率の悪い仕組みによって活動しています。
1分子のブドウ糖から2つのATPしか作れない仕組みですが、18兆個の赤血球なわけですので恐ろしいほどのブドウ糖が必要になります。
単純に18兆個のブドウ糖分子がないと赤血球は稼働できないことになります。
体の1/3の細胞を赤血球が占めていることを考えると、血液100dl当たり、100rを身体が維持する理由がわかります。
何度も出てきますが、人体にはホメオスタシスがあり、糖新生系を使って血糖値を維持しています。
ブドウ糖は必要だということになりますが、脂肪やタンパク質を原料に作っているので食事から摂る必要があるかどうか・・・。

さてヘモグロビンの話に戻ります。
ヘモグロビンは4分子のヘムと1分子のグロビンから作られる色素タンパクで、ヘムとグロビンは赤芽球内で別々に合成され、結合してヘモグロビンになります。
ヘモグロビンには種類がありますが、ヘモグロビンの鉄含有量は0.347%、1gの酸素結合能は標準状態(1気圧、0℃)のとき1.39mlです。

ヘムはプロトポルフィリン\の中央に二価のの鉄原子(Fe2+)が1個結合したもので、この鉄原子が1分子の酸素を可逆的に着脱します。
ヘムは赤芽球の細胞質で合成されます。
ミトコンドリアでグリシンとサクシニルCoAが重合してδ-アミノレブリン酸(ALA)が合成されます。
この反応のとき、ビタミンB6が補酵素として働きます。
ALAは細胞質内でALA脱水酵素などの作用を受けて化学的に変化し、コプロポルフィリノゲンVとなります。
再びミトコンドリア内に移動し、コプロポルフィリノゲンとなり、酸化酵素によってプロトポルフィリンに変化し、これに鉄イオンが結合してヘムになります。
グロビンはリボソームでポリペプチド鎖として合成され、ミトコンドリアで作ったヘムとともにヘモグロビンが作られます。
妊活、たまご、卵子の老化

赤血球の寿命は120日で、毎日2000億が作られていますが、寿命を迎えた赤血球はどうなっているのでしょうか?
古くなった赤血球は脾臓と肝臓のマクロファージによって貪食、消化され、ヘモグロビンはヘムとグロビンに分けられます。
ヘムはヘム酸化酵素によってビリベルジンと鉄に分解されます。
グロビンはアミノ酸に分解され、体内で再利用されます。
鉄はヘモグロビン合成に利用されるか、貯蔵鉄になります。
ビリベルジンはビリベルジン還元酵素によってビリルビンとなります。
このビリルビンは脂溶性で水には溶けず、遊離型(間接ビリルビン)としてアルブミンと結合して血中を循環し、肝臓に運ばれます。
遊離型(間接)ビリルビンは血液を介して肝細胞に入り、リボソームにあるグルクロニル転移酵素によってグルクロン酸抱合を受け、抱合型(直接)ビリルビンになります。
抱合型(直接)ビリルビンは水溶性で、肝細胞から胆汁中に排出され、腸内細菌の還元酵素によってステルコビリノゲン、ウロビリノゲンに還元され、さらに酸化されるとウロビリンとなります。
こうしてできるウロビリンは大便中に排出され、一部は腸で再吸収され、門脈に入り、肝臓で再びビリルビンとなって胆汁中に排泄されます。
これを腸肝循環といいます。
ウロビリノゲンの一部は肝臓を通過し、腎臓から尿中に排出されます。
妊活、たまご、卵子の老化

最後に説明するのはヘム鉄についてです。
私たちの身体には3〜4gの鉄があり、ヘモグロビン、貯蔵鉄、ミオグロビン、組織鉄、血清鉄に分類されます。
ヘモグロビンが圧倒的に多く、2.5gに使用されます。
妊活、たまご、卵子の老化

ヘモグロビンのヘム鉄を含む、鉄分には2種類あって、非ヘム鉄とヘム鉄があります。
私たちに必要なのは『ヘム鉄』です。

なぜヘム鉄かと言うと吸収率や使用目的を考えると簡単です。
ただ私たちの体の中に鉄があればよいのではなく、ヘモグロビンになること、つまり血肉にならなければ意味がないわけです。
そこで吸収ルートを知っておきましょう。
妊活、たまご、卵子の老化

鉄は、消化管や皮膚の上皮細胞の脱落によって便や汗で毎日1rが失われ、一方では食物中に含まれる20rの鉄のうち約1rを小腸上部、特に十二指腸粘膜でFe2+の形で毎日吸収しています。
妊活、たまご、卵子の老化
動物性はFe2+、植物性はFe3+として存在し、植物性のFe3+は胃でFe2+に還元され吸収されます。
月経のある女性は1日平均2r、妊娠中は約3.5rの喪失があり、食事で食べまくる必要があります。
小腸粘膜細胞で吸収された鉄は上皮内でFe3+に酸化され、、血漿中のトランスフェリンと結合し、複合体となって血中を循環して骨髄に運ばれ、赤芽球内でヘム合成、ヘモグロビン合成が行われます。
普通の人で1日にヘモグロビン合成に利用される鉄(約30r)はほとんど貯蔵鉄から供給されます。
よって貯蔵鉄であるフェリチン値などが低値である場合、ヘモグロビンを供給できないということになります。
結果、貧血へと向かい、送り届けなくてはならない場所へ送れないという危機的な事態へと向かうのです。

鉄に関しての他の情報はビタミンCを見てください。
こちら

続いて、鉄をどのくらい食べればよいか?、食べ過ぎは?、何に多く含まれるか?を見ていきましょう!!! 鉄が必要なのは性別、年齢関係なく、生きているなら必要です。
妊活、たまご、卵子の老化

ただし必要量は年齢や性別、体重など体質で変わってきます。
たとえば月経血の量が多い人と少ない人では喪失している鉄量が違います。
体重が40sと100sでも違いますね。
個体差があるので一概に男性は●●g、女性は●●gとは言えません。
本やネットに書かれている推奨量はあくまで平均的に書かれた数字ですので鵜呑みにしてはいけません。
よって自分にはどのくらい必要か計算が必要です。
たとえば月経がある場合、1回の経血量は20〜140mlととても幅があります。
ほとんどの人が自分の生理の血なんて測ったことがないと思いますが、子宮筋腫などがある場合はもっと多く、200ml以上も出ているかもしれません。
200mlというと女性が献血する時に勧められる量ですね。
献血は女性で200mlした場合、4週間、400mlの場合、16週間空けなくてはいけません。
ということで女性の場合、血液を喪失する機会が多いので毎日の鉄分補給がいかに重要かわかるでしょう。
月経がある場合は摂り過ぎを心配する必要はないように思えます。
一般的に上限は男性40r、女性30rといわれています。
100g当たり鉄が最も含まれているリストを上げておきます。
妊活、たまご、卵子の老化

植物性(Fe3+)か動物性(Fe2+)の区別もあります。
繰り返しになりますが、動物性のほうが吸収率も利用率も高いです。
ちなみに赤こんにゃくが最も鉄分が多く、100g当たり78.5r含まれているので50gの赤こんにゃくで十分ということです。
動物性で最も多いのは豚レバーで100g中に13r含まれているので、230gの豚レバーを食べなくてはいけません。
230gというと拳ぐらいの大きさです。
焼き鳥で食べる鶏レバーは100g中に9g含まれているので、333gの鶏レバーを食べなくてはなりません。
だいたい一串30gぐらいだとすると11本です。
煮干しだと、10尾(20g)で3.6mgの鉄分を摂取できるので、毎日100尾食べないと過剰にはなりません。
正直、毎日摂りきれる量ではありません。
サプリだと過剰も起こりうるかもしれませんが、貯蔵鉄が少ない場合もあるので問題ないのでは?
我が家では36rのヘム鉄を飲ませています。
妊活中、妊娠中、授乳中とずーっと飲ませています。

さて鉄に関係する話をたくさんしてきましたが、結局何が言いたいかといわれると以下の計算の結果を知ってほしいと思います。

ヘモグロビンは1デシリットル中に15g存在していますので、血液量を4リットル(体重52s)とすると、15g×40倍=600gのヘモグロビンが存在することになります。
体内のヘモグロビンは834ml(600g×1.39ml)の酸素と結合できるという計算になります。
一呼吸(1回換気量)は体重1s当たり10ml、体重52sだと520mlなので、15gのヘモグロビン量であれば十分な酸素を供給できます。
万が一、ヘモグロビン濃度が8g/dlとなった場合、酸素の運搬は難しくなります。
8g×40倍=240g、240g×1.39ml=333.6mlの酸素結合能ということになるので、体重52sの人では酸素が足りません。
9g×40倍=360g、360g×1.39=500.4ml
10g×40倍=400g、400g×1.39=556ml
11g×40倍=440g、440g×1.39=611.6ml
12g×40倍=480g、480g×1.39=667.2ml
13g×40倍=520g、520g×1.39=722.8ml
14g×40倍=560g、560g×1.39=778.4ml
ざっと計算をしてみると、10g/dlのヘモグロビン濃度がないと体重52sの人は酸素が運搬できないということがわかります。
貧血を持っている人は体内で大変な酸素不足が起こっていますね。
酸素が運べないのでは細胞の活動に影響を与えます。
何せ、好気的な代謝は行えない可能性があるからです。
これではすべての機能がストップする恐れがあります。

なぜ細胞の1/3が赤血球なのか?
それを考えると呼吸がどんなに重要かがわかります。
月経のある日本人女性99%が貧血を持つといわれています。
えっ!血液検査で引っかかったことがないという人もいるかもしれませんが、今までの話を理解すれば女性は貧血だと気が付くと思います。

骨髄や肝臓、筋肉など全身の鉄を回して私たちは活動していますが、男性と違い、体外に排出してしまうため、外部から摂取する必要があります。
可能な限り、日々の生活で鉄を取りたいものです。
貧血なんてそんな大層なものじゃないと軽んじていませんか?

より良い卵子や精子を作りたい、子宮内膜を厚くしたい、妊娠を維持したい、元気な赤ちゃん生みたいと思うのは当たり前です。
ではどうするか?
必要不可欠な栄養である酸素を送り、その他の栄養を送りたいのです。
そのための血液ですから。

『血液中の栄養が満ち溢れ、そして注がれる』
これこそが妊活に欠かせないキーワードであり、私たちも針を使い、導けたらと考えています。
血液の質と血流改善を目指し、突っ走りましょう!!!
ただし、妊活中は温めての血流改善はダメですよ!!!

相談がありましたら、お問い合わせください!!! 銀のすず



妊活に鍼灸治療は効くのかどうか?

世界的に注目を受けている針灸治療。
日本ではあまり広まっている治療法ではないですが、欧米、中国、韓国などではかなりの利用者がいらっしゃいます。
欧米の研究では、妊娠率を上げるという研究論文がたくさんあります。
果たしてその効果はいかがなものなのでしょうか?

私たちは針灸師ですので、もちろん効く!と思って実践いますが、一般の方にはまだわからないことが多いのではないかと思います。
実際、効く、効かないと言っている時点で、あやふやな感じです。

針灸は東洋医学の一部分で、中国発祥で数千年の歴史があります。
東洋医学、針灸、ホルモン、自律神経
今のように血液検査や超音波、レントゲンなどない時代ですの、細かく、そして客観的に人体を探ることはできませんでした。

できることとすれば、「よく観察すること」です。
実際は、自覚症状や他覚症状、食事や運動、住環境、体格、さらには季節や気候など身の回りのものを総合判断することが大切でした。
「腰が痛い」と言えば、いつ、どこで、どこが、どのように痛むのか、全身に何か反応はないか、普段の生活はどのように、痩せすぎていないか、筋肉量はどうか、寒いか、雨の時につらいかなど確認します。
何らかの反応が出ているということは、体内や体外で何かが起きていると判断できます。
これらの情報は、個々の状態を表すものですね。
つまり人はみな、違う。
個に重きを置いた見立てがあったのです。
その何かの反応が病的なものか、生理的なものかを判断し、針灸や漢方、気功などを施していきます。

妊活をしていると、「あの人は〇〇で妊娠した」という情報が多く出回っています。
が、
その〇〇という情報は赤の他人が実践したものであって、年齢も体格も、生活スタイルも、性格、運動歴も、何もかも違うのです。
「〇〇クリニックに行ったら1回で妊娠できた人がいる。だから私も妊娠できると思うから行ってみようかな。」
残念ですが、そううまくはいかないでしょう。
個体差を考えることはとても難しいのです。

病院での医療も、東洋医学の世界も経験してきた私からすると、お互いに良し悪しがあり、それの良いところどりをすることが大切なんだと思います。
ただし、良いところどりをするにしても、病院は機器の充実、医師の経験など最高峰の病院を選択する必要があります。

鍼灸院の場合は、知識と技術はもちろんですが、施術環境、施術者への安心感などその他のエッセンスがとても大切になることを忘れてはなりません。
何せ、受け取る側も様々で、ものさし的なものがあいまいで、一定的なもので評価ができないものなのです。

患者さんから聞いたいくつかのケースをご紹介します。
<ケース1>
初めて予約をするとき、ホームページを見て、良さそうだなと感じ、予約をします。
実際、鍼灸院に行くと、自分の好きな空間で、心地よいと感じます。
カウンセリングで施術者は丁寧で、嫌な感じがしない、むしろ安心感がある。
聞きたいこと、知りたいことをなんでも応えてくれる。
針灸治療が始まると、タオルの使い方や鍼灸、マッサージが心地よく、ついウトウトしてしまう。
施術が終わると、「あ〜気持ちよかった、なんだか身体が軽くなった」と感じる。
アフターカウンセリングで、これからどうのように体を整えていくかのアドバイスをもらう。
次の予約をしようと思う。

<ケース2>
初めて予約をするとき、ホームページを見て、予約をした。
針を刺して、そのままの状態で、寝かされ、その後針を抜かれ、治療終了。
何が何だかよくわからない状態で終わった・・・。
やる意味あった?

<ケース3>
初めて予約をするとき、ホームページを見て、電話をしたら電話対応があまりにも悪く、予約をやめた。

<ケース4>
初めて予約をするとき、ホームページを見て、予約をした。
実際、鍼灸院に行くと汚れている、不潔感がある・・・。
もう行くのはやめよう。

<ケース5>
初めて予約をするとき、ホームページを見て、予約をした。
施術者の印象が悪い(怖い、不潔、コミュ障、肥満、肌荒れ・・・目的に応じて変化)。
信頼できない。
次回は止めておこう。

<ケース6>
初めて予約をするとき、ホームページを見て、予約をした。
施術者の印象も良く、丁寧だったが、施術がどうもいまいちだった。
費用と施術のバランスが見合わない。
次回はどうしよう?

<ケース7>
初めて予約をするとき、ホームページを見て、予約をした。
とても傲慢な施術者で、常に上から目線だった。
ストレスを感じてしまう。

これらは鍼灸院に限らず、病院でも同じかもしれません。
特に不妊治療に通っている人は女性なので、気持ち、雰囲気などを大切にする方が大勢いますので。

針灸などの代替医療は「プラシーボ」と言われています。
もちろんちゃんとした効果も期待できるのですが、プラシーボでさらに倍増の効果が期待できるのです。
まさに「病は気から」という言葉がぴったり来ますね。

こういったことは多々起こりうることです。
ダイエット目的で通おうと思っていたのに、施術者が太っているのでは説得力はないでしょうし、健康になりたくて行っているのに、健康には見えないのではちょっと行きにくくなります。

自分自身で体験して、もっともご自身が納得できる鍼灸院を探し当てることが大切です。
そうでなければ、針灸の素晴らしい効果は期待できないのかもしれません。


病院は統計学をもとに成功率の高い方法をチョイスし、治療に当たります。
このため、卵子のグレードやホルモン、子宮内膜の状態から「〇〇%の確率で妊娠する」という病院もあります。
不妊の方をいくつかのグループに分類し、そこの当てはめ、治療法を決定していきます。

東洋医学の場合は、個を観察して、針灸を施していきます。
身体を観察、触診、問診をしてどういう状況なのかの判断をしていきます。
状態の傾向はあるものの、不妊を同じ不妊とは考えることがとても難しいのです。
実践する鍼灸師もまた、感じ方や考え方に個人差があります。
それも相まって複雑化するのでしょう。

針灸師の治療法にはいくつかの方法があります。
私たち鍼灸師が使用するツボは361個あり、またそのツボをつなぐ川のような経絡が20本あります。
ツボとは一体何か?
東洋医学、ツボ、針灸、自律神経
そうですね、難しい質問です。
何かと聞かれれば「パワースポット」とでもいえばよいのでしょうか?
気というエネルギーの集まったところであり、その気をコントロールすることで体の不調を改善していきます。

実際にツボの場所には何があるのかと聞かれても、具体的に説明することはできませんが、数千年の時を経て、人々が経験した効果を脈々と受け継ぎ、現在に至ります。

たとえば、「足三里」というツボが足にあるのですが、このツボを押すと腸が動きます。
神経かといわれれば、関係ないとは言えないものの、神経とも言えず、ただ動くという事実、そして足三里の所属する経絡はお腹を通っています。
人体にはまだまだ不思議なことがたくさんありますね。

まとめると針灸治療は個を対象とし、体中に表れている反応を探し出し、効果のあるツボや経絡に針や灸を行います。
気のコントロールをすることで自然治癒力を高めていきます。

それ以外にも、筋肉や神経といった解剖、生理学的なものへの刺激という方法もあります。
電気を流す鍼治療を受けたことがある方もいるかもしれません。
筋肉は収縮と弛緩を繰り返す習性があるため、電気を流すことで、緩める働きがあります。
神経は運動神経や痛みや温度などを感じる感覚神経、自律神経系があり、ピンポイント、もしくは周囲、さらには圧迫しているものへの刺激で神経の調子を整えようとします。
この神経への刺激は、筋運動だけではなく、内臓機能、血行、痛みなどにも効果を引き起こせる可能性があります。

よって針灸治療の可能性は
・ツボを使って気血の巡りを改善する
・五臓六腑の働きを正常化する
・運動効率を上げる
・感覚を正常化する
・ホルモンや血行、消化吸収など自律神経系を正常化する
などが期待できるということです。


ただし、治療院の環境や施術者の性質も影響を与えるということも再度念を押しておきます。

私たちの身体は日々の生活習慣によって作られていきます。
積み重なってできていくものなので、改善するにも積み重ねていく必要があります。
相性の良い鍼灸師を見つけ、妊娠しやすい体質改善、健康増進を目指しましょう。
銀のすず



東洋医学の伝来

そもそも東洋医学とはなんでしょうか?
・中国伝統医学
・韓医学
・漢方医学
・アーユルベーダ
・ユナニ医学
などのアジア一帯に広がる医学の総称です。

その中でも私たちの馴染みがあるのは、中国伝統医学と漢方医学かと。
この二つを紹介します。

●中国伝統医学
歴史的には数千年前、三国志の時代にはあったのでとても古い歴史があります。
かの有名な三国志の英雄『曹操』に仕えていた医師は『華佗』といい、現在でもその名が知られています。
中国伝統医学という名前こそ最近のもので、中国は大きいので各地で発達した文化は違っていました。
海に近いところ、山深いところ、平地、乾燥している地域など、土地のつくりや気候など自然環境の違いでした。
住環境の違いがあるので、そこで発生する病気も違いがあったでしょう。
その環境の違いから、針、灸、方剤、導引・気功が発達しました。
これらを終結したものが中国伝統医学です。

中国伝統医学で礎になった書物といえば、「神農本草経」、「黄帝内経」、「傷寒論」、「金匱要略」です。

神農本草経は一つ一つの生薬の性質について書かれているもので、上品、中品、下品の3種類に分けれらています。
この書物は神農という三皇五帝の一人で、人々に医療と農耕の術を教えたといいます(伝説)。
とりあえず、口にして毒か薬かを区別するために 何度も何度も倒れ、死を垣間見たとたそうです。
神農、東洋医学、不妊、針灸

黄帝内経は黄帝と呼ばれる三皇五帝の一人で、現存する中国最古の医学書を書き記したとされています。
この書籍は、中国伝統医学の基本理論である陰陽論、五行論、易学、天文学などが人の成り立ち、健康とは、病気の成り立ちなどが書かれています。
黄帝内経こそが、中国伝統医学の根底にあるものです。
黄帝、陰陽、五行、針灸

続いて傷寒論、金匱要略は張仲景が書き記した書物です。
かの有名な葛根湯の処方が書かれた本ですね。
この2種の本は、病気に対してどの薬が効いたかという処方集でした。
なので、難しい理論を知らずとも、一般市民まで広く利用することができた書物です。
葛根湯、傷寒論、金匱要略

その後、多くの医学者が技術と理論を構築し、長い年月をかけて、構築された中国伝統医学は今なお、世界中で利用されています。

●漢方医学
約700年ごろ、中国より遣隋使、遣唐使がやってきました。
その時の中国より仏教の書籍とともに医学書も運び込まれました。
これが日本における中国伝統医学の伝来でした。
ただ、この時運び込まれた書物は傷寒論と金匱要略であったといわれています。
つまりハウツー本ですので、「理論なき実践」ということです。

難しいことを抜きにして、風邪ひいたら葛根湯を飲んでおけよ!!!という感じでしょうか?
なので、中国伝統医学と漢方医学は同じようで同じではなく、その後独特な日本風に仕上がり、現在に至ります。

現状、日本の場合、エキス剤になっているものが主流で、中国では煎じ薬が主流です。
また、取り扱っている生薬も中国は数千、日本では500種類ほどとか。
扱っている方剤名が同じでも、中身はちょっと違うこともあるでしょうね・・・。
針灸に関しても、腰痛=腎ゆというようにハウツーが存在します。

どちらが優れているかは、いろいろな考えがあるので正解はありません。
人の数だけ病があると考える中国漢方医学と、次第に日本の漢方医学(和漢方)に違いが生まれてきました。
江戸時代までは漢方医学が日本のメインの医学でしたが、欧米の力が入ってくる明治には「蘭学」を日本の医学にしようと政府が資格制度を作りました。

これで、表舞台から漢方医学が消えました。

突然のことで、今まで漢方医学をしていた医者は医者ではなくなり、きっとビックリしたことでしょう。

実は毛沢東の時代にも同じことが中国でもあったそうです。

その後、中国伝統医学は世界に誇れるものだということで、国を挙げて世界に発信することになりました。

中国では、中国伝統医学を行うものを中医師といい、病院の医療を行うものを医師の2つで対応しています。

日本では、漢方薬を扱う薬剤師、針灸を行うものを鍼灸師、薬膳は調理師や栄養士、気功は気功師に分類され、現在に至ります。

そして薬、針灸の両方を取り扱うことができるのは医師のみです。
こうして数千年の歴史のある中国から伝来した医学は現在に至ります。

果たしてこれからの時代、医療はどの方向に進んでいき、私たちの生き方はどうなっていくのでしょう!!!
寿命は延びていますが、健康寿命は伸び悩んでいます。
結局、長生きしても病気を患っていては幸せな人生とは言えないかもしれません。
予防の概念が多い東洋医学と病気の概念の西洋医学が上手にかみ合うことを期待しています。

何かご相談がありましたら、お問い合わせください!!! 銀のすず



中国医学の誕生と発展

中国で最も古い医学書『黄帝内経』の中に、中医学の成り立ちが次のように記載されています。
東方の地は海に近く、魚と塩を多く摂るため、でき物や腫れ物で病むことが多い。それで、鋭い石器で切開し、除去する外科療法が発達した。
西方の地は山岳で、気候が激変しやすく、人々は衣服を着ずに毛布をまとって生活をしていた。脂肪太りとなり、邪気が内にこもるために内臓の病気が多く、煎じ薬を用いる治療法が発達した。
北方の地は高原で、寒さが厳しく、人々は遊牧民で乳を主食としていた。そのために腹の張る病気が多く、灸療法が発達した。
南方の地は高温多湿の平野で、人々は酸をたしなみ、腑(はらわた)を食していた。そのために体表面に血行障害が起こり、手足が引きつれたり、しびれたりするので、体の表面に鍼治療を行う療法が発達した。
中央部は湿気の多い平原で、いろいろな物を食べ、運動不足となって手足の力がなくなり、冷えやのぼせを生ずることが多かった。そのために、運動療法やマッサージが盛んになった。

とされています。
中国医学、黄帝内経、中医学、針灸、経穴

その土地、その環境で生活をすることで得た経験的な医学といえます。
それが統一され、中医学として現在に至ります。
中医学では、人の健康と病気を、宇宙の万物、四季にともなう自然の変化と深い関係があると考えます。
そのため治療は、植物や鉱物などの生薬、灸や鍼などを用い、身体にやさしく自然との調和を図るよう促します。

現代の文化史は、中国大陸を黄河と揚子江(長江)によって三分し、それぞれの地域を、黄河文化圏、江淮文化圏、江南文化圏と名付けられたのです。
黄河文化圏:この文化圏を作った祖先は、遊牧の民であったといわれています。
激変する気候の中で、裸になっての医療体系は発達せず、頭部や四肢の露出部分に、石器や骨器等で刺激を与えたり、皮膚に火熱を加えたりする針灸治療が発達したと想像されています。
そうした経験の中から、「経穴=ツボ」が発見されたと言われています。
そしてツボの系統がわかり、「経絡」が発見されたと伝えられています。
江南文化圏:この文化圏を作った祖先は、高温多湿の気候と、平原に恵まれて生活し、豊かに生い繁っている草や木の根や皮を用いて病気を治療する薬物療法が発達してきたと言われています。
この文化圏は、気候風土からして流行病の発生する地域で、そうした経験の中から湯液「漢方」医学が発達したのです。
そして処方と結びついた「証」という概念を体系化するに至ったのです。
江淮文化圏:中国医学の第三の古典「神農本草経」といわれるものが、この文化圏を作った祖先であると伝えられています。
西方の山地に産した多彩な植物を中心に、一つ一つの薬効について述べられています。

中国大陸の各地で発達してきた伝統的な地域医学が集大成されたのが紀元前後です。
紀元1〜2世紀頃の漢王朝の時代に、『黄帝内経』や『傷寒論』など中医学理論の基礎となっている医学書が完成したのです。
その中医学の考え方の基礎となっているのが、中国の古典哲学に基づく『陰陽五行論』というものです。
陰陽と五行のバランスがとれていると健康で、この陰陽と五行のバランスが崩れると、病気や不調が起こるというのが中医学の考え方です。

人間の身体を自然と一体の法則を持つものとして丸ごととらえ、その全体のバランスを考えたのが中医学理論なのです。
また中医学で大切なものに、「気」「血」「津液」という身体を構成する成分があるという考え方です。
気とは生命エネルギーで、宇宙に満ちている気が食べ物や呼吸によって人体に取り入れられてエネルギー源となり、その気が変化してできたのが血と津液で、新陳代謝を司ると言われています。
この気は、「経絡」という全身に張り巡らされた目に見えないルートを伝わって流れ、この気や血や津液の流れがスムーズであれば健康で、滞ると病気になるという考え方があります。
中医学は、悪いものを除き、症状を抑えるのではなく、身体バランスを整えるというのが基本的な考え方です。
身体の中の不足したものを補い、過剰なものを取り除き、身体の陰陽五行のバランスを整え、気・血・津液の流れをスムーズにして、正気を補って抵抗力を強めることを第一に考えた医学なのです。
どんなに科学が発達しても私たちは地球という大きな自然に逆らって生きていくことはできません。
地球だけでなく、人体の中にある自然にも逆らって生きていくことはできません。
そのことを昔の人は何となく知っていたのかもしれません。

中医学について知りたいことがございましたら、お問い合わせください!!! 銀のすず



陰陽論と五行論

『陰陽論』は、日本に伝来して陰陽道(おんみょうどう)と呼ばれていますが、もともとは中国最古の王とされる伏羲が作ったといわれています。
陰陽論、伏犠、伏羲、ジョカ

誰もが一度は見たことのある『太極図』がまさに陰陽論です。
中国医学、黄帝内経、中医学、針灸、経穴

簡単に言えば、世界というものは、明暗、火水、天地、表裏、上下、凸凹、男女、剛柔、善悪、吉凶などの一対から成り立っていると考え、たとえば人間の精神は天の気、つまり陽で、肉体は地の気、つまり陰だということになり、生はその精神と肉体との結合、死は両者の分離であると説く。
要するに森羅万象のすべてを陰と陽の二相に還元する思想です。陰と陽とは互いに対極の本質を持つが、事物に固有の属性ではなく相対的に決まる性質があるとします。
それは例えば日中のろうそくの火は陰だが、暗闇では陽となる、というようなことです。
つまり、世界というものは、明暗、火水、天地、表裏、上下、凸凹、男女、剛柔、善悪、吉凶などの一対から成り立っていると考え、人間の精神は天の気、つまり陽で、肉体は地の気、つまり陰だということになり、生はその精神と肉体との結合、死は両者の分離であると説くものです。
陰陽説によれば、天地創世は次のように説明されます。
「もともと宇宙は天地未分化の混沌状態」だったが、やがて軽く澄んだ気「陽」が上昇して天となり、続いて重く濁った気「陰」が沈んで地となった。
つまり陰と陽はひとつの混沌状態(太極)から派生したものであり、いわば同根の関係にあり、そして互いに往来・交合する性質があります。
中国医学、黄帝内経、中医学、針灸、経穴

『五行論』というのは、夏の国の聖王、禹が作ったといわれ、禹の治世のときに洛水からはい上ってきた一匹の亀の甲羅に書かれた文様(洛書)から五という数を悟り、国を治めるのに五つの基本原理を思いついたといいます。
中国医学、黄帝内経、中医学、針灸、経穴
禹が定めた五行というのは、「水は土地を潤おし、穀物を養い、集まって川となって流れ、海に入って鹹(かん:しお)となる。
火は上に燃えあがり、焦げて苦くなる。
木は曲ったものも真直ぐなものもあり、その実は酸っぱい。
金は形を変えて刀や鍬となり、味は辛い。
土は種を実らせ、その実は甘い」(「水は潤下し、火は炎上し、木は曲直、金は従革し、土は稼穡(かしょく)す」)。
というもので、禹はこのように、『木火土金水』と五つの『味』、五行五味の調和を政治の原則としました。
この考えかたが、のちに斉国の陰陽家鄒衍(すうえん)によって、五つの惑星と結びつけられ、さらにまた万物に当てはめられて、観念的な五行説として完成します。
鄒衍の説は、「天地のはじめ、渾沌としたなかで、明るく軽い気が陽の気をつくり、火となる。
暗く重い気は陰の気をつくり、水となる。天上では火は太陽となり、水は月となり、これが組み合わされて、五つの惑星となる。
地上では火と水から五原素ができる」。
すなわち、木火土金水という五行から万物が成り立っていて、それが消長し、結び合い、循環することによって、あらゆる現象が出てくると考えたものです。
こういった自然現象の思想、東洋思想を取り入れ、現在、針灸や漢方、気功、薬膳に応用されています。
簡略化したものに五行色体表というものがあり、広く利用されています。
中国医学、黄帝内経、中医学、針灸、経穴

陰陽や五行は日常的に使える知識が詰まったものであり、この世の自然を客観的に示し、数千年の時を経て受け継がれ、利用されています。
妊活においても非常に有益な内容となっています。

例えば男性は女性と比べると、「陽」であり、熱を帯びています。
つまり「暑い」のです。
よって熱によるオーバーヒートが体に与える影響が強く、精子はまさに熱に弱いことが実証されています。
また女性には低温期と高温期があり、寒さと暑さの両面の性質を持っています。
このリズムは女性の体が作り上げているものであり、この波を乱すことはあってはなりません。
低温期に温めすぎたり、逆に冷たすぎてもいけません。
高温期に温めすぎたり、逆に冷やすぎてもいけません。
つまり、月経から排卵までは36度付近、排卵から月経までは37度付近でなくてはならないのです。
またこの温度は外から加えるのではなく、私たちの体の中の自然が作り上げていくものです。
自分の体を奮起しなくては本当の温かさではありません。

陰陽論や五行論というと何やら怪しいものと考える方も大勢いるでしょう。
人間はわからない、知らないことに対して理解を超えているからそう感じるのかもしれません。
この世のすべてがこれからも解明することはないと思いますが、大きな方向性として陰陽論と五行論は存在し続けるでしょう。
日々の生活に、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか?

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妊活への薬膳を考える

みなさんは薬膳に対して、どんなイメージをお持ちですか?
・なんだか作るのが難しそう
・健康に良さそうだけど、取っつきにくい
・薬膳の料理は見た目が地味そう
・特別な材料が必要
・苦そう、おいしくなさそう
マイナスなイメージが多いですよね。
それは、きっと薬膳を知らないからです!


ではまず、薬膳とは
中医学理論に基づいて食材、中薬と組合せた料理であり、栄養、効果、色、香り、味、形など全てが揃った食養生の方法です。
「薬膳料理」と称されることもあるが、「膳」自体に「料理」の意味が含まれています。
わかりやすく言うと、中医学理論に基づき調理された料理で、病気の予防や回復、保健を目的にした、おいしい食事のことです。
薬膳料理は、生薬を使ったものだけではなく、日々の私たちが食べている穀物や野菜、肉、魚、乳製品などを材料にしたものも含まれます。
生薬を使っていれば薬膳だということは感覚的にわかっても、普通の食材を使って作る料理が薬膳なのだということは、いささかピンとこないのではないでしょうか?
生薬配合の料理だとありがたみがあっても、普通の食材を組み合わせた料理が薬膳だといわれても、普通と薬膳の違いがどこにあるの?と思いますよね。

そこです!ここが肝心なところです!
生薬を配した料理があっても、それが中医学理論に基づいていなければ、薬膳とはいえません。
枸杞やナツメを使っているから薬膳料理だ、とはいえないということです。
そして、おいしくなければいけません。
おいしくなければ、毎日食べることはできませんし、
『おいしい』と思う情報が脳に感知されると、胃の消化液もスムーズに出てきて消化され、腸で吸収、体にとって栄養になります。
プンプン、イライラしながら食べると交感神経(興奮)が優位になり、消化不良を起こしたりします。

また、人は季節・住環境・生活スタイルで目まぐるしく体調が変化します。
自分の口にしたものがエネルギーに変わり、自分の体を動かす原動力となります。
また自分の気持ち「精神」も体に影響を及ぼします。
人の身体は一つの有機体なのです。

身体は全ての細胞たちがお互いに協力をして、『自分』という有機体を作っています。

そんな身体を作る大事な作業が『食べるという行為』です。
この"食べる"という人間の基本的な行為を一度見直してみてはいかがでしょうか。

そもそも、普段の生活、健康にはまず食事です。
妊活においてはもっと重要になってきます。
そして、体力がないと鍼灸、漢方は受けられないのです。

そこで、東洋医学で食べ物には「気血水穀」という言葉をご存知でしょうか?
『エネルギーを補うには食べ物から』
ということです。

出産までには赤ちゃんを10月10日お腹の中で育てます。育てるにも体力が必要です。
その出産に至るまでの前段階として、妊娠中にも体力が必要です。
それにはまず、私たちそのものが元気で、体力がなければなりません。

なぜなら、卵子・精子は私たちの細胞の一部。
卵子や精子の質を上げたいのであれば、私たちそのものの質を上げることが必要になります。
子供や受精卵、卵子・精子も私たちの分身なのです。
私たちが元気でなかったら、分身も元気がないということです。

しかし、いくら薬膳は身体によいからといって、気を付けなくてはならないことがあります。
@『気』『血』『水・津液』のバランスが大切
A妊活に良いものを口にする
B妊活に悪影響のあるものは口にしない

薬膳、妊活、精子の質、卵子の質
「気」が足りない・滞る
基礎体温のバラつき、切迫早産になりやすい、卵子に栄養がいきにくい、卵子の育ちが悪い、など。
気が足りない:山芋、牛肉、ウナギ、栗、クルミ、ショウガなど
気が滞る:柑橘類、セロリ、春菊、パクチー、黒酢など

「血」が足りない・滞る
月経期間が短くなる、内膜が薄くなる、卵子の育ちが悪い、基礎体温がばらつく、など。
血が足りない:鶏、牛レバー、ニンジン、クコの実、ナツメなど
血が滞る:ニンニク、桃、ラッキョウ、シナモン、ショウガ、黒酢など

「水・津液」が滞る
津液の流れが悪かったり代謝が悪いと、むくみがでる。むくみがあると「気」や「血」の流れが悪くなる、ホルモンの流れが悪くなりホルモン値が低下する、など。
水が足りない:豆乳、豚肉、梨、トマト、杏仁、松の実など
水が滞る:緑豆、玄米、海藻類、ショウガ、黒酢など

わかりやすく言い換えると、すべてエネルギーです。
『気(き)』とは、強い活力を持ち、常に運動している精微物質です
『血(けつ)』とは血液と大差はありません。
『水(すい)・津液(しんえき)』とは血液以外のすべての体液です。

そのバランスが大切です。
妊活に良いもの
薬膳の考え方では、黒い食べ物、根菜類、海藻類が生殖能力と深い関係のある「腎」に影響をし、身体を冷やさない食べ物を積極的に食べる。 黒胡麻、黒豆、山芋、わかめ、ひじきなど
ニラ、シナモン、クコの実、かぼちゃなど
ドライフルーツも良いと言っている人もいます。
ナツメやクコの実には気、血を補う作用があると考えられています。そこで積極的に進める人もいますが、気を補うことはできると思いますが、血はさすがに補えないでしょう。鉄分ないし、タンパク質もないから。
妊活に悪影響のあるもの
一般的に体を冷やすものは妊活には天敵である。
トマトやキュウリなどの夏野菜からスイカや柿、ハト麦などは体を冷やしてしまうからNG。
要は冷やすなということですね。
冷えは大敵なのだが、冷えているということはそれだけ活力がないことを意味する。
活力を呼び起こすために、肉体を活性化する食事をしなければならない。


良いものを口から取り入れ、ご自身を健康に、元気にしてください。
それが妊活への近道かもしれません。

中医薬学で、医食同源ということばがある通り、
病気を治療するのも、日常の食事をするのも、ともに生命を養い健康を保つために欠くことができないもので、源は同じだという考えという言葉があるくらいですから。
妊活中、妊娠中、産後、育児など人にはタイミングがそれぞれです。
また人も年齢や体格、性格もそれぞれ違います。

状況によって変わってきますので、実際に何を食べたら良いか、カウンセリングでお伝えしておりますのでいつでもご相談ください。
銀のすず



冷えは本当に悪いものか?

妊活、冷え、血行、卵子の質

ここ最近は、冷えをテーマとした話がたくさんありますね。

そこで「冷え」について冷静に考えていきましょう。

まず、「冷え」とはいったいなんですか?

え〜冷えとは、手足が寒くて・・・。
手足が冷えていると内臓が冷えるって言うじゃないですか・・・。
だから生もの、冷たいものは食べないように、いつも温かい食べ物や靴下やレッグウォーマー、毛糸のパンツ、腹巻、ヒートテックなどを身に付け、冷えないようにしています。

ちょっと待った!

私たちはそもそも恒温動物(死語?)なので、体温を一定に保つことができる生物です。
冷房や果物、生ものを少し食べたからといって冷えてしまうのですか?
それとも、とても寒いところで生活しているんですか?

もし26℃程度の冷房の部屋にいて、体中が冷えてしまうというならば、体温を上げようとする機能が低下しているというレベルではなく、間違いなく命に関わる問題があるのでしょう。
きっと冬の外気(5℃程度)に触れたら、命を落としてしまうのではないでしょうか。
それでは妊娠どころではありません。
もちろん、遺伝的に、体質的に代謝が悪いとか、もともと病気を持っている、薬の長期服用などが原因で自律神経系に問題を起こしている場合は起こることはあります。

さらに我々のジャンルである東洋医学には、食事の重要性が詳しく書かれています。
その中で過食というテーマがあり、「過食生冷」という言葉があります。
生ものや冷たいものを食べすぎると体を温める働き(脾陽)を傷つけ、おなかが冷える。
さらに代謝をコントロールする働き(脾気)が悪くなり、下痢などを起こす。
過食とあるので、本当に食べ過ぎている人、もしくは体質的に少量でも過食と同じようになる人がいますね。

話を戻して、やはり特別な状況でないと、そう冷えるわけではなさそうですね。

もし「私は冷えている」というのであれば、体温計で測ってください。
外気や汗などの問題もありますのでわきの下ではなく、できる限り、核心温(中の温度)を口の中、さらにおしりの中の体温を測りましょう。

それで36℃を下回っていれば、きっと冷えているのでしょう。

再度、「本当にあなたは冷えていますか?」と尋ねたい。
私たちのところにも、「私、冷えている」という女性が多くいらっしゃいます。
そこで実際、足を触るのですが冷たくない!
ということが少なくありません。
それでも「私は冷えている」といいます。

これはいったい・・・

人の感覚って、案外いい加減なものです。

寒い冬に、湯船に入ったとき、一瞬熱いか、冷たいかわからないことってありますよね。

とてもあいまいな感覚なんですね!

それに冷えているからといって、カバーをして温めようとするのもいかがなものでしょうか?

私たちは恒温動物。
ましてや東京に住んでいるのであれば、外気温だってそこまで寒くない。
家だって大昔のように隙間風ビュービュー吹いていないですよね?
着る洋服だってありますよね?
さすがに葉っぱはないでしょう。
そしてもっと重要なのは食べ物で溢れていることです。
食べられないでひもじい思いはしていないでしょう。
昔は貧しく、食べることが大変でした。
なので現代において唯一、考えられる一般的な冷えの原因は「運動不足」による筋力の低下ですね。
昔の人に比べれば圧倒的に運動量が減っているのは否めません。
筋力低下が原因で冷えているとすると、冷たいものや果物の摂取を控えても冷えますね。
筋力低下の人は、お風呂に長い時間入る、靴下をはくなどの行為はその場しのぎで何の解決にもなっていないというのはお分かりいただけるだろうか?
筋力低下なのだから、筋力を付けずには解決できないということです。

そもそも体温という熱は、細胞の活動によって作られるもので、絶対に外から当てるものではない。
なので、ストーブ、カイロ、お風呂、靴下などは本来の冷えたい策にはなっていない。
まさにテスト前の一夜漬けみたいなものです。

私たちの生活は、昔に比べ贅沢で、便利ではありますが、その分失ったものも少なくありません。
「動物」である私たち人間はもう少し活動的になったほうが良いのだと思います。
このようなことを言う私自身も、5年間は毎日自宅から職場まで約5kmを必ず歩いていますし、家でのストレッチも欠かしません。
また長風呂はしない、厚着をしないなど見せ掛けの体温アップはせず、真の生命力アップを心がけています。

妊娠を望む、望まない関係ないかもしれませんが、ある程度はカラダに"渇"を入れ、生命力を呼び起こすような生活を送ってこそ、新しい命を育むことができるのではないでしょうか。
銀のすず



ツボと妊娠

”ツボ”という言葉は皆様、ご存知でしょうか?
ツボは東洋医学で使われ、マンガ北斗の拳でもおなじみの”経絡秘孔”もツボです。
経絡、経穴、ツボ、妊娠

このツボは全身に、あたかもランダムに存在しているように見えますが実はツボは大きな川の流れの中の要所として存在しています。
ツボを説明する前に川である”経絡”を説明しなくてはなりません。

経絡は、血管や神経とは違い、実際には見えません。
しかし、生命エネルギーである”気”、”血”、さらには病気の原因である”邪気”が全身をめぐるための通り道になっています。
経絡は、五臓六腑ををつなぐ連絡通路としても役割があります。
経絡は『内外を貫いて上下を通す』という働きを持っています。
『内外を貫く』とは、経絡が体の内側の『臓腑』と体の表面をつないでいることを表します。
『上下を通す』とは、経絡によって体の比較的浅いところに出てきた気血が手足や頭のほうへ運ばれていることを表します。
気血、東洋医学、中国医学

経絡が全身を網の目のように巡っているために臓腑の働きの失調が経絡上のツボに異常となって現れます。
逆に言えば、異常のあるツボに刺激をすると経絡を流れている気血、邪気を調整し、臓腑の働きが改善します。
気血、東洋医学、中国医学

もう少し具体的に経絡を見ていきましょう。
経絡は『六臓六腑』に属しており、臓腑の名前がつけられています。
この経絡の名前を『十二正経』と呼びます。
六臓六腑は肝、心、心包、脾、肺、腎、胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦を指します。

経絡は、陰(臓)と陽(腑)に分けられ、陰経のうち3本は手、ほかの3本は足を通り、陰経は手足の内側、陽経は手足の外側を通ります。
臓腑とつながっていない奇経のうち督脈と任脈は特に重要であり、督脈は背骨の上を通り、陽経を統括、任脈はお腹の中心を通り陰経を統括します。
それぞれの経絡は、末端で別の経絡へ次々とつながっており、十二正経で全身を一巡します(肺経 → 肝経)。
気血は、一日に全身を『50周』するといわれ、経絡を1周するのに必要な時間は、『28分48秒』といわれています。

臓腑と身体の表面、目鼻口、骨など全身のすべては経絡を経由してつながっています。
その経絡の上にポイントがあり、そこがツボ、経穴です。
比較的浅いところにあるので、針や灸、指で刺激を加え、臓腑を調整できるのです。

ここで注意したいのが足裏マッサージでお馴染みの足ツボです。
これはツボではありません。
詳しくはまた別の機会にお話しします。

妊娠は、卵巣と子宮だけでなく、全身でするものです。
ホルモンは脳から分泌され、卵巣に届き、卵子や子宮に働きかけます。
ホルモンは肝臓で合成されたコレステロールが原料となります。
卵子や精子はタンパク質でできるので肝臓で合成されます。
すべてのホルモンや栄養素は血液に溶け込み、血管を使って流れていきます。

東洋医学では、人体には自然があり、その自然が乱れることで体調不良、さらには病気になると考えています。
自然の営みを陰陽五行で考え、そして人体を見つめ、女性は陰、男性は陽であり、生殖器と深い関係のある肝、脾、腎へのアプローチを見出しました。
また、長い年月を掛け、生殖器系の悩みを持つ女性を観察し、三陰交や足三里、命門などに反応が出ていることに気が付き、そこが治療点となりました。
このように東洋医学は自然、人体を深く観察し、その反応点を探してきました。

現代になり、人体も少しずつ解明が進み、筋肉や骨、神経、細胞、ホルモン、免疫などの働きが少しわかってきました。
それでもまだわからないことが多く、『なぜ人は病気になるのか』、『絶対に治る』ということはありません。
巷の健康情報も真逆のことを言っている専門家たちがいますね。
糖質制限が良いとか、糖質制限が危険だとか・・・。
でもそれは仕方ないことです。
だってまだわからないことが多すぎるから。

世界的に問題になっている異常気象と同様に、自然はわからないことだらけで、私たちはなすすべがありません。
しかし、指をくわえて待っているわけにもいきません。
自然が乱れないように、自然の乱れを少しでも良くなるように努力しなくてはなりません。
自然の中の一部である私たち、自然の中の一部である不調や病気、健康を考えるにあたり、東洋医学の考えはとても魅力的であると考えます。

自然の乱れを解消する一つに『ツボ』があり、長い年月、私たちの健康を整えてくれています。

皆さんの身体の乱れを整えて、目的に突き進んではいかがでしょうか?
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医聖ヒポクラテスの不妊治療

きっと医学を勉強している人ならば、一度は聞いたことがあるではないでようか?
医学の祖とか西洋医学の祖ともいわれ、紀元前460年ごろに生まれたそうです。
何と言っても、ヒポクラテスの偉大さは人体を科学的に考えるというところでしょう。

医学の祖、近代医学の祖、ゼウス

それまでの医学は完全に巫術でしたから、それから医学を離したのです(これは漢方もそうでした・・・)。
病気とは自然に発生するものであって超自然的な力(迷信、呪術)や神々の仕業ではないと考えた最初の人物とされています。
ヒポクラテスは「病気の原因の第一に、人体を構成している4種類の液体がある」と考えてました。
血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁のバランスの崩れで病気になると考えていました。
だからこそ、汗をかかせる薬や下剤、利尿剤を治療として用いていたそうです。
これを『体液病理説』と呼ぶそうです。
占医学から本当の医学が生まれた時代はどこの医学であっても変わらないということですね。
つまり、ヒポクラテスは「西洋医学の祖」ではなく、本当に「医学の祖」というわけです。

ヒポクラテスの格言をご紹介します。
・火食は過食に通ず
・満腹が原因の病気は、空腹によって治る
・月に一度断食をすれば、病気にならない
・病気は神が治し、恩恵は人が受け取る
・人は、自然から遠ざかるほど、病気に近づく
・病気は、食事療法と運動によって治療できる
・食べ物で治せない病気は、医者でも治せない
・人間は誰でも、身体の中に百人の名医を持っている
・賢者は、健康が最大の人間の喜びだと考えるべきだ
・病人の概念は存在しても、病気の概念は存在しない
・健全なる身体を目指す者は、完全なる排泄を心がけねばならない
・食べ物について知らない人が、どうして人の病気について理解できようか
・人間が、ありのままの自然体で、自然の中で生活をすれば、120歳まで生きられる
・病人に食べさせると、病気を養う事になる
・病気は、人間が自らの力をもって自然に治すものであり、医者はこれを手助けするものである
・すべての病気は腸から始まる



『ヒポクラテスの誓い』は今でも医療関係では大切にされている言葉です。
『医神アポロン、アスクレピオス、ヒギエイア、パナケイアおよびすべての男神と女神に誓う、私の能力と判断にしたがってこの誓いと約束を守ることを。この術を私に教えた人をわが親のごとく敬い、わが財を分かって、その必要あるとき助ける。その子孫を私自身の兄弟のごとくみて、彼らが学ぶことを欲すれば報酬なしにこの術を教える。そして書きものや講義その他あらゆる方法で私の持つ医術の知識をわが息子、わが師の息子、また医の規則にもとずき約束と誓いで結ばれている弟子どもに分かち与え、それ以外の誰にも与えない。
○私は能力と判断の限り患者に利益すると思う養生法をとり、悪くて有害と知る方法を決してとらない。
○頼まれても死に導くような薬を与えない。それを覚らせることもしない。同様に婦人を流産に導く道具を与えない。
○純粋と神聖をもってわが生涯を貫き、わが術を行う。
○結石を切りだすことは神かけてしない。それを業とするものに委せる。
○いかなる患家を訪れるときもそれはただ病者を利益するためであり、あらゆる勝手な戯れや堕落の行いを避ける。女と男、自由人と奴隷のちがいを考慮しない。
○医に関すると否とにかかわらず他人の生活について秘密を守る。
○この誓いを守りつづける限り、私は、いつも医術の実施を楽しみつつ生きてすべての人から尊敬されるであろう。もしこの誓いを破るならばその反対の運命をたまわりたい。』
ヒポクラテス、体液病理説、胆汁

まさに、医を志す者として当然のことです。

ヒポクラテス全集には、各種病気に対する治療法が書かれています。
なんと『不妊症』についても書かれているのです。
子宮の形の問題、妊娠できるかどうかの検査法、妊娠しているかどうかの検査法、男女の区別、妊娠を催起する方法などが細かく書かれています。
現代にもマッチしているものもありますが、それよりこの時代も妊娠できずに困っている方たちがいたことです。
不妊の原因にも及んでいますが、現在の不妊の原因とは少し違うようです。
当時はまだホルモンの存在、卵子や精子といった小さい物の存在はわかっていませんでした。

妊娠できない、流産するなどの経験から、子宮の形、子宮の硬さ、位置、炎症、おりもの、月経不順、腫瘍などを原因として考えたようです。
また子宮は全身の状態を表すと考えていたようで、月経痛や月経不順、さらには妊娠や不妊は全身が深くかかわっている行為だというのです。
妊娠できないということは、全身のどこかに悪影響を起こす場所があると考えられます。

全身で妊娠をし、妊娠を維持し、出産し、育児をする。
これは当たり前のことです。
だから子宮が、卵巣があれば妊娠できるのではなく、全身状態が良好であることがカギとなるのです。

いつも言っていますが、肉体を作るのは食事です。
食無くして、元気な体は作れません。
妊活を始めるには食事から、そして体中に栄養を送り込みましょう。

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気血水と妊娠|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|

中国伝統医学、一般的には東洋医学といったほうがわかりやすいかと思いますが、この医学では人体には3つの基本成分が体内にあると考えています。
気、血、水の3つです。
気はエネルギー、血は血液、水は体内の水分を指します。
この3つの量的バランスがよく、滞ることがない状態が健康だと考えています。
気血水は最も基本的な物質であり、五臓六腑、経絡経穴、筋肉などの組織が活動するための原動力でもあります。
そして気血水を作るためには五臓六腑や経絡経穴などの組織の活動が必要となります。
つまり、気血水の状態を知ることは、健康かどうかを知ることになり、また病気の原因や状態を知ることができます。
気血水を知り、状態を知ることは治療方法がわかるということですね。

何となく、大筋はわかりましたか?
細かく見ていきましょう。
@気
気とは一体何だろう?
東洋医学では気は目には見えないけど、実在する物質と考えています。
でも見えないんだからわからないですよね。
もう身近なところで話しましょう。
日本語には「気」という言葉がつくものがたくさんあります。
空気、気持ち、気分、気配、気持ちなどで使われていますが、とても抽象的だと思いませんか?
どれも目には見えませんが、実在していますよね?
誰もが感じたことがあるでしょう?
そんな曖昧な存在でも、確かにあると実感するエネルギーを「気」と考えます。
気には種類があり、大きく分けると・・・
気、中医学、宗気、営気

さらに気には6つの働きがあります。
気、元気、衛気

この働きが低下していると思ったら、気が不足している、気が滞っているというわけです。
もっと深堀していきましょう。
体内でどうやって気が作られるか見ていきます。
気、元気、衛気

この図を見れば、五臓六腑との関係も見えてきます。
皆さんどうですか?
どこか変ですか?

A血
血とは、「赤い液体」を指し、愕然としたエネルぎーではなく、栄養として考えます。
これは一般的な血液の考え方と同じだと思います。
東洋医学の場合、栄養的側面が、肉体だけではなく、精神を維持するための栄養でもあります。
東洋医学は体内に「神」を宿していると考えます。
この神は精神を表します。
よって血は肉体と精神の栄養となるのです。
気、元気、衛気

B水
水(津液)は血以外の水分のすべてを指します。
汗や唾液、胃液、腸液、リンパ液、関節液、尿などの水分ですね。
人体には水分量が約60%あります。
これは一般成人量です。
赤ちゃん(乳児)は肌がプルプルですね。
約80%もあります。
お年寄りはカサカサしていますね。
水分量が50%を切ってきます。
水分量は若さを表すものであることは否めません。
気、元気、衛気

これらの気血水は別名でいうと「正気」と言います。
この正気が不足する、流れが滞ることが病の始まりです。
また、外部からやってくる「邪気」というものがあります。
風が強すぎたり、変な季節に強い、冷夏、暖冬など異常気象は風邪を代表とした邪気です。
それ以外はケガや動物や虫による傷害が邪気と考えます。

体内にある「正気」と外部からくる「邪気」との戦いを邪正盛衰といいます。
正気が勝てば、病気になりません。
でも邪気があまりにも強大である、もしくは正気が少ない場合は病気になります。

現在、新型コロナウイルスもいわゆる「風邪ウイルス」です。
そう風の邪気です。
2019年、2020年と異常気象であり、かつ冬の時期に蔓延しました。
ここまで広がったのは感染力が強いという証拠でもありますが、肺炎など重篤になるケースは基礎疾患を持っている方、ご高齢で免疫力が低い方です。
つまり重症化するするのは、正気が少ない方ということです。
新型コロナウイルスはいまだにわからないことが多く、これから解明されると思いますが、邪気としてあまりにも強大なのかどうかは置いておいて、正気アップを目指さなくてはなりません。

また本題である妊活において正気の重要性は言うまでもないかと思います。
次の世代に新しい命を残す行為が生殖です。
両親に正気があふれているからこそ、子孫を残せるのです。

気、血、水の正気を高めていくことを心がけます。
ではどうやって高める?って話ですね。

気を高めるには・・・「補気」をします。
・きれいな空気を体中に取り込みます(今はやりの3密ではだめです)
・気を補う食事材を食べます(人参、山芋、シイタケ、栗、牛肉、ヒラメ、タコ、アボガドなど)
・無駄な精力を使わない
・しっかり睡眠をとる
・ストレスをためない

血を高めるには・・・「補血」をします。
・不正出血はだめだよ(貧血になってしまいます)
・血を作る食事を摂る(当帰、桑の実、イカ、タコ、豚肉、牡蠣、アワビ、ウナギ、牛肉など)
・血の流れを改善する(水分補給、運動不足など)
・肝機能をアップする(毒素を取らない、ストレスを解消する、肝臓を食べる)

水を高めるには・・・「滋潤」をします。
・水分を摂る(毎日2.5リットルは)
・水になる食材を摂る(牡蠣、クコの実、豚肉、リンゴ、ナシ、卵、バナナ、レモンなど)
・肺機能アップ(深い呼吸をすること、汚れた空気を吸わない)
・腎機能アップ(老廃物をため込まない、無駄な精力を使わない)

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五臓六腑と妊娠|東京|銀座|不妊針灸|銀のすず|

東洋医学の独特な考えの一つ”五臓六腑”についえお話ししましょう。
お酒を飲むとき、「五臓六腑に染みわたる〜〜」という人がいますね。
この五臓六腑は内臓を指します。
ただし、一般的な内臓とは似ているようで似ていません。
東洋医学が始まった時代は顕微鏡もなければ、レントゲン、MRIなどもありません。
血液の中に赤血球や白血球、血小板があるということも分かっていません。
肉眼で確認できること以外は何もわからなかったのです。
特に内臓を手に取って構造を確認するには、取り出すしかありません。
取り出すには亡くなっている方を解剖する方法しかありません。
しかし、すでに内臓機能は停止しているので、どう動いていたかは想像するしかありませんでした。
しかも、死人から内臓を取る行為はタブーとされ、そう簡単にはできなかったようです。
昔の中国では罪人を使って調べたという記載があります。
他にも「カワウソ」など動物を解剖して、人間も同じ構造だと考えていたようです。
まあ、多少は似ているところもありますが・・・。

どんな方法でも、当時は停止した内臓を確認するだけで、生きている内臓には出会えませんでした。
では何をもって当時は五臓六腑の働きを見出したのでしょうか?
それは陰陽五行が関係していたと想像ができますね。
色や形、大きさ、位置関係などから内臓の働きを考察していました。

昔の人の観察力や想像力には頭が上がりません。

それでは五臓六腑についてみていきましょう。

まず内臓には臓と腑、奇恒の腑に分けられます。
臓は、身の詰まった器官で、生命の維持に必要な栄養物質をつくりだし貯えるところ、
肝、心、脾、肺、腎、心包があります。
腑は、空間のある器官で、飲食物を消化して排泄するところ、
胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦があります。
奇恒の腑は、腑のような形を持ち、臓のような機能を持ち、物質が通過する通路としての役割を持ち、
胆 脳 髄 骨 脈 女子胞があります。
臓腑、五臓六腑、奇恒の腑

五臓六腑を五行論に当てはめてみます。
臓腑、五臓六腑、奇恒の腑

自然界と五行を一覧にした五行色体表があります。
この表はとても便利です。
臓腑、五臓六腑、奇恒の腑

例えば、肝は目、爪、筋、涙、春、怒と関係があります。
目がかすみ、爪が割れやすい、筋(すじ)を痛めている、ドライア、春の病、イライラするなどは肝の不調で起こってくると考えるのです。
自分の思い当たる部位を探してみると良いでしょう。

臓腑それぞれの働きを見ていきましょう。
臓腑、五臓六腑、奇恒の腑

各臓腑の働きと失調によってどういった症状が出るのか一覧でした。
やはり一般の内臓とは働きが違いますね。

この五臓六腑なんて健康維持には何の意味もないと思う人もいるかもしれません。
でも東洋医学は自覚症状と他覚症状の両者を大切にします。
症状と五臓六腑が紐づけされているので、意味がないことはありません。
例えば、腎は、生殖能力や生命力、成長と深い関係があります。
よって老化や疲労によって、体力は落ち、肌の色が黒ずみ、身体の関節に力が入らず、歩けない、腰が曲がる、耳が遠くなる、歯が抜けるなどの症状が起こります。
不妊も腎の不調が影響します。
なかなか妊娠しないと思ったら、腎の不調を疑います。
乳幼児の発育で「起立の遅れ」「歩行の遅れ」「言葉の遅れ」「発毛の遅れ」「歯の生え揃えの遅れ」を五遅といい、これも腎の不調です。

このように症状から原因や病状を知り、治療を行うのが東洋医学です。
ちなみに腎の不調の場合、補腎という腎を補う方法を行います。
有名な六味地黄丸、牛車腎気丸、八味地黄丸などの漢方薬や腎兪、太谿などのツボを使い、黒ごま、黒豆、黒きくらげ、ひじきなどの黒い食べ物を使います。

まだまだ人体はわからないことがたくさんあります。
内臓もまた解明されていません。
そこで一つの考え方として東洋医学は有効です。

不妊治療の結果が出ないとお悩みの方は、東洋医学を利用してみるのも良いのではないでしょうか?
病院での検査結果に異常がなくても、東洋医学の診断では問題が見つかることもあります。

少しでも引っかかることがあれば、対処することも妊娠への近道となるでしょう。

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針灸、漢方による周期療法

不妊治療における「周期療法」というのをご存知でしょうか?
この考え方は、西洋医学の月経周期と東洋医学をミックスした考え方です。
月経周期はホルモン分泌によって卵巣と子宮のリズムが作られます。
これは自律神経がコントロールしているので、自然のリズムです。
自然のリズムが悪いことで生理痛、生理不順、そして不妊の原因になると考え、リズムを整えるように漢方薬や針灸を使って治療します。

月経周期を詳しく見ていきましょう。
月経周期には「卵巣周期」と「子宮周期」があります。
本来は別々の周期ですが、ホルモン分泌によりお互い調整し合うように存在しています。

卵巣周期は卵巣のみを見ています。
卵胞期、排卵期、黄体期の3つの周期に分かれます。
卵胞や卵子の発育を時系列でみたものです。
子宮周期は子宮のみを見ています。
月経期、増殖期、分泌期の3つの周期に分かれます。
子宮内膜がはがれ、厚くなる過程を見ています。
これが上手に連動しているので、一般的に月経周期は、卵巣周期と子宮周期を合わせ、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期として考えます。
稀ではありますが、生理中の性行為で妊娠したというもの。

これぞまさしく、卵巣と子宮がリンクしていないパターンです。
それぞれの働きを表にしてみました。
周期療法、臓腑、五臓六腑、奇恒の腑

もう少し詳しく見ていきましょう。
経絡、東洋医学、気血

このようにお互いの周期は複雑に絡み合っています。

月経周期をコントロールしているのはホルモンですが、ホルモンは脳からの指令をもって分泌されます。
弁証、漢方、月経周期

それぞれのホルモンの働きを見ていきましょう。
妊娠に深く関わるホルモンです。
ホルモン、エストロゲン、黄体ホルモン

視床下部や下垂体は脳で、司令塔です。
司令塔より、ホルモンを使って指示を出します。
司令塔の指示(ホルモン)で部下である卵巣や子宮は働きます。

卵巣や子宮が正常でも、脳が異常では月経周期は狂います。
逆に、脳が正常でも、卵巣や子宮が異常でも月経周期が狂います。
月経周期は、脳、卵巣、子宮、そしてホルモンが重要なことがお判りいただけたと思います。
そしてホルモンをコントロールしているのが自律神経です。

自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」、「内臓求心性神経」の3種類があります。
ホルモン分泌には自律神経は欠かせません。
詳細はこちらをどうぞ。

さらに基本的なのは「ホルモンは血液中を流れ、目的地に注ぐ」という特徴です。
脳から出たホルモンは血液中を流れ、卵巣へ到達し、指令を伝えます。
卵巣から出たホルモンは血液中を流れ、子宮へ到達し、指令を伝えます。
どんなにホルモンが分泌していても、目的地に流れなければ意味がありません。
血流も大事なのは言うまでもありません。
この血流も自律神経が支配しています。

結果、月経周期を決定するにはいくつかのキーワードが必要ということです。
・脳、卵巣、子宮
・ホルモン
・自律神経
・血流
この4つが正常に働いていることが妊娠につながるのです。

では話を戻して、周期療法についてです。
周期療法は、月経周期を決める体内の状況を正常化するという方法です。
正常化とは、健康体という意味でもあります。
あまりにも漠然としていて、理解にしにくいかと思いますが、元気でなくてはなりません。
そして月経や排卵が滞りなく起こる必要があります。

しかし、人の身体は千差万別、個体差の塊です。
月経とて人それぞれのため、人と比較しても意味がありません。
そこで、個々のトラブルの診断が得意な東洋医学の出番です。
東洋医学的診断を始めましょう。

まずは東洋医学的に月経周期を理解する必要があります。
まずはこの図を見てください。

東洋医学の診断には
@八綱弁証
A気血津液弁証
B臓腑弁証
C経絡弁証など
があります。

「弁証」とは診断名の最後につけるもので、〇〇病みたいな意味合いです。
八綱弁証とは、病の性質を表すもの、つまり病状を表します。
詳しく見てみましょう。

八綱弁証は、陰と陽、表と裏、寒と熱、虚と実の8種類を組み合わせます。
どれも2つに分けていこうという陰陽論の考えから来ています。
八綱弁証、気血津液弁証、臓腑弁証

この図を見たことがあるでしょうか?
「太極図」といいます。
1つの円の中には白と黒の2つが存在し、さらに白の中に黒、黒の中に白が存在しています。
人間で例えると、男性と女性で、男性の中の女性的側面、女性の中の男性的側面を表します。
人の身体で例えると、上半身と下半身、前面と後面、右と左と考えます。
ざっくり例を挙げてみますので参考にしてください。
太極図、男と女、天癸、奇恒の腑

陰陽論を何となく理解したところで、八綱弁証です。
まずは寒と熱です。
寒いか、暑いかを自覚症状、他覚症状で判断します。
不妊治療、五臓六腑、奇恒の腑

虚と実は、弱っているか、強まっているか、正気の不足か邪気の旺盛かを判断します。
正気が不足していると症状は弱く、慢性的で、邪気が旺盛だと症状は強く、一過性です。
黄帝内経、傷寒論、金匱要略

表と裏は、病自体が浅いところにあるのか、深いところにあるのかを判断します。
陰陽論、五行論、東洋医学

表裏、虚実、寒熱の判断によって、下記のような組み合わせができます。
臓腑、五臓六腑、奇恒の腑

続いて、気血津液弁証です。
気血津液は体内に流れる物質です。
東洋医学では、気血津液が身体を構成していると考え、これら3つの物質は、お互いに依存・抑制しあい、バランスを保ちながら身体(経絡)を流れています。
このバランス関係が崩れることにより、不調や病といった異常が起こります。
それぞれを見ていきましょう。
「気」とは、生命の根源的なエネルギーです。
この世に存在するすべてのもののうち、もっとも根源的なものを指し、「気」は、森の木にも、花にも、小鳥にも、道端にころがる小石にも宇宙の隅々にまで「気」が満ちています。
人間もこの宇宙の大自然の一要素であり、人間の根源となっているものも「気」です。
目には見えず測ることも難しいため、理解が難しいですが、感じることはできます。
気の種類には4つあります。
@自然界の気(外的環境と運動法則)
A人体生理の気(生理活動・働き)
B病邪の気(病気の原因)
C薬物の気(薬物の効能)

気にはたくさんの作用があります。
先天の精気、後天の精気、水穀の精気

気はどのように作られているのでしょうか?
主な原料は3つ。
大気、水穀(食べ物)、両親(先天的なもの)です。
それを各種内臓によって作られます。
つわり、大気中の精気、奇恒の腑

続いて、赤い色をした体液を総称して『血』といいます。
全身を栄養し潤す作用をもち、また精神活動を支える基礎物質でもあります。
精神活動を支える物質を東洋医学では「神」と呼びます。
精神活動、中医学、奇恒の腑

津液は、人体中の正常な水液(唾液、胃液、涙、汗など)の総称です。
組織器官を栄養し、潤し、滑らかにする作用と、体液のバランスを維持作用があります。
気虚、気滞、血虚、お血

気血津液弁証では気の病気、血の病気、津液の病気に分類されます。
気の病気には「気虚」、「気滞」、「気逆」があります。
気虚の特徴を上げます。
・わくわくするような元気がわいてこない
・疲れやすく、いつもだるさを感じている
・汗っかきで、自分だけ汗ばんでいることがある
・風邪をひきやすく、治りにくい
・少し動いただけで、息切れしやすい
・ぼぅ〜っとしている時間が多い
・わりと落ち込みやすく傷つきやすいほうだ
・話し方が舌ったらずになってしまう
このような感じがあれば、あなたは「気虚証」かも知れません。

続いて気滞の特徴を上げます。
・イライラしやすく怒りっぽい
・おなかにガスがたまりやすい
・無意識でため息をつくことが多い
・のどに何かつまったような感じがある
・生理前にイライラしたり、うつになったりする
・自分に自信があり、行動力もあるほうだ
・潔癖で几帳面な部分がある
・つい一方的に話しをしてしまいがち
このような感じがあれば、あなたは「気滞証」かも知れません。

続いて気逆の特徴です。
気の循環が乱れ、下降しなければならなかった気が逆流し上昇してしまう状態を指します。
・頭痛がする
・めまいがする
・動悸がする
・激しい咳がでる
・呼吸困難がする
・吐気や嘔吐、ゲップがよく出る
このような感じがあれば、あなたは「気逆証」かもしれません。

血の病気には、「血虚」、「お血」があります。
血虚はいわゆる貧血のようなもので、その特徴を紹介します。
・髪が細くて傷みやすく、抜け毛も気になる
・眠りが浅く、夢をよく見る
・顔色が悪いといわれる
・話を聞きながら上の空になっていることがある
・月経量が少ない、または月経周期が長い
・話し方が心地なくなってしまう
・物静かでまじめなタイプだと思う
・不安感に襲われるときがある
このような感じがあれば、あなたは「血虚証」かもしれません。

お血は、血の塊をいい、その特徴を上げます。
・日焼けの跡が残りやすく、シミやそばかすが多い
・皮膚が乾燥して荒れやすく、ざらついている
・目の下にクマができやすい
・ケガや手術による古傷が痛むことがある
・月経痛が重く、月経血にレバーのような塊がある
・我慢強いほうだが、爆発してしまうことがある
・自分では神経質だと思っているが、周りからは神経質だとは思われていないようだ
・自分の中に引き金があって、その引き金を引くと話し方や行動がヒートアップしてしまうことがある
このような感じがあれば、あなたは「お血証」かもしれません。

最後に津液の病気には、「津液不足」と「痰湿」があります。
津液不足は、うるおい不足です、その特徴はこんな感じです。
・喉がかわきやすく、水分を欲する
・風邪をひいたあとに、から咳が残りやすい
・入浴後、皮膚がすぐに乾燥してかゆくなる
・便秘がちで、便がコロコロしている
・関節がスムーズに動かしづらい
・消極的で弱気なほうである
・突然キレてしまうことがある
・少し早口で、舌が回らなくなることがある
このような感じがあれば、あなたは「津液不足証」かもしれません。

痰湿は、余分な水が溜まっている、ようはむくみです。
その特徴を紹介します。
・体や手足が重く感じることが多く、むくみやすい
・雨の日や湿度の高い日に体調を崩しやすい
・大便が軟らかい
・花粉症や鼻炎など、鼻水が出やすい
・乗り物酔いしやすい
・どちらかというとわがままなほうだ
・自分で動くより、周りにお願いすることが多い
・周りに対して見栄をはってしまうことがある
このような感じであれば、あなたは「痰湿証」かもしれません。
このように症状の特徴から気血津液弁証をし、診断していきます。

最後に臓腑弁証です。
臓腑は五臓六腑のことですね。
内臓の診断を臓腑弁証と言います。

まずは、臓と腑の違いを知りましょう。
臓腑、五臓六腑、奇恒の腑

続いて、臓に属するのは、肝、心、脾、肺、腎、心包に分けられます。
腑に属するのは、胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦に分けられます。
五臓六腑以外に、奇恒の腑というものもあり、胆、脳、髄、骨、脈、女子胞があります。

五臓六腑の話をするにはどうしても五行論の話をしなくてはなりません。
木火土金水に世の中のすべて分けていこうという考え方です。
陰陽五行、五行色体表、精神活動

相生とは、親子関係を指し、木から火が生まれ、火から土が生まれ・・・という関係です。
相克とは、相手を抑制する関係を指し、木が土の栄養を吸い上げ、土は水をせき止め・・・と考えます。
こうして、五行がバランスを保ち、存在しているのか普通だと考えます。
このバランスが悪くなった時、体調が悪くなり、病となります。
それぞれの臓腑の機能を一覧にしてご紹介します。
相生、相剋、奇恒の腑

五行、臓腑、腎気

これらの症状がある場合は、その臓腑のトラブルを考える必要があります。
続いて、五行論と五臓の関係、全身との関係を知る簡易的な表がありますのでご紹介します。
これを五行色体表といいます。
木の属性、火の属性・・・と縦で見ていきましょう。
木の属性には、肝、胆、目、爪、筋、涙・・・と関係性があるというわけです。
参考にしてみましょう。
行経期、経後期、経間期

3つの弁証(診断)が終わったところで最終的な弁証(診断)をしなくてはなりません。
手順のご紹介です。
臓腑兼病病証、衝脈、任脈

八綱弁証+気血津液弁証+臓腑弁証=最終的弁証

では、臓腑弁証にそれぞれを載せていきましょう。

心と小腸の最終的弁証
三陰交、至陰、足三里

肺と大腸の最終的弁証
三焦、太衝、太谿

脾と胃の最終的弁証
督脈、帯脈、妊活

肝と胆の最終的弁証
エストロゲン、当帰芍薬散、奇恒の腑

腎と膀胱の最終的弁証
冠元顆粒、桂枝茯苓丸、八味地黄丸

臓腑兼病病証(複数の臓腑に及ぶ場合)
生脈散、婦宝当帰膠、加味逍遥散

おおよそ、このぐらいの種類の診断名があります。
ここまでざっくりではありますが、東洋医学の診断についてお話してきました。

ここまでわかったら、月経周期中に体内で何が起こっているのか、東洋医学的に考えていきます。
・月経期=行経期
衝脉、任脉、子宮の気血が空虚 → 腎気や天癸の作用も弱くなっていく
・卵胞期=経後期
腎気が盛んになり、気血が調い、血海が充実 → 腎気が上昇して生化がふたたび始まる
・排卵期=経間期
陰陽ともに生長して、腎気が充実して盛ん → 陽気が発動して陰精が排泄
・黄体期=経前期
腎気の主導の下、血量が調節され(肝)、生化が施され(脾)、子宮に関わる経脉が主られ(心)、衝脉・任脉の気血が充実 → 子宮の中に注がれる → 先天の腎精・後天の精血に充分養われ、気血が非常に盛になる

これを図にするとこんな感じです。
帰脾湯、針灸、体質改善

月経を陰陽、寒熱、虚実で考えた図です。
そこに東洋医学の治療法と薬膳、漢方を紹介します。
妊活、卵子の質、栄養学

月経周期に体内で何が起こり、どういったアプローチをするべきか一目瞭然です。
これぞ、まさしく周期療法です。
ただし、何度も伝えていますが、私たちの身体は個人差の塊です。
あくまでベーシックな考え方ですので、臨機応変に対応する必要があります。

まずはご自身の月経周期に合わせてみてはいかがでしょうか?

詳しく知りたい場合はご相談ください。

銀のすず



鍼の力

鍼の歴史は古く、言い伝えでは3000年前とか。 当時は靴も履かずに野山を駆け巡り、狩りをしていました。 その時、木の枝を踏み・・・痛てて・・・。 狩人はもともと腰痛を持っていましたが、足の裏に枝が刺さっていると腰が痛くない。 もしかして足の裏と腰が繋がっているのか? という実体験から鍼の歴史が始まったといわれています。 トゲのようなものから始まり、その後は石や骨で作られた鍼が用いられていました。 中国の古典医書である「黄帝内経」には、鍼灸療法に関する記述が含まれています。この文献は紀元前3世紀から紀元前2世紀にかけて成立したとされ、鍼灸の基本的な理論や方法について詳細に説明されています。 鍼灸療法は中国で発展し、その後日本や朝鮮半島など他のアジア諸国にも伝わりました。特に日本では鍼灸が発展し、独自の技術や理論が加わって日本独自の鍼灸療法が形成されました。 17世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパにおいても鍼灸療法が紹介されるようになりました。一部の医師や学者が鍼灸を学び、西洋医学と組み合わせた治療法が試みられました。 19世紀から20世紀にかけて、鍼灸療法は西洋医学の影響を受けつつも、伝統的な東洋医学の一環として発展していきました。中国や日本を中心に、鍼灸学校や専門の研究機関が設立され、鍼灸師の養成が行われました。 現代の鍼療法: 現代においても、鍼は世界中で広く使用されています。一部の国では代替医療として認識され、健康や痛みの管理に利用されています。また、科学的な研究も行われ、鍼が神経系や生理学的なプロセスに影響を及ぼすメカニズムが解明されつつあります。 ついでにお灸についても紹介します。 灸は、古代から東洋医学において使用されてきた治療法の一つで、熱を利用して身体に刺激を与える方法です。 「黄帝内経」には、艾を燃やして特定のツボに熱を当てる方法が詳細に記述されており、灸の基本的な理論が含まれています。 漢代以降、灸療法は中国でさらに発展しました。当時の医書には、灸法の異なる種類や使用法、特定の病状に対する適用方法などが詳細に記載されています。 日本への伝来: 灸療法は中国から日本に伝わり、独自の灸法が発展していきました。日本の古典医書や歴史文献にも、灸療法に関する記述が見られます。 その後、中世から近代にかけても継続して行われました。特に江戸時代には、江戸時代の医学者や民間療法家によって灸法が研究され、伝承されました。 近代に入ると、西洋医学の影響も受けながら、灸療法は一部で忘れられたり衰退したりする時期もありましたが、近年において再評価され、伝統的な東洋医学の一環として広く認識されています。現代の医療慣行や代替医療においても、一部の人々によって灸が利用されています。 灸療法の効果やメカニズムについては、科学的な研究が進行中です。一部の研究は、灸が神経系や免疫系に影響を与える可能性があることを示唆していますが、まだ解明されていない側面もあります。 このように、鍼と灸は大昔から存在し、人々の健康維持、病気の治療に用いられてきました。
詳しく知りたい場合はご相談ください。

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不妊専門鍼灸アロママッサージ 銀のすず


妊産婦ケアのパイオニアとして13年間で約8万人の女性のケアを行うと同時に、妊娠を望む多くの女性の治療を行ってきた実績があります。
不妊ケアは約50000人にのぼり、妊娠に至った方は3ヶ月、月3回の来院で、約70%となっています。
院長は不妊カウンセラー学会に所属し、病院での勤務経験があり、西洋医学、東洋医学、薬膳、栄養学などに精通し身体と心と生活習慣の状態を説明する。
「自分の卵巣と子宮で卵子と子供が健やかに成長するためには母体の身体作りが基本。身体の状態の良し悪しは生活習慣がもっとも影響する。」と考え、その上で今後の鍼灸治療の方法やタイミング、生活習慣の改善などセルフケアのアドバイスを行います。
また銀のすずでは、来院するタイミングや身体の状態によって方法が変わり、鍼灸だけでなく、指圧やオイルマッサージを加えて行います。
また全室個室となっております。
体外受精、採卵、採精、卵子、卵管、不妊

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